トルクメニスタンに住んでます。

トルクメニスタンの首都アシガバート(Aşgabat/Ashgabat)での暮らしを綴ります。

知りすぎていた男

2017-07-29 22:42:48 | 日記
私は土曜日も半日勤務です。
今朝、いつものようにタクシーをつかまえるため大通りまで歩いていたのですが、
「ん?なんか変。」

車が走っていません。



バスとタクシー(黄色の正規タクシー)は見えますが、やはり一般の車は走っていないようです。
真っ先に思い浮かんだのは、No Car Day。
しかし、それとも何やら様相が異なります。

大通りに出てみると、スポーツウェアを着て自転車を走らせる若者たちが次々と前を通り過ぎていきました。ばらばらと好き勝手に走っているようにも見えますが、向かっている方向は一応同じ。
自転車関係のイベントなのか?
この国では国家行事などがあると大学生たちが大勢駆り出されるそうなので、今日も何か行われるのでしょうか?




そんなことより、どうやって職場に行こうか。
ただでさえ台数の少ないタクシーは、争奪戦必至です。
バスはまだ利用したことがないので、何番に乗ればいいのかわかりません。
というわけで、「きょうは会社休みます。」もとい、「今日はうちで仕事します。」
くるっと引き返しました。

その後、トルクメン人の同僚に電話で聞いてみたところ、今日は「Asian Indoor and Martial Arts Gamesまで50日記念」の自転車ロードレースが行われるとかで、一日中、一般車両は走行禁止ということがわかりました。
「Asian~」とは、アジアオリンピック評議会(OCA)が主催する国際競技会で、9月17日からアシガバート市で行われます。トルクメニスタンが国の威信をかけて取り組んでいると言っても過言ではないほどの一大イベントです。
自転車ロードレースが何時からどこで行われるのか、一般車両の走行禁止エリアはどこなのかなど、細かいことは聞きませんでしたが、「今日はどこも行かない方がいいです」と言われたので、おとなしく家にいました。

それにしても、こんなふうに自分だけが知らない/知らされてないということは以前働いていたタイの職場では日常茶飯事だったので、かなり”耐性“は付いているのですが、国レベル(市レベル?)での「聞いてないよー」は初めてかもしれません。
次は何日前にどんなイベントが催されるのでしょうか?
何でもいいけど、とりあえず誰か事前に知らせてほしいと思うのでした。

タクシードライバー

2017-07-26 20:25:45 | 日記
毎日白タクで通勤するようになってわかってきたことがあります。
どうやら、これを生業またはアルバイトにしている人がいるようだということです。
というのも、私を下ろした後、Uターンしてもと来た道を戻るドライバーに何度か遭遇したからです。
そもそも、普通なら仕事をしている時間に、“勤務中”には見えない服装で街を走っていることからして不思議と言えば不思議なのでした。

この間乗せてくれた若い男性は、降りる時までずーっと、ロシア語で陽気に喋り続けてました。
身振り手振りから「暑い?今エアコン入れたよ、ほら、涼しいだろ?」とか、「音楽聞きたい?ほら、ボリューム上げたよ。」みたいなことを話していたと思うのですが、全く理解できていない私のことなどおかまいなしに、手を緩めることなくマシンガンを炸裂させていました。
コミュ力、高いのか低いのか。

さらに、私の発音が悪かったのか彼の早とちりか、行先を間違えて途中で引き返す羽目に。
「ソーリー」と言う私に、「マイ・プロブレム!」と笑顔で答えていたにも関わらず、降りる時にはちゃっかり料金を上乗せして請求されました。
「マイ・プロブレム」は、「僕、困っちゃうよ」の意味だったのでしょうか?

ソーシャル・ネットワーク②

2017-07-24 20:47:37 | 日記
以前、トルクメニスタンではYoutubeが見られないと書きましたが、なぜか最近、スマホでなら見ることができます。
実は前々から試しにアクセスすることはあり、「マイミックスリスト」などは再生できていました。ただ、途中で切れてしまったり、映像は流れるけど音声が出なかったりという不具合はありました。
しかし、調子のいい時は、今まで見たことのない動画も「関連動画」として次々と再生されることがありました。そこで、2,3日前にダメもとで動画検索をしてみたら、それも見ることができたというわけです。パソコンでは今でも見ることはできません。どういうシステムになっているのか??
ちなみに、FBはスマホでもやっぱり見られません。

バーバー

2017-07-22 20:42:10 | 日記
アシガバートで暮らし始めて1か月余りが過ぎました。
私にはこの時期に乗り越えなければならない壁があります。

散髪です。

髪を切るのはほぼひと月に1回。日本を発つ直前に切ったので、今がちょうど“切り時”なのです。

しかし、言葉が満足にできない外国で、自分の希望を伝えるのは至難の業です。しかも、その国で初めて切るとなると、緊張も高まります。テケ・バザールには理髪店が数件並んでいますが、間違いなくトルクメン語かロシア語しか通じないでしょう。されるがままにトンデモナイ髪形にされるのだけは避けたい。
そこで目を付けたのが、Berkarar内にある、イケてる感じのこのお店。


この大型ショッピングモールには在留外国人も多く訪れますし、そういう人たちの髪を切ることもあるのではないか、英語も少しは通じるのではないかと。

期待通り、店には英語のできる人が少なくとも一人いました。
しかし、今回切ってくれたのは別の人。
イスに座ると、いきなり「ぐわしっ」「ぐわしっ」と髪を数回掴まれました。伸び具合を確認したのでしょうか。
そして、見習のような若い男の子にシャンプーするよう指示。整髪料を落とすのですね。
シャンプー台は、前かがみになるタイプでした。

トルクメン人の男性は、ずんぐりした手の人が多いように思うのですが、彼も例外ではなく、ソーセージのような指とハンバーグのような掌で、不器用に洗ってくれます。こそばゆさに肩がひくつきます。
極めつけは、すすぎ終わったところで顔の水滴を落とすため、額から顎にかけて一撫で、二撫で。ソーセージとハンバーグのざらりとした感触に、思わず「うひゃっ」と素っ頓狂な声を上げてしまいました。タオルで顔を拭くときもハンバーグに顔をまさぐられ、いったい何の拷問なのか。

あまりに強烈な前座にボー然となりましたが、ここからいよいよ本番です。
「えっと、1センチくらい切ってください」と言う間もなく、シャキシャキと軽快な音を立てて切り始めました。その鮮やかなハサミさばきに信頼感が湧き、何も言わずに任せることに。

確かにこの兄さん、腕は良かったと思います。仕上げも丁寧でした。丁寧すぎるほどでした。
サイドと襟足を短くするからとバリカンを取り出し、ジョリジョリ刈り上げ始めたのですが、これが長い。
とにかくトップは1ミリの狂いもなく揃え、サイドは左右正対称にしたいのか、刃をとっかえひっかえしながら同じ所を何度も行き来します。芝目を読むゴルファーの如く目を細め、我が頭頂部を眺める姿はまさに職人。
20分は続いたでしょうか。「もういいよ~」と心の中で叫び始めた頃、ようやく終了。それはそれは美しく刈り揃えられた芝頭が完成しました。
料金は40マナト(1280円)。

ちなみに、この直後、同じBerkararでさらにイケてそうな店を発見しました。来月はここにしてみます。
顔をざらりと撫でられないことを期待して。

talk to her

2017-07-21 20:41:44 | 日記
昼食は、職場の近くの食堂でとることが多いです。
ショーケースに料理が並んでいて、そこから選ぶこともできますし、メニューを見て注文することもできます。
初めて訪れたとき、『目の前の料理を指させばいいんだな』とホッとしたのですが、そこには思わぬハードルが待ち受けていました。客は、レジで食べたい料理の名前を告げ、料金を支払わなければならないのです。
何ということでしょう。料理の名前すら知らないのに!!

■食堂の様子
左手に料理が並び、右手にレジがあります。


初日からしばらくは、トルクメン語のできる同僚日本人が代わりに注文してくれましたが、いずれは自力で注文しなければならない日が来ます。
そこで、「これは何ですか」「いくらですか」だけをとにかく覚え、言えるようにしました。
そのおかげで、ショーケース前の盛り付け担当のおばちゃんたちとは、何とかやり取りができるようになりました。

ところで、そのおばちゃんたちの中に、私の“担当”のようになっている人がいます。
恰幅の良いロシア系の人ですが、「Chicken」とか「Beef」とかの英単語を言ってくれます。私の拙いトルクメン語もニコニコ聞いてくれ、「これは〇〇、こっちは▲▲」と、あれこれ料理を勧めてくれます。奥の厨房で作業をしている時でも、私が行くと他の人がわざわざ呼び出してくれたりします。
ですので、私の方も、とにかくこのおばちゃんに話しかけることにしています。

最近では、私の代わりにレジに向かって料理名を伝えてくれることもあります。
というのも、私の発音が悪く伝わらないことがあり、また、レジ係からの質問に答えられずまごつくこともあるからです。(状況から察するに、「他には?飲み物はどうしますか?」とか、「ここで食べますか?テイクアウトにしますか?」ということを聞いているようなのですが)
おばちゃんは、そんな私を見るに見かねたのでしょう。
レジの人も心得たもので、はじめからそのおばちゃんに「何食べるのー?」みたいなことを聞くことさえあります。目を見張る連係プレーです。

食堂に行き、ショーケース前におばちゃんの姿が見えると安心しますし、姿が見えないと踵を返したくなります。
私のランチを支えてくれているのは、間違いなくこのおばちゃんなのです。

■ショーケース前で料理を盛り付ける(”おばちゃん”はこの人ではありません)