街角一代日記

『Machikado』walking

ラサラサハノササ

2016-07-07 22:44:32 | 日々の事柄
駅の構内の短冊で、
パパがしにますように、という、短冊をみつけた
みつけてしまった

描いた似絵の首には赤い線が引いてあった
たどたとしくも力強い線だった

めまいのままに倒れて後頭部を打つかと思った
教えてとはいわない。
誰が一緒に考えてくれないか、どうしてなのかを。

らさらさ、はのささ
らさらさ、はのささ


青踏

2016-07-06 22:29:00 | 日々の事柄
女は弱くなりました。
忙しいとわめき、使えないとわめき、肩肘張ってオ金を稼ぐ。
そうでなければブルーにしがみついて、マタニティーブルーやらエンゲージブルーやらpms やら日本しねだのいうのです。

ふと目をあげれば車内広告では、
人の不貞を非難するわけです。
他人がやらかしてくれて良かったじゃないか。全ては退屈なその日常への話題提供ですよ。

黙ろうと思い、
控えたが、
言葉や思いはあぶれる一方なのでした。

あぶれたそれを愛と呼ぶ。使い道は、愛の他ないらしく、無理にそらせば、大変に色気のない日々を送るはめになるのでした。

女は強くなったんじゃない。弱くなったのです。
今一度、ふりかえれ。



ストレッチング

2016-07-04 19:04:00 | 日々の事柄
駅の階段の中腹で、男と女とが立ち止まっていた。二段先に女、斜め下に男である。

----なんでいらいらしてんの

低い声でぼそりと呼び掛けた男に、女が振り返る形になっている。

----え?

湿気で乱れたまとめ髪が、化粧の薄れた額にはりついている。眉根が寄っている。

----なんでさっきからいらいらしてんの

早口でもう一度たずねた男に女はこう答えた

----だって
もう少し早く返信してくれたら良かったのに


以上の一連のやりとりが、私が彼らのそばを通りすぎた数秒に、私の耳と目に滑り込んだすべてである。


そうなのかもなあ
もう少し早く変身すれば良かったのかもしれないなあ。

こだわりを捨て、身構えをやめ、変わっていってしまえたら良かったのかもしれない。
だがしかし、そうなれなかったからこそ、できたこともあるのかもしれないし、そうならなかったからこそ、このように考えるのかもしれません。

いらだちで失うのは、何より心の水分でした。水分を失って崩れるのは、他人と己との間を行き来する、浸透圧でした。
伝わらなくなったんではなく、伝える気力が落ちたのですよ。その結果、何より己が疲れたのでしょう。

どんなにどんなに急いでも、すぐに変身できない。
体がだるくきしむのは、大人の成長痛と思うことにする。胸をミシミシいわせて深呼吸をするたびに、なにかこうキャパシティ、容量を広げていると思うことにする。

屈伸、伸脚、アキレス腱、さあ、家路につこう。