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障害者の外出事故

2015-11-12 | 障害者関連
障害者の外出事故 安全と人権、両立に難題

障害者の外出事故 安全と人権、両立に難題


◆「葵区の施設に責任」判決

 障害者施設を無断外出した入所者の事故に、施設はどこまで監督責任を負うのか。静岡市葵区で二〇一二年四月、バイクの少年が施設を抜け出した入所者を避けようとして死亡した事故をめぐる訴訟で、東京高裁は十月、施設の監督責任を認める判断を示した。遺族側弁護士は「施設外の事故で監督責任を認めた判決は珍しい」と評価するが、施設側は「過度な外出防止対策は人権侵害につながる」と戸惑いの声を上げる。
 事故は四月七日午後七時四十五分ごろ、同区飯間の障害者施設「わらしな学園」近くの県道で発生。バイクの少年=当時(19)=が立っていた入所者を避けようとして転倒、対向の乗用車にはねられ死亡した。
 遺族が翌年、入所者と施設を指定管理する市厚生事業協会に損害賠償を求めて提訴。地裁は今年三月、無断外出への対策が不十分だったとして、責任能力がない入所者に代わり、協会に約二千九百万円を支払うよう命じた。
 東京高裁も十月二十九日の判決で施設の監督責任を認定した。ただ事故の過失割合を変更して賠償額を大幅に減額。「既に自賠責保険で支払われている」として請求自体は棄却したため、遺族は十一日、最高裁に上告した。
 遺族側代理人の佐野雅則弁護士は「在宅介護する家族と異なり、施設は専門性を持っている。入所者とは契約で成り立つ関係であり、高い監督義務があるのは当然だ」と話す。
 高裁判決によると、施設の入所者は八十人。支援員は二十人いるが、午後五時以降の当直時は四人に減る。正門は開いたままで、通用口もつまみを回して簡単に開けられる鍵だったことから「監督義務を十分尽くしたとは認められない。入所者の夜間外出は、可能な限度のあらゆる手段で回避すべきだ」と指摘した。
 施設は事故後、鍵を暗号式の錠に変更。入所者の点呼も小まめにするよう改善したが、施設の窓は誰でも開閉でき、塀の多くは大人の腰ほどの高さだ。梅原誠園長(65)は「外出を完全に防げるかは分からない」と漏らし「事故は二度と起こしてはいけないが、窓を金網で覆ったり、塀を高くしたりすれば閉鎖施設だ。入所者の居住環境に適さない」と頭を悩ませる。
 静岡福祉大の山城厚生副学長(精神保健福祉学)は「認知症患者の施設にも当てはまる難しい問題。福祉現場の人手不足も要因だ。出入りを察知するセンサーなど設備も重要だが、職員の体制も考えてほしい」と話す。

 <監督義務者の責任> 民法714条で規定。子どもや知的障害者など責任能力を持たない人が他人に損害を与えた場合、本人に代わり「監督義務者」が賠償する責任を負う。ただ監督義務を怠っていないことを証明できれば、責任を負わなくて済む。2007年に愛知県大府市で認知症の男性が電車にはねられ死亡した事故で名古屋高裁は昨年4月、監督義務を怠ったとしてJR東海への賠償金支払いを妻に命じた。最高裁に上告され、第三小法廷は来年2月2日に弁論を開く。



とても難しい問題ですね。
施設としての限界もあるでしょうしね。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
どうか (ここ知ってる)
2017-01-29 00:29:42
潰れました
静岡市厚生事業所協会 (ここの職員)
2017-03-29 08:16:51
潰せよ
潰れりゃ良いのに (ここの従業員)
2017-04-23 13:20:21
ここの従業員です 潰れりゃ良いのにって毎日おもいます

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