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乱鳥の書きなぐり

国立ロシア美術館展  サンクトペテルブルク

 (上写真の絵は 今回の展覧会で、一枚だけ購入した絵葉書。 

 『ロシア娘』 カルル・ボグダーノヴィッチ・ヴェニグ作 年代不詳)

 

 

 サンクトペテルブルク  国立ロシア美術館展

 

 

 十二月二十三日。

 こどもと、国立ロシア美術館展に行く。

 三連休、海遊館込みのチケットは大人2500円というお手軽さも手伝ってか、会場は満員。

 チケット売り場は長い列。

 海遊館の方はその何十倍といった、長蛇の列。

 そういうとクリスマスをはさんだ連休だったんだ・・・と、大阪港の人の多さで、思い出す。

 

   

 

 

 国立ロシア美術館展にはご年配の団体やお子様連れの方も多く見られた。

 ご婦人方は、結構大きな声で、

「ほんもんみたいや。」

「写真みたいや。」

「これ、赤ちゃんやわ。ほんで、これ、哺乳瓶や、哺乳瓶・・・。」

と 楽しそうに笑い、こどもは、

「これ、もう、見た。これも、もう、見た。・・・・・・」

と 愚図る。

 国立ロシア美術館展は、アカデミックな油絵が多く、美術に感心が薄い人には、分かりづらいだろうなと 気の毒に感じた。

 以前大阪で開催された『ロシア皇帝の至宝展』http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/f44f5c6936ee7d0e3b81012f64705acc  ロシア皇帝の至宝展の記録)

にくらべて、華やかさは低かったと感じる方が多いのではないだろうか・・・。

 

 だが、ロココ風やロマン主義を取り入れられた ロシア美術史の流れなどを追ってみてゆくと、大変興味深い。

 また、当時にロシアの風俗や服、宝飾なども描かれており、丹念に見ていくと、意外な発見も見ることができる。

 もちろん、今回の絵の中にもありました。

 肖像画以外にも、色々。例えば、赤子の絵や婚礼の様子を描いた絵画。

 トルコ石(実は イラン産)で飾り立てた女性の絵なども見られる。

 イコン作家が描いた油なども展示されており、楽しむことができた。

 

 キリストとマリアの恋焦がれる様子を、姉が洗濯籠を持ってちらりと見て通る様子を描いた絵は、画風を変えると少女マンガのように恋したマリアのようで、和んだ。

 画家の激寒となるロシアを考えると、ハッピーはあく名でもハッピーに描ききるといった画家の遊び心が感じられた。

 

 

   

 

 

 国立ロシア美術館の公式HPには次のように記されていた。

 

 国立ロシア美術館は、1898年、ニコライ2世のとき、サンクトペテルブルクのミハイロフスキー宮殿にロシア初の国立美術館として誕生しました。現在は約40万点のロシア美術の一大コレクションを誇り、10世紀から現代までのロシア美術史を網羅した世界最大のロシア美術の殿堂です。 本展では、同館のコレクションから約100点の絵画、彫刻、工芸を厳選し、18世紀後半から20世紀初めまでのロシア美術史を日本で初めて紹介します。ロシア美術は、当時ヨーロッパに流行したロココからロマン主義といった美術潮流をとり入れながらも、独自の発展を続けてきました。ロシア独特の雄大な自然をテーマにする一方、神話や英雄の理想主義絵画ばかりではなく、庶民を描いたリアリズム絵画も発展していきました。 19世紀後半、ロシアは変革の時代を迎えます。クラムスコイ、レーピン、スリコフらは民衆や農民の現実の生活、ロシアの歴史、人間の精神性、壮大なロシアの自然をありのままに描きました。彼らは厳格な美術アカデミーの保守性に反抗して「移動派」を結成し、各地で展覧会を開いたのです。彼らの目的は多くの人々に作品を鑑賞する機会を与えることでした。これにより貴族ら上流階級のものだった美術がはじめて一般大衆のものとなっていったのです。 本展はロシアが誇る、「金の時代」といわれる18世紀後半から20世紀はじめまでのロシア美術を日本で初めて、本格的かつ体系的に紹介します。ぜひご覧ください。 

 

 ( http://www.rusmuseum.jp/gallery/index.html HP作品一覧表・ 国立ロシア美術館の公式HP転載参考)

 

 

   

 

 

 ロシア絵画の絵面は極めて美しい物が多い。

 おそらく豚毛を使って描いたものが多いのではないだろうか・・・。

 テレピン量の少ない絵ですら、なめらかに描かれている ロシア画家たちのデッサン力に脱帽。

 

 今回の国立ロシア美術館展も楽しんで見ることができた。

 

   

 

 

 

コメント一覧

やまとなでしこあん様へ ♪ 乱鳥
来年・・・
以前に読んだ好きな本や 今まで読めなかった本などをメモでもとりながら、落ち着いてじっくりと 読み込んでみたいです。

絵も続けて見たいな・・・。

能楽もききたいという気持ちが強くなってまいりました。

大阪能楽養成会の研究発表界が 来年2/21 6時からあります。
これ無料ですが、かなり楽しむことができます。
この時期お忙しいかもしれませんね。
この会は年三回あるようです。
また お知らせしますね^^V
やまとなでしこあん様へ ♪ 乱鳥
パールバックの「大地」
高校生の頃に読みました。
確か部厚い目、四冊。
興味深い内容で、名作だと感じていました。
今も心に残る一冊です。

この本もいつか読みたいと思っている作品の一つです。
若い頃に読んだ大地は、大地の色の印象が強烈でした。
今読むとどう感じるのでしょう・・・。
楽しみです。
やまとなでしこあん
来年は
実はゆっくりしようと思っているのです。今年引き受けていたアルバイトの一つ(小さなものです)も断りました。いろいろ内面を充実させる年にできればいいなあと考えています。乱鳥さんのようにたくさん本を読んだり、料理の腕を磨いたりしたいものです。
やまとなでしこあん
革命
少女時代は何と言っても、「ベルサイユのバラ」のオスカルにノックアウトされておりました。日本がヨーロッパやアメリカに強い憧れをまだ抱いていた頃でしたので、何もわからずともマリーアントワネットの名は覚え、レーニン・毛沢東などの名前を覚えていったのですが、大きな世界の動きは情報の乏しい田舎の生活では想像もかないませんでした。父の勧めた、パールバックの「大地」という小説で、中国の変化への希望の基に民衆の学力向上と正しく世の中を見つめていく為の科学の目の重要さを感じ、生き方の指針になってきました。といっても、自分に出来る事はほんの小さなことばかりなのですが・・・。ロシアの希望にあふれた作家たちの息吹が感じられて、芸術の良さに触れた思いがしました。昔見た「桜の園」、思い出しました。
やまとなでしこあん様へ ♪ 乱鳥
サントリーミュージアム
ロシア展、楽しまれたようで 何よりです。
木々の絵は本当に、美しく描かれていましたね。
雪の質感が見事で、凄腕のデッサン力に驚きました。

罪と罰、読みたいですね。
実は昔読んだ主な本を、できるだけ多く読み直そうかどうしようか、悩んでいるところです。
今読むと、また違ったとらえ方をするのでしょうね。

やまとなでしこあん様は何か、来年の目標は かんがえられましたか?
私の場合、考えているうちが、一番楽しいのかもしれません・・・(笑)
やまとなでしこあん
サントリーミュージアム
行ってきました。昔見たレーピンだったかの農夫の絵などがとても怖い表情で焼きついていたのが払拭されました。罪と罰を読んだのは中学生の折でしたが、それからロシアの大地とは厳しい場所なのだと思い込んでいました。が、和やかさや情熱をいだいた若々しい作品群に感動しました。乱鳥さんのお陰でいいものを見せていただきました。ありがとうございます。乱鳥さんも写真を載せられておられる木々の絵ですが、初めは風景写真だと思っていました。実は絵だったのでびっくり。スキーに行ったときの思い出深い風景を思い出して懐かしい気持ちになりましたよ。
やまとなでしこあん様へ ♪ 乱鳥
映画
「白夜」、是非 見てみたいです。

映画、ビョンホンしも ジョニー・デップも見たいです。
やまとなでしこあん様へ ♪ 乱鳥
五木寛之氏の「風の王国」
この本はまだ読んでいません。
面白かったのでしょうね・・・。
二上山のような近くの話なのですか・・・。

私は今日図書館に行き、正月用の本を山ほど借りてきました(爆)
よく行くので? いつも二人分、かしてくださいます。

来年は長篇物やシリーズをゆっくりノートでもとりながら読む予定です。
でも・・・今日借りたのは『謡曲集』(日本古典文学全集 二巻)以外は、比較的短いものが多いです・・(笑)

一月中旬はセンター試験ですね。
ゆっくりとしたお時間を、できるだけ多く お過ごしくださいね。
やまとなでしこあん様へ ♪ 乱鳥
安心いたしました。
そういうと 私は11月はゆっくりでした。
家ばかしで・・・本を読んで楽しんでいましたっけ。
次に飛び出すために、ゆっくりと力をためている時期って、誰にでもありますよね。

龍田神社、ありがとうございました。
興味深く拝見させていただきました。

唐突ですが、『竜田揚げ』って、たつたがわのもみじだったのですね・・・。

お醤油とみりんにつけて 片栗粉だけであげるともみじのような色になるので、『竜田揚げ』というって、ご存知でしたか?

私は今日、初めて知りました(笑)
やまとなでしこあん
男前は・・・
「白夜」のもう一人の男前はロシア人じゃないのです。北朝鮮の男性の役をされている方で、長身でロシアの景色によく似合っておられました。「白夜」の最後はビョンホンしがミサイルを操縦して大活躍!!
スパイものです。今度ビョンホンしの出演の映画は20世紀初頭激動期の満州、西部劇のスタイルを見せつつ蒸気機関車と馬賊、バイクが入り乱れる大規模なアクションと思わず吹き出してしまうような笑いと個性あるキャラクターが織りなすドラマということで、ロシアに少し近い場所ですね?楽しみにしているんです。
やまとなでしこあん
冬眠?
乱鳥さん ご心配ありがとうございます。

何をしている間に時間が過ぎるのでしょうか・・・。

体も動かず、大して何も考えず、日が過ぎています。

五木寛之氏の「風の王国」というのを読みました。二上山がポイントの小説でした。

それから龍田神社などの詳しい記事などを見つけたので、そのあたりに行きたいなどと考えているのですよ。http://ttm.south-ac.com/06.html



綾子さまへ ♪ 乱鳥
コメント、ありがとうございます。
ロシアの娘さん、かわいいですね。
この絵は可愛くて、色彩が重厚な感じが好きで、選びました。
気に入ってくださって、ありがとうございます。

ロシア展のホームページも見てくださったのですか。
(関係者ではありませんが)ありがとうございます。
とてもうれしいです。
やまとなでしこあん様へ ♪ 乱鳥
コメント、ありがとうございます。
どちらかというと、地味な感じでした。
アカデミックな絵が多く、人によっては 面白みが欠けると感じるかも知れません。

イ・ビョンホンさんのドラマなら、見てみたいような気がします。
彼は演技がいいですね!!
もちろん、お顔も・・・。

「白夜」というドラマにはイ・ビョンホンさんプラス ロシアの男前が出演されるのですか?
菅生じゃないですか・・・。
多分、味のあるドラマなのでしょうね。
見たいな!!

ところで、やまとなでしこあんさん、お忙しいのですか?
少し、心配しています・・・。
風邪をひかないように、気をつけてくださいね。

綾子
可愛らしい葉書ですね。
ロシアの娘さんなのですね。顔色も良くて、かわいいですね。ロシア展のホームページで、絵を見ました。色々な絵があるのですね。私もロシアの展覧会に行ってみたくなりました。
やまとなでしこあん
きれいなお嬢さん
一番上の絵のお嬢さんの笑顔がステキですね。衣装もとてもステキですね。風合いが西陣織のような豪華さもこの季節にマッチしていて、見ていて気持ちいいです。ロシアの生活感や自然が楽しめるのなら見たいです。実はロシア絵画は陰なイメージがあったので、あまり見たいと思っていなかったのですが、乱鳥さんの記事で払拭されました。ありがとうございます。私の大好きなイ・ビョンホンさんの「白夜」というドラマでは、半ば当たりに彼以外の男前がロシアで活躍する(恋に悩む)シーンがたくさんあり、ロシアの街角や人々のシーンがステキでした。ロマンチックな気分がありましたね。
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