ケアンズでダイビング、ケープトリビュレーションで熱帯雨林を満喫したあとは
ラウンド(前半)もいよいよ佳境に入ってまいりました。
そう。 ついに ウルル(エアーズロック)に行くのです・・・!!!
・・・ついに行っちゃうのね。ばかでっかい一枚岩。アボリジニの聖地。
世界の中心?おへそと呼ばれるあいつに会っちゃうのね!!
ケアンズからアリススプリングス、バスで行ったら2日かかっちゃうぐらいの距離。
(2日もバスに乗ったらおしりがおせんべいみたいになっちゃうよ)
アリススプリングスからウルル、さらにまたまた車で5時間はかかっちゃうぐらいの距離。
それだけ移動してもまだ、オーストラリアの真ん中。
そのあとパース(大陸の反対側、西オーストラリア)に移動すること考えたら・・・・
やっぱり、やっぱりオーストラリアって ばかでっかい。
単に大きい、じゃなくて
なんかとりあえず ばかみたいに でっかい。
というわけでケアンズからてっとりばやく飛行機でアリススプリングスに飛びました。
飛行機から見える景色が、真っ青な海と熱帯雨林に囲まれた土地から真っ赤でひたすら平地で、
ぽつぽつと木が生えているだけの乾いた大地に変わるのは予想よりずっと早かった。
ずーーーーっと(飛行機乗ったらいつもこれ)窓に張り付いて景色を眺めるんだけど
ナスカの地上絵を連想させる、まっすぐ、まっすぐにのびた線。
視界の端から端まで、見えなくなる地平線まで、ひたすら続くそれは、道路なのである。
赤土の上にできた道路は、ひときわ赤くて、ところどころ違う方向にのびる直線と交わる。
なんだか、あたしが知ってる地球じゃないみたい。
3時間後、アリススプリングに到着し、飛行機のタラップをおりて驚愕。
さっ さむい!!!!!!!!
えーーーーっ アリススプリングスってさぁ、灼熱地獄の砂漠じゃないの!?
てか若干雨降ってまっせ!?
相方もびっくり。 「まじで!?」
そして空港にはゆるいお迎えキャラクター。
とにもかくにもバッパーのピックアップバスに乗り、空港からアリススプリングスの町へ向かうと。
道ばたに座り込み、線路にのぼり、じとっとした眼で観光客を乗せたバスを見つめる
アボリジニたちの姿。
白人仕様の町並み(といっても田舎ですが)の中に、
原住民であるアボリジニたちがどっか!と道端やそのへんに座り込み、じっとりとこちらを見つめる様は、
正直あたしにとっては異様で、怖かった。
あたしにとっては、こういう風景を直に、目の当たりにするのは初めてだったから。
それに、アボリジニの存在は以前から知っていたけれど、シドニーから東海岸を上り、
ケアンズに来るまでに、こんなにたくさんのアボリジニたちを見たことはなかった。
確かに、ボランティアしていた学校にもアボリジニの生徒がいたし、
どこの町にもアボリジニたちのコミュニティらしきものがあるから、見かけることはもちろんあった。
けれど彼らは、白人仕様の暮らしをしているようにあたしの眼には見えたし
ちゃんとオーストラリアなまりの英語をしゃべっていたし、違和感はあんまり感じなかった。
唯一ケアンズで、夜になるとなぜかアボリジニたちがわさわさと出てきて、
いたずらっ子みたいな子供のグループやら、ちょっと危ない雰囲気のおじさま方がいたりしたけれど、
観光客や白人の数も多かったから、「夜になるといっぱいいるね」ぐらいの感覚だった。
(いたずらっ子グループには、マクドナルドでネットしてたら目の前に座ってきてからかわれたり、
スーパーのレジで並んでたらおしり触られたりした!)
でもここは違う。白人のほうが断然少ない。
英語なのか、アボリジニたちの言葉なのか、よくわからない言葉を大声でしゃべってる。
あたしはオーストラリアに来ていながらも、
本当に「ざっくりとした」オーストラリアの歴史しか知らない。
アボリジニたちと白人たちの間の軋轢や、現状は、目で見て感じることしかできない。
例えば以前ボランティアしていたところで
「アボリジニたちは政府からお金をもらって仕事もせずに飲んで暮らしている。
だからアボリジニたちがたくさんいる地域は治安が良くなくて危ない」
と白人のオーストラリア人が言っていた。
そう言った言葉の中にははっきりと差別の響きがあったし、
彼らを卑しいものだと思っている響きがあった。
アボリジニの町アリススプリングスでも
「わしが描いた絵なんじゃ・・・おなかがへってるけどお金がないんじゃ・・・40ドルで買ってくれんか」とか
「ネックレス。手作り。30ドル」
と片言の英語であたしたち観光客に物乞いのように話しかけてくるアボリジニたちを見ると、
胸がきゅうっとなるのだ。
自分に何ができるわけでも、何でもなくて、ただただ無力感を感じてしまう。
こんなことを感じることすら、無意識に自分の中で差別をしてしまってるのかも、
とまたまた罪悪感を感じたりする。
アリススプリングスに掲げられる、堂々と胸を張り、凛とした目つきで赤土の大地を見つめる、
アボリジニの男性の写真を見て、また胸がきゅうっとなるのだ。
しかーーーーしっ!!!!シリアスなのはここまでさ!
あたしたちが宿泊したバックパッカーは町の中心から徒歩15分と少々離れている。
あたしと相方は、なぜかこの日、変に興奮して全然眠れなかった。
相部屋の中にはあたしと相方、男の子が二人。
あたしたちはベッドに入ってもずーっと小声でガールズトークをしてた。(超迷惑)
さすがに明日からウルルツアーに行くために早起きだし、
そろそろ寝ようかと言って目をつぶって眠りに落ちようと格闘して、とろん。としてきたその時。
時間は真夜中3時半。
かちゃり、静かにドアが開く音がした。
ん? と目を開けて部屋のドアのほうを見やると、
廊下の薄暗い電気で逆光になって顔は見えないけれど、
服装の感じからして若そうな男の子がドアを開けてそこに突っ立っている。
眠りに落ちる寸前だったあたしの頭は鈍くて、
何で部屋のドアが開いていて、男の子が立っているんだろう、としか思わなかった。
あたしはぼーっとしながらもその子を凝視してた。
その子はあたしが起きてるのが分かったのか、
ドアも閉めず、きびすを返してダダダッ!と走り去っていった・・・・
そして・・・・しばらくの沈黙の後。
「あゆ・・・あゆ??」相方に問いかける。
「あやちん・・・今の・・・・なに?」相方も起きて目撃していたらしい。
呆然として動けなかったけど、相方がドアを閉めて、ロックしてくれた。
「もしかして今の、盗みに入ってきた・・・??」
ここに来る前にケアンズで、ちょうどアリススプリングスからケアンズに来たばかりだという
イスラエル人の女の子に出会ったとき、
「あそこは、なんだか異様な感じ。キャンプカーを駐車場に泊めて、
荷物だけ車に置いて宿で寝て朝起きたら、車の荷物がごっそり盗まれてたの」
と言ってたことを思い出した。
おーーーーーーーいっ こらっ アボちゃん!盗んじゃだめ!!!
翌朝レセプションのおっちゃんに
「夜中誰かがドアを開けて、あたしが起きてるのを見て走り去って行ったんだけど」と報告すると、
「アボリジニだね。食べるものか金目のものを探してたんだろう」
とあっさり。
「だから ドアにちゃんとロックしなさい!って張り紙してあっただろ」とも。
・・・。 あ、あっさりやのーー!!!!
ほんとにアボちゃん、盗みに来たね と相方とお口あんぐり。
びっくり。
マジで、
あんとき起きててよかったーーーーーーー!!!!
興奮のガールズトークにマジ感謝。相方よ、無事でよかったね!
次回はついに来た!ウルルツアーだよ★お楽しみに!