警視庁によりますと、車の状態を詳しく確認したところ暴走につながる不具合はなかったということです。
「パニック状態になってブレーキとアクセルを踏み間違えた可能性もある」
警視庁はドライブレコーダーの記録などを通じて、事故の詳しい状況を分析してきました。
それによりますと、
車は現場の60メートルほど手前で車線変更しようとした際に加速し始めました。
車は最初に道路左側の縁石に接触する事故を起こし、
そのあとさらに暴走して周囲にいた人たちを次々とはねていきました。
ドライブレコーダーの記録では、
この間、アクセルを踏んだとみられるエンジン音が鳴り続けていたということです。
スピードは時速100キロ近くに達していました。
当初の調べに飯塚元職員は
「ブレーキを踏んだが効かなかった」と供述していましたが、
警視庁が確認したところ、車に不具合はありませんでした。
一連の暴走でブレーキがかけられた形跡はなく
アクセルが踏まれ続けていた疑いが強いことがわかり、
警視庁は事故の原因を運転ミスと結論づけました。
また警視庁によりますと、
飯塚元職員は事故を起こす前から足が悪くつえを使って歩いていて、
医師から不要な運転は控えるよう指摘されていたということです。
わざと車を暴走させたわけでもないとして、より罰則の重い危険運転致死傷罪は適用されませんでした。
今回の事故をきっかけに高齢ドライバーによる交通事故を防ぐ取り組みが進んでいます。
政府は高齢者を対象に自動ブレーキなどを搭載した安全性の高い車に限って運転を認める「限定免許」の導入を検討しています。
また、東京都は、70歳以上のドライバーを対象にアクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進を防ぐ装置の購入費用などを補助する制度を導入しました。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20191112/1000040193.html