江副 康成 鳥栖市の未来を語るブログ

鳥栖市議会議員として鳥栖市の未来に対する思いを語るとともに、その活動の様子を議会および議会外についてお知らせします。

補助金と負担金 その2

2013-03-25 20:42:09 | 鳥栖市議会
補助金じゃないでしょ、負担金でしょ。

天桜会の江副です。ただいま議題となっております議案乙第9号 平成25年度鳥栖市一般会計予算に対する修正案について賛成の立場から討論をさせていただきます。
先ほど総務常任委員長報告の中で修正案に関わる提案理由の説明をお聞きになったことと思います。提案者である松隈議員の趣旨説明及び質疑に対する答弁は大変的を射た内容であったと私は思います。再度引用したいところですがここでは繰り返しになりますのでそれを前提として話を先に進めたいと思います。
先般私は議案審議において修正案に該当する原案についてその問題点をご指摘させていただきました。予算計上に先立ち予めその金銭提供を義務付けされているのならば、補助金ではなく負担金でしょう、それが公益財団国際重粒子線がん治療施設(以下、サガハイマットと省略させていただきますが)に対して今回提供を希望する金銭の目的であり、性格であるという御指摘をさせていただきました。委員会での反論を期待しておりましたが、残念ながらお聞きすることはできなかったようです。
補助金と負担金の違いを平たく言えば、補助金とは未来志向であり、負担金は過去にその原因を持つものであります。補助金は公平の観点から不特定を前提とするのに対して負担金は個別的であります。また補助金は一方的に与えるものであるのに対して負担金は合意に基づき支払わなければならないものであります。そうした違いに鑑みれば補助金という名のもとに過去の清算として負担分を穴埋めするかのような補助金の使い方は極めて問題であるとご指摘させていただいたところでございます。
まさしく「鳥栖ならではの支援」というタイトルで25億円の資金調達目標、それに不足する4.5億円、それが今回の資金提供の根拠であると私の議案審議における質問に対して本会議でご答弁いただきました。また民間を中心として鳥栖地区で25億円を集めましょうと県と約束したかどうかは別として、サガハイマットの設立に当たり主導的な立場であった佐賀県が資金計画において鳥栖地区で25億円を明示的に期待されていたことが後々から我々にも開示されたわけです。そこでの鳥栖市と佐賀県とのやり取りが原因で議会としては何度も予期せぬサガハイマットへの資金協力要請が県からなされてきており、その対応に皆さん苦慮しているわけです。昨日も市民の方々から「まさか補助金出さんよね」と念押しされましたが、なぜ鳥栖市民が多額の負担しなければならないのかという多くの疑問がある中で、未だ明らかになっていないもっとも重要な問題は「どうして鳥栖ならではの支援という資金調達のスキームが出来ていったのか」ということです。
佐賀県は鳥栖地区で民間を中心に25億円集めましょうと一体誰と約束されたのでしょうか。最大の謎です。橋本市長は鳥栖市の責任において民間を募って25億円集めますとは言っていないとお話になっておられます。であれば、鳥栖地区の民間の方々と県との間においてそのような約束があることを前提に、橋本市長は佐賀県との間で鳥栖市がその目標を達成できるよう協力するとお話になったのでしょうか。
我々にはわかりません。
今回の4.5億円の補助金然り、先の20年間固定資産税免除という手法然り通常考えられない手法で今資金調達にまい進されております。集まらない場合には鳥栖市が不足分を保証しますと佐賀県との間で約束されたのでしょうか。執行部より正式に認められてはいませんが、先の20年間の固定資産税免除も4.5億円の資金提供もそのような保証債務を根拠にすれば説明できるかもしれません。最も核心な部分が曖昧であり説明責任を果たしているとは到底言えません。
私が所属する建設経済常任委員会では民間団体に対する補助金について先ほど委員長報告にもありましたように大きな議論となりました。数十万円、数百万円の補助金についても補助金被交付団体からの鳥栖市補助金等交付規則第11条関係書類の中の決算書を執行部から提出していただき、補助金の妥当性についてチェックしたところです。市より補助金を受けられている団体の方は通常担当課から厳重なチェックを受けておられるわけです。また、監査でもチェックされるでしょう。
当然、4.5億円という大きな金額であれば、その金額に比例して厳しいチェックがなされて然るべきでありますし、市民の方もそう思っておられると思います。果たして実際はいかがなものでしょうか。執行部からは資金は足りているが、スムーズな立ち上げのために資金援助したいという声しか聞こえてきません。補助対象のサガハイマットの資金需要も資金計画の概要でしかわかりません。
ところでサガハイマットには300万円の出損金と土地の無償貸与及び固定資産税の免除が既になされており、監査における財政援助団体に相当すると思われます。地方自治法上、監査することができるという規定であり今はまだ監査はされていないかもしれません。しかし、このような多額の補助金の必要性を感じておられるのなら、出した後のチェック体制についても議会に説明すべきだと私は思うのであります。財政援助団体等の場合事前調査として欠かすことのできない共通の監査手続きとして、内部統制組織の調査等があると教科書には書かれています。もう始められているでしょうか。
サガハイマットは民間法人として自己責任のもと所期の目的を達成する経営体制を確立されているのでしょうか。そういう趣旨で、私は一般質問ではつくば市でお聞きしたBNCTという保険診療も期待できる重粒子線治療と似た先進医療のお話もさせていただきました。
この3月議会の議事につきましては4月に議会報告会も予定されております。議会が承認した予算は議会の責任として市民に説明しなければならないこととなります。これまでお聞きした本件の説明において、私としては現段階では市民の皆さんに説明できる言葉が見つかりません。
この他にも申し上げておきたいことは多々ありますが、以上の事だけからしても原案における補助金案は、その根拠目的必要性等まだまだ不明な部分が多く残されており削除されるべきものと考えるところであります。修正案に賛同されることをお願いして私の賛成討論とさせていただきます。


補助金と負担金

2013-03-13 13:38:27 | 鳥栖市議会
4.5億円のサガハイマットに対する補助金は、補助金ではなく予め合意の上で負担部分を決めた負担金ではないのか。

1回目
議案乙第9号、平成25年度鳥栖市一般会計予算中、款2総務費、項1総務管理費、目9企画費、節19負担金及び補助金の九州重粒子線がん治療センター施設整備費補助金に関して質問いたします。
今回九州重粒子線がん治療センター施設整備費補助金と説明書にありますが果たして補助金なのかという疑問が強くいたします。初めに鳥栖市が財団に直接資金提供する方法として、主なものとして出損金、補助金、負担金が考えられます。出損金としては財団の基本財産に対して既に300万円を鳥栖市は拠出していますが、反対給付を求めず寄附するものです。それではタイトルには補助金とありますが、その目的と金額の根拠をまず教えてください。

答弁
議案乙第9号、平成25年度鳥栖市一般会計予算中、款2総務費、項1総務管理費、目9企画費、節19負担金及び補助金の九州重粒子線がん治療センター施設整備費補助金に関するご質問にお答えいたします。
江副議員の補助金の性質、目的、根拠というご質問にお答えいたします。
今回の補助金につきましては、「九州国際重粒子線がん治療センター施設整備補助金」として計上させていただいております。
補助金の目的といたしましては、これまでもお答えいたしておりますが、今年5月に開業が予定されています、サガハイマットの管理運営を行います、公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団に対し、開業を契機といたしまして、装置代へ一部補助をすることで、財団の借り入れ額の減少につながり、施設のスムーズな立ち上げに寄与できるものと判断したからでございます。
このことにより、施設のスムーズな立ち上げ、安定的な治療につながり、市民の皆様の安心感の向上につながるものと考えたところでもございます。
補助金額の根拠についてでございますが、これまでもお答えいたしておりますが、「鳥栖ならでは」の資金協力目標金額である約25億円に対し、民間等で収集いただきました約10.1億円、3免2減分を除く20年間の固定資産税等の免除での約10億円相当額、そして今後、収集見込みである0.4億円の計20.5億円との差額である4.5億円といたした次第でございます。
今回の支援により、誘致自治体の役割を果たすという一面ももっているところでございます。
以上、よろしくご理解申し上げ、お答えとさせていただきます。

2回目
ご答弁有難うございました。「鳥栖ならでは」の資金協力ということでプロジェクトリーダーである佐賀県とお約束した目標金額との差額4.5億円が今回の補助金額の根拠ということです。
ところで、一定の事業等について財政政策上その他の見地からその経費の負担割合が地方公共団体相互間において定められているときにその負担区分により負担する金銭的給付を負担金として定義できます。
ここで一定の事業とは九州重粒子線がん治療センター施設整備であり、財政政策上その他の見地からとは、財団が15億円の借り入れを余儀なくされ資金調達が必ずしも順調に言っていない状況を改善するため財団の借り入れ額を減少させ、施設のスムーズな立ち上げに寄与できるとの見地からであり、佐賀県と鳥栖市との間において、「鳥栖ならでは」という鳥栖市に課せられた負担割合は、事業総額150億円に対する約25億円の負担部分の金銭的給付をなすというものであり、まさしく負担金そのものであります。
ここで一方の補助金とは、特定の事業又は研究を行う者に対し、その事業もしくは研究を育成・助長するために①法令上の規定に基づき交付するもの、②公益上必要があると認める場合に予算措置によって交付するものがあり、この予算措置の場合は地方公共団体で規則、要綱等を作成し、手続・対象を明確にして公金の適正を図ることが必要であるとあります。
つまり、補助金の場合は補助制度あるいは補助政策がまず先にあり、その制度政策に合致する特定の事業又は研究を行う者に対して金銭的給付をなすものであります。
本件の場合、「鳥栖ならでは」という鳥栖市に課せられた金銭的目標がまず先々からあったのは執行部さえもが認められることであると思います。今まで本会議や委員会で経過からして言うまでもないことです。
よって、本件のような具体的な金銭給付額が先に決まっている場合は、補助金ではなく負担金であります。
仮に、もし補助金であるとすれば補助金条例、補助金規則、補助金要綱等を作成し補助規定に合致さえすれば、更なる追加の金銭給付が可能となります。ご答弁お願いいたします。

答弁
江副議員の2回目のご質問にお答えいたします。今回の補助金につきましては、施設のスムーズな立ち上げに寄与することを目的としており、そのために、公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団に対し、装置代の一部を補助することといたしているところでございます。
よって、あくまでも補助金という位置づけであると考えているところです。また、先ほどもお答えいたしましたが、補助金額の根拠といたしましては、「鳥栖ならでは」の資金収集目標金額である約25億円に近づける支援でございますが、誘致自治体としての役割を果たすことにもつながるものと考えているところです。
鳥栖市といたしましては、この誘致自治体の役割を果たすことで、施設のスムーズな立ち上げに寄与できると考えており、追加の支援は考えておりません。
以上、よろしくご理解申し上げ、お答えとさせていただきます。


3回目
ご答弁有難うございました。
残念ながら、一回目と同じご答弁でした。三回目は私の所管を述べさせていただきます。補助金なら追加の支援もあり得るだろうという質問に対しては追加の支援は考えておりませんというご答弁でした。現時点ではという言葉は今回はありませんでしたが、実質的には同じことです。と申しますのは補助金なら鳥栖市の政策判断で後日いか様にも追加の支援を定めることができるからです。
にも関わらず、何で実質上追加の支援はないと同様な気持ちのこもった追加の支援は考えておりませんとご答弁されるのか、それは佐賀県とそういう合意のもと鳥栖市が補助金を出すようになっているからです。
この4.5億円の根拠は先程石橋次長から明確なご答弁があったように佐賀県が鳥栖市が「鳥栖ならでは」の資金収集目標額に対する不足分です。そういう双方の合意があるのであります。であるならば一方的な金銭給付としての補助金ではなく、負担部分の合意に基づく負担金です。よって予算書には誤りがあることをご指摘申し上げます。
今後も資金収集に努められると橋本市長は答弁されました。それはしていただかなければなりません。しかし、「鳥栖ならでは」の資金収集がなさたとき民間からの寄付金は当然財団の方へ寄付金として処理されることとなります。その時、財団から鳥栖市にその4.5億円の補助金があるいは寄附金相当額が鳥栖市に戻って参りますでしょうか。論理的には返ってくることはありません。では今回の補助金は何のためなのか、それは単に橋本市長の調達責任を減額するためのものと言わざる得ません。
橋本市長は25億円は努力目標であり佐賀県と集めますと約束はしていないと話されています。佐賀県も文書までとって確認していなかったとその非を認めています。仮にそうであっても佐賀県としては本プロジェクトの資金計画に25億円の「鳥栖ならでは」の資金支援を盛り込んでいたにも関わらず鳥栖市は何も異議を唱えず黙認していたではないかと言われます。正にそういわれてもしょうがないことだと思います。
民法93条に心裡留保という規定があります。難しい言葉でが、大学の講義でもよく使われるわかりやすい言葉で敢えて言いますと、嘘つきは保護しないということです。原則として、意思表示は表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない(93条本文)。心裡留保においては表意者保護の必要性が全くない以上、表意者が表示したとおりの効果を生じることとして意思表示を信頼した相手方さらには第三者の保護を図ろうとする趣旨であるとあります。
正に橋本市長が約束していないと言われても外に現れた表示意思を信頼した相手方この場合、佐賀県は守られるという規定があることも申し添えて私の質問を終わります。



3月一般質問

2013-03-11 21:07:06 | 鳥栖市議会
1.新鳥栖駅を核とするまちづくり及び、九州新幹線西九州ルートフル規格整備と山浦スマートインターについて

2.サガハイマットの経営に対する提言と国際リニアコライダー計画に対する思いについて

一回目質問
天桜会の江副でございます。通告に従い総括的に質問してまいりたいと思いますので宜しくお願いいたします。
まず、タイトルが少々長くなりましたが、新鳥栖駅を核とするまちづくり及び、九州新幹線西九州ルート建設前に、今一度新鳥栖駅の九州における役割を再考する試みについてお尋ねしたいと思います。
新鳥栖駅に九州新幹線が開業して、早2年が経ちました。待ちに待った新幹線、随分便利になったと思う反面、計画あるいは見込みのようには中々いかない状況です。そこでこれから先の事を考えて見たとき、まず今一度原点に立ち返って大局的にどうすべきか考えて見たいと思います。

九州新幹線は1968年新全国総合開発計画(新全総)において総延長7200kmの全国新幹線網整備構想の5路線のうちの2路線であり、一つは博多・鹿児島中央間の鹿児島ルート、もう一つは新鳥栖・長崎間の長崎・西九州ルートであります。未だ開業するに至らぬ長崎・西九州ルートも、昨年長崎・武雄温泉間でフル規格着工が決定したところです。
新全総から今日まで計画発表、計画凍結、凍結解除、スーパー特急、フル規格と当時の政治経済状況を反映して紆余曲折してまいりましたことは皆様ご存知のことと思います。
いま、佐賀長崎において西九州ルートの未着工区間をどうすべきかという議論が起きておりますことは橋本市長もご承知のことかと思います。現計画では新鳥栖駅から武雄温泉駅まではフリーゲージトレインとして在来線を走るということになっております。しかし、踏切を持つ在来線の沿線自治体からこのままではまずいのではないかという声が上がってきております。現在在来線を走る特急の車両よりフリーゲージトレインはかなり重いものであり、また時速160㌔まで出すことが想定されています。それにはレールが敷かれた路盤を強固なものへと改良しなければなりません。またブレーキ制動距離を勘案した安全対策済みの踏切へと整備しなければなりません。これは私が議員なる前に開催された県の説明会の際にもご意見させていただいたことの一つですが、現在多くの沿線自治体から同様の声が聴かれるようになりまして、フリーゲージトレインを前提とする協議会から脱退する首長さんも今いらっしゃるところです。
またこれは新鳥栖駅特有の問題ではありますが、鹿児島ルートと西九州ルートが直交することから、きつい曲線を描きながらまたゆっくり軌道を変換しながら新鳥栖駅にフリーゲージトレインが出入りしなければならない課題があります。そのため時間勝負の新幹線でありながら軌道変換部分である1.5㌔でかなりの時間をとってしまうのであります。そして長崎県関係者からは長崎から武雄温泉まで折角フル規格で整備しているにも関わらず、一部50キロ程度フリーゲージトレイン区間があるため新幹線導入による時間短縮効果が期待できないという不満の声も聞こえてきます。
そこで当然のごとく今新たに、課題の多いフリーゲージトレインではなくフル規格で整備しようという風が吹き始めているのであります。
こうした状況に鑑みるならば、西九州ルートは鹿児島ルートと同様にフル規格で整備すべきものとわたしは考えますが鳥栖市にも関わる問題です、まず陳情を受けられた橋本市長のお考えをお聞きできればと思います。

次に、鳥栖市は昔より交通の要所であり、国鉄時代は鳥栖駅がその役割を果たしました。鳥栖の地の利を考えれば、九州新幹線においては新鳥栖駅がその役割を果たさなければなりません。私はフル規格の新幹線が新鳥栖駅から鹿児島方面と長崎方面に分岐すべきだと思います。フリーゲージトレインで軌道変換し乗り入れるより比べものにならない時短効果があるとの事です。実際、JR東日本が運行するミニ新幹線ではありますが、秋田、山形新幹線では併結分離を前提とした運用が開業以来なされています。新鳥栖駅は鹿児島、長崎両ルートの併結分離の機能を持つべきではありませんか。

今新鳥栖駅は当初期待された乗降利用客があるかというとそうとは言えません。原因は色々あるにせよ、マンパワーとしては最大限の努力がそれぞれの立場でなされていることには敬意を持たなければならないと近くにいて思うところです。
ところで、市内の中学生が関西への就学旅行に行く際、新鳥栖駅から新幹線に乗り込むにせよ博多駅でのぞみに乗り換えて行っている現状を皆様ご存じでありましょうか。ビジネスマンではありません、修学旅行という団体客です。こは大変問題であります。博多駅に比べて連結された車両数が6両か8両と少なく一度に乗り降り出来できないというのであります。そうしたことを踏まえると、最大8両編成の鹿児島からの新幹線と最大8両編成の長崎からの新幹線を新鳥栖へ順次迎え入れ、併結できる体制整備が必要になってくるわけであります。
それは仕方のないことでしょうか。私はそうは思いません。新鳥栖駅が基より期待されていた機能分担をまだまだ果たしていないだけだからです。
私は九州新幹線建設促進期成会の委員として開業前にJR九州本社に陳情団の一員として行ってまいりました。橋本市長もご一緒であったのでご記憶にあるかもしれません。私が大変印象に残っているのは唐池社長の最初に述べられた言葉です。新鳥栖駅前のバスセンターはいいですね、という期待の言葉です。私が議員になる前より地元では新鳥栖駅前にバスセンターが出来て山浦パーキングに改修設置されるスマートインターにより多くの観光客や訪問者が新鳥栖駅を出入りするであろうという状況を想定しておりました。以前私が一般質問でご指摘したように博多駅に今以上の鉄道とバスの乗り換え機能を求めることはできません。そこで新鳥栖駅にその代替機能を移し大きく発展させるというのが大よそ想定されたものでした。現状はたいへん残念で仕方ありません。このスマートインターとアクセス道路の整備は新幹線、在来線網と高速道路網とを相互乗り換えできるよう最短で結ばなければならないという構想です。再度お伺いします、いかがお考えでしょうか。
フリーゲージトレインでは鳥栖市の未来は私には見えてきません。
鹿児島ルートも紆余曲折を経て全線フル規格でちょうど2年前供用されるところとなりました。西九州ルートもまた鹿児島ルートと同様にフル規格で整備すべき時がきたと確信します。

次に、産業技術総合研究所(産総研)等先端技術の拠点を擁する自治体としてのあり方と国際リニアコライダー計画に組し更なる飛躍への試みについてお尋ねしたいと思います。
鳥栖市をご紹介するとき、交通の要衝に次いで多いのが、産総研やシンクロトロン、そして重粒子線がん治療施設等先端技術の拠点を擁する街であります。そうした中で産総研は通産省九州工業技術試験所としてもっとも古くから鳥栖市にある施設ですが、夏の一般公開により一日市民に開放されてはいるものの、その持てる潜在的な価値を地元が享受しているかと問えば私は素直にハイとうなずくことができません。
そこで先頃産総研の本部があるつくば市へ行政視察へ行ってまいりました。
つくば市は昭和62年3町1村の合併によりできた比較的若い街であり、また科学技術の振興と国の研究機関を集中移転することで東京の過密化を防ぐため研究学園都市が建設されたという歴史を持つ街であります。人口は21万5千人、面積284平方キロメートルです。研究学園都市内事業所の研究者は正規の方が大半ですが、平成23年3月現在の資料によると正規非正規合わせて15,180人及び博士号取得者が8,243人と大変多いという知的な環境である特色があり、そして平成24年6月30日現在つくば市の外国人登録者数は中国人の2,845人を筆頭に合計7,274人と国際色豊かな街でもあります。
ところで、つくば市と産総研との関係ですが、相互協力の促進に関する基本協定書を締結されています。これは研究所の研究開発成果と市の施策の融合を図ることにより、市民の安全・安心の確保や、良好な生活環境が確保された地域社会の持続的な発展に資することを目的とするものであります。
同様の趣旨から産総研のほか高エネルギー加速器研究機構等合計7つの研究機関とつくば市は基本協定書を締結され、及び筑波大学はじめ計3大学と地学連携協定を締結されています。
つくば市と産総研との協定書に基づく、主な連携事業は次の通りです。
・市内放射線測定等についての連携(3.11)
・つくばモビリティロボット実験特区
・つくば技術開発クラブ事業(つくばを中核とした広域の中堅・中小企業開発支援プラットフォーム)
・小型放射線積算線量計を使ったつくば市内での実証実験
・科学フェスティバルへの参加
・施設一般公開(4月と10月)など
鳥栖市もつくば市に習いまず産総研とこうした協力関係を持つべきと考えますがいかがお考えかお聞きいたします。

次につくば市は現在つくば国際戦略総合特区に指定されています。
その取組の目標として
4つの先導的プロジェクトに取り組み、5年以内に目に見える成果を上げることにより、わが国の成長・発展に貢献するとあります。ここで5年以内とは27年度以内であり、また4つの先導的プロジェクトとは次世代がん治療(BNCT)の開発実用化、生活支援ロボットの実用化、藻類バイオマスエネルギーの実用化そしてTIA-nano世界的ナノテク拠点の形成であります。
そこでその中の一つ、次世代がん治療(BNCT)の開発実用化について、鳥栖市の重粒子線がん治療施設と大変関係することが多いのでお尋ねしたいと思います。
次世代がん治療(BNCT)とはBoron Neutron Capture Therapyの略で日本語に訳するとボロン中性子補足療法となります。これは重粒子線治療と同様に難治性のがんに放射線を当てることで治療しようとするものです。皆様の中にはPET検査を受けられた方もいらっしゃるかと思いますが、ホウ素10というがん細胞に特異的に集積する薬剤を患者さんに投与するとともに弱いコントロールされた中性子をがん化した腫瘍部位に限って照射することでがん細胞を死滅させるという治療方法です。ハイマットは間もなく開業ですが、大変なライバルがいたものだと私はつくば市役所の課長さんの説明を聞き思ったところです。
何が凄いかというと、一点目BNCTは全くの一回照射で治療が完了することです。ハイマットは複数回照射が現在一般的です。次に重粒子線治療はがんが一か所に局限して最初の放射線治療など制限があるのに対してBNCTはより多くの場合に治療ができるということです。何よりも凄いと思ったのは施設のコストであります。将来的に全国100か所施設導入を目指していると話されていましたので、その量産を前提としてでしょうが、装置代が7億円ということです。ハイマットは90億円かかります。そして当然ハイマットより小型化されており、現在PET検査をしている大きな病院の一画に入る大きさとなります。これから先は私の推測ですが、BNCTはそのコスト競争力により、近くでは久留米の病院で現在稼働中のIMRT(放射線強度変調療法)と同様に保険診療も可能となってくるのではないでしょうか。
繰り返しになりますが先程からお話ししますように、BNCTはつくば国際戦略総合特区の先導的プロジェクトの一つであり平成22年度からの5年間の事業であります。重粒子線がん治療推進本部を設置されておられた鳥栖市としてこのプロジェクトをどのように認識されていたのか、あるいは評価されているのかお尋ねいたします。

一回目の最後の質問ですが、国際リニアコライダー計画に鳥栖市は如何に取り組むのかについてみていきたいと思います。
一昨年9月議会で私の国際リニアコライダー計画についての質問に対して橋本市長はチャンスがあれば取り組みたいとご答弁になりました。進取の気質にあふれた前向きの答弁と受け止め、これからまだまだ成長期にある鳥栖市の立ち位置として大いに私は評価しているところです。
ところで、国際リニアコライダー計画は宇宙の始まりや物質の成り立ちを検証するため、人工的にビッグバンと同様の高いエネルギー状態をもっとも小さな単位電子陽電子を衝突対消滅させて再現しようとするものであります。これまで誰も見たこともないものを測定しようとするのですから、それこそ世界のあらゆる英知が結集して実験施設が設計建設されるわけであります。当然高度な技術ノウハウは他にも転用応用されるでしょうし、人類に新たな富をもたらすものと期待する者であります。脊振山地を候補地に持つ佐賀県・福岡県が最近にわかに動き出しております。これまで私は本件について縷々申し上げてきたところですが、最近の状況を踏まえて鳥栖市としてどのようにお考えになっておられるのかお聞きしたいと思います。
以上で一回目の質問を終わります。ご答弁の程宜しくお願いいたします。
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執行部答弁
江副議員のご質問にお答えいたします。 まず、九州新幹線西九州ルートはフリーゲージトレインではなくフル規格での整備についてお答えします。
九州新幹線西九州ルートの整備につきましては、国が、昭和47年に基本計画、昭和48年に整備計画を決定されております。昭和60年に日本国有鉄道が博多・長崎間のフル
規格のルートを発表されておりますが、平成4年に九州旅客鉄道株式会社がスーパー特急方式での収支試算結果を発表、平成16年の政府・与党申合せの整備新幹線の取り扱いに
ついての中で九州新幹線(西九州ルート)武雄温泉-諫早間については調整が整った場合 には、着工するとされました。その際、軌間可変電車方式による整備を目指すこととなっております。その後、軌間可変電車での計画が進められてきましたが、平成23年の政府与党確認事項の整備新幹線の取扱いについてにおきまして、九州新幹線西九州ルートの武雄温泉-長崎間については、諫早-長崎間の着工から概ね10年後を開業時期とし、軌間可変電車方式により整備することとされております。 現状といたしましては、昨年6月29日に既着工区間の武雄温泉-諌早間に加え、未着工区間であった諫早-長崎間を含めた武雄温泉-長崎間のルート全体をフル規格とする事業認可がなされました。認可された西九州ルートは軌間可変電車の導入が前提となっております。
軌間可変電車の開発目標につきましては、「基本的な走行性能に関する技術は概ね確立している。」と報道されており、残すは耐久性と保守コストのデータ収集分析に加え、より一層の軽量化を図った試験車両による走行試験を実施する必要があるとされております。
工事につきましては、平成24年8月18日に長崎市内で、諫早-長崎間約21キロメートルの起工式が行われ、軌間可変電車による平成34年の全線開業を目指されております。
次に、鹿児島ルート、西九州ルートの併結分離拠点としての新鳥栖駅についてお答えします。議員ご指摘の鹿児島ルートの列車と西九州ルートの列車を併結分離することについては、秋田新幹線や山形新幹線では行われていますが、九州新幹線において新幹線の列車の併結分離がどのようになるのかは、今後の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、スマートインターチェンジの導入につきましては、関係機関と協議する試案といたしまして、鳥栖市内を走る高速道路へのスマートインターチェンジの設置の可能性について、調査を実施いたしました。 この調査の結果では、市内の設置候補地として複数個所が検討できることが判明したところであります。その中でも、議員ご質問の新幹線鉄道網と高速道路網とを結ぶ候補地の一つである「山浦パーキングエリアを活用したスマートインターチェンジ」につきましては、交通拠点となる九州新幹線「新鳥栖駅」を中心とした新鳥栖駅周辺地区のポテンシャルを高めるとともに、産業・観光・生活面における利便性及びアクセス性等の向上が見込まれ、導入により高速交通体系の充実が図られるものと考えております。しかしながら、山浦パーキングエリアを活用するスマートインターチェンジの検討にあたりましては、周辺道路からのアクセス性が大きく影響するため、長崎自動車道とともに東西交通の重要な役割を担う主要な幹線道路でございます国道34号とのアクセスを、どのように計画するのかという点が大変重要になるものと考えております。現在のところ、国道34号の抜本的な整備計画が未策定であり、国道34号の整備の方向性によっては、アクセス道路の計画ばかりでなく、将来の交通需要や交通体系が大きく変化することが考えられます。 したがいまして、スマートインターチェンジの設置に影響が考えられます国道34号の整備計画策定など、今後の動向を見極めながら慎重に検討を進める必要があると考えております。 以上、答弁とさせていただきます。


江副議員のご質問にお答えします。
 議員ご指摘のとおり、つくば市におかれましては、独立行政法人産業技術総合研究所と相互協力に関する基本協定を締結されております。
 これは、科学技術立国を目指し、国策により整備が進められた筑波研究学園都市がつくば市に立地しており、産業総合研究所の他にも多くの研究機関と研究者が集積していることから、独立行政法人産業技術総合研究所他の研究所や大学と基本協定を締結されています。
 つくば市では、筑波学園研究都市が立地しているという地域の特色を、まちづくりのために活用するため科学技術振興指針を策定されており、その実現のためにも、こうした基本協定の必要性があったものと考えられます。
 また、つくば市が目指されている研究成果と市の施策の融合というスケール感は、筑波学園研究都市という、日本の先端技術研究施設の本部機能が集積しているつくば市ならではのものだと考えられます。
佐賀県では、昨年5月に、太陽光発電における長期信頼性の共同研究といった技術に絞った形で連携・協力協定を締結されています。
 議員ご指摘のとおり、鳥栖市には先端技術の施設等が立地しております。現時点ではつくば市のような包括的な基本協定の必要性は低いと考えておりますが、佐賀県の協定のように、わかりやすく技術ごとの単一的な基本協定等が必要になってくれば、そうしたことから取り組んでいきたいと考えております。
 次に、BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)に関するご質問にお答えいたします。
 重粒子線がん治療施設の誘致段階でのBNCTに対する認識につきましては、そもそも佐賀県が重粒子線がん治療施設の県内誘致を決められ、鳥栖市の立場としては、県内の候補地のひとつとして名乗りを挙げたものであって、どのような治療施設を誘致するのかという選択をする決定権はありませんでした。こうしたことから、施設の誘致段階でBNCTのプロジェクトや治療内容についての認識は乏しかったというのが実情であります。
また、BNCTにつきましては、つくば国際戦略総合特区の概要説明によると、臨床研究を平成25年度と平成26年度に行い、平成27年度からの先進医療化を目指されている段階であります。また、公益法人 医用原子力技術研究振興財団の紹介でも臨床研究であることが説明されており、現段階では未だ実用化に至っていないと認識しております。
とはいえ、実用化になれば有力ながん治療方法となる可能性もあり、同じ先端のがん治療施設を擁する自治体として、今後の動向を注視していきたいと考えております。
 次に、国際リニアコライダー誘致に関するご質問にお答えいたします。
 去る2月14日に、九州経済連合会が中心となり、経済界・大学・研究者そして行政によって構成されるILCアジア-九州推進会議が設置されております。この会議は、言うまでもなく、ILCの脊振山系への誘致を目的に設置をされたものであり、いよいよILC誘致に向けた活動が胎動したと考えております。
 また、九州経済連合会主催の講演会が開催されております。基本的に、まずは国内誘致の実現を目指すことが大前提であり、国をあげた気運の盛り上がりが不可欠であると共通認識が確認されております。加えて、ILC施設の九州誘致が地域経済や教育・文化の向上に資することへの期待は非常に大きいものでありました。ただし、やはり福岡中心の誘致母体でもあることから、研究施設や研究者の居住区域等ILCに附随してくる施設については福岡市を中心とした誘致に傾いている感触であるという報告を、講演会に出席した職員から聞き及んでおります。
 一方で、佐賀県でも2月22日に佐賀県商工会議所連合会によってILCの誘致推進協議会が設立されましたことから、佐賀県やこの協議会等とも連携しながら、九州誘致が実現した後の対応を進めることになると考えております。
 以上ご理解をお願いし、答弁といたします。

2回目質問
それぞれご答弁有難うございました。まず松田部長にご答弁いただいた部分ですが、私と共通の認識に立たれているとご理解させていただきたいと思います。ここではこれ以上の質問は致しません。意見要望としてお聞きください。鹿児島ルートが全線フル規格で開業を迎えたその過程の研究及びJR東日本でミニ新幹線ではありますが併結分離されている実態の調査を共にしていただけないものかと思います。宜しくお願いいたします。ただ、山浦PAスマートインター化及び新鳥栖駅とのアクセス道路に対して、国道34号線バイパス計画がどのように影響するのか、また山浦PAのスマートインター化を阻むような計画案を実際描けるのか私には想像しがたいものがあります。本会議でご答弁されるからにはそれなりの理由があってのことでしょう。いつまで経ってもやれない先に進めないその言い訳として、とってつけたものではないでしょうから、委員会等でさらにお聞きさせていただこうかと思います。東京大阪から九州に来られる方が良くおっしゃいますのは、九州では車がないと仕事や観光ができないですねということです。そのために博多駅の代替機能として新鳥栖駅はあるのであります。機能からすれば肥前博多駅を目標とすべきなんでしょう。天下国家のために現在九州の中心である博多駅を山超えた南側に一部移転しているんだという気概を持って取り組んでいただきたいと申し添えておきます。

それでは先端技術の拠点を有する自治体のあり方に移りたいと思います。つくば市でBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)に関するお話をお聞きし、そしてその後も自分なりに調べてみました。そして総合政策課にその第一報をお伝えしたとき、私の希望にこたえてサガハイマットとのお話の機会を作っていただいたことここに改めて感謝申し上げます。
サガハイマットでは技術の責任者と経営に携わっておられる県職員理事とお話ししました。当然技術責任者はBNCTのことよく御存じでおられましたが、サガハイマットの経営に関係するお話になるとは思っておられなかったようです。ご出身の放医研でも中性子線療法が最近まで行われていたようですが速中性子線という運動エネルギーの高い中性子線を使った研究であったようです。あまり有効な方法とはお考えになっていないようでした。しかし、今話題にしているのはエネルギーの低い熱中性子を使った治療法であり、その代わりホウ素10という薬剤を絡めてがん細胞だけを狙い撃ちするという同じ中性子線療法と言っても別の原理からのアプローチです。今後少なくとも20年以上継続すべき事業であるなら、例え現在まだ卵から孵化していないという評価であったとしても、今後BNCTが事業化に成功した場合を想定して注視すべきは言うまでもありません。つくば国際戦略総合特区という国の指定を受けた先導的プロジェクトという位置づけであるつくば市のみならず、これとは別に京都大学の流れを汲む大阪の熊取町でもBNCT施設誘致の取り組みがなされています。合わせて自治体が絡んだ先のケースのほかにがん治療で最も権威があるのではないかと思われる国立がん研究センターにおいてもBNCTの共同研究が今行われております。経営という立場からはその対策に必要とする時間を考慮の上よくよく先々の事を考えておかなければなりません。それは今資金調達に汲々とされているサガハイマットにおいて将来の収入に多大な影響を及ぼす可能性がある問題だからです。BNCTはまずは平成27年に先進医療の承認取得を目指されていますが、その先には保険診療を視野に入れていると私には映ります。サガハイマットはいつまでたっても300万円という高額な先進医療を志向されています。資金計画を聞けば明らかです。健康保険で治療できる保険医療は庶民の見方であり、日本が世界に誇れる社会保障制度だと思います。一般質問初日に4名の議員がこの資金問題についてご質問されました。松隈議員と私のように昨年修正案まで出してこれはおかしいと言い続けている議員の他に今回はその他の議員までサガハイマット支援の補助金に強い疑問の声が上がっています。その中で、県との全体的な協力体制のために今回の支援は必要なのだとのご答弁がありました。しかし佐賀県と鳥栖市が全体的な協力体制にあるのは当たり前のことでり、では資金援助しなければどこにどのような支障が来すと予想されるのか、あるいはどういう話をお聞きになりどういう話を橋本市長は県とされたのかお聞きしなければ資金援助の良しあしの判断はできません。よく見えぬ県との色々なやり取りを県との全体的な協力体制のためと一まとめにしてオブラートに包むやり方は問題だと言わなければなりません。これは今始まったことではありません。同様なこととしてサガハイマットを将来の鳥栖市の核施設という言葉を使って土地の無償貸与や多額の資金援助を正当化されてきました。しかしサガハイマットがある新鳥栖駅西土地区画整理事業は鳥栖駅東区画整理事業とは違い民間のリスクで進められているものです。鳥栖市はその事業を仕切っている立場です。鳥栖駅東のように鳥栖市が先行取得して鳥栖市が土地を持っているわけではありません。鳥栖駅東なら鳥栖市が勝手に絵や図面を描いてもらって結構です。しかし、新鳥栖駅の街並みは地元説明会で市より予め概要説明がありました。ホテル予定地は売却を希望された地権者の土地でありました。駅前の6街区7街区は貸地を希望される地権者の土地です。東京でフランス料理を修業されたお孫さんの店を駅前に出すことを楽しみにしていたおばあちゃんがいます。6街区に一軒残ったお宅は今サガハイマットが建つ保留地に代替え地をもらいお母さんがおられる実家のすぐそばに住もうと考えておられました。なぜこうしたところに後から入って来て臆面もなく県の意向を錦の御旗にそうした言葉を使われるのか、後からお聞きすると苦悩もあったようですが、私には理解できません。橋本市長も新鳥栖駅開業にあたっては100年に一度の大事業と言われておりました。本来「新鳥栖駅を核とするまちづくり」を如何に進めるかというのがテーマであり地元住民の楽しみでもありました。いつの間にか主客転倒、すり替えられてしまった思いがあります。
もう一つ「鳥栖ならではの支援」という言葉をよく使われます。住みたいまちのランキングが全国4位から近年11位に下がってしまったお話を以前しました。私が聞くところによりますとハードよりソフトに対する評価が高いということで、例えば子育て支援などが大きく貢献しているとの事でした。であれば「鳥栖ならではの支援」というなら例えばがん治療支援などの政策が鳥栖市役所のDNAを持った方なら出てきて良さそうです。20年間鳥栖市民ならハイマットで治療を受けた方に対して一人当たり100万円の補助金を年100人補助しますとの政策、1年間1億円、20年で20億円出しましょう、こうした支援の方がサガハイマットに固定資産税を20年間免除するなどよりよほど鳥栖ならではの支援政策ではないのでしょうか。サガハイマットが近くにできた鳥栖市民の安心感をいうのであれば尚更の事です。もっとこれだけの患者さんが鳥栖市に発生するのかどうかは疑問ですが、残金は基金として積み上げ不測の資金需用に備えるというのがこれまた安心につながるのではないでしょうか。サガハイマットは癌の患者さんに感謝される施設としてその目的を果たしてもらわなければならないといつも真剣に私も考えておるのでございます。鳥栖市は財団の基本財産に佐賀県1,000万円に対して第2位となる300万円の出損金を出しており、また、評議員と理事も出していますので鳥栖市がなんと思っていようと外部からは経営に参画していると思われても仕方ない部分があります。現に誘致自治体として一定の発言権を持たんが為とのご答弁もありました。今回私は思いがけずBNCTの状況をつくば市でお聞きすることとなりました。つくば市は鳥栖市の事をよく御存じでありました。技術動向の理解なくして民間企業では経営スタッフすら出来ません、常識です。ましてや先端技術に纏わる話です。小さな市であれば尚更情報収集に抜かりがあってはなりません。今回の4億5千万円の問題、お金の出し方には注意しないとズルズルといってしまいます。この問題は私の持ち時間では到底足りません。予算案が付託された総務常任委員会以外の議員私含めて4名の議員が一般質問されています。3月議会に先立ち新聞等マスコミ報道がなされたためか広く市民の皆様の関心事となってもおります。しかるべき対応を期待して次の質問に移りたいと思います。
私は思います。サガハイマットはILCリニアコライダー計画でも必ず引用されるように先端技術の粋を集めた素晴らしい施設と思います。しかし、施設が素晴らしいのでしょうか、私はそれよりもその施設を造り出すに至った研究者、開発者、それを運用する人が実は凄いのであると思います。そういう人がいればこそ、これからも新たに社会や時代の要請により革新的ものが生み出さる夢があります。そういう富を生み出す人が縁あって鳥栖市に来られたのであれば、それを機に鳥栖市に長く住みたいと私は思ってもらいたいわけであります。
産総研との基本協定という投げかけをしたのも産総研との交流を密にして鳥栖市はいいところだ、鳥栖に住みたい、そして今は他所におられるお仲間に鳥栖はいいところだよと伝えていただきたい、そういう雰囲気づくりをするのは地元自治体の役目ではないかと思うからに他なりません。
サガン鳥栖が昨年悲願のJ1リーグで5位という活躍を見せてくれて、そしてサガン鳥栖のスター選手、豊田、水沼選手等の去就、残留か移籍かということが話題になりました。
しかし、サガン鳥栖のチームが、またサポーターが自分をより高めてくれるというコメントをつけて残留してくれました。そうした魅力的な高い付加価値を持った人が鳥栖に来て、そして人を引き付ける、それがまた発奮材料となりさらに高みを目指す、そうした状況をあらゆる分野・ジャンルに推し進めていかなければならないと私は考えるのであります。
私がリニアコライダー計画に求めるものはまさにここにあります。是非日本が誘致に成功していただきたい。いま2020年東京オリンピック誘致に東京都が一生懸命になっています。日本国の問題として国民が考えるように盛んにマスコミが取り上げています。一方リニアコライダー計画も国家プロジェクトとして行えるよう広く日本国民の知るところとならなければなりません。地方の時代の象徴として、東京オリンピック誘致と同様にマスコミも交えて国民的議論をしていかなければなりません。スポーツだけでなくサイエンスに志ある全国の若者の活躍の場として拵えてあげなければなりません。そしてそうした盛り上がりの中、できれば九州の脊振山地に来てほしいというのが私の願いであります。そのためにも九州が、鳥栖市が世界の研究者にとってとても住みやすいところとならなければならないのであります。その件については前回の一般質問でさせていただきましたので今回はこれ以上はいたしません。
それではリニアコライダー施設誘致により世界の研究者が住む街あるいは集まる街となるとき、鳥栖市のセールスポイントは何なんでありましょうか。
それは一つは既に高い知識技術を持った研究者が少数ではあるかもしれませんが既に鳥栖市には住んでいらっしゃるということです。出来ればその方からも高い評価を受けて入ればなおさら好ましいことです。
もう一つは海外からのゲートウェイ福岡国際空港に鳥栖市が大変便利な位置にあるということであります。世界をまたにかける研究者が集いやすいという点は大きなポイントと思います。
しかし、福岡空港は住宅密集地にあるため、本格的な国際空港に必要な24時間対応が出来ないという弱みがあります。
そこで出てくる打開策が九州新幹線西九州ルートのフル規格化であります。私にとってリニアコライダー計画と九州新幹線西九州ルートのフル規格化とは大変相性がいいのであります。
というのは長崎空港は現在も海外便が就航する国際空港であり、日本に最初にコンコルドが飛んできた空港であります。大村湾という内海の小さな島をベースにした海上空港であり、福岡空港の弱点である24時間対応可能な本格的な国際空港になれる素地があるのであります。
そして九州新幹線西九州ルートには新大村駅があり、近くには長崎自動車道の大村インターもあります。24時間対応長崎国際空港となり西九州ルートと結ばれれば長崎、諫早、大村、嬉野、武雄、佐賀、鳥栖、福岡それぞれの都市が国際都市としての機能の一部を備えることができるのであります。
こうした構想からしても私は鳥栖市として西九州ルートのフル規格化に賛同すべきではないかと思うのであります。そして九州全土のためにも16両編成対応の駅として新鳥栖駅を拡張すべきであります。鹿児島から長崎から新鳥栖へ向かい一緒に新幹線で東京まで行こうではありませんか。クラシック通の橋本市長、シューベルトの未完成交響曲は美しくございます。しかし新鳥栖の未完成公共機関は使いづろうございます。最後にリニアコライダー施設脊振山地誘致実現を一つのいい機会として長崎、佐賀、福岡の北部九州3県はがっちり結束を固めるべきでるとお願い申し上げ、私の2回目は意見要望ということでも構いませんが、予めご通知申し上げていましたように、もし橋本市長のお考えをお聞きできるのならばこれから橋本市長にご答弁をお願いして、希望されなければこれで私の一般質問を終わります。有難うございました。