ナンテン 南天
画像 ナンテン(南天) 果景 2013-01-14 | 樹木 花と葉と果実
ナンテン 真っ赤な紅葉(1月末) 2012-02-01 | 樹木 花と葉と果実
ナンテン 難転成天の年でありますように 2012-01-02 | 樹木 花と葉と果実・・・3回羽状複葉画像
ナンテン (南天 メギ科 ナンテン属 常緑低木 花期5,6月)
幹は太くならず、叢生(そうせい)し高さ2mほどになる。葉は3回奇数羽状複葉で幹上部に集まり、小葉は披針形で表面に光沢があり秋に紅葉する。幹頂部に大型花序を形成し小花を密につける。蕾は白色又は紅色帯び、花被6片は白色。果実は初冬に赤く熟し長く残る。園芸品種に白実(黄実)南天がある。白実(黄実)ナンテンの葉は画像を見る限り紅葉していない。
ナンテンは難転、成天(なるてん)に通じ縁起樹として各家に大抵見られた。葉、果実、種子に微量の毒成分アルカロイドを含み殺菌作用がある。
一般に真赤な実は小鳥に対し「一度に沢山食べちゃ駄目よ」と、警告しているのだそうで長期間枝に残っている。ナンテンの実を舐めてみると不味い! 毒の有無以前の問題としてこう不味いと小鳥が敬遠するのはよく分かる。小鳥にとって飢饉時の非常食だろう。
真っ赤に熟れるガマズミは猛烈に酸っぱい。一度果実酒にしてみたが幾ら砂糖を入れても酸っぱくて閉口した。小鳥にも酸っぱ過ぎて敬遠されるようで長く枝に残っている。
60年前、私の生家に大人の背丈程の成天(なるてん)が3株生えていた。今日、樹高3m程に伸びている。明治25年生まれの父が子供の頃に既に生えていたというので、樹齢は少なくとも120年以上になる。石川県妙法輪寺に樹齢推定3,4百年、樹高7m、幹直径7~12cmの南天がある。
実(南天実 なんてんじつ)、葉、根共にアルカロイドを含み、咳止めや解毒、毒消しに使用された。慶事には一重(ひとじゅう)に赤飯やお餅を詰め成天(なるてん)の葉を添えて届けていた。防腐薬効と縁起物の二重の意味があった由。
属名Nandina 元禄時代に出島に来日した独人医師ケンペルが南天を nandin と記録したことに由来。nantin南天(ナンテン)ではなかったろうかと素人推理したくなる。