一枚でも千餅とはこれ如何に? ・・・ 一個でも万頭(まんじゅう)と言うが如し!
煎餅にまつわる私にとって印象深い物語があります。
最近(といっても2~3年前)、私が見たNHKのドラマに、「
ウォーカーズ 迷子の大人たち」
とういうお遍路の物語がありました。
江口洋介主演で人生に迷う何組かの大人達が、四国の札所を歩きながら人生とは何か?
これから自分はどこへ行くのか? という自分を捜し求めて歩き遍路旅する内容でした。
そこで同時に、定年を迎えた夫:三浦友和と妻:吹雪ジュンが、これから先の二人の関係を
迷い悩みながら(熟年離婚を考えながら・・・・)歩いていました。
歩きながら妻の嘆きや悲しみの本音を知った三浦が、結果的に家庭において父親の役、
夫の役しか演じてこなかったと反省して、もう一度始めから二人の関係をやり直そうと、
人生二度目のプロポーズを82番札所根香寺で行う、なかなか感動的なシーンでした。
そう三浦が気が付くキッカケとなったのが、75番札所の善通寺のお寺の門前で有名な
「硬ぱん」
=硬い煎餅 でした。この煎餅をかじりながら、「硬いねエ~」「硬いわネ~」と顔を見合す二人・・・・
熟年夫婦が人生をやり直す為の、最初の共通の感情が芽生えた場面です。
硬いモノは硬い! 綺麗なモノは綺麗! 尊いモノは尊い! と共に心感じる事こそ熟年を迎えた
夫婦でさえも大切なことなんだと、私に感じさせてくれました。
実はこのシーンが私のハートに焼き付いて、お遍路にはまり込むきっかけにもなりました。
みんな頑張って歩きながら、何かを懸命に探していると思います。
それはこれから迎える高齢化社会の宿命であり、人生そのものかもしれません。
(探し迷ってない方はスイマせん、私の一人よがりです)
まさに、生き方に迷い行く末を探しあぐねている今の私そのものであるように思います。
今日は少し Coming out が長くなりました。
私は硬い煎餅をかじるといつもこの思いが胸にこみ上げてきます。
でもやっぱりこの硬い煎餅は、私の歯(推定年齢48歳)では1枚が限界でした。