歌猫Blog跡地

漫画「鋼の錬金術師」と荒川弘について語るブログ。更新終了しました。

劇的三時間SHOW、面白かったー!!

2009年10月07日 | ◆小ネタとか突っ込みとかつぶやきとか
スクエニ田口氏の公演に行ってきました!
いやー、おもしろかった!すごく興味深かった~v

公演ってゆーよか、講習会?プロデューサーやそっちを目指す人に、成功した先達が教える、って感じでした。
そういや劇的三時間SHOWやってるコ・フェスタって、音頭とりが経済産業省。
タダでこんないい話が聞けるなんてなんていいことだ!ありがとう経産省!!


でも、そーいや田口氏、最初にドラクエとFFのプロモ見せて、
アニメコンテンツはTVアニメ(セルアニメ)だけじゃない、TVゲームや実写映像の一部もアニメだ
とか
ハードの進化によるコンテンツの成長
とかゲーム会社のヒトらしい導入してたけど、その後結局、アニメといえばTVアニメって感じで話が進みましたね(笑)

で、ゲストはやっぱりつか当然につか、MBS竹田Pあーんどボンズ南しゃちょー!
の、はずだったんですが、南社長はトラブルで出先から東京に戻ってこれなかったとかで、ご登壇相成りませんでした。残念!
でも、ナマ竹Pの、うわさの竹田節を堪能したよ(笑)


とりあえず、田口氏のお話はアニメ!アニメ!で語ってた内容に肉付けした感じで、プラス質疑応答でした。

鋼関連だけレポると。

田口氏:提供料(テレビの時間帯の枠買ってCM流すお金)は、鋼はスクエニ出資分だけで年5億円。
単行本の利益は鋼で1冊150円(なんて高い利益率!)
5億出資で330万部売れて収支とんとん。そこから先が利益。
03年版ではアニメ化前1巻あたり15万部が150万部に伸びた。135万部の売り伸び×既刊巻数=1080万部
09年版ではアニメ化前@190万部、20万部売れ伸びた。×23巻分。
今収支合ってこれから伸ばすところ。

鋼の映画を作って一番嬉しかったのは、舞台挨拶に海外もまわって、お客さんの反応をナマで見れたのがすごく快感だった。
けれど海外ではコミックは売れない(部数が限られる=単価が高い、子供の小遣い少ない、本屋は親と一緒に行くショッピングモール)
だから配信をやろうと(PSPのあれね。)

出資の話。
鋼ゲーム。スクエニだけだとお金足りないから、バンダイに小さい方のゲームやっていいからお金ちょうだいと。
(こっから竹Pの話)
バンダイは売上を見込んでその1割は宣伝に使ってもいいなと、そういう計算をしている。
MBSアニメは4クール毎にテーマソング変わるのも、ソニーミュージックのスポンサー条件がそれだったから。
でもお陰で8アーティストいるから大阪や代々木で1万人イベントができた。



・シナリオ会議が面白い作品は面白い
竹P
「少しでもおもしろうしようと何十人が頭ひねって、ちょっとしたこと思いつく。ボクが気づくのもちょっとしたことやねん。そのちょっとしたことの積み重ねがアニメを面白くしてるんだと思う」
「間違った日本語使うの許されへん」
「荒川さんはあれ初連載でしょ?天才ちゃう?キャラがしっかりしとる。
ガンダムなんか誰が誰やわからんちゃう?(笑) まあそれがいいゆうもんもおるんやけどね」
あと、子供だましは子供には通用せん、とか、いつもの。

田口氏:アメリカから鋼を買い付けにきた人が「ロイはいいもんか悪もんか?」と聞いてきた。
アニメは単純なキッズ向けと思われている、とか、表現規制の文脈での話しだったけど、ひそかに笑った。いや、あの丸顔のロイロイがどーしてワルモン側に見えるんすかアメリカの人!

竹田氏、スクエニの編集者を語る。
(原作側の代表としての編集者としてなにが大切か、みたいな質問に対して)
「黒執事のくま、若くてもすごい優秀。できるなってちょっとしゃべったらわかるやん。」信用できる人とは仕事がしたいし、もっとこうしたら、とか進められる、みたいな・・・すみませんここちゃんとメモってません。
「下村はなーまじめやからなー。
原作に忠実にゆうても、スルっと流れてしまうような大事な台詞の書き方、変えてもいいとボクは思う。それが、でも先生はこう書いてるからとか。ぷつんときてな。そういうこと会議で言うたらアカンて、皆のテンション下がるから、て怒ったことある。」
わははー!私、ここすげー面白かった!
うんうん。下村さん真面目だよねぇ。
けど私みたいないちファンが言っても全く説得力ないけど、そりゃあこの5年「なんであんなアニメ許したんですかっ!」みたいな手紙もらい続けてきただろーし、ボンズは放っとくとどのアニメもああなるし(笑)、俺が原作守らなきゃ!みたいな気持ちがすごい強かったんだろうな~。

そんで、C様もここ、超喜んでた。
初めて原作準拠って言葉が出た!もうこれ聞いて東京まで来た甲斐があったと思ったよ!」
そう。
皆様当然のよーに、原作準拠とゆってますが、実は公式では一度もそう言ってないのです。
てか私は、たぶん言ってない、なんですが、C様がそういい、Lほ様もそう言うなら、それは99%確かなのです。
少なくとも3月ごろのWikiの記事は嘘だぜ?ガンガン買ってないくせに偉そうなこと書いてんじゃねーとか私も思った。


質問で、最近ヤッターマンなどリメイクアニメが多いが、旧作ファンも新作ファンも喜ぶようなアニメ作りはどのようなものか、みたいな質問があって、その流れで09年版ハガレンについて
竹P「手紙きとるよ。「私たちの気持ちを踏みにじるようなことしやがって」とか、声優変わったとか顔が丸いとか(ここで会場がちょっと笑いにさざめく)
でも、(前のアニメファンを満足させる新作なんて)そんなん100パーセント、無理!」<言い切った!!!
会場も沸いてました(笑)
竹P「現場の連中のやる気を削がないようにするのが大事」
田口氏「難しいのはわかっていたから、最初はおそるおそる話を持っていった。
新作を作っていくんだと腹をくくった。腹をくくるのが大事。反発もわかっていた。
好き嫌いはあるだろうしそれは当然だがどちらが正しいとか間違っているとかは無い。まず食ってみて、食わず嫌いは止めて」
アニメ一般のリメイクについての質問だったのに、新作ハガネに対する回答でした。でも質問者さんの聞きたいことはきっと、正にそれだったよね!(笑) 


アニメ企画が持ち込まれるのはとかゴールデンタイムにアニメ少ないとかそういう話で
鋼の最初のは(スクエニじゃなくて)ソニーから来た。(これ初耳!ボンズが持っていったときMBS側でもやろうかという話になっていて、みたいのは南さんが話してたことあったけど)
MBSで原作つきやってるの鋼だけ。
アニメは準備に最低一年かかる。当たらなかったから差し替えようとかそういうことができない。機動性が少ないからテレビにかけるには不利なソフト。

あと鋼はやっぱり63話みたいです。でも今は言えないとかで、来月になったら言えるそう。C様いわく、「南社長が来ていたら、三人で顔を見合わせて、言っちゃうか、ってなってたかもねー」
お三方、本当に仲がいいのv
南社長が来れないという話の中でも竹Pは「南ちゃんは一切手をぬかないから120%信用できる、(スタッフの)力を100%引き出せる人」とかベタ褒めしてました。
でもこないだ喧嘩したけどな、とか言ってて。うん、喧嘩するほど仲がいいってやつですねーv


田口氏のとこに戻りますが、作品をどうやって当てるか、という話題で
 1.魚のいる場所を探す
 2.ルアーを選ぶ
 3.ルアーを動かす
って表現してました。
魚=顧客。ルアーは作品とかスタッフですね。
なるほど正しいなって思いました。クリエーターとプロデューサーは役割が違う、ということを、しっかり分かっている。
自分はクリエーターにはなれない、とか、クリエーター(スタッフ)はプロデューサーを選べないからスタッフにいい環境を作らなければならない、とか、作品を送り出すのは自分たちだが、作品を作るのは監督だから作品は監督のものだとかも言ってました。

マンガがアニメの絶大な宣伝力を利用するのと裏腹に、アニメはマンガから本当は脱却したいんだろうな。
アニメオリジナルのエウレカは評価高いし、今はダーカーザンブラックを推す。
竹Pが「うちが原作付きやってるの、鋼だけなんですよ」と言った口調が、質問者を突っぱねてて(ソフトに、ですけどね)、ニヤッとしました。

ほかにもエウレカの実績とか、黒執事の萌えはわからんとか、花丸ようちえんはガイナックスがこんな血の出ないほのぼのアニメ作るの初めてだとか、本当はサザエさんとか毎日かあさんみたいのやりたいけどビジネスとして成立しない、花丸も子供に見てもらえるアニメにしたいけれど今は萌えジャンルに入れないと成り立たないとか、もういろいろ、盛りだくさんの内容でした!
プロデューサー業とはなんぞ、とか、デジタルコンテンツ作ってる人の質問者さんの自分語りが長かったのとか、ユニクロのキャラT作ってる人が海外での日本アニメのライツ(マーチャンダイジング権利)が複雑でやりにくいとか、業界っぽい話もいろいろ。
ほんっと、興味深い内容でした。
様々な質問が出たけど、随所で「鋼では」と鋼話題にもっていってくれて、鋼ファンとしてはすごく嬉しかった!あれたぶん、サービス精神だよねーv


一緒に行けた鋼友おふたり、どうもありがとう!!
友人語録
私「ねえねえ、あそこの二人も鋼のチラシ見てるよ鋼ファンだよね」
C様「このチラシなんか2月に本屋で大量に配られてたじゃん、ファンならもう知ってるから見ないよ。あれは黒執事ファンで、黒執事ないかなーって(笑)」
いやでもやっぱ、あれは鋼ファンですよC様!けどアニメしか見てないファン!だから本屋チラシも知らない。で、へー原作ってこんな絵なのーエド硬そうだなーとかそうゆう(笑)

友人語録2
T様「客席座ってるときから怪しいヒトだったよね竹P。舞台に上がったら田口さんが普通のいいヒトに見えてきたもんね」
じゃあそれまでは田口さんも怪しいヒトだったと?うん、確かに怪しいヒトだった(笑)。
しかし竹Pの怪しさは田口氏の100倍!ギョーカイ人オーラでした。

「プロデューサーとは
1、創りたいものを創る
2、だけど儲ける
なんだそーです。
私の聞きたい金勘定の話(笑)がいっぱい聞けて、満足でした!あー満足~vv


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5 コメント

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うおー! (ひろ)
2009-10-07 08:23:43
こんにちは。
早速のレポ、ありがとうございます。

もう、大満足のイベントでした!

私は一番前の席で、しかも田口さんのド真正面ですごく緊張しました。
…目が合うんです(笑)ライブ会場で「キャー!○○クンがこっち見た!」なんてレベルじゃなく、近すぎて困っちゃいました。
観客の反応を見ながら質疑応答コーナーも挙手したかったのですが、かなわず。

質疑応答された中に歌猫さんもいらっしゃったのかな?と思いながら帰路につきました。

「原作準拠」この言葉が出たときは、私も「あ!」って思いました。「やっぱり」なんて変だけど、とうとうこういう立場の方の口から出たなって感じでした。

田口さんは数字のことも考えててリアリストなんだけど、あったかい人柄が好感持てました。
お話はとても分かりやすく、竹Pのきつい言葉にもやんわりとフォローされたり、人の心の機微を大切にしようとしてるんですよね。
鋼に携わる人の、そんな気持ちが作品に表れてると思います。

竹Pはクレバーな方だなと思いました。
でも、送り手として良いものを見てもらいたい、そのための努力は惜しまない方で、熱いモノを感じました。
そう、業界人オーラ出まくりでビビりました(笑)

私も聞きたいことが沢山聞けて嬉しかったです。
終了後は場の空気に中てられて、暫くボーっとしちゃいました。

またやって欲しいです!!
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こんにちは (ころ)
2009-10-07 13:22:46
レポありがとうございます。

面白かったです。なんか竹Pの話を生で聞いてみたくなりました(笑)
FAが原作ベースだとか、下村氏のエピソードとか、聞けてよかったです。下村さん、真面目なんですね…ますます好感度アップ(笑)

FAが全63話だという情報はネット上で既に入手していましたが、こうして公演での発言があると、「やっぱり本当なんだ」という現実味が湧いて嬉しいです。いやー5クール本当に嬉しい!

全員を満足させるリメイクは100%無理!ですよねぇ…。
私はFA大好きなので、食わず嫌いしている人にも一度見てほしいです。見てみてやっぱり合わなくても、それはそれでよし。
ここ最近のFAは本当にいい出来だと思います。26話のラストシーンなんて鳥肌が…。
このまま最後まで頑張ってもらいたいものです。
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感謝です (sengen412)
2009-10-07 20:55:10
 詳細なレポ、ありがとございます!
 作り手の冷静な戦略部分と、熱い思いが両方感じられてとってもおもしろいですね。いや、熱い思いがあるこその戦略でしょうか。竹田Pのとんがった毒、というか、トゲの部分も、そういった挑戦する気概がないと表現者ではいられないということかもしれないですね。
 もちろん、とんがった人ばっかりでは成り立たないので、そこはフォローしながら全体をまとめる穏健派も必要ということで。
 
>荒川先生は天才!
 
その通りですとも! 
そして、下村さんが真面目な方、というのもなるほど、です。
荒川先生も真面目な方ですものね。
何よりも63話ということがはっきりしたのは嬉しいです。安心して見ていられますね。じっくりしっかり描いていってほしいと願います。(もうそんなに心配しておりませんけども)
 で、またまた事後承諾で心苦しいのですが、私がしょっちゅう書き込んでいる掲示板の方に紹介させていただきました。いつも貴重な情報や考察、本当にありがとうございます。
返信する
Unknown (Unknown)
2009-10-10 07:51:30
こんにちは

biz誠で田口浩司プロデューサーの講演部分だけ、一部のようですが掲載されていましたね
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0910/09/news003.html
黒執事と比べて当たらなかった方とかお家騒動とか、言いにくそうな所にも触れておられたのが驚きました
返信する
コメントありがとうございます。 (歌猫)
2009-10-11 09:49:34
ひろ様こんにちは!
ほんっと、大満足のイベントでしたよね~!
私は真ん中あたりでした。最前列!それは…緊張しますね~。舞台近いし。ライブトークって、話し手は観客の反応見ながら調整するっていうじゃないですか。鋼話題が大目だったのも私含む観客の反応が良かったからかしら?なんて(笑)
質疑応答は、あー田口氏に実写化の予定とか聞いてみたかったかもーなんて、帰ってから思いました。雑誌「創」で次は実写とか話していたし、ゲームのように実写とアニメの融合がもっとすすめば上海妖魔奇怪とか、実写化できるかも?!(いやいや、実写用ラインナップはGファンタジーだから)
原作準拠、私は「原作に忠実にといっても」とメモってるんですが、これが竹田氏の口から言われると、おおーって気持ちになりますよね!
田口氏は穏やかっぽくしゃべってましたが、中身はもっととんがった人なんじゃないかしら。ただ組織の上の人として目配りは利いてると思います。
竹Pへのフォローも、彼らの仲良さげな感じからして役割分担的な部分もあるのかな?若手の純粋キラキラ視線に「いやいや竹Pは特殊だから」とフォロー入れてるのが可笑しかった(笑)
竹Pは良くも悪くもすごい人(笑)一緒に仕事するのはキツそーですね~(笑)
お二方ともすごい実力者だと思いますが、例えばエウレカ出版読み違えとか、某ボンズ×MBSアニメの打ち切りとか、失敗もいろいろしている。成功の法則は無い。だけど今までの実績から予想はできる、わからないものは試してノウハウをためる、不得手な部分は得意な人にまかせたり、他社と協力する、などなど、ビジネスの基本をしっかり分かっているし、それを実行できているのがやっぱりすごいなと思いました。何だって、わかるのは簡単だけど実行して結果を出すのは大変だ!
二人ともプロデューサーだったけど、ここにクリエーターでもありプロデューサーでもある南氏が混ざったら、またもっと面白いお話が聞けたでしょうね。
うん、またやってほしいー!とってもよかった!!

ころ様こんにちは!
私も全63話はそのニュースの出た日曜時点で友人が教えてくれてエー!となったんですが、ホントっぽくて良かったなあ、って思います。来月のアニメ誌かな?11月インタビューの12月掲載かな?今度はこの事実が誰を通して公式発表されるか、そのプロデューサー間の役割なんかも興味津々だたり(嫌なファンだ!(笑))
FAは面白いですよねーv 食わず嫌いは見てほしいけど、でもホントに嫌なら見なくてもいいよって私は思う…だって嫌フィルタかかって見るといいところ見れなくて、それが自分でわかるから余計に苦しいもの…。
一人でも多くの人が、楽しくハッピーにアニメやマンガで楽しめますように!
そして63話という長丁場になっても、ボンズがダレたり息切れせず、このテンションを保ってほしい・・・ものすっごい大変なことと思うけど、頼むっ!!

sengen412様こんにちは!
>熱い思いがあるこその戦略
うんうん。視野は立場が作る、という部分、ありますよね。プロデューサーという立場だから金勘定をがっつりなさるけれど、それはその役割を求められているからで(そして楽しんでいる)、もし同じ人格が例えばクリエーターだったら、同じことを違う形で表現なさるんだろうなあと思います。
その点で、南しゃちょーのお話がお聞きできなかったのが、残念だったわ~。
掲示板へのご紹介、ありがとうございますーvvvv 宣伝はいつも嬉しい♪だってやっぱり、お客様たくさんいらっしゃるの嬉しいんだもん、えへへへ♪
コメントありがとうございました!

無名様こんにちは!
ニュースサイトのご紹介、ありがとうございます。早速記事にさせていただきました。
また、こちらの都合でコメント位置をこちらへ移させていただきました。申し訳ありません。
今後ともどうぞよろしくお願い致しますv
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