こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

『天才の栄光と挫折』を読み終えた

2005年12月25日 | 読書ノート
天才の栄光と挫折―数学者列伝

新潮社

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 決闘で倒れたガロアは21歳。旅行先から帰国後急逝したソーニャ・コレフスカヤは41歳。インドの生んだ天才数学者ラマヌジャンは32歳。
 いずれも,数学史上の偉大な発見に浴する栄光とは裏腹の天才にありがちな孤独をかかえ,ガロアは社会に,ソーニャは異性に,そしてラマヌジャンはバラモンの戒律と嫁姑に,摩擦し疲弊し若くして命を落とすことになった。数学的才能とトレードオフで挫折という罰を与える神なるもののお導きは過酷な試練でもあり,読んでいてかなしくなる。

 結ばれぬ愛を憂いながらも初恋の人を思い続けたハミルトン。死の床でハミルトンを求める彼女。夫ある人であることを省みず,病床の彼女のもとに駆けつけたハミルトンは永久の愛を手に入れる。現実の生活の中で,封じ込めている封印を解くと,案外,ハミルトンの予備軍は多いのかもしれない。かの涙腺刺激映画ナンバーワンの『ニューシネマパラダイス』では,トトはアルフレッドから永久の愛を手にいれた。

 数学の天才たちの栄光と挫折は,奥の深い人間ドラマのオンパレードである。冬休みの1冊にお勧めだ。blog Ranking へ


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