■打越正行,2013年3月20日,「建築業から風俗営業へ――沖縄のある若者の生活史と〈地元〉つながり」日本解放社会学会編『解放社会学研究』洛北出版,26: 35-58.
概要
本稿は、ある沖縄の若者の生活史にもとづいて、不安定な就労形態にある職業選択と社会関係資本をめぐる解釈枠組を再考することを主な目的とする。彼には親からの経済資本はほぼ継承されておらず、社会関係資本としての地元つながりが土台として存在する。ここで土台とは、彼が具体的にどのような手段で生計を立てているのか、その生活を営むために欠かせない基盤をさしている。その事実によって、家族や学校、正規雇用などの安定した労働世界に土台を持つことを前提とする、あるいはそこに土台を持つことを是とした先行研究や既存の行政支援の在り方に再考をせまりたい。その作業を通じて、家族や学校、安定した労働世界によらない暴走族や無認可マッサージ店といった合法的世界の外部に土台を据えた社会化のあり方を逸脱的とみなすことなく、むしろそれをもとに既存の家族、学校、安定した労働世界の社会化のありようを批判的に考察する。
キーワード:下層若者、沖縄、〈地元〉
欧文概要
From Construction Worker to Management of Sex Trade Shop: Life History of Okinawan Youth and Jimoto Connection
(作成中)
Keywords: underclass youth, Okinawa, jimoto
洛北出版