上山法律事務所 TOPICS

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雇い止めに関する 最高裁判例

2016-12-02 | 労働
平成27年(受)第589号 労働契約上の地位確認等請求事件
平成28年12月1日 第一小法廷判決
主 文
1 原判決中,被上告人の労働契約上の地位の確認請求及び平成26年4月1日以降の賃金の支払請求を認容した部分を破棄し,同部分につき第1審判決を取り消す。
2 前項の部分に関する被上告人の請求をいずれも棄却する。
3 上告人のその余の上告を棄却する。
4 訴訟の総費用は,これを5分し,その2を上告人の負担とし,その余を被上告人の負担とする。
理 由
上告代理人三浦邦俊,同和智大助の上告受理申立て理由について
1 本件は,上告人との間で期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という。)を締結し,上告人の運営する短期大学の教員として勤務していた被上告人が,上告人による雇止めは許されないものであると主張して,上告人を相手に,労働契約上の地位の確認及び雇止め後の賃金の支払を求める事案である。
2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。
(1) 被上告人は,平成23年4月1日,上告人との間で,Y学園契約職員規程(以下「本件規程」という。)に基づき,契約期間を同日から同24年3月31日までとする有期労働契約を締結して本件規程所定の契約職員となり,上告人の運営するA短期大学の講師として勤務していた(以下,被上告人と上告人との間の労働契約を「本件労働契約」とい。)。
(2) 本件規程には,次の内容の定めがある。
ア 契約職員とは,一事業年度内で雇用期間を定め,上告人の就業規則28条に定める労働時間で雇用される者のうち,別に定めるところによる契約書により労働契約の期間を定めて雇用される者をいう。
イ 契約職員の雇用期間は,当該事業年度の範囲内とする。雇用期間は,契約職員が希望し,かつ,当該雇用期間を更新することが必要と認められる場合は,3年を限度に更新することがある。この場合において,契約職員は在職中の勤務成績が良好であることを要するものとする。
ウ 契約職員(助手及び幼稚園教諭を除く。)のうち,勤務成績を考慮し,上告人がその者の任用を必要と認め,かつ,当該者が希望した場合は,契約期間が満了するときに,期間の定めのない職種に異動することができるものとする。
(3) 上告人は,平成24年3月19日,被上告人に対し,同月31日をもって本件労働契約を終了する旨を通知した。被上告人は,同年11月6日,本件訴訟を提起した。上告人は,平成25年2月7日,被上告人に対し,仮に本件労働契約が同24年3月31日をもって終了していないとしても,同25年3月31日をもって本件労働契約を終了する旨を通知した。また,上告人は,平成26年1月22日付けで,被上告人に対し,本件規程において契約期間の更新の限度は3年とされているので,仮に本件労働契約が終了していないとしても,同年3月31日をもって本件労働契約を終了する旨を通知した(以下,この通知による雇止めを「本件雇止め」という。)。
(4) A短期大学を含む上告人の運営する三つの大学において,平成18年度から同23年度までの6年間に新規採用された助教以上の契約職員のうち,同年度末時点において3年を超えて勤務していた者は10名であり,そのうち8名についての労働契約は3年目の契約期間の満了後に期間の定めのないものとなった。
3 原審は,上記の事実関係等の下で,本件雇止めの前に行われた2度の雇止めの効力をいずれも否定して本件労働契約の1年ごとの更新を認めた上で,要旨次のとおり判断し,本件労働契約が平成26年4月1日から期間の定めのない労働契約(以下「無期労働契約」という。)に移行したとして,被上告人の請求をいずれも認容すべきものとした。
採用当初の3年の契約期間に対する上告人の認識や契約職員の更新の実態等に照らせば,上記3年は試用期間であり,特段の事情のない限り,無期労働契約に移行するとの期待に客観的な合理性があるものというべきである。被上告人は,本件雇止めの効力を争い,その意思表示後も本件訴訟を追行して遅滞なく異議を述べたと
いえる以上,本件雇止めに対する反対の意思表示をして無期労働契約への移行を希望するとの申込みをしたものと認めるのが相当である。そして,上告人においてこれまでの2度にわたる雇止めがいずれも客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当と認められない結果更新され,その後無期労働契約への移行を拒むに足りる相当な事情が認められない以上,上告人は上記申込みを拒むことはできないというべきである。したがって,本件労働契約は無期労働契約に移行したものと認めるのが相当である。
4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
本件労働契約は,期間1年の有期労働契約として締結されたものであるところ,その内容となる本件規程には,契約期間の更新限度が3年であり,その満了時に労働契約を期間の定めのないものとすることができるのは,これを希望する契約職員の勤務成績を考慮して上告人が必要であると認めた場合である旨が明確に定められていたのであり,被上告人もこのことを十分に認識した上で本件労働契約を締結したものとみることができる。上記のような本件労働契約の定めに加え,被上告人が大学の教員として上告人に雇用された者であり,大学の教員の雇用については一般に流動性のあることが想定されていることや,上告人の運営する三つの大学において,3年の更新限度期間の満了後に労働契約が期間の定めのないものとならなかった契約職員も複数に上っていたことに照らせば,本件労働契約が期間の定めのないものとなるか否かは,被上告人の勤務成績を考慮して行う上告人の判断に委ねられているものというべきであり,本件労働契約が3年の更新限度期間の満了時に当然に無期労働契約となることを内容とするものであったと解することはできない。そして,前記2(3)の事実関係に照らせば,上告人が本件労働契約を期間の定めのないものとする必要性を認めていなかったことは明らかである。また,有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換について定める労働契約法18条の要件を被上告人が満たしていないことも明らかであり,他に,本件事実関係の下において,本件労働契約が期間の定めのないものとなったと解すべき事情を見いだすことはできない。以上によれば,本件労働契約は,平成26年4月1日から期間の定めのないものとなったとはいえず,同年3月31日をもって終了したというべきである。
5 以上と異なる原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨はこれと同旨をいうものとして理由があり,原判決中,被上告人の労働契約上の地位の確認請求及び平成26年4月1日以降の賃金の支払請求を認容した部分は破棄を免れない。そして,以上に説示したところによれば,同部分に関する被上告人の請求はいずれも理由がないから,同部分につき第1審判決を取り消し,同請求をいずれも棄却すべきである。なお,その余の請求に関する原審の判断は是認することができるから,上告人のその余の上告については,これを棄却することとする。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。なお,裁判官櫻井龍子の補足意見がある。
裁判官櫻井龍子の補足意見は,次のとおりである。
私は法廷意見に賛同するが,近年,有期労働契約の雇止めや無期労働契約への転換をめぐって,有期契約労働者の増加,有期労働契約濫用の規制を目的とした労働契約法の改正という情勢の変化を背景に種々議論が生じているところであるので,若干の補足意見を付記しておきたい。
1 まず,本件は,法廷意見に述べるとおり,有期労働契約の更新及び無期労働契約への転換の可能性,その場合の判断基準等が,当事者間の個別契約の内容となる本件規程に明記され,一方,被上告人も契約締結の際,契約内容を明確に理解し,了解していたと思われ,雇止めの措置はその基準等に照らし特段不合理な点はなかったと判断できる事案であったといえる。本件においては,無期労働契約を締結する前に3年を上限とする1年更新の有期労働契約期間を設けるという雇用形態が採られているところ,被上告人が講師として勤務していたのは大学の新設学科であり(原判決の引用する1審判決参照),同学科において学生獲得の将来見通しが必ずしも明確ではなかったとうかがわれることや,教員という仕事の性格上,その能力,資質等の判定にはある程度長期間が必要であることを考慮すると,このような雇用形態を採用することには一定の合理性が認められるが,どのような業種,業態,職種についても正社員採用の際にこのような雇用形態が合理性を有するといえるかについては,議論の余地のあるところではなかろうか。この点は,我が国の法制が有期労働契約についていわゆる入口規制を行っていないこと,労働市場の柔軟性が一定範囲で必要であることが認識されていることを踏まえても,労働基準法14条や労働契約法18条の趣旨・目的等を考慮し,また有期契約労働者(とりわけ若年層)の増加が社会全体に及ぼしている種々の影響,それに対応する政策の方向性に照らしてみると,今後発生する紛争解決に当たって十分考慮されるべき問題ではないかと思われる。
2 さらに,原審の判断についても一言触れておきたい。
原審の判断を,仮に,判例が積み重ねてきたいわゆる雇止め法理,あるいは労働契約法19条2号の判断枠組みを借用して判断したものととらえることができるとしても,雇止め法理は,有期労働契約の更新の場合に適用されるものとして形成,確立されてきたものであり,本件のような有期労働契約から無期労働契約への転換の場合を想定して確立されてきたものではないことに原審が十分留意して判断したのか疑問である。
すなわち,原審は無期労働契約に移行するとの被上告人の期待に客観的合理性が認められる旨の判断をしているが,有期労働契約が引き続き更新されるであろうという期待と,無期労働契約に転換するであろうという期待とを同列に論ずることができないことは明らかであり,合理性の判断基準にはおのずから大きな差異がある
べきといわなければならない。無期労働契約への転換は,いわば正社員採用の一種という性格を持つものであるから,本件のように有期労働契約が試用期間的に先行している場合にあっても,なお使用者側に一定範囲の裁量が留保されているものと解される。そのことを踏まえて期待の合理性の判断が行われなければならない。
もとより,このような場合の期待の合理性は,日立メディコ事件(最高裁昭和56年(オ)第225号同61年12月4日第一小法廷判決・裁判集民事149号209頁)をはじめこれまでの裁判例に明らかなとおり,労働者の主観的期待を基準に考えるのではなく,客観的にみて法的保護に値する期待であるといえるか否かを,様々な事情を踏まえて総合的に判断すべきものであるということを念のため付け加えておきたい。
以上の考え方に照らすと,仮に原審の判断枠組みに沿って考えるとしても,本件は無期労働契約転換についての期待に客観的合理性があったと認めることができる事案とはいえず,雇止めは有効と判断すべきこととなろう。
(裁判長裁判官 大谷直人 裁判官 櫻井龍子 裁判官 池上政幸 裁判官 小池 裕 裁判官 木澤克之)
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仮差押えと法定地上権 に関する 最高裁判例

2016-12-02 | 民事
平成27年(受)第477号 損害賠償等,境界確定等請求事件
平成28年12月1日 第一小法廷判決
主 文
1 原判決中,上告人に対し土地明渡し及び平成21年
7月29日以降1箇月5000円の割合による金員
の支払を命じた部分を破棄する。
2 前項の部分につき,本件を福岡高等裁判所に差し戻す。
3 上告人のその余の上告を棄却する。
4 前項に関する上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人河原一雅の上告受理申立て理由(ただし,排除されたものを除く。)について
1 原審が確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。
(1) Aは,平成14年5月23日当時,原判決別紙物件目録1記載(2)の土地(以下「838番6の土地」という。),同目録2記載(1)の土地(以下「838番8の土地」という。)及びこれらの土地上にある同目録2記載(2)の建物(以下「本件建物」という。)を所有していた。
(2) 本件建物及び838番8の土地につき,平成14年5月23日,仮差押えがされた(以下,これを「本件仮差押え」という。)。
(3) Aは,平成19年3月26日,838番6の土地を被上告人に贈与した。
(4) 本件建物及び838番8の土地につき,平成20年2月20日,強制競売手続の開始決定による差押えがされた(以下,この強制競売手続を「本件強制競売手続」という。)。本件強制競売手続は,本件仮差押えが本執行に移行してされたものであった。上告人は,本件強制競売手続における売却により,本件建物及び838番8の土地を買い受けてその所有権を取得した。
(5) 上告人は,平成21年7月29日から,本件建物,838番8の土地及び838番6の土地を占有している。
2 本件は,838番6の土地の所有者である被上告人が,これを占有する上告人に対し,所有権に基づき,上記土地の一部(原判決主文第2項(3)掲記の部分)の明渡し及び上告人が占有を開始した平成21年7月29日から上記明渡し済みまでの賃料相当損害金の支払を求めるなどしている事案である。本件仮差押えがされた時点で,本件建物とその敷地の一部である838番6の土地が同一の所有者に属していたことによって,本件建物につき法定地上権が成立するか否かが争われている。
3 原審は,次のとおり判断して,本件建物につき法定地上権の成立を否定し,被上告人の土地明渡請求を認容し,賃料相当損害金の支払請求を一部認容すべきものとした。
土地上にある建物に仮差押えがされ,その後,当該仮差押えが本執行に移行してされた強制競売手続における売却により買受人がその所有権を取得した場合において,土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたとしても,その後に土地が第三者に譲渡された結果,当該強制競売手続における差押えの時点では土地及び地上建物が同一の所有者に属していなかったときは,法定地上権が成立すると解することはできない。なぜならば,そのようなときは,土地の譲渡の際に地上建物につき土地の使用権を設定することが可能であるし,また,土地及び地上建物が同一の所有者に属する場合において,差押えがあり,その売却により所有者を異にするに至ったときに法定地上権の成立を認める民事執行法81条の明文に反するからである。
4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は次のとおりである。
(1) 地上建物に仮差押えがされ,その後,当該仮差押えが本執行に移行してされた強制競売手続における売却により買受人がその所有権を取得した場合において,土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたときは,その後に土地が第三者に譲渡された結果,当該強制競売手続における差押えの時点では土地及び地上建物が同一の所有者に属していなかったとしても,法定地上権が成立するというべきである。その理由は次のとおりである。
民事執行法81条の法定地上権の制度は,土地及び地上建物が同一の所有者に属する場合には,土地の使用権を設定することが法律上不可能であるので,強制競売手続により土地と地上建物の所有者を異にするに至ったときに地上建物の所有者のために地上権が設定されたものとみなすことにより,地上建物の収去を余儀なくされることによる社会経済上の損失を防止しようとするものである。そして,地上建物の仮差押えの時点で土地及び地上建物が同一の所有者に属していた場合も,当該仮差押えの時点では土地の使用権を設定することができず,その後に土地が第三者に譲渡されたときにも地上建物につき土地の使用権が設定されるとは限らないのであって,この場合に当該仮差押えが本執行に移行してされた強制競売手続により買受人が取得した地上建物につき法定地上権を成立させるものとすることは,地上建物の収去による社会経済上の損失を防止しようとする民事執行法81条の趣旨に沿うものである。また,この場合に地上建物に仮差押えをした債権者は,地上建物の存続を前提に仮差押えをしたものであるから,地上建物につき法定地上権が成立しないとすれば,不測の損害を被ることとなり,相当ではないというべきである。
(2) これを本件についてみると,前記事実関係等によれば,本件強制競売手続は本件仮差押えが本執行に移行してされたものであり,本件仮差押えの時点では本件建物及び838番6の土地の所有権はいずれもAに属していたから,本件強制競売手続により上告人が本件建物の所有権を取得したことによって,本件建物につき法定地上権が成立したというべきである。
5 以上と異なる原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨はこの趣旨をいうものとして理由があり,原判決中,被上告人の上告人に対する土地明渡請求を認容し,賃料相当損害金の支払請求を一部認容すべきものとした部分は破棄を免れない。そして,成立した法定地上権がその後消滅したか否か等について更に審理を尽くさせるため,上記部分につき本件を原審に差し戻すこととする。
なお,その余の請求に関する上告については,上告受理申立て理由が上告受理の決定において排除されたので,棄却することとする。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 櫻井龍子 裁判官 池上政幸 裁判官 大谷直人 裁判官小池 裕 裁判官 木澤克之)
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高次脳機能障害

2016-12-01 | 民事
「交通事故で高次脳機能障害」=男性が国に逆転勝訴―大阪高裁


高次脳機能障害 の 事案 は裁判資料を見ても微妙なケースが多いですね。

国は上告するでしょうか?

※ 引用

「交通事故で高次脳機能障害」=男性が国に逆転勝訴―大阪高裁

 通勤中の交通事故で高次脳機能障害の後遺障害を負ったとして、大阪市の男性(47)が国を相手に、労災保険法に基づく障害補償給付の支給を求めた訴訟の控訴審判決が30日、大阪高裁であった。山田陽三裁判長は請求を棄却した一審大阪地裁判決を取り消し、支給を命じた。

 判決によると、男性は1997年、原付きバイクで学習塾への通勤中に乗用車と衝突。2005年にもタクシーのドアに右半身がぶつかり、記憶障害などを訴えて08年に高次脳機能障害と診断された。

 しかし、淀川労働基準監督署は11年、労災とは認めず、一審も精神障害の可能性に触れ、高次脳機能障害とは認めなかった。

 山田裁判長は、97年の事故直後から男性に重い意識障害があり、頭部画像に脳内出血が認められると指摘。最初の事故が原因で高次脳機能障害を発症したと認定した。 
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求刑  なし

2016-12-01 | 刑事
検察側、求刑せず結審…供述調書捏造で立証困難


求刑なし  ということは  論告をしたんでしょうね。

どんな論告なんだろう。

有罪立証は困難でも結審して判決を求める。

この場合は、検察官控訴はないでしょうけど・・・。

対応に油断できないところがもどかしいところです。


※引用

検察側、求刑せず結審…供述調書捏造で立証困難


 大麻取締法違反に問われた川崎市の男性被告(25)の論告求刑公判が30日、横浜地裁(国井恒志裁判官)であり、検察側が求刑せずに結審した。

 この裁判を巡っては、神奈川県警大船署の40歳代の元巡査部長による供述調書の 捏造 ねつぞうが発覚。弁護側は調書を基に押収した大麻などの証拠の排除を求めており、検察側は有罪立証は困難と判断したとみられる。判決は12月12日。

 県警監察官室などによると、元巡査部長は同署刑事課に所属していた昨年10月、男性被告の大麻所持に関する情報提供者が「車に大麻があった」と証言したのに、確実に捜査令状を取ろうと考え、「居室にもあった」と調書に書き加えた。男性被告は翌11月、大麻を所持したとして現行犯逮捕、起訴されたが、弁護側はこの調書に基づき作成された捜索差し押さえ許可状請求書は違法だとし、県警が押収した証拠の排除を要求するとともに、無罪を主張していた。

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宣誓拒絶

2016-11-24 | 刑事
「宣誓」拒否で証人尋問が中止に 「これ以上関わりたくない」


宣誓拒否

(宣誓・証言の拒絶と過料・費用賠償)
第160条
1 証人が正当な理由がなく宣誓又は証言を拒んだときは、決定で、10万円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。
2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

(宣誓証言拒否罪)
第161条
1 正当な理由がなく宣誓又は証言を拒んだ者は、10万円以下の罰金又は拘留に処する。
2 前項の罪を犯した者には、情状により、罰金及び拘留を併科することができる。


検察側証人ということですね。

証人請求を拒むということは

出来なかったんですかね。

宣誓して証言を拒むということは

考えなかったんですかね。

検察側は立証をどうするんでしょうね。


※引用

「宣誓」拒否で証人尋問が中止に 「これ以上関わりたくない」



 福井地裁で22日にあった裁判員裁判公判で、証言前に真実を述べることを誓う「宣誓」を証人の男性が拒否し、証人尋問が中止となった。入子光臣裁判長がこの男性に対し「刑事訴訟法に基づき過料10万円に処す」とした。

 裁判は、覚醒剤を職業的に密売していたとして麻薬特例法違反などの罪に問われた被告人の裁判員裁判公判。

 証人は検察側が請求した、被告の覚醒剤密売の顧客とされる男性。開始予定から25分遅れて出廷した男性は、拒否する理由を問われ「(覚醒剤事件に)これ以上関わりたくない」と述べた。裁判長が何度も意思を確認したが、男性は「変わらない」とした。1時間10分予定の尋問は中止となった。

 刑事訴訟法では証人は宣誓の義務があり、正当な理由なく拒否した場合は、10万円以下の過料を命じることができる。
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任意性否定

2016-11-21 | 取調可視化
自白の任意性に疑い 捜査段階の調書採用せず 大阪地裁


記事の範囲でも、取り調べ段階の録音録画をしていないこと自体が任意性を否定する判断につながっているようにも読めます。

先日の研修であったように、録音録画の申入れを行うことが、被疑者弁護の第一歩になりそうですね。



※引用

自白の任意性に疑い 捜査段階の調書採用せず 大阪地裁


 覚醒剤取締法違反(営利目的輸入未遂)などの罪に問われている男性被告(54)の裁判員裁判で、大阪地裁(浅香竜太裁判長)は18日、捜査段階の自白調書を証拠採用しない決定を出した。男性は「否認を続ければ内妻を犯人隠避容疑で逮捕すると言われた」と主張。大阪府警の警察官は否定したが、取り調べ段階の録音録画はしておらず、大阪地裁は自白の任意性に疑いが残ると判断した。

 男性は2010年7月に複数の知人と覚醒剤を密輸しようとしたとして、15年夏に逮捕、起訴された。今月15日に始まった裁判員裁判で、男性は「荷物は何らかの違法薬物だとは思ったが、覚醒剤ではないと思った」と主張。しかし、逮捕後の府警の調べに対し、「覚醒剤と思った」と認めたとされ、検察官調書1通を証拠採用するかどうかが争点になっていた。

 公判では「『内妻を逮捕する』と言われて自白した」という男性の説明について、担当した警察官が「『内妻を逮捕する』とまでは言っていない」と証言した。

 大阪地裁は当時のやりとりを裏付ける証拠がないうえ、取り調べに立ち会った大阪税関職員の証言と警察官の説明が食い違う部分があると指摘。さらに取り調べ内容を書いた男性のノートに「もうどうでもいいや、外にいる人(内妻)も守ってやらないと」と残されていたことから、検察側の証拠請求を退けた。

 今年5月成立の改正刑事訴訟法は、裁判員裁判の事件での録音録画を義務付け、付帯決議では対象外事件でも積極的に実施するとしている。関西学院大法科大学院の川崎英明教授(刑事訴訟法)は「施行を待たずに一歩進めようという考えが裁判所に浸透しつつあるのではないか」と指摘。「任意性が争いになった時は録音録画が必要という裁判所のメッセージ。大変インパクトがある妥当な決定だ」と話した。
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スピード違反  無罪判決

2016-11-17 | 刑事

地裁事件なんですね。

普段から誤りが生じ得ない態様で取締りがなされていたとは認められない。

どんな証拠調べ、特に尋問等が行われたのか興味があります。

今後は、スピード測定器の後ろにビデオカメラが設置されるのでしょうか。


※ 引用

<スピード違反>地裁が無罪判決「警官の記憶ほとんどない」


 最高速度を超えるスピードで乗用車を運転したとして、道路交通法違反に問われた横浜市内の男性会社員(21)に対し、さいたま地裁は16日、無罪(求刑・罰金6万円)を言い渡した。加藤雅寛裁判官は「警察官は当時の記憶がほとんどなく、誤りなく取り締まりが行われたかを確認できない」と述べた。

 男性は、昨年5月に埼玉県久喜市の県道で、最高速度(50キロ)を超えた80キロで走行したとして起訴された。

 公判で弁護側は「警察官は(男性の車を)追い抜いた別の車のスピードを誤って測定した」と無罪を主張し、検察側は「別の車と取り違えることはあり得ない」などと反論した。加藤裁判官は、公判での警察官の証言を踏まえ「普段から誤りが生じ得ない態様で取り締まりがなされていたとは認められない」と判断した。

 弁護人の津田哲哉弁護士は「判決は速度違反取り締まりのずさんさを認定した」と評価した。さいたま地検の葛西敬一・次席検事は「判決内容を精査した上で適切に対処したい」、県警は「コメントできない」とした。
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二重訴訟

2016-11-15 | 民事
過払い金で二重訴訟…弁護士、原告と話さず訴状


ラジオCMで宣伝していた司法書士

どうして二人に引き継ぐのだろうか。

まあ、原告と一度も話さずに・・・というのも信じがたいですが・・・


※引用

過払い金で二重訴訟…弁護士、原告と話さず訴状

 原告が同じで、訴えの内容も同じ2件の過払い金返還請求訴訟が今年7、9月、別々の弁護士を代理人として京都地裁に起こされていた。

 原告から依頼された司法書士が2人の弁護士に引き継いでしまったためだが、うち1人の弁護士は読売新聞の取材に、日本弁護士連合会の規定に反して原告と一度も話さずに訴状を提出していたことを認めた。過払い金の返還総額は現在も年間2000億円程度とされており、消費者金融に詳しい弁護士は「弁護士の受任がずさんなケースはほかにも相当数あるのではないか」と話している。

 関係者や2件の訴状によると、原告は熊本県内に住む男性(60)。

 男性は今年6月、ラジオCMで宣伝していた大阪の60歳代の司法書士に、消費者金融に対する過払い金返還請求の手続きを依頼した。司法書士が過払い額を計算すると約390万円で、司法書士が扱える金額(140万円)を超えていたため、大阪弁護士会の男性弁護士2人に引き継いだという。
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勾留請求却下率

2016-10-31 | 刑事
勾留請求却下率低い大阪 弁護士「いまだに人質司法」、検察「請求厳選した結果」



結局、裁判所、裁判官の判断の問題ということだというのが

素直に読み取れないのが残念です。

※引用

勾留請求却下率低い大阪 弁護士「いまだに人質司法」、検察「請求厳選した結果」

 裁判所が容疑者の身柄拘束の継続を認めない勾留請求の却下率(平成27年)について、大阪が東京の4分の1にとどまっていることが明らかになった。かつては「否認すれば身柄拘束が長期化する」と言われ、痴漢冤罪などが社会問題化してからは「裁判所が安易に勾留請求を認めている」との批判もあった。大阪の現状について、弁護士らは「『人質司法』がいまだ続いている」と警鐘を鳴らすが、検察関係者は「勾留請求すべき事件をきちんと見極めた結果」としており、受け止め方は対照的だ。

 大阪地裁・簡裁の過去10年間の却下率は25年まで1%未満で推移。27年に2%台まで上昇したが、10年間で全国平均を上回ったことは一度もなかった。

 「かつてのフリーパスのような状況からは改善されたが、『人質司法』の体質は変わっていない」

 大阪弁護士会刑事弁護委員会の委員長を務める小田幸児弁護士は、検察や裁判所の姿勢をこう批判。一方で個々の弁護士の意識も影響していると分析した。却下率が高率のさいたまでは、勾留決定取り消しを裁判所に求める準抗告を、弁護士会を挙げて推進していた。

 大阪弁護士会でも現在、準抗告の手続き方法などを示した会員向けマニュアルを作成している。小田弁護士は「昔ならあきらめていたような事例でも却下が増えてきた。われわれ弁護士も意識を変えていかないといけない」と訴える。

 一方、大阪の検察幹部は「却下率の低さは悪いことではない。身柄を厳選して勾留請求しているということだ」と説明し、「人質司法」との批判に真っ向から反論する。むしろ、裁判所の判断基準が厳しくなる中で低い却下率を保っているのは、正当な理由で勾留請求している証拠だとする。さらに「容疑者が否認しているから直ちに勾留を請求する、ということは今はない」と強調した。

 東京地検に勤務したことのあるベテラン検事も「東京では勾留が認められるか微妙に感じる事件でも、どんどん請求していた」と話した。
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手錠・腰縄

2016-10-03 | 刑事
法廷で手錠、当たり前? 「裁判前から罪人」提訴の例も


手錠・腰縄の姿を晒すというのは、被告人本人にとっても傍聴席の家族等関係者にとっても大変衝撃的なことだと思う。

ついたて以前に、法廷の構造で逃げられないところで解放してあげればよいように思う。

裁判官は外見で有罪の偏見をいだくことはない

のであれば

裁判員裁判でも同様の入廷方法を取るべきであろう。

裁判員は、外見で有罪の偏見をいだくおそれがある。という説明だろうか。


朝日新聞の記事からです。

※引用

法廷で手錠、当たり前? 「裁判前から罪人」提訴の例も


 法廷で手錠・腰縄姿を見られるのは苦痛として、刑事裁判の被告人が国に賠償を求めるケースが起きている。逃走などを防ぐための通例だが、開廷中は縄を外し解錠するよう法律で定められている。市民が参加する裁判員裁判では、先入観を持たないように手錠・腰縄姿を見せない運用もしている。入廷時の取り扱いについて、司法の場で議論が広がりつつある。

■被告「尊厳が傷ついた」

 「裁判が始まる前から罪人という印象を与える」「市中引き回しに等しく、尊厳が深く傷ついた」

 覚醒剤使用の罪に問われ、無罪を主張する50代の男性被告は今年3月、国に10万円の慰謝料を求める訴訟を京都地裁に起こした。入退廷時に裁判官と刑務官が手錠・腰縄姿を見られないようにする配慮を怠った、と主張している。

 弁護人の鄭文哲(チョンムンチョル)弁護士によると、提訴に先立ち裁判官に「せめて法廷内のついたての中で解錠してほしい」と求めたが、「裁判官は外見で有罪の偏見を抱くことはない」などと拒まれた。そのため「必要以上の精神的苦痛を与えている、と知ってほしい」と民事裁判で闘うことにしたという。

 大阪地裁では、同様の理由で法廷への不出頭に踏み切った事例もある。公務執行妨害罪などに問われ、無罪を訴える男性被告(43)は「裁判官に『犯人』と思われてしまう」と入廷前の解錠を要請。拒まれると、2014年2月から5回にわたり出廷を拒否。裁判所の出廷命令に応じる義務がある弁護人も同調し、過料3万円の制裁が科されて最高裁で確定した。
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