音楽は語るなかれ

音楽に関する戯れ言です。

リレイヤー (イエス 1974年)

2008-08-28 | ロック (プログレッシヴ)


私が影響を受けたアーティストのひとつ、プログレッシヴロックの旗手、イエスとの出会いがこのアルバムである。

危機でもなければ、こわれものでも、イエスソングスでも、勿論、ロンリーハートでもなくこのアルバムだったのに、その後このバンドを崇拝するに至った理由というのは、矢張、私自身のクラシックの土壌が大きかったと思う。それは、アルバム1枚表裏で3曲しか収録がないにも関わらず、私的にはその1曲1曲が全く長いと思わず、特に最初の「錯乱の扉」等は、まるで交響曲のような主題の提示に、併せて、当時最新の楽器、特に鍵盤に至ってはその音色の多彩さとのマッチングに音楽の新しさを聴き取ったのである。

同時に演奏テクニックは脱帽で、管楽器以外は経験のある自分に取って、まずはキーボードのテクニック(なんとこのアルバムはリックでなくパトリックモラーツなのだ…)、勿論このバンドのミュージシャンは皆演奏巧者であるが、素晴らしい内容であった。

又、余りイエスらしく無い曲であるが、サウンドチェイサーの斬新な構成。特にここではスティーヴ・ハウのギターソロに注目できる。その後に、所謂彼等の最高潮である「こわれもの」、「危機」を聴くが、このときのスティーヴの音色とは全然違うのであるが、このときは勿論まだ気づいていなかったが、かなりハードなタッチであった。さらに思いっきりイエスっぽいトゥービーオーバーの3曲が同じアルバムに収録されているというのも、このバンドの多くを理解できたという満足感に繋がった。

ジャケットも見事。そしてこのアルバムが最初だったからであろうか、その後に聴くイエスも皆、感動と発見の連続であり、いつしか、イエスのコピーバンドに参加していた。

一般的な評価は大変低い作品であるが、私的には、プログレッシヴロックへの目覚めに繋がった記念すべきアルバムである。


こちらで一部試聴できます。


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