歌猫Blog跡地

漫画「鋼の錬金術師」と荒川弘について語るブログ。更新終了しました。

ガンガン編集部への片道書簡と思えてならない。ブログ「ラノ漫」ご紹介。

2007年10月31日 | ◆獣神演武
今日ご紹介するのはこちらのブログ!
「ラノ漫―ライトノベルのマンガを本気で作る編集者の雑記―」

電撃系雑誌で、「灼眼のシャナ」「とある魔術の禁書目録」などの漫画版を担当している、フリー編集者さんのブログです。

ブログは9月15日から始まります。
(携帯読者さんはgooモバイルはリンクしてくれないので(涙)、はてなダイアリーから検索してみてください)
ほら。記事タイトルを見るだけで、ムラムラと読みたくなるでしょう?

9/17 原作物は編集者の都合で歪む
9/18 マンガ編集者はいい作家をオリジナルに使いたい
9/19 原作物はとりまわしのいい道具である
『オリジナル作品で連載を勝ち取る力がない作家でも、原作というゲタをはかせれば使うことができます。』


そして、私はこの記事で、このブログをブクマしました。

9/22 原作ファンが支持するラノベマンガの作り方
『「これをやったらダメ」という経験則を4つほど発見しているので、これを紹介します。

(1)メディアミックスの都合で尺を決める

三等兵さんの「短・中・長編マンガの終わり方」(歌猫注:リンク内に鋼の錬金術師についての記載有り)というエントリに、小説本1冊はマンガの長編(3~6冊)に相当するという話があります。
 〔中略〕
アニメは1クールの作品でもライトノベル数巻分の内容を消化します。マンガになおすと10巻くらいになる分量です。これをアニメ放送の前後の掲載期間でまとめろとか、全3巻にしろとか言われてもどだい無理な話で、強引にやろうとすると省略だらけの原作ダイジェストに堕してしまいます。

(2)リスペクトのない改編をする 』


9/26 マンガ雑誌の落日(2)ほしいものしかほしくない時代
『かつて「こんなに安くて、こんなにいっぱいマンガが読めてお得」だったマンガ雑誌は、「読みたいものは少ししかないのに、お金を出して買いに行かなければならないし、その上かさばる」というふうに見られるものになってしまいました。現在の、群雄ひしめく過酷な娯楽業界において、余分な「ほしくないもの」まで載っているマンガ雑誌は、その余分ゆえに淘汰されようとしているのかもしれません。』
9/27 雑誌の空気を気にしすぎると、マンガそのものが空気化しちゃうんじゃないか仮説
『(新しく担当する)作家さんたちはまず一様に「雑誌の空気」に対する不安を口にします。』
『この質問に対して私は最近は次のように答えるようにしています。
 「よつばと!」は電撃大王らしいか? 「エマ」はビームらしいか? 「DEATH NOTE」はジャンプらしい作品だったか? 「ああっ女神さまっ」は? 「クレヨンしんちゃん」は? 「ドージンワーク」は? 空気なんてものは他の誰かがかってに読んで作ってくれるものであって、我々が気にすることではない。空気を読むのにかけられる時間があるなら、より良いネームを作るのに回しなさい。
 個人的な意見ですが、マンガは雑誌の空気を気にしすぎると、それそのものが空気のような薄いものになってしまい、意味がないのではないかと思っています。』
9/30 マンガ雑誌はマニアの読み物である
10/1 世界は美しくなんかないので、原作物の編集者はいつもたいへんというお話
『作家のことで悩めるのならまだ幸せ、というケースすらあります。新作のアニメやゲームのメディアミックスの一環としてマンガを作ることになった場合、最初は往々にして企画書や設定資料くらいしか事前情報がありません。だいぶ後になってから、自分がとんでもない地雷原に足を踏み入れていたことが判明するという、笑えない事例が意外とあるのです。』
10/10 100万冊のマンガを、凡人が売るということ
10/21 ライトノベルに望まれているのは「上手い絵師」ではなく「すごい絵師」である
10/26 「やりたいこと」と「売れること」は対立しない。どちらかではなくどちらもやることにこそ頭を使ってほしい


私はこのブログが、ガンガン編集部への片道書簡と思えてなりません。
もちろんご本人にそんなつもりは無いだろうけど。
けれど、「シャナ」をやってる編集者が、荒川弘を知らないはずがない。そしてその荒川弘がやる原作付きを、この人が目を通さないはずがない。
そして「本気で作る」編集者に、「獣神演武」は、どう映ったのだろう。

私の言いたいことは、こちらのブログを読めば全て分かると思うので、今日の記事はこれで終わり。

歌猫短期集中獣神記事はあと2回。次回は「『獣神演武』という企画が不成功に終わる理由」です。


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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ふう~ん・・・ (大沢大和)
2007-10-31 12:24:49
人間には能力というものがあります・・・。
絵のうまい人でも話の内容が無い方とか、文章がうまいけど、絵は下手(本人判断)な人というタイプにはピッタリなんですよね・・・。原作付漫画は・・・・。
個人的には言えば、メディアミックスも仕方の無い話で、そうでもしない限りは売れないのも事実。漫画自体が、今は、絵も内容も低下し続けているのに・・・。メディアミックスありきでやっている会社もあるぐらいなんですから・・・。だいたい、短い期間(3ヶ月又は半年)で終わるアニメに内容がある作品なんて作れないし、知名度のある声優や人気のある声優で誤魔化す事が精一杯。本当に読者や視聴者が面白いと思えば、長く出来るしと思う・・・。その点、ジャンプ系は「上手い」。ジャンプ系はある程度の巻数が出てないと「アニメ」しないのは、いいと思う・・・。
荒川作品は、あまり、書いてない時点(月刊誌、というハンデもあるが・・・)での「アニメ」には、残念で仕方ない・・・。ちゃんとし形での「アニメ」を見たかった・・・。荒川先生の作品はいいものあるのに・・・。




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コメントありがとうございます (歌猫)
2007-11-01 06:32:20
大沢大和様こんにちは!初めましてですよね?カキコありがとうございます!
上手い人が原作付きをやったって、それが表現力を更に広げるきっかけになるとかコラボ的な楽しさがあるとか、そういう、作家のためになる、試みだったらいいと思うんですよね。
売るための戦略としてのメディアミックスはいいと思いますし、漫画が面白くなくなっているとは思いません。昔の漫画の方が良いと言う人も多いですが、それは個人の視点だと思います。それを読んだ時期がその人にとって最も漫画を必要としていた年代だったというだけのこと。今も昔も面白いものは面白いです。
アニメも三ヶ月だから面白いものが作れないなんてことは無い。だったら二時間の映画はもっとツマラナイはずでしょう?描く事柄に合う尺があって、また尺にあわせて物語を作るのが技だと思うんです。
巻数を積んでからアニメ化、の話は次の記事で触れます。
そもそもマンガとアニメを「同時展開する」という、松崎武吏編集長の考え方は間違っている、だって無理じゃん?というのが、この記事で言いたいことの一つです。
そしてこれは主張したい!
「獣神演武」は、荒川作品では無いです!!
コメントにだって闘い挑んじゃいますよ(笑)
あれは、荒川作品ではありません。鋼や上海やSTRAYDOGや蒼天やRAIDENとは、同列のものではありませんから。
なんて言っちゃってますが、コメントありがとうございました!これからもどうぞ宜しくお願いいたします~v
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今も、好きな作品はあります (大沢大和)
2007-11-04 16:27:06
個人的には、今の作品にも好きなものはあります。
ただ、昔みたいに、週刊誌や月刊誌を買ってまで読みたいという作品が減っていることも確かです。
「獣神演武」が荒川弘の名で出ている以上はどんなに品質が悪くても荒川弘なんです・・・。そんな事言ったら、「ハガレン」の単行本の第1巻なんて、名前だけが荒川弘で中身はアシが全部やったのと思うぐらいの出来。本当にひどい。
とにかく、今後も何かとコメントしますので、よろしく。
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原作ファンが支持しているラノベマンガ (流浪の考察屋)
2007-11-04 20:35:57
お父様の正体を外した考察屋です。でも、そもそも「ホムンクルス」ってなんなんでしょうね?

良いサイトを教えてもらい、ありがとうございます。
とりあえず、ラノ漫のプロフィールの上から4つまでチェックしてます。どれも楽しめる作品です(超電磁砲は原作未読ですが、ガンガンで読んでますw)。
とりあえず駄目な例としては「護くんに女神の祝福を!」(佐藤 利幸:画)を上げておきます。
小説のイラストレーター本人がコミカライズしたのですが、「空気が描けていない」作品でした。

「原作物はとりまわしのいい道具である」を読んで思い出した事。
友人の(極マイナー)漫画家から聞いた話。
彼の友人の漫画家は、自分の単行本(完結編)の出版と引き換えに、あるラノベのコミカライズをやらされた。
それは、本人のカラー(シリアス系)とは、だいぶ異なる作品(ギャグ多し)だった。
本人も手を抜いたわけではないのだろうが、そもそも「原作とは空気の異なる」それは、結局原作ファンに黒歴史と呼ばれてしまった。
不本意な仕事は原作者も漫画家もファンも傷つける。
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コメントありがとうございます。 (歌猫)
2007-11-05 00:25:18
大沢大和様こんにちは。
この記事でご紹介した編集者さんのブログ記事のように、雑誌というメディアそのものが今の時代に合わなくなってきてるのもあるかもしれませんね。
>どんなに品質が悪くても荒川弘
その通り!それでも、あれが荒川100%のような物言いは許せないです。仕事を請け負った責任は荒川弘にある。けれどコミックス巻末に原案協力として荒川弘が載せた大原信弥と早坂哲也の名を、プロデューサーはなぜ無視するのか。
1巻はそりゃーデビュー間もないですもの。今と比べたら素人っぽいのは当然。でも最初からあのレベルをもち、そしてめきめき上達してるっていうのに惚れてしまう…!
はい!これからもコメント嬉しいです。こちらこそよろしくお願いいたします!

考察屋様こんにちは。
実はミクシやってない私はプロフが読めなかったりします…。作品も読んでません(汗
でも、編集者の「大人さ」に、おー!と思ったのです。仕事に対する姿勢や客観性や静かな熱さが、いいなーと。
扱っている作品が何であれ、普遍的なことを述べてると思う。そして真面目語り系にありがちな、冗長さとかシニカルさが無いのがイイ。
獣神のコミカライズは、空気は合っていると思うの。荒川弘が好きに描けば絶対面白くなったと思う。
なんで、鋼が終わるまで待てなかったんだろう。誰が、待たなかったんだろう。そこが今、一番の疑問です。
コメントありがとうございました!
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プロフィールとは (流浪の考察屋)
2007-11-05 11:21:04
mixiでは無く、こっちの事です。
http://d.hatena.ne.jp/m_tamasaka/about
いままで手がけてきた(手がけている)作品の紹介がされてます。
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コメントありがとうございます。 (歌猫)
2007-11-06 04:52:06
考察屋様こんにちは。
あっ…!わー恥ずかしい;
教えてくださって、ありがとうございました!!
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Unknown (朝宮)
2007-11-07 03:14:11
「鋼」の連載を待たなかったではなくて
おそらくあっち側の方は荒川先生を広告として利用するために「鋼」を忘れらない内にやっとこうって考えが近いような気がします。
あちら側「「鋼」がヒットしたからちょっと間を置いて「獣神」をアニメ化にすると「鋼」の視聴者や読者から注目されるに違いない!」・・・ってね。

結局はそういう意味では注目されずにこうして晒されている訳ですが。(笑)
こうしてみるとどんどん製作側が卑しいのかが浮き彫りになっていくので読者を甘くみないで欲しいですね。
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コメントありがとうございます。 (歌猫)
2007-11-08 04:36:03
朝宮様こんにちは。
製作側の都合だろうなとは思うのですが、それは森尻氏の下手な戦略か松崎編集長が今だポリモーフィックうんちゃらに拘っているのかジェンコの都合か大原氏の都合かフラッグの経営がヤバかったのか、誰が口を滑らせ誰が誰を乗せたのか、そのあたりを知りたいなあと。
ああ、もっと面白かったら、こんなことを考えずに済んだのに!(苦笑)
コメントありがとうございました!
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??? (大沢大和)
2007-11-14 13:46:27
僕が、単行本の第1巻の出来を悪く言っているのは、素人時代の作品(ほとんど、1枚の絵で漫画ではないが・・・・)を見ていた影響もあり、その時期と比べると余りにも酷いのであんな書き方としたんです・・・。そりゃ、今と比べたら、今の方が数倍上。それは、アシのレベルが上がった為。アシが酷いと作品も酷くなっていたのが、第1巻と言うわけです・・・。
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