toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「クニマスは生きていた」 池田まき子

2017年12月25日 | 読書日記
田沢湖最後の漁師、三浦久兵衛の物語。
久兵衛が親の後を継いで漁師になってすぐ、国の政策によって玉川の水が田沢湖に導水された。
玉川は温泉を含んだ酸性の水のため、やがて田沢湖の魚は全滅してしまう。
田沢湖だけに生息していたクニマスも田沢湖から消えてしまった。
久兵衛は漁師ができなくなってしまった。

それから40年以上の歳月が流れたとき、本栖湖にクニマスに似た魚がいるという情報が久兵衛に届いた。
田沢湖に玉川の導水が始まる前から久兵衛の祖父などによりクニマスの人工孵化が試みられており、その卵が全国の湖に移植されていたが、その子孫かも知れないと久兵衛はクニマスを求めて全国を探し回った。
やがて、田沢湖町観光協会が久兵衛の熱意に共感して懸賞金付きの「クニマス探しキャンペーン」を行う。
当時、近所の行きつけの釣具屋さんにもポスターが貼ってあったのを良く覚えている。
しかしクニマスは見つからず、久兵衛はクニマスと再会することが叶わないまま亡くなってしまう。
ところが、久兵衛が亡くなって4年後、本栖湖でクニマスが発見される。

子供向けに書かれているようで、漢字にはルビが振られたりしているが、大人が読んでも十分面白い。







汐文社
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「50代からしたくなるコト、なくていいモノ」 岸本葉子

2017年12月23日 | 読書日記
数年の間に色んなところに書かれたエッセイを集めたもので、特にタイトルの内容が語られているわけではない。
50代で書いたエッセイ集と言った感じ。

様々な事柄に関して書かれているけれど、似た内容のものを集めてあるので読み易い。




中央公論新社
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「婚活中毒」 秋吉理香子

2017年12月17日 | 読書日記
婚活にまつわる短編集。

冒頭の「理想の男」はホラーだけど、オチが分かった後長々と続くエンディングは興醒め。
2作目「婚活マニュアル」はブラック。女は怖い・・・。
次の「リケジョの婚活」もちょっとブラック。清水義範が書きそうなストーリだけど、著者は理系の人間に何か偏見を持っているのかも。
最後の「代理婚約」は意外な展開で、どうなるんだろうと読んでいくと相手のオウンゴールであっさり決着、めでたしめでたしの意表を突く物語。




実業之日本社
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「みちづれはいても、ひとり」 寺地はるな

2017年12月17日 | 読書日記
前に読んだ「ビオレタ」はかなり群ようこチックだったけど、こっちは文章のリズムはちょっとそんな感じもするものの寺地はるなオリジナルになった感じ。

アパートの隣同士の弓子と楓、それぞれの視点で交互に物語が進んでいくというスタイルが結構効果的で、二人をはじめ登場人物のキャラ設定もストーリも良くてサラッと読める。
島に渡ったとき、島民の反応が伏線になっているけれど。伏線と言うよりもそれで先が読めてしまうのに主人公だけが気づかない(笑)。

シズさんは怖すぎます。。






光文社
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「ウズタマ」 額賀澪

2017年12月14日 | 読書日記
一人親の一人子で育ってその親が亡くなると天涯孤独ということで私と同じ境遇な為、思いっきり感情移入して読んでいたけれど、主人公の考えに徐々に違和感を覚えて段々距離感を覚えて行った。
しかし後半、場面転換してからはガラッと雰囲気が変わって思いっきり入り込んでしまった。
(何の伏線も無くいきなりの転換にはちょっと無理が有ったけど・・)

何となく先が読めてしまう展開だったけど、前に読んだ「タスキメシ」に比べると格段に面白い。
「サッポロ一番」で「舟を編む」を連想してしまった(笑)。



小学館
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「カネと共に去りぬ」 久坂部羊

2017年12月10日 | 読書日記
パロディ短編(?)。

全て、元の作品のタイトルのもじりになっているけれど、そもそもタイトルしか知らなかったりする作品が殆どで、内容が原作とどう似てるのかは不明。
少なくとも冒頭や登場人物の名前は原作と似せているみたい。

最後の表題作以外は医者が関係した話で、作者の本音が透けて見えるような気がする。

最後はブラックジョークだったり駄洒落だったりでイマイチのものが多いけれど、「アルジャーノンにギロチンを」は伏線をうまく回収したラストになっていて一番良かった。





新潮社
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「駐在日記」 小路幸也

2017年12月03日 | 読書日記
「マイ・ディア・ポリスマン」の続編かと思ったら全く違う話でした。
ただ元刑事が駐在所勤務になるという設定は同じ。

田舎の駐在所勤務になった元刑事の主人公が独断で超法規的に事件を解決する連作短編集。
冷静に判断すればとんでもない話だけど、お話としては御もっともという内容でいかにも小路幸也の世界です。



中央公論新社
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「吹上奇譚」 吉本ばなな

2017年12月02日 | 読書日記
なんと吉本ばななのファンタジー。
ということで世界観を理解するまでちょっと戸惑うけれど、自然と入っていける。

これが書き下ろしの第一話と言うことで、これからシリーズが続くようだけど、本屋さんで見つけたらきっと買うだろうな。。



幻冬舎
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