吾輩は設備設計である

設備設計という仕事に云十年。理不尽なこと自分のぷち自慢、失敗談などを書いています

日本の社会構造と福島事故

2014-05-23 15:05:04 | Weblog
福島事故に関しては
ほとんど知識のをもたない僕なんかが意見を述べるのはどうかと
思うのですが

やはりここにも スーパーゼネコンとの付き合いのなかで起きる
問題点と共通点があるという思いから 少しだけ意見を言わせてください


というわけで 本日の朝日新聞の 吉田所長の日記で 復水器についての
認識や勉強が浅かったゆえに メルトダウンが早まった との記述が
1面に出ていました

復水器は加熱蒸気を冷却しそれをタービンに戻す仕組みらしいのだが

いろいろ疑問が湧いてきた

そもそも発電機が壊れていたのなら復水器が壊れてないとしてもを冷却
は無理だったのでは?

復水器は20年間試運転していなくて使い方がわからなかった という記述

そうですよね

所長はそこまで把握していないのが一般ですよね 日本社会では・・・

その下に例えば 冷却部長やら 調達部長やらが 存在して ゼネラリストと
して所長が存在するのが日本社会なのに  なぜ所長日記だけを取り上げる?

例えば これは大手ゼネコンであれば現場所長の横に主任がいて設備担当が居て
という説明になる
そしてなにかあると設備担当が責めを負う その責めはサブコンに最終的には
向けられるのだ
何故今回は そのサブコンは ”下請け労働者”のひとくくりで 同情的に
登場する  なんか違う 何故だろう
東電の下には○○電工がいてソコに水関係は委ねていたのではないのか
 
また日常の復水器の試運転も そこにはメンテのマニュアルにはあった筈なのだが
 
やはりマスコミの報道も偏っていて わかりにくい
最終的には 日本社会の縮図で ゼネコンのオーナー打合せにはサブコンは陰で
待機  理解してなくて即答もできないゼネコンの一応担当者が対応する

という 日本の専門性を重視しない 元受一括責任制度 の延長線に問題はあるような
気がしてならない

コメント (2)
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オゾン殺菌はどうなんだ

2014-05-01 22:32:14 | Weblog

最近ですが ある保育園の設計を終わり、現在は工事の初期段階です

そこで建築設計から園長が オゾン水やオゾンの空気殺菌を望んでいらっしゃるので

説明に来てくれないかとの話はがありました

うん いいけど  まずは 文章で見解をマトメて それを見てもらってからにしましょう

ということになりました

その一部を書いてみたいと思います


設備設計者のオゾンに対する考察

ご存じのようにオゾンにしろ塩素にしろ、ラジカルな酸化により菌を死に至らしめる作用や有機物を破壊する
ある意味では猛毒を持つ物質といえます。塩素との違いは反応したあとです。

目的を達成したあとのオゾンは酸素となり無害なものに変化します、かたや塩素系のものは目的達成後に
は塩素化合物となり様々な環境に良くないものが残ります。(たとえばトリハロメタン等)
水の消毒に限って言えば オゾンも塩素も効果は同じ(なぜなら両方とも不安定物質のラジカル結合反応である)
であるがオゾンは大量にぶち込んでも、やがて酸素になり無害な物質に変化してしまうので 環境破壊を
起こさないというのが凄い点ですよね。。

でも、かたや塩素系は大量にぶちこんで強力な殺菌効果や漂白効果を得たいけれど

有機物と反応して怖い有害物質になってとんでもない二次災害を引き起こすということです
だからこそ野菜の消毒や浄水場では注目されているわけです。

空気の殺菌という面でいえばオゾンは最も効果が高くその殺菌効果や脱臭効果は万人が認めるところです。
しかし、濃度を間違えた場合は大変な毒性を持つ訳ですから、健康被害をもたらし、人間の粘膜や内臓に
作用し、悪さをする恐れがあるということです。 個人的には仮に正しい濃度で使用したとしても、日常的に
オゾンを浴びることは、良いこととは思わないので、私の設計での採用は汚物処理室や塵芥置き場、などの 
一時的な滞在場所に限定しています。
菌から人間を守ったとしても長期的に健康を損ねてしまう可能性は排除しなければなりません。
空気殺菌でいえば先ずは塵埃を除くことでそこに付着する菌の大半を除去出来るわけで、最近では0.5μの
微細なゴミを除くようなリーゾナブルな空気清浄器が販売されているので、まずはそれが優先されるべきです。
空気のゴミが少なくなるとオゾンや光触媒も低濃度で何倍も効果的になるのは必然です。

最近ではオゾンといってもオゾンを空中に散布する形ではなくて、機械にその空気を循環させそこでオゾンを
作用させ、空中に出てきたときは濃度は低下しているタイプもあります。またそういう形式ならばオゾンで
なくとも同じラジカルな酸化作用の光触媒式や紫外線式と同じであるとも言えるのでオゾンである必然性
はないわけです。ラジカルな酸化反応という意味では全く同じですから。。。

また外気をふんだんに導入することや、冬であれば加湿を行うことも重要です。


以上



という内容で説明したいと思います

確かに塩素系の殺菌は残留塩素とかいって保健所に報告義務があって仮にオゾンで清浄化された食品や

浴槽があっても 塩素は残っていないといけないという やや古い慣習が残っていますね

それがオゾンの普及を妨げているところもあるやに聞いています

でもオゾンが万能とも限らないわけでして 浄水場での前塩素とか生野菜の洗浄水としてはそのオゾンの

残留性がないとかトリハロメタンを生成しないとかの良いところは普及してもらい、もっとオゾンを多用したいです


でも 人間が常駐する部分では検討の余地がありそうですよね

やはりハサミは使いよう ですかね
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