さあ皆さん!
鋼の錬金術師 第21巻は読みましたわね?!
以下、雑誌連載時感想再録です!
物語もいよいよクライマックスへの上り坂、毎号毎号でっかいネタを投下してくださったこの4回分、感想書くのもすんげー楽しかったです~!
第84話「追跡者の影」
さあ! 21巻最初の話ですよっ!!
あのさ、コミックス派さんのブログで読んだんだけど、新刊出た!って読み初めたら、あれ?前巻の話って何だったっけ?って思い出せないこととかあるんですってね。ほら、話の密度が濃すぎて。
でも途中で止めらんないからとにかく最後まで読んで、そんで前の巻引っ張り出して読み始めるとまた、あれ?一巻飛ばしてる?って巻数確認しちゃったりするんですってね。
話の密度濃すぎて。
わ か り ま す !!
お手元の19巻から8月発売の20巻でも、その20巻から今月の21巻第一話でも、
「そんでこの一冊と!(と右手で最新巻)この一冊の!(と左手で前の巻)あいだに、何が、あったんだあぁぁー」
と、暁の空に向かって叫ぶこと請け合い。
いやもちろん、そんじょそこらのハンパに説明不足な漫画とは、真逆の意味でよ?
もう、このスピード!
荒川弘先生がインタビューで、終わりまでまだ間 があると明言してくれてなかったら※、きっと私は寂しさに号泣してこの分厚いガンガンの芯まで濡れそぼるほど…いやまあさすがにそれは大袈裟ですが、まあ、そんくらい涙流しておりましたでしょうよ。
はあ、インタビュー読んどいてよかったよっ!
〔※ 雑誌ユリイカ6月号荒川弘インタビューで『来年中か再来年の前半くらいで終わらせるという予定にはなっています』と仰っていて。終わりはもっと早いと思っていたので・・・〕
今月も34ページでした。
てことは、21巻も5話収録のペース。〔じゃなかったですね!よかった!〕
うん。
何も言わないです。このこと考えると心がきゅうきゅうしちゃうけど、何も言わない。
荒川弘先生が、万全の体調で、満足いく作品を、最後までがっつり描けますように!!
さて。
どこから叫ぶ?ねえねえ、どこから叫びます?
まず。
アルっ!!!!(泣)
や、ちょっとまさかあんたら兄弟ずっと会ってないの?
あの弟・命!の兄貴がアルと会わずに何ヶ月も平気なの?ってかエド!アルが危険な状況なのを、あんた知らないまんま?!
ふええええ(泣)アルは副主人公だから、絶対大丈夫ってわかってるけど、私にとってアルは14歳の男の子なんだよう!
今の危機より、ここ何ヶ月の不安のほうが、苦しいよう~っ!!!
ううう、豆兄がいなくても、ホーパパとかマイルズ兄貴とかがずっとアルのそばにいてくれたんだとは思うけど。
けど、アルの不安を、全くそのまま受け止めてやれるのは、やっぱりエドだけなんだよう・・・。
セリムっちが!
悪役なのにやっぱりカワイイんですけど・・・・・・!
グラの肩に乗ってるとことか・・・ああ!ホムンクルス側のヒロインは、セリムなんだー、とか唐突に理解。←いやそんな理解せんでええから。
悪のヒロイン、セリム。
誰よりも冷徹で狡猾、皆を騙しボスの信頼厚く、娘っこリザを脅し、おっさんブラッドレイを手玉に取り、かわいこぶってママに甘え、そんでクリーチャーグラトニーの肩に乗って暗く嗤う。
ひゃー!ヒロインやー!!
んでもって。
本命!
エド!!
そんでウィンリィ!!
な、んでそんなに、大人っぽくなってんの!
ウィンリィ、胸でかっ!
で、ちょっとまって貴女ノーブラじゃーございませんこと?その胸の下のふくらみは何ですか?なのにそんだけハリのあるおっぱい!(こらこら親父目線は止めなさい)
髪も長くなって。
ところでロゼのクローゼットとかなり品揃えが違うんですが。トーンの服が1枚も無い(笑) や、リゼンブールは田舎だかんね~。
それからそれから。
エド、ウィンリィの身長超えたね!よかったね!!
230ページ右下のコマは〔コミックスだと22ページ。ガンガンはいつも900ページ超えの極厚雑誌だからこれでも掲載順位は前の方。でも今はもっと前の方になったよv〕、これはもう、荒川弘御大が、エドはこんなに背が伸びたよ♪って示すために配したアングルだよね!(ポニテとポニテv)
よかったねえ~v
エドの機械鎧の調整は、描かれてないけど左足の方もやったよね。こんだけ身長伸びてるんだもんv
あとね!
私は感動した!!その勇気に感動した!!!
貴女こそ、我らが本命ヒロイン・ウィンリィを守る、ナイトだ!
そのキャラの名は。
デン!
だってだって、百獣の王、ライオンキメラのハインケルさんのケツに噛み付いたんだよデン。ウィンリィを守るために!
偉いよ!もう若くないのにさあ!ご主人に常に遣え、守るためには容赦無く戦いを挑む。偉いよ~!
まあ、魂何百個な化け物リンに摘み上げられちゃうのは、相手が相手だもん仕方ないよ。大丈夫、リンは女に手はあげないから。(注:デンはメスです)
エドとグリードが仲良しさんなのがイイ。エド、あんたトモダチやれるじゃん(笑)
あとさ。
エド、ウィンリィにピアス返さないのね。
うんもー♪この不器用さんはー。銀時計と同じに、誓いのアイテムになってるんだわね~v
「アップルパイでも焼いて待ってろ」なんて、やんもーどこの主人公よー♪(鋼の主人公ですってば)
それから。
1819様!今月号で、スカーの死亡フラグ解除ですわね!
私にはそう読めましたよっ!
もちろん「仲間の死」のフラグ包囲網(なんじゃそれ)の内側には居るわけですが、宿業としての死、からは逃れ得ましたよ、ついに!
よかったですねえ!よかったですねえ・・・!
ヨキがずーっとコマのはしっこでフラフラしてんのもイイ(笑)
リゼンブール組と少年少女は仲間の死フラグ包囲網の外にいますが、ヨキも絶対に最後まで死なないな!(笑)
さて。
ブラッドレイが東部に来てるってことは、ホークアイも随行しているんだろうな。〔違いました〕
アルを助けてやって・・・。危機から救うことは無理だとしても、心だけでも助けてあげてほしい。
今月号は、荒川先生の絵がノってましたね!
冒頭のひつじの毛刈りの描写はまんま北海道ですね、きっと♪
毛刈りのハサミが握りバサミなとこが、いいですね~。蝶番をつかわない原始的な握り鋏は、毛刈り鋏と、日本の糸切り鋏くらいしか残っていないのだそうですよ。(と、ちょこっと豆知識(笑))
駅のホームの端に排水口がついてるとことか、ほんっと荒川先生はこういう構築物の絵が細かいなあとか(笑)
あと、列車ん中のブリッグズ兵にチョンマゲがいるの気付いた?〔コミックスだと10ページです。〕こういう遊びが入る余裕が嬉しいわ~♪♪
さあ!この数ヶ月の間に、エドたちは何を準備したのか。
そしてその気配を察知していないはずが無いウロボロス組は、どうしていたのか。
いよいよ決戦に向けて、物語が動き出します!楽しみー!!
〔追記記事〕
重要なこと書き忘れてた!
237ページの最後のコマ。
グラマンの台詞「伊達にイシュバールを経験してはおらんよ」が被さるコマの兵士って、15巻イシュバール編154ページに出てきた「貴方の隊ですよ」「俺達にとっちゃ貴方は英雄なんだ」の、あの兵たちですよっ!
あああ、この鼻筋君はどっかで見たことあるモブだな、とは思ったんですが、そーだよイシュバールだよ・・・!
ケータイでブログサーフしてる時にココ指摘してる記事に出会って、ようやく思い出しました。あーブクマしときゃよかった~。名前も覚えてないブログだけど、教えてくださってありがとうございますーv
そう。彼らにとって、マスタングは「英雄」。
今回、マスタングは出ていない。
けれどブリッグズ兵には彼らを「仕上げた」アームストロング少将が常に存在しているように、東方司令部の兵の中には、常にマスタングが存在しているんだ。
だよ!だよ!ロイファンさんっ!!
グラマン-マスタングの東方司令部と、マイルズ-アームストロング姉の、ブリッグズ兵。
彼らはタッグを組んで、これから何をやろうとしているのか?
ということよりも。
私が気になるのは。
軍事演習は訓練であると同時に、戦略あるいは政略だ。
毎年のようにブリッグズという国境線近くで演習を行うのは、ドラクマに対する軍事アピールでもあったはず。
ドラクマを(一時的にせよ)叩いたから、今回は東方という、戦略的に意味の無い場所で演習を開く。
しかし、そこに大総統が来る。軍事最高責任者がいる、ということは、演習はすぐにも本番にできるということ。
エンヴィーの消息が消え、グリードが出奔し、戦力を欠いたウロボロス側が、この数ヶ月を指をくわえて無為に過ごしたとは思えない。
残されたホムンクルスの、スロウスを除く全員が東方に来る目的が、ただの監視のはずが無い。
屈強かつ不穏な兵どもに何かを命じるために、大総統はここに来たのだと思う。
その命令が何なのか。
そこが、すごく気になります・・・。〔って思わせといて、あの展開だぜ!ほんっと荒川弘こそが戦略家だよ!〕
もうひとつ。前回の感想で書き忘れたこと。
アルは、グラトニー襲われたとき「マルコーさんのように賢者の石破壊を破壊するか・・・?」って考えてるよね。
つまり、アルはマルコーの技を会得しているってこと!
エドとアルは、一度見た技をすぐ自分のものにできる。それは彼らが天才であるという以上に、彼らが発展途上の少年であるからだと思う。(マスタングの焔の錬成だって、やればできると思う。火力の調整とかは難しいかもしれないけど。や、4コマギャグだけでなくマジで)
アルはもう、賢者の石を破壊することさえできる。
彼の父は賢者の石を内包し、彼の兄は自身の命を賢者の石として使える。
そして彼はその石を破壊することができる。
これは、この大きな物語を見通したとき、何を意味するんだろう。
けれど、アルは意識があっち側に引っ張られ、戦うこともできず虜囚となった。
私は、荒川先生は敢えて、アルを戦わせなかったんだと思う。
例えば14巻でグラトニーが一旦、命を使い果たしたのは、アルの鎧にメイをかくまうため。
鼻のいいグラトニーがいたらすぐバレてしまうから、グラトニーを戦線離脱させた。
今回だって、ワンバトル描いてから捕獲させることだってできた。アルの実力から見ても、ページ数から見ても。
けれど、今ここでアルが全力を出してホムンクルスと・・・セリムと戦うのは、避けなければならなかった。
さあ。ではそれは、何のために?
そんなことを考えると、ぞわぞわドキドキです・・・!
あああ、もう次号が待ちきれないですー!
第85話「空の箱」
今月の鋼は、すげえよっっっ!!!
なにがすげえって、この扉絵見てよ!
この書き込み、この楽しんでる感、荒川弘先生、すんごいノってるっしょ?!
内容もねえ、もうねえ!
戦力拮抗の情報戦、その仕込み、月を跨がず決着付けちゃうの?いさぎよすぎだよ!そりゃ彼は無事だろうけどお前ら背水の陣あっさり引きやがったなこんちくしょう!とか。
彼の涙、その理由…ああ、そうとらえるんだあの台詞を!くそう荒川弘、完敗だ…!とか。
うわあああそう来るんだそうか魂の容器…そのために。ただ捕らえるのではなく利用する、敵は冷徹だ、これだけの布陣でも、最後に主人公は絶対勝つと、わかっていても、安心できないこの怖さ!安心させないこの怖さ!!!
一瞬とて目を逸らせない、この展開。
すげえ、荒川弘はやっぱりすげえっ!!
どんなに期待しても大丈夫。だって必ず期待以上だもの。
こんなに安心できる作品って無いよ。
こんなに幸せな作品って無いよ!
ちっくしょう、荒川先生、大好きだあああ!!!
〔と、ネタバレ避けて叫んでから〕
今月号は44ページでしたー!!!どんどんぱふぱふ!
えっと、鋼が減ページ始めた昨年10月以降、鋼・獣・鋼の連続作画ワンサイクルで、後ろの鋼が獣神よりページ多いのって、初めてです。
(減ページ前のもちゃんと数えた上で発言しなきゃならないんだとは思うんだけど、数えてない。ごめん;)
今までも作画に疲れが見えてしまうのが、この後ろの鋼だったので、すごく気にしていたんです。例えば先々月号、20巻の幕切れの話。構成的には最高の出来だったけれど、絵は、例えば肝心なメモにトーン被っちゃってんのとか、時間の無さを感じてしまって・・・。〔単行本収録時には修正されていました〕
今月も、初っ端からベタ塗り忘れ(彼女の髪の内側、そこ、髪じゃなくて服だと思う・・・)を見つけてしまい〔こちらも修正済みです〕、ぐっと辛さを堪えてページをめくり始めたんですが、いや!杞憂でした!!
この見開き扉絵の素晴らしさ!
座ってる構図が一番難しいのだとヨウ様〔元アニメーターのブロガーさん・バスとアップショットとかと比べて、難しい〕に教えていただきましたが、テーブルに足を投げ出して座ってるって、もっと難しい構図ですよねきっと。この盤のパース取り、白黒のインパクト、駒のキャラの豊かな表情、主人公エドの顔は隠し、なのにこの存在感。そしていつもやたらリキ入ってる食べカス!(爆笑)
作品全体も、テンポ、構成、キャラの表情もギャグの挟みもすんごい上手くて、密度濃くて最高でしたー!!
雑誌に載ってる作者のひと言。
今月のお題は「毎日でも食べたい好きなものは何ですか」だったんですが、荒川先生の回答は
「日替わり定食」
他のどの回答より、気が利いてるわっv 身体にもいいしね♪
鋼85話「空の箱(からのはこ)」
このサブタイトル上手いよね!
冒頭の、誰もいないアームストロング家を差して「空の箱」とは、台詞で言わせていますが、同時に真ん中の、ブラッドレイの居ない椅子=空の中枢、を示し、最後のアルの、鎧=魂の入れ物、までもを表している。
そして、ホーエンハイムの息子・アルの器に、お父様の息子・プライドが居るという、衝撃。
からっぽ⇔みっしり、の対比。
連載第一話からずっと「空っぽのアル」を見てきた読者は、鎧の眼孔からプライドの目が覗くコマに、ショックをうける。
が、ごめん。
私、あそこで15巻巻末4コマギャグを思い出しちゃった・・・!(台無しキング)
たぶん、荒川先生の脳内では、同じ所にストックだね。そんでギャグにすっかシリアスにすっか、好きにアウトプットできるんだよ!んで、素晴らしく優れた演出力&マンガ画力だから、シリアスにした時の打撃力がハンパじゃないんだわ。
にしても。
アル、鎧にはネコとおなごしか入れないと宣言してたのに・・・!
あれ?プライドって性別あんのかな?
最近、セリムとプライドは別存在なんじゃないかしら、とか思い始めた歌猫です。
や、ネコ耳セリムが鎧ん中いてもイイけどさ!(笑)
(セリムはやっぱ総攻めとかこれが新たな鎧受けとかそんなこと誰がおっしゃって?おほほほほ)
えと。
冒頭に話を戻して。
柱のアオリ文句、「破壊の後は、再生です・・・」も上手い!〔雑誌掲載時には柱(コマの脇の余白)にアオリ文句が入ることも。〕
編集さんの鋼愛を感じるよ。こうゆー気の利いたアオリ、嬉しいわ~v
屋敷の壁にかかってる先代当主の絵が、ギリシャ神話の神様くさくて笑える(笑)
それからね!
この最初のページには、鋼において画期的な絵が、含まれているんですよ。
わかります?
それは・・・。
お屋敷の前の植え込みに、花が描いてある!!!
いやも、鋼には花が無いんすよ。(拙ブログ05.10.18記事)
鋼には「花屋の花」しか無いの。
ロックベル家の前庭で花を育ててたっていいじゃない?セントラルのホテルに花が咲いててもいいじゃない?リゼンブールの春を示すのに、花のひとつもあったって、いいじゃないですか。
でも、無い。
私、少女マンガ畑から来たから、この花の無さが、可笑しくて可笑しくて(笑)
今月号、まるで椿のよーな咲き方の薔薇モドキな絵でも、花は花。まだ確かめてないけど、たぶん初めての、地面から生えている花。・・・ってそこ、「でもそれアシさんが描いたんじゃないの?」とか、言わないの!
でも、お花への愛情の無さは相変わらず。球根の花を焚き火に投げ込むなんて(涙)
そりゃま、オリヴィエ姐さんの性格からしたら自然な行為かもだけどさ。18巻でマスタングに「花を処分」なんて言わせてるし、ほんと、荒川先生は花に興味、無いなあ~(苦笑)
オリヴィエ姐さんの「この屋敷丸ごとくれてやってもいいぞ」発言。
や、オリロイ?オリロイっすか?すげー豪快なプロポーズっすか姐さん?!
けどニブちん坊やロイロイはぜんぜん気付いてないっぽいから更に「弟なんか持ち出すな。お前が愛しいから言っているのだ」と告げてみたら、お花を差し出されて、よ、ようやく私の想いが通じたのか?と密かに喜んだのもつかの間、ただの伝言メモだったから、ああちくしょう!と怒り心頭で花を焚き火にボン!ですか?!ツン99%なツンデレですか?!?!
とか、喜んでみた人、いるんだろうなあ!(笑)
私は、あら大総統の地位への足掛かりがこんな所から、オリヴィエ姐さん太っ腹!とか思いました。(太いのは腹回りでなく胸周りでしてよ)
演習中。
帽子を被ってて、ハンチングっぽい方が北方軍。
が、ちゃんといましたチョンマゲ!172ページ最後のコマの、左の建物の陰から出てきてる奴です!〔単行本では50ページ〕
なるほど副官マイルズからしてあの特徴的な髪型ですもん、チョンマゲなんてフツーですよね!
野営テントの手前に排水用の溝を掘ってるのとか、もーこういう描写はほんっと細かいよなあ!そんな牛様が好きだ・・・!
177ページ、汽車が走る岩山にはカモシカ。四つ足の動物はお好きな牛様v
ブラッドレイ側が、グラマンらのたくらみを把握できていないのは、意外でした。
ホムンクルスもお父様も、完全な情報網を持つわけでは無い。透視もできなければ魔術も持たず、人間と同じに限られた手段、限られた情報の中で判断せざるを得ない。
例えば、「強大な力を持った悪役に全てを把握されているのに、ラッキーなイレギュラーで奇跡的に主人公が勝利!」という、よくあるパターンは、無い。
頭を使わないご都合主義は排除され、パズルのコマは地道にひとつずつ組み上げられていく。
それにしても、大総統暗殺という大砲をいきなりぶちかましたのはびっくりした!
もちろん、ブラッドレイはこの程度で死なないだろう。けれど大総統という独裁者を物理的に排除するなんて、よくまあ決めたよな!
ここでグラマンというキャラが生きてくる。この飄々とした御仁・・・たぶん、大総統より年上、なら、やりかねない。マスタングでは、説得力が足りない。
演出も上手い。演習場で「どさくさに紛れてブラッドレイのいる~」「やめてください」と、ブラッドレイ暗殺はしない/できない、という「常識」を示した直後に、殺っちゃう。
っくしょー、上手いよなあ!
実行部隊はマスタングの、イシュバールでの部下。
「理解して支えてくれる人間ってのは結局のところ共にに闘った事のある戦友から出てくるものなのだな」
18巻での、ヒューズに対しての独白が、このような形で実現、は、もち様が寄せてくださったコメント。(ありがとうございます!)
ディープなファンは、このメンツの面構えから、彼らは15巻のイシュバール編最後に自己紹介していた、チャーリー、ファビオ、リチャード、アレッサンドラ、ディーノ、アルベルト、ロジャー、ダミアノらだと知る。
ライト読者は「まあ軍人(おれたち)が活躍するような・・・」等の台詞群で彼らの背景がわかる。いかにも説明台詞なんだけど、すらすら読めてしまうのは、荒川先生が上手いのか私の贔屓目か(笑)
ホークアイ、ブレダ、フュリー。殺伐とした風景から入ってホークアイの思い詰めたような横顔。なのに「大佐に責任とってもらいましょ!」の苦笑で締める。いいなあ、うまいなあ!
ああそれと、「大佐に責任」って、マスタングが大総統に、ってこと言ってるんだよね。ああも、この無条件の信頼。ここら、マスタング出て来なくても、すっげマスタングかっこよく描いてんじゃん。
あんなヘタレなのにさあ(笑)
ここのホークアイと、同じ事を逆の順序で描いているのが、エドの赤コート錬成のくだり。
悪ガキ顔の次にはアンテナに花まで咲かせて(!)、なのにページをめくったところでさり気なく覚悟した横顔。
どちらも描いていることは同じ。
「肝が据わった」
敵はデカイが勝ち目はある。そして覚悟はできている。
ごくりと唾を飲む覚悟じゃない。ぐっと腹ン底に力入れる、覚悟。
キャラに覚悟ができている。
だから読者は信頼できる。ヤツらはきっと、やってくれる。
快活な空気、快活なテンポ。期待感。
ライトな読者はワクワクして読む。
ディープなファンは、ワクワクしながら背筋を震わせる。私たちは知っているから。荒川弘は本当にギリギリまで、快活にカラリと話を進めることを。
私たちは知っている。エリシアの誕生日を。ハボックの「大好きっス、ボイン」の次に何が起きたかを。
でも、まだ、そこじゃない。もうちょっと、手前だ。
今、たぶん、9巻の道を走っている。どんどん謎が収斂する。物語が盛り上がる。
9巻よりもっと太い道。もっと高い頂。
そのてっぺんから見る風景は、一体どんな風だろう!
→その2へ
鋼の錬金術師 第21巻は読みましたわね?!
以下、雑誌連載時感想再録です!
物語もいよいよクライマックスへの上り坂、毎号毎号でっかいネタを投下してくださったこの4回分、感想書くのもすんげー楽しかったです~!
第84話「追跡者の影」
さあ! 21巻最初の話ですよっ!!
あのさ、コミックス派さんのブログで読んだんだけど、新刊出た!って読み初めたら、あれ?前巻の話って何だったっけ?って思い出せないこととかあるんですってね。ほら、話の密度が濃すぎて。
でも途中で止めらんないからとにかく最後まで読んで、そんで前の巻引っ張り出して読み始めるとまた、あれ?一巻飛ばしてる?って巻数確認しちゃったりするんですってね。
話の密度濃すぎて。
わ か り ま す !!
お手元の19巻から8月発売の20巻でも、その20巻から今月の21巻第一話でも、
「そんでこの一冊と!(と右手で最新巻)この一冊の!(と左手で前の巻)あいだに、何が、あったんだあぁぁー」
と、暁の空に向かって叫ぶこと請け合い。
いやもちろん、そんじょそこらのハンパに説明不足な漫画とは、真逆の意味でよ?
もう、このスピード!
荒川弘先生がインタビューで、終わりまでまだ間 があると明言してくれてなかったら※、きっと私は寂しさに号泣してこの分厚いガンガンの芯まで濡れそぼるほど…いやまあさすがにそれは大袈裟ですが、まあ、そんくらい涙流しておりましたでしょうよ。
はあ、インタビュー読んどいてよかったよっ!
〔※ 雑誌ユリイカ6月号荒川弘インタビューで『来年中か再来年の前半くらいで終わらせるという予定にはなっています』と仰っていて。終わりはもっと早いと思っていたので・・・〕
今月も34ページでした。
てことは、21巻も5話収録のペース。〔じゃなかったですね!よかった!〕
うん。
何も言わないです。このこと考えると心がきゅうきゅうしちゃうけど、何も言わない。
荒川弘先生が、万全の体調で、満足いく作品を、最後までがっつり描けますように!!
さて。
どこから叫ぶ?ねえねえ、どこから叫びます?
まず。
アルっ!!!!(泣)
や、ちょっとまさかあんたら兄弟ずっと会ってないの?
あの弟・命!の兄貴がアルと会わずに何ヶ月も平気なの?ってかエド!アルが危険な状況なのを、あんた知らないまんま?!
ふええええ(泣)アルは副主人公だから、絶対大丈夫ってわかってるけど、私にとってアルは14歳の男の子なんだよう!
今の危機より、ここ何ヶ月の不安のほうが、苦しいよう~っ!!!
ううう、豆兄がいなくても、ホーパパとかマイルズ兄貴とかがずっとアルのそばにいてくれたんだとは思うけど。
けど、アルの不安を、全くそのまま受け止めてやれるのは、やっぱりエドだけなんだよう・・・。
セリムっちが!
悪役なのにやっぱりカワイイんですけど・・・・・・!
グラの肩に乗ってるとことか・・・ああ!ホムンクルス側のヒロインは、セリムなんだー、とか唐突に理解。←いやそんな理解せんでええから。
悪のヒロイン、セリム。
誰よりも冷徹で狡猾、皆を騙しボスの信頼厚く、娘っこリザを脅し、おっさんブラッドレイを手玉に取り、かわいこぶってママに甘え、そんでクリーチャーグラトニーの肩に乗って暗く嗤う。
ひゃー!ヒロインやー!!
んでもって。
本命!
エド!!
そんでウィンリィ!!
な、んでそんなに、大人っぽくなってんの!
ウィンリィ、胸でかっ!
で、ちょっとまって貴女ノーブラじゃーございませんこと?その胸の下のふくらみは何ですか?なのにそんだけハリのあるおっぱい!(こらこら親父目線は止めなさい)
髪も長くなって。
ところでロゼのクローゼットとかなり品揃えが違うんですが。トーンの服が1枚も無い(笑) や、リゼンブールは田舎だかんね~。
それからそれから。
エド、ウィンリィの身長超えたね!よかったね!!
230ページ右下のコマは〔コミックスだと22ページ。ガンガンはいつも900ページ超えの極厚雑誌だからこれでも掲載順位は前の方。でも今はもっと前の方になったよv〕、これはもう、荒川弘御大が、エドはこんなに背が伸びたよ♪って示すために配したアングルだよね!(ポニテとポニテv)
よかったねえ~v
エドの機械鎧の調整は、描かれてないけど左足の方もやったよね。こんだけ身長伸びてるんだもんv
あとね!
私は感動した!!その勇気に感動した!!!
貴女こそ、我らが本命ヒロイン・ウィンリィを守る、ナイトだ!
そのキャラの名は。
デン!
だってだって、百獣の王、ライオンキメラのハインケルさんのケツに噛み付いたんだよデン。ウィンリィを守るために!
偉いよ!もう若くないのにさあ!ご主人に常に遣え、守るためには容赦無く戦いを挑む。偉いよ~!
まあ、魂何百個な化け物リンに摘み上げられちゃうのは、相手が相手だもん仕方ないよ。大丈夫、リンは女に手はあげないから。(注:デンはメスです)
エドとグリードが仲良しさんなのがイイ。エド、あんたトモダチやれるじゃん(笑)
あとさ。
エド、ウィンリィにピアス返さないのね。
うんもー♪この不器用さんはー。銀時計と同じに、誓いのアイテムになってるんだわね~v
「アップルパイでも焼いて待ってろ」なんて、やんもーどこの主人公よー♪(鋼の主人公ですってば)
それから。
1819様!今月号で、スカーの死亡フラグ解除ですわね!
私にはそう読めましたよっ!
もちろん「仲間の死」のフラグ包囲網(なんじゃそれ)の内側には居るわけですが、宿業としての死、からは逃れ得ましたよ、ついに!
よかったですねえ!よかったですねえ・・・!
ヨキがずーっとコマのはしっこでフラフラしてんのもイイ(笑)
リゼンブール組と少年少女は仲間の死フラグ包囲網の外にいますが、ヨキも絶対に最後まで死なないな!(笑)
さて。
ブラッドレイが東部に来てるってことは、ホークアイも随行しているんだろうな。〔違いました〕
アルを助けてやって・・・。危機から救うことは無理だとしても、心だけでも助けてあげてほしい。
今月号は、荒川先生の絵がノってましたね!
冒頭のひつじの毛刈りの描写はまんま北海道ですね、きっと♪
毛刈りのハサミが握りバサミなとこが、いいですね~。蝶番をつかわない原始的な握り鋏は、毛刈り鋏と、日本の糸切り鋏くらいしか残っていないのだそうですよ。(と、ちょこっと豆知識(笑))
駅のホームの端に排水口がついてるとことか、ほんっと荒川先生はこういう構築物の絵が細かいなあとか(笑)
あと、列車ん中のブリッグズ兵にチョンマゲがいるの気付いた?〔コミックスだと10ページです。〕こういう遊びが入る余裕が嬉しいわ~♪♪
さあ!この数ヶ月の間に、エドたちは何を準備したのか。
そしてその気配を察知していないはずが無いウロボロス組は、どうしていたのか。
いよいよ決戦に向けて、物語が動き出します!楽しみー!!
〔追記記事〕
重要なこと書き忘れてた!
237ページの最後のコマ。
グラマンの台詞「伊達にイシュバールを経験してはおらんよ」が被さるコマの兵士って、15巻イシュバール編154ページに出てきた「貴方の隊ですよ」「俺達にとっちゃ貴方は英雄なんだ」の、あの兵たちですよっ!
あああ、この鼻筋君はどっかで見たことあるモブだな、とは思ったんですが、そーだよイシュバールだよ・・・!
ケータイでブログサーフしてる時にココ指摘してる記事に出会って、ようやく思い出しました。あーブクマしときゃよかった~。名前も覚えてないブログだけど、教えてくださってありがとうございますーv
そう。彼らにとって、マスタングは「英雄」。
今回、マスタングは出ていない。
けれどブリッグズ兵には彼らを「仕上げた」アームストロング少将が常に存在しているように、東方司令部の兵の中には、常にマスタングが存在しているんだ。
だよ!だよ!ロイファンさんっ!!
グラマン-マスタングの東方司令部と、マイルズ-アームストロング姉の、ブリッグズ兵。
彼らはタッグを組んで、これから何をやろうとしているのか?
ということよりも。
私が気になるのは。
軍事演習は訓練であると同時に、戦略あるいは政略だ。
毎年のようにブリッグズという国境線近くで演習を行うのは、ドラクマに対する軍事アピールでもあったはず。
ドラクマを(一時的にせよ)叩いたから、今回は東方という、戦略的に意味の無い場所で演習を開く。
しかし、そこに大総統が来る。軍事最高責任者がいる、ということは、演習はすぐにも本番にできるということ。
エンヴィーの消息が消え、グリードが出奔し、戦力を欠いたウロボロス側が、この数ヶ月を指をくわえて無為に過ごしたとは思えない。
残されたホムンクルスの、スロウスを除く全員が東方に来る目的が、ただの監視のはずが無い。
屈強かつ不穏な兵どもに何かを命じるために、大総統はここに来たのだと思う。
その命令が何なのか。
そこが、すごく気になります・・・。〔って思わせといて、あの展開だぜ!ほんっと荒川弘こそが戦略家だよ!〕
もうひとつ。前回の感想で書き忘れたこと。
アルは、グラトニー襲われたとき「マルコーさんのように賢者の石破壊を破壊するか・・・?」って考えてるよね。
つまり、アルはマルコーの技を会得しているってこと!
エドとアルは、一度見た技をすぐ自分のものにできる。それは彼らが天才であるという以上に、彼らが発展途上の少年であるからだと思う。(マスタングの焔の錬成だって、やればできると思う。火力の調整とかは難しいかもしれないけど。や、4コマギャグだけでなくマジで)
アルはもう、賢者の石を破壊することさえできる。
彼の父は賢者の石を内包し、彼の兄は自身の命を賢者の石として使える。
そして彼はその石を破壊することができる。
これは、この大きな物語を見通したとき、何を意味するんだろう。
けれど、アルは意識があっち側に引っ張られ、戦うこともできず虜囚となった。
私は、荒川先生は敢えて、アルを戦わせなかったんだと思う。
例えば14巻でグラトニーが一旦、命を使い果たしたのは、アルの鎧にメイをかくまうため。
鼻のいいグラトニーがいたらすぐバレてしまうから、グラトニーを戦線離脱させた。
今回だって、ワンバトル描いてから捕獲させることだってできた。アルの実力から見ても、ページ数から見ても。
けれど、今ここでアルが全力を出してホムンクルスと・・・セリムと戦うのは、避けなければならなかった。
さあ。ではそれは、何のために?
そんなことを考えると、ぞわぞわドキドキです・・・!
あああ、もう次号が待ちきれないですー!
第85話「空の箱」
今月の鋼は、すげえよっっっ!!!
なにがすげえって、この扉絵見てよ!
この書き込み、この楽しんでる感、荒川弘先生、すんごいノってるっしょ?!
内容もねえ、もうねえ!
戦力拮抗の情報戦、その仕込み、月を跨がず決着付けちゃうの?いさぎよすぎだよ!そりゃ彼は無事だろうけどお前ら背水の陣あっさり引きやがったなこんちくしょう!とか。
彼の涙、その理由…ああ、そうとらえるんだあの台詞を!くそう荒川弘、完敗だ…!とか。
うわあああそう来るんだそうか魂の容器…そのために。ただ捕らえるのではなく利用する、敵は冷徹だ、これだけの布陣でも、最後に主人公は絶対勝つと、わかっていても、安心できないこの怖さ!安心させないこの怖さ!!!
一瞬とて目を逸らせない、この展開。
すげえ、荒川弘はやっぱりすげえっ!!
どんなに期待しても大丈夫。だって必ず期待以上だもの。
こんなに安心できる作品って無いよ。
こんなに幸せな作品って無いよ!
ちっくしょう、荒川先生、大好きだあああ!!!
〔と、ネタバレ避けて叫んでから〕
今月号は44ページでしたー!!!どんどんぱふぱふ!
えっと、鋼が減ページ始めた昨年10月以降、鋼・獣・鋼の連続作画ワンサイクルで、後ろの鋼が獣神よりページ多いのって、初めてです。
(減ページ前のもちゃんと数えた上で発言しなきゃならないんだとは思うんだけど、数えてない。ごめん;)
今までも作画に疲れが見えてしまうのが、この後ろの鋼だったので、すごく気にしていたんです。例えば先々月号、20巻の幕切れの話。構成的には最高の出来だったけれど、絵は、例えば肝心なメモにトーン被っちゃってんのとか、時間の無さを感じてしまって・・・。〔単行本収録時には修正されていました〕
今月も、初っ端からベタ塗り忘れ(彼女の髪の内側、そこ、髪じゃなくて服だと思う・・・)を見つけてしまい〔こちらも修正済みです〕、ぐっと辛さを堪えてページをめくり始めたんですが、いや!杞憂でした!!
この見開き扉絵の素晴らしさ!
座ってる構図が一番難しいのだとヨウ様〔元アニメーターのブロガーさん・バスとアップショットとかと比べて、難しい〕に教えていただきましたが、テーブルに足を投げ出して座ってるって、もっと難しい構図ですよねきっと。この盤のパース取り、白黒のインパクト、駒のキャラの豊かな表情、主人公エドの顔は隠し、なのにこの存在感。そしていつもやたらリキ入ってる食べカス!(爆笑)
作品全体も、テンポ、構成、キャラの表情もギャグの挟みもすんごい上手くて、密度濃くて最高でしたー!!
雑誌に載ってる作者のひと言。
今月のお題は「毎日でも食べたい好きなものは何ですか」だったんですが、荒川先生の回答は
「日替わり定食」
他のどの回答より、気が利いてるわっv 身体にもいいしね♪
鋼85話「空の箱(からのはこ)」
このサブタイトル上手いよね!
冒頭の、誰もいないアームストロング家を差して「空の箱」とは、台詞で言わせていますが、同時に真ん中の、ブラッドレイの居ない椅子=空の中枢、を示し、最後のアルの、鎧=魂の入れ物、までもを表している。
そして、ホーエンハイムの息子・アルの器に、お父様の息子・プライドが居るという、衝撃。
からっぽ⇔みっしり、の対比。
連載第一話からずっと「空っぽのアル」を見てきた読者は、鎧の眼孔からプライドの目が覗くコマに、ショックをうける。
が、ごめん。
私、あそこで15巻巻末4コマギャグを思い出しちゃった・・・!(台無しキング)
たぶん、荒川先生の脳内では、同じ所にストックだね。そんでギャグにすっかシリアスにすっか、好きにアウトプットできるんだよ!んで、素晴らしく優れた演出力&マンガ画力だから、シリアスにした時の打撃力がハンパじゃないんだわ。
にしても。
アル、鎧にはネコとおなごしか入れないと宣言してたのに・・・!
あれ?プライドって性別あんのかな?
最近、セリムとプライドは別存在なんじゃないかしら、とか思い始めた歌猫です。
や、ネコ耳セリムが鎧ん中いてもイイけどさ!(笑)
(セリムはやっぱ総攻めとかこれが新たな鎧受けとかそんなこと誰がおっしゃって?おほほほほ)
えと。
冒頭に話を戻して。
柱のアオリ文句、「破壊の後は、再生です・・・」も上手い!〔雑誌掲載時には柱(コマの脇の余白)にアオリ文句が入ることも。〕
編集さんの鋼愛を感じるよ。こうゆー気の利いたアオリ、嬉しいわ~v
屋敷の壁にかかってる先代当主の絵が、ギリシャ神話の神様くさくて笑える(笑)
それからね!
この最初のページには、鋼において画期的な絵が、含まれているんですよ。
わかります?
それは・・・。
お屋敷の前の植え込みに、花が描いてある!!!
いやも、鋼には花が無いんすよ。(拙ブログ05.10.18記事)
鋼には「花屋の花」しか無いの。
ロックベル家の前庭で花を育ててたっていいじゃない?セントラルのホテルに花が咲いててもいいじゃない?リゼンブールの春を示すのに、花のひとつもあったって、いいじゃないですか。
でも、無い。
私、少女マンガ畑から来たから、この花の無さが、可笑しくて可笑しくて(笑)
今月号、まるで椿のよーな咲き方の薔薇モドキな絵でも、花は花。まだ確かめてないけど、たぶん初めての、地面から生えている花。・・・ってそこ、「でもそれアシさんが描いたんじゃないの?」とか、言わないの!
でも、お花への愛情の無さは相変わらず。球根の花を焚き火に投げ込むなんて(涙)
そりゃま、オリヴィエ姐さんの性格からしたら自然な行為かもだけどさ。18巻でマスタングに「花を処分」なんて言わせてるし、ほんと、荒川先生は花に興味、無いなあ~(苦笑)
オリヴィエ姐さんの「この屋敷丸ごとくれてやってもいいぞ」発言。
や、オリロイ?オリロイっすか?すげー豪快なプロポーズっすか姐さん?!
けどニブちん坊やロイロイはぜんぜん気付いてないっぽいから更に「弟なんか持ち出すな。お前が愛しいから言っているのだ」と告げてみたら、お花を差し出されて、よ、ようやく私の想いが通じたのか?と密かに喜んだのもつかの間、ただの伝言メモだったから、ああちくしょう!と怒り心頭で花を焚き火にボン!ですか?!ツン99%なツンデレですか?!?!
とか、喜んでみた人、いるんだろうなあ!(笑)
私は、あら大総統の地位への足掛かりがこんな所から、オリヴィエ姐さん太っ腹!とか思いました。(太いのは腹回りでなく胸周りでしてよ)
演習中。
帽子を被ってて、ハンチングっぽい方が北方軍。
が、ちゃんといましたチョンマゲ!172ページ最後のコマの、左の建物の陰から出てきてる奴です!〔単行本では50ページ〕
なるほど副官マイルズからしてあの特徴的な髪型ですもん、チョンマゲなんてフツーですよね!
野営テントの手前に排水用の溝を掘ってるのとか、もーこういう描写はほんっと細かいよなあ!そんな牛様が好きだ・・・!
177ページ、汽車が走る岩山にはカモシカ。四つ足の動物はお好きな牛様v
ブラッドレイ側が、グラマンらのたくらみを把握できていないのは、意外でした。
ホムンクルスもお父様も、完全な情報網を持つわけでは無い。透視もできなければ魔術も持たず、人間と同じに限られた手段、限られた情報の中で判断せざるを得ない。
例えば、「強大な力を持った悪役に全てを把握されているのに、ラッキーなイレギュラーで奇跡的に主人公が勝利!」という、よくあるパターンは、無い。
頭を使わないご都合主義は排除され、パズルのコマは地道にひとつずつ組み上げられていく。
それにしても、大総統暗殺という大砲をいきなりぶちかましたのはびっくりした!
もちろん、ブラッドレイはこの程度で死なないだろう。けれど大総統という独裁者を物理的に排除するなんて、よくまあ決めたよな!
ここでグラマンというキャラが生きてくる。この飄々とした御仁・・・たぶん、大総統より年上、なら、やりかねない。マスタングでは、説得力が足りない。
演出も上手い。演習場で「どさくさに紛れてブラッドレイのいる~」「やめてください」と、ブラッドレイ暗殺はしない/できない、という「常識」を示した直後に、殺っちゃう。
っくしょー、上手いよなあ!
実行部隊はマスタングの、イシュバールでの部下。
「理解して支えてくれる人間ってのは結局のところ共にに闘った事のある戦友から出てくるものなのだな」
18巻での、ヒューズに対しての独白が、このような形で実現、は、もち様が寄せてくださったコメント。(ありがとうございます!)
ディープなファンは、このメンツの面構えから、彼らは15巻のイシュバール編最後に自己紹介していた、チャーリー、ファビオ、リチャード、アレッサンドラ、ディーノ、アルベルト、ロジャー、ダミアノらだと知る。
ライト読者は「まあ軍人(おれたち)が活躍するような・・・」等の台詞群で彼らの背景がわかる。いかにも説明台詞なんだけど、すらすら読めてしまうのは、荒川先生が上手いのか私の贔屓目か(笑)
ホークアイ、ブレダ、フュリー。殺伐とした風景から入ってホークアイの思い詰めたような横顔。なのに「大佐に責任とってもらいましょ!」の苦笑で締める。いいなあ、うまいなあ!
ああそれと、「大佐に責任」って、マスタングが大総統に、ってこと言ってるんだよね。ああも、この無条件の信頼。ここら、マスタング出て来なくても、すっげマスタングかっこよく描いてんじゃん。
あんなヘタレなのにさあ(笑)
ここのホークアイと、同じ事を逆の順序で描いているのが、エドの赤コート錬成のくだり。
悪ガキ顔の次にはアンテナに花まで咲かせて(!)、なのにページをめくったところでさり気なく覚悟した横顔。
どちらも描いていることは同じ。
「肝が据わった」
敵はデカイが勝ち目はある。そして覚悟はできている。
ごくりと唾を飲む覚悟じゃない。ぐっと腹ン底に力入れる、覚悟。
キャラに覚悟ができている。
だから読者は信頼できる。ヤツらはきっと、やってくれる。
快活な空気、快活なテンポ。期待感。
ライトな読者はワクワクして読む。
ディープなファンは、ワクワクしながら背筋を震わせる。私たちは知っているから。荒川弘は本当にギリギリまで、快活にカラリと話を進めることを。
私たちは知っている。エリシアの誕生日を。ハボックの「大好きっス、ボイン」の次に何が起きたかを。
でも、まだ、そこじゃない。もうちょっと、手前だ。
今、たぶん、9巻の道を走っている。どんどん謎が収斂する。物語が盛り上がる。
9巻よりもっと太い道。もっと高い頂。
そのてっぺんから見る風景は、一体どんな風だろう!
→その2へ
実はこの記事を読んでいた時に思い出した事があったので、今更コメントします。21巻モブで出てくるチョンマゲさんなんですが…イシュヴァールにもいたなあと。
ちょっと確認してみると、15巻64ページ1コマめと、157ページ1コマめにいました!顔つきからして、もしかしたら別人かもしれないですが。それならアメストリスには意外とチョンマゲ多いんでしょうか?あの後、北に移ったんだとしても、おもしろいですね。
それだけなんですけど…ずっと気になっていたのでおもわず書いてしまいました。
こんなにお返事が遅くなっちゃってごめんなさい;
詳しいページ数までご紹介、どうもありがとう!!
荒川先生はシリアスな場面に遊びを入れるのがお好きですよね~♪そしてアメストリスではチョンマゲが意外と一般的かも?という指摘には笑いました!そうか、三つ編みもドレッドもハゲもソリコミもモヒカンも、そしてチョンマゲも!アメストリスでは全然普通のヘアスタイルなのかもですね!(笑)