★☆土筆の別荘☆★~Produced by level5~

カープとバファローズに偏っています。現在、LEVEL5というサークルで活動中☆

音姉とボク(18歳未満閲覧禁止)

2007-02-10 16:52:41 | Weblog
 気づいたら朝になっていた。
 あれから食器を片付け、そのまま倒れるようにして寝たらしい。
 起き上がろうとして、俺の体を毛布が覆いかぶさっていることに気づいた。
 視線を上げるとそこには音姫がパジャマのままの姿で朝食を作っていた。
「あ、弟く~ん? そんな格好で寝たら風邪ひいちゃうぞ? ただでさえ私が移しちゃうかもしれないんだから」
「んあ……すまん」
 立ち上がり、音姫の元に歩き出す。
 俺は音姫の具合を確かめるためにおでこに手をやった。
 さすがあの薬を飲んだだけのことはあり、熱はすっかり下がっているみたいだ。
「もぅ大丈夫だよぉ。ささ、ご飯の支度するから、顔洗っておいで?」
 やっぱりか。音姫のやつ、今日も学校行く気満々なんだな。
「お前、今日は休めよ。無理したらまたぶり返すぞ?」
「大丈夫だよぉ。弟君の看病のおかげですっかり元通りだもん」
 こりゃ埒があかない。
 仕方なく音姫を抱き上げ、寝室に強制連行した。
「ちょ、ちょおっとぉ。弟君?」
「だめだ。お前は何でもかんでも頑張りすぎなの。今日は俺も学校休むから、おとなしく寝てなさい」
 布団に横にさせ、毛布をかぶせる。ここは譲れない。
「いいな?」
「う~……。はぁい」
「うん、よろしい」
 俺が音姫がやっていた朝食の続きにかかろうと、立ち上がり寝室を後にしようとする。
「小恋ちゃん……必死だったね」
 思わぬ音姫の一言に足が止まった。
「今、なんて?」
「小恋ちゃん。昨日、来てたんでしょ?」
「なんでそれを知ってるんだ?」
 昨日、音姫の様子は何度も確認していた。確認していたが音姫は相変わらず気持ちよさそうな寝息を立てていたはずだ。
「ちょっとね。一瞬、目が覚めたの。そしたら小恋ちゃんと弟君が言い争ってるのが聞こえて……」
 しまった。つい声を荒げてしまったのか。むしろ、寝室の戸を閉めておくべきだったな。
「どこから……聞いてたんだ?」
「ほとんど全部かな? 小恋ちゃんが私に挑戦状を突きつけたこととかも聞こえたよ」
「……そうか。でも、気にするなよ」
「うん……。弟君のことは信じてる。でも、小恋ちゃんには悪いことをしたかなって」
「そんなこと、お前が気にすることじゃないだろ」
「でも……」
「でもは、なし!」
 そんなことで音姫と言い争いたくはなかった。どんなに可愛い子でも、アイドルでも芸能人でも女優でも……今の俺に告白してきたところで、音姫に対する気持ちが変わることはないのだ。
 たとえ音姫の気持ちが俺に向かわなくなったとしても……だ。
「うん……。でも言わせて?」
「なんだ?」
 決意に満ちた音姫の表情。
 その迫力に押されて、音姫の主張を聞き入れることにした。
「私……。負けないから!」
「そうか……。それを聞いて安心したよ」
 てっきり、小恋に譲るとか言い出すのかと思った。音姫に対する気持ちは一方通行じゃなかったのを再確認してほっと胸をなでおろした。
「私と弟君が付き合ったことによってたくさんの人を傷つけたかもしれない。由夢ちゃんにしてもそう。でもね、私、それも覚悟の上で弟君と付き合ってるもん。皆の気持ち以上に弟君が……ううん。義之が好きだから。中途半端な気持ちで義之と付き合ったりなんかしたらそれこそ、その皆を傷つけることになるし」
「ごめんな。俺のせいで」
 全然気づかなかった……というのが一番の罪であることを最近知った。
 故意でやったのならともかく、自覚がないのだから反省のしようもない。
 それがまた、俺の周りの人を傷つける結果になっているわけだし、音姫を苦しめる結果になっていた。
 本当に申し訳なかった。音姫にも、皆にも。
「義之は悪くない。ううん? きっと誰が悪いわけじゃないよ。こういうことは運命だから。きっと誰もそれに逆らえない。私が選ばれたのもそう。むしろ私は義之と付き合えて本当に幸せだから……。私も義之にいっぱい幸せをあげたい!」
「音姫……」
「義之……。愛してるよ」
 音姫の目がゆっくり閉じられていく。合図だった。
 俺はゆっくりと音姫の唇に向かい、そしてついばんだ。
 音姫がそれを受け入れる。
「ん……。んん……」
 深い、深いキスを交わした。今、俺の口の中にある唾液がもぅどっちの唾液だか分からないくらい、夢中になって音姫の唇をもてあそび、楽しみ、そして愛した。
「んん……んんぅ~……。よ、義之ぃ……良いよ?」
「ああ」
 俺の手が音姫の胸を優しくなで、そして揉みほぐした。
 パジャマということもあって、いつもよりなんだかエロティックだった。エロティックだったが同時に新鮮で、それがまた愛しくて、俺は音姫のパジャマを脱がさずそのままの感覚を味わった。
「ん……。あ……。義之ぃ。今日の義之、すごいエッチな顔してる……」
「そう? そうかも。だって、音姫のすべてが欲しいって、俺の体が言ってるんだもん」
「恥ずかしい……。あっ……。もぅ……。そんな愛撫の仕方ってある~? んあっ……あっ……」
 色々な愛撫を試してみる。
 そのたびに音姫は敏感に反応してくれた。
 それがうれしくて、欲望はだんだんエスカレートしていった。
 俺の手は、音姫の下半身を走り、そして音姫の一番大事なところの周りに指をそ~っと走らせる。
「あっ……。くすくす……。くすぐったいよぅ。義之ぃ」
「知ってる。だって、くすぐってるんだもん」
「もぉ~。遊んでるのぉ? お姉ちゃん、怒るぞぉ?」
「そんな軽口聞けないようにしてやる」
 そう言うと俺は中指を音姫の中にゆっくり挿入した。
「んあっ! だめっ……! ああ……。んああ……」
 音姫の中はすでに大洪水状態だった。
 俺の中指なんか一瞬で根元まですっぽり入ってしまう。
 その中指を動かすと、くちゅくちゅといやらしい音が聞こえてきた。
 その音は音姫にも聞こえているらしく、ひたすら恥ずかしがりながらも快感を味わっている。
 俺は指を追加した。そのとたん、音姫の体が一瞬ぴくっとはねたが、すぐにまた快感の海へと沈んでいく。
「あっ……あっ……ああっ……。よ、よしゆきぃ~……も、もっとぉ……もっと、ちょうだいぃぃ」
「今日の音姫、ものすごくエッチだ」
「えっ? あっ……んっ……んん~……。よ、よしゆきがぁ~……んっ……んあっ……悪いぃぃ」
 こんな音姫、誰が想像できるものか。
 普段はまじめで、そして清らかなイメージを周りに振りまいている音姫が、俺の愛撫に本気で感じ、反応し、喘いでいる。
 この瞬間が俺は好きだった。
 この世の裏側すべてを手に入れた王様になった気分だった。
 俺は指を抜くと、息子に帽子をかぶせ、それを音姫に挿れた。
「あああっ……。あっ……ああっ……。よしゆきぃ。暖かいぃ。んあっ……。あっ……。あっ……。やだ……。声、おさえ……んんっ……おさえられ……っ……ない……あっ……」
 俺のゆったりとしたピストン運動に合わせて音姫が喘ぐ。
 その自分の声が恥ずかしいらしく、もう音姫の顔は真っ赤になっていた。
「音姫の声、すごく可愛い。もっと聞かせて?」
 俺は腰を激しく振った。音姫の声は少しずつ大きくなっていき、ついには悲鳴に近くなってきた。
 快感が俺の下半身にもやってきた。
 俺は音姫の口を自分の口でふさいだ。
 舌を絡ませ、唾液を交換し、さらに激しく腰を振った。
「んんっ……。んふっ! んぁっ……んんっんんんんっ……。んちゅ……。んんんんん~~! んぁああぁ~!!」
「お、音姫……。も、もぅ……」
 唇を離し、音姫を見据える。
「ん。いいよ……。私も……いき……いきそ……。あっ……。あっっっ……」
「音姫……音姫。愛してる。んっ……。世界で一番、お前を愛してるからな!」
「よしゆきぃぃ~!」
 限界だった。
 俺の体内から、大量の精液が出て行くのがわかる。
 体力を使い果たし、音姫の上にかぶさる。そんな俺の頭を優しく音姫はなでてくれた。
「お疲れ様……。義之」
「ん。音姫、ちゃんといけた?」
「そ、そんなこと聞かれても……」
 恥ずかしそうに視線を落とす音姫。
 この様子だと無事にいけたみたいだな。
 二人が同時に達するのは今回が初めてだった。
「大好きっ……」
 そのまま音姫は俺を力いっぱい抱きしめた。俺もそれに負けじと音姫を抱きしめた。
 朝からこんなことをしてしまったことに抵抗はない。
 俺たちは本当に愛し合っているんだ。その気持ちに時間なんて関係ない。ただただ、お互いがお互いを求めている。それで十分だった。
 音姫が毛布を被せてくれ、俺と音姫はお互いにしっかりと抱き合いながら、どちらともなく眠りについた。

 何時間経っただろうか。
 目が覚めた俺は時間を確認しようとして、携帯に手を伸ばした。
 携帯を開くとメールが一通来ていた。送り主を確認して、メールを開ける。
 小恋からだった。
『昨日はごめんなさい。私……どうかしてたかも。寝室で聞き耳立ててた音姫先輩にも謝っておいてください。でもね、義之への気持ちだけは変えられそうにないから。今日は学校休みます。今、義之に会ったらまた感情的になりそうで怖いので。  
 追伸、音姫先輩の風邪、早く治ると良いね』
 『俺も、悪かった』と、打とうとしてやめた。今は刺激しないほうがよさそうだと思ったからだ。
 携帯を閉じ、横で静かな寝息を立てている音姫に目をやった。
 こう見えて寝たふりが上手いからな。どんなにぐっすり眠っているように見えても、密かに聞き耳を立ててたりする。
「音姉」
 耳元で名前を呼んでみた。反応はない。もう一度呼んでみる。
「音姉、小恋がごめんってさ」
 やはり反応がなかった。
 これは本格的に寝ているなと思い、静かに布団を出る。
 音姫が準備の途中で投げ出した(正確には投げ出させた)朝飯の後片付けをするため、俺は台所に向かう。火を使っているときじゃなくて本当に良かったと思う。
「さて……」
 音姫が起きないようになるべく音を立てずに片づけをはじめる。これが意外に難しいことを今、初めて知った。
 いつもは十分足らずでやっていた作業をのんびり三十分かけてやった。もどかしかったけど、たまにはこんな日もいいかなと思えてきた。
 時刻は一〇時を回っていた。今日は二人とも一限から講義があったが、当然のごとく間に合わない。
「たまには……な」
 お湯を沸かし、コーヒーを淹れた。
 それとお菓子を持って、テレビの前に座った。基本的にはこの時間、テレビなんか見ない、というか見れないので、どんな番組がやっているのか知らなかった。適当にチャンネルを回している俺はある局でチャンネルを回す手を止めた。
「そんな……。うそだろ」
 テレビの中でアナウンサーがうっすらと微笑を浮かべながら原稿を読んでいた。
『……このように、一時は枯れていた初音島の桜でしたが、今年は春が終わった今でも満開であるとのことです……』
 初音島のシンボルが帰ってきたと、キャスターも喜んでいる様子だったが、こちらとしては恐怖すら感じるニュースだった。
 あれは確かに俺の目の前で音姫が枯らしたはず。その日からは、ほかの地域の桜の木のように春にならないと花を咲かせていなかったはずなのに。どうして……。
 考えられる原因はいくつかあった。
 まずはじめに、さくらさんの仕業。これは喜ばしいことだった。
 あれ以来、さくらさんの姿を見た人は誰もいないし、噂では俺を復活させるために自らが犠牲になったと。もし、今回の騒動がまたさくらさんに原因があるのなら、もう一度会うことが出来る。桜をまた復活させた意図は分からないが、それを差し引いてもやっぱり嬉しいことであった。
 もうひとつ考えられる原因は……。
 ごくりとつばを飲み込んだ。
 あの、由姫さんのもう一人の娘。
「由夢……」
 俺が初音島に居た頃は、あいつに能力があるとかないとか全く分からなかった。でも、もし気づいていなかっただけで、あいつにも能力があるのだとしたら……。
 あいつの俺らに対する強い気持ちが桜を復活させたことになる。何を願ったかは知らないが、ゆがんだ願いが桜を復活させたのだとしたら……。再び初音島の住民に被害が及ぶことになってしまうだろう。
 でも、可能性的には極めて低い。あの頃の桜だって、さくらさんがアメリカで研究をしたサンプルを持ち込んだもので、オリジナルはとっくに枯れて、花をつけなかったのだから。
「弟く~ん……」
 音姫が目をこすりながらのろのろ寝室から出てきた。
 俺は慌ててテレビを消す。このニュースを今、音姫に見せるわけにはいかなかった。
 これは俺だけで留めておきたかった。
 変な正義感かもしれないが、今度の事はきっと俺に非があると感じていたため、音姫を巻き込みたくなかった。
 ましてや、あの頃のようなつらい思いなんか二度と音姫にしてほしくなかった。
「起きたか?」
「うん~……。弟君、学校はぁ~?」
「休む。お前を放っておけないしな」
 すると音姫は少し困ったような顔をして
「私は大丈夫だからぁ。弟君まで学校休むことないよ」
「いや。一人にして置きたくないんだ。少なくとも今はな」
 半分本音で半分建前。まぁ、至極単純な理由を述べてしまえば、面倒くさいのである。音姫が風邪をひいたときから、俺も休んで看病することは決めていたし、さらに昨日のあの出来事だ。学校になんか行く気になれない。
「うぅ~……。ごめんね……」
「また謝った。大丈夫だって言ってるだろ? そうだな、次から音姉が悪くないのに謝ったら何か罰ゲームでもしてもらおうかな」
「え~。それだけは勘弁だよぉ」
 きびすを返し、逃げるようにして洗面所に行った音姫。
 俺はそんな音姫を見て、少し安心した。
 そうだ。今回は俺が解決しなくてはいけない問題なんだ。音姫には、つらい思いをさせないために俺が踏ん張れば……。
 決意を固めた俺に顔を洗ってきた音姫が飛びついてきた。たまにある音姫の過剰なスキンシップだった。
 俺は音姫をしっかり受け止め、愛しいその髪をなでてやった。
 安心したように音姫が両手を俺の背中に回し、きつく抱きしめた。
 俺もそれに負けじと音姫を抱きしめた。
 胸にある不安は相変わらず消えなかったが、少し小さくなったような気がした。