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ゆめと(ttm21)です。所感、エピソード等を気ままに綴ってみたいと思います

人間万事塞翁が馬(山中教授のノーベル賞受賞を祝す)

2012年10月12日 | 人事労務管理
 D大学で「モラール・モチベーション向上とキャリア開発」の講義を行いました。
久々に300人を超える学生を前にすると 流石にテンションが上がります。
担当教授に講義の最後に「これから社会に出ていく皆さんへのアドバイス」を
依頼されました。そしてそのテーマが表題の「人間万事塞翁が馬」です。

 新聞情報によれば 神戸大学医学部に進学し、ラグビーでの骨折などの治療を
受けた経験から整形外科医に憧れたそうです。そして卒業して研修医になったが
あまりの不器用さから簡単な手術でも同僚の何倍もかかり、「ジャマナカ」の
あだ名をつけられ「手術はうまくない」と悟り失意のうちに基礎研究の道に
転じる決意をした・・・・とのことです。

 もし山中教授の不器用さ”がもう少しましであったなら 彼は3流の整形
外科医の道を歩み 今回のノーベル賞受賞という最高の業績・栄誉とは無関係
の存在であったと推察されます。

 私が 時の権力者から閑職に追いやられた時にもこのこの故事を(僭越ながら
山中教授と同じように)座右の銘として耐えしのいだというささやかな体験も
含め学生諸君にお話ししました。とくに「不遇の状況にあってもやけを起こさず
それをを受け入れてその中でベストを尽くして 運命の潮目が変わるのを待つ」
ということの大切さを含め 「将来人生の危機に直面した時にこの故事を思い
出して貰いたい」という言葉で今回の講義を締めくくりました。

 学校の事務局からは何時にも増して学生の授業への評価が高かったとの連絡
がありました。

 山中先生、私と、学生たちと、そして全ての国民に素晴らしいプレゼントを
本当に有難うございました!
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自律訓練速習法

2012年10月07日 | カウンセリング
 私が幹事を務める「G4カウンセリング研究会」の今回の例会は
私が講師役で「自律訓練速習法」をテーマに取り上げました。

 自律訓練法は1932年にドイツの精神科医シュルツによって創案
されたもので、心身を効果的にリラクゼーションさせる代表的な
方法です。もともとは心身症の治療として発展したものですが、
ストレスや緊張を和らげる効果があることから、健康増進法と
しても広く一般的に用いられています。

 標準練習は次の7つの公式言語(リラックスをつくりだす
決まりの言葉)を使用して行われます。
  背景公式「気持ちが落ち着いている」(安静練習)
  第1公式「両腕、両脚が重たい」(重感練習)
  第2公式「両腕、両脚が温かい」(温感練習)
  第3公式「心臓が、静かに打っている」(心臓調整練習)
  第4公式「楽に息をしている」(呼吸調整練習)
  第5公式「お腹が温かい」(腹部温感練習)
  第6公式「額が心地よく涼しい」(額部涼感練習)

 リラクゼーションを目的とする場合通常は第2公式までで十分です。

 シュルツは「自律訓練法というのは、催眠をかけられたときと同じ
状態になるように、合理的に組み立てられている生理学的訓練法である」
と述べています。自律訓練法はこのように催眠療法をもとに、ヨーガや
禅も取り入れた自己訓練法として確立されました。そこで自己催眠法
あるいは自己弛緩訓練法とも呼ばれています。

 さて 「速習法」とはどういうことかといいますと。この自律訓練法は
極めて優れたシステムではありますが。習熟するにはそこそこの期間を要
します。そこでこの習得期間を短縮すべく工夫したものです。習得を困難
にする要因の一つが公式言語が感覚を対象としているためその効果を形と
して捉えにくいという点にあります。すなわち「重たい」「温かい」という
感覚は訓練の初期においては「そのように感じたような感じないような
・・・・」といったいささか心もとないものになりがちです。

 そこで 私は背景公式「気持ちが落ち着いている」と第1公式「両腕、
両脚が重たい」の間に観念運動を挿入しました。観念運動とは 運動に結び
付いた観念(身体が揺れる、腕が上がる・下がる等)を心に念ずるとそれを
否定する意志や反対観念が生じない限りその観念が運動に結びつく現象を
いいます。例えば「身体が左右に揺れる」と念じると身体が実際に揺れ始めます。
(もちろん無意識のうちに本人が身体を揺らしている訳ですが) この技法の
良いところは、本人にも周囲にも 目に見えてその効果を捉えられるという点
にあります。

 すなわち観念運動が生じていれば第1・第2公式の感覚が生じる可能性が非常に
大きいと視認できるわけです。

 この方法により 現役時代に営業教育の一環として 自律訓練法の習得を劇的に
早めた実績があります。



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