里山コスモスブログ

通学路の木の実 ナツグミ&アキグミ

ナツグミ(夏茱萸)& アキグミ(秋茱萸

 画像 グミ(茱萸) ナツグミ トウグミ ナワシログミ アキグミ 2013-04-12  | 樹木 花と葉と果実

ナツグミ (グミ科 グミ属 落葉低木 花期春 果期初夏) ナツグミの葉裏は白色の鱗状紋(りんじょうもん)が全面に密生する中に褐色の鱗状紋が混じり鈍い銀白色に見える。枝は短枝がしばしば棘(とげ/ぐい)状になり、「棘(ぐい)の実」と呼ばれグイの実からグミ(茱萸)に転訛したと言われる。果実に渋みがあり「えぐい実」に由来するという説もある。筒状花を下向きに咲かせるが花弁ではなく萼筒である。果実は萼筒基部が肥大化し果肉状になった偽果に分類される。真の果実は中心部にある楕円状の核で、この中に種子を含む。 ナツグミは果樹として庭等で栽培され、前年枝(前年に伸ばした新梢)についた冬芽(混合花芽)から新梢が伸び葉と花をつける。果実は楕円形で長い果柄の先につき枝からぶら下がり、初夏に赤く熟す。ナツグミの実(偽果)は甘酸っぱくやや渋味があるが美味である。核には8条の溝がついている。
 生家の裏の畑の縁にナツグミの老木が二本株立ちして枝を茂らせていた。梅雨時期になると緑、黄色から赤色に熟れた。一個づつ口に入れ種子(核)を噛み砕かないように果肉だけを扱(しご)きを食った後に、口中に残った細長の核(種子)を口を窄めて勢いよく吹き飛ばす。4,5メートルは飛ぶ。童子達はこれを競い合った。

 ナツグミの変種にやや大きな実をつけるトウグミがある。葉表をカメラで接写して拡大して画像を観察すると、ナツグミには鱗状毛、トウグミには針が放射状に広がるような星状毛が見られる。葉裏は双方共に鱗状紋が見られる。

 

アキグミ (グミ科 グミ属 落葉低木 花期春 果期秋) アキグミは道路法面(のりめん)や公園等に植栽されているのを見かける。5月頃に筒状花を咲かせる。果実は小さな球形で果柄が短く団子状に生り秋に赤く熟れる。アキグミの実は小さいので一個づつ食ったのでは間に合わない。そこで掌に採り溜めてから一度に頬張る。耳の下が痛くなる。果肉の中の核(果皮が種子を包む)は柔らかいので丸ごと噛んで噛み砕いた核を草叢(くさむら)にぺぺぺぺっと吐き出す。これが通の食べ方である。核の中の種子は栄養価が高いのでアリ等の食糧になる。
秋茱萸(あきぐみ)の 押し競饅頭(おしくらまんじゅ) の 赤い顔  茜の空に 巣へ急ぐからす 童子

ナワシログミ (グミ科 グミ属 常緑低木 花期秋 果期翌年春) 
 
ナツグミ、アキグミは落葉樹であるがナワシログミは常緑樹である。枝の葉腋に棘があり、小枝の枝先が棘状に尖る。葉表は光沢のある緑色、葉裏は白色の鱗状紋が密生、褐色の鱗状紋も多数混じり鈍い銀褐色を呈す。秋に花が咲き、和名は翌年春の苗代の時期に果実が橙赤色に熟すことに由来。果実は長楕円形で先端に花の残骸(萼筒)が果期まで残る。幼童の頃、湧水荒地に生えていて刺々しい枝を茂らせていた。ナツグミの実より細くて果肉が少なく渋味が強かった。その上、実の先端に枯れた萼筒が粘っこく引っ付いている。片手は棘枝を押えにとられ、片手で採り頬張ろうとするとその残骸が唇に粘り付いて閉口した。
 山中で葉裏が鈍い銀色あるいは銀褐色のグミの低木をよく見かける。葉による見分けは難しいが、もし花、実がついていればその時期、形で見分けられる。ナツの茱萸、アキの丸い茱萸、常緑葉で早春に熟れるナワシロ茱萸。


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