『遠藤彰子展』その２＝森の中の『不安感』

昨日の続きで『遠藤彰子展』






遠藤彰子さん宅をお訪ねしたのは1992年秋のこと。

市内の某会社で、
「会社のＰＲの為」
「全部、貴女の好きなようにやっていいから」
と
本当に、好きなようにやらせて貰っていたタウン誌。

当時、社内でやり手の営業課長（＝通称Ｍ女史）が遠藤さんの「ご町内」で
「彰子さんならいつでも紹介するわよ～ん」
ってな感じで
ノコノコ連れられて行ったのが、遠藤さんの住まい兼アトリエだった。


そのお宅（アトリエ）は森の中？
周辺には首都圏有数の平地林があり、それに連なるように雑木林が多く、
遠藤邸も丈のある生け垣で囲まれていて
その間から（＝正面入り口だったのかしら？）木々を縫うようにして入口へ行ったのを覚えている。
（24年前の事だから記憶も掠れているけれど）

で、連れて行ってくれたＭ女史、ドアを叩きながら
「アキ子さぁ～ん、いるぅ～？」
って感じで＾＾
全然「取材」という気分じゃなかった（＾＾；）

その延長か、
遠藤さんとのお話（＝取材）もフツーのお母さん同士みたいで＾＾
全然、『一流の画家』って感じがしなかった・・・。


※この時撮った遠藤さんの後ろは制作中の作品で、
（哀しいほど覚えていないのだけど）
　多分「街」シリーズだったと思う。

で、あの時書いた記事を読み直すと、
「私にとって絵を描くのは特別な事でなく・・・」
と仰った言葉が蘇って来る。

「朝起きて、さぁ描こうか、と絵筆を持つ」
「夕方だから、晩ご飯の仕度をしなくちゃ、って・・・」

絵はただ「生活の一部」だと。。。

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絵画展でしばらく足が止まったのは・・・




アンリ・ルソーを彷彿させる『楽園』シリーズ。

拙い記事の中で私は
「以前は明るい、ファンタジーの様な絵を描かれていたんですね」
と質問している。
「そう、この街に住み始めた頃は自然に恵まれていましたし・・」と遠藤さん。

Ｍ女史によると、「アキ子さんはフツーのお母さんで」
町内の子ども会にも「フツーに」参加していたのだという。。。

もう一つ、拙文を読み返しながら思い出した言葉。

「幼い頃、遊び疲れて帰って来た私は茶の間で横になりながらふと目をやると、
　午後の少し弱まった光が畳を差していました」

「それを見た時、『何もない!』という感覚に襲われました」

「その思いは私の中に深く根差された、最初の『何か』だったのだと思います」

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会場では巨大な絵の前で
「凄い！」
「迫力がある！」
という言葉があちこちから聞こえてきた。

確かに、デカイ！！

例えばこの絵・・・


人が前に立つといかに大きいか分かる（＾＾；）



迫力のある絵に何故か私は「不安感」を覚える。

巨大な絵の中に画家の心が透けて見えるようで、不思議な魅力に惹きつけられる。


相模原市収蔵美術品展　遠藤彰子の世界展～COSMOS～
　会場：相模原市民ギャラリー
　（相模原市中央区相模原1-1-3　相模原駅ビル「セレオ」4階）
　入場料：無料
　8月6日（土曜日）～8月28日（日曜日）
　午前10時～午後6時（入場は午後5時半まで）






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