ウェネトさまの館

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「セラミックス・ジャパン」(松濤美術館)&「マリメッコ展」(Bunkamura ザ・ミュージアム)

2017年01月07日 06時03分22秒 | 展覧会・美術関連

前回の日記の続きでございます。

Bunkamuraギャラリー「染付古便器の粋」の後は、渋谷区立松濤美術館「セラミックス・ジャパン 陶磁器でたどる日本のモダン」を観ましたのじゃ。
http://www.shoto-museum.jp/exhibitions/171celamicsjapan/


明治維新から第二次世界大戦まで約70年の日本の陶磁器デザインを辿る展覧会。
デザインの変遷を、美術品だけでなく生活用品の陶磁器でも観られるのが嬉しゅうござります。

前・後期合わせて約160点の展示で、観たのは前期。
構成は以下の4章。お気に入りなどもリスト順に挙げておきまする。

【1 近代化の歩み】

★《上絵金彩獅子鈕付壺》 新村留蔵
蓋に乗っかる一対の獅子と、壺に描かれたスズメが可愛い。

★《タイル》淡陶株式会社、佐治タイル、佐藤化粧煉瓦他
明るい色合いの美しいタイル21枚にテンション上がりまくり。

★《新製マジョリカ額皿》東京高等工業学校窯業科/板谷波山
西洋の誰ぞの絵に似てる・・・とよく見れば、藁葺き(茅葺き?)屋根の民家と、和服女性のちっちゃい後姿が日本じゃった。
まだ若い波山が、イタリアのマジョリカ焼きを研究して制作したのですと。

★《白磁貼花菊文籠形壺》出石磁器会社
竹で編んだとしか思えぬ籠から、細い針の如き花びらの菊、凄い技巧ですのぅ。

【2 産地の動向】

★《上絵金彩花鳥図皿》アビランド/松原新助 春山画
元のお皿がアビランドとは、ちとびっくり。

【3 発展・展開】

★《装飾電灯台》陶磁器試験場
わたくしのお仲間の3羽のウサギが、耳で素敵な電灯を支えるデザイン。
実際に灯りがつけられておるのが嬉しいですのぅ。

★《木兎形装飾電灯具》陶磁器試験場
門灯または庭園照明としてデザインされたとか。
こちらも灯りがつけられ、ミミズクの目が爛々と光っておりまする。

★《門ブックエンド》加藤土師萌
十二国記に出てきそうな門じゃ。

★《汽車土瓶》
美濃、有田、不詳の3点。
かような可愛い土瓶でお茶が飲めた列車の旅、いいですのぅ。

★《噴水用装飾彫刻 角鷹》陶磁器試験場
90度に曲がった大きな鷹。設置された噴水を見てみたい。

★《雌雄鳥歩行図陶板》陶磁器試験場
色彩はちと好みではないけれど、大胆な鳥の図柄が好みじゃ。

★《帝国ホテル装飾ブロック》常滑
フランク・ロイド・ライト設計の旧帝国ホテルの装飾ブロック。
建物の玄関部分以外が取り壊されてしまったのは、まことに残念な事じゃ。
他に、ライトがデザインした《帝国ホテルライト館洋食器》も展示。

★《同潤会代官山アパートメント洗面台》高島製陶所(瀬戸)
ちっちゃくてびっくり。昭和レトロ感ありあり。

【4 終章】

会期は1月29日までですが、前期は1月9日まで。
1月11日からの後期も勿論観に行く所存にござります。

そして、Bunkamura ザ・ミュージアム「マリメッコ展」
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/16_marimekko/


マリメッコと聞いてすぐ思い浮かぶのは、カラフルな色彩と抽象的で大きな柄。
「マリメッコ」の意味が、フィンランド語で「マリーのドレス」とは初めて知りましたぞ。
今までマリメッコとかウニッコ(ポスターにもなってるケシの花柄)とか、語尾に「ッコ」を付けると可愛いからッコ?なんて思っておったッコ(ばきッコ)

本展では、フィンランドのデザイン・ミュージアムのマリメッコ・コレクションから、ファブリック約50点、ヴィンテージドレス約60点、デザイナー自筆のスケッチ、各時代の資料など、200点以上展示されております。

マリメッコの歴史は勿論、各デザイナーごとに分けられた展示も、それぞれの特徴が良くわかります。

マリメッコ初の日本人デザイナーとなった脇阪克二と、1980年代のマリメッコデザイナーの中心的存在だった石本藤雄のデザインも興味深うござりました。
おふたりのデザインした柄、今でも製品化されておるのですな。

この日は風強く寒うござりましたが、寒さも吹っ飛ぶパワーある展覧会でありました。
会期は2月12日まで。