2月の月末にアップするつもりが遅くなってしまいました汗)
ところで販促画像はドン・キホーテ像を描いてみました。
「レイルゴースト」本編ではワードとして所々に出てはいますが、
伏線とか物語に有機的に組み込む…まではいかなかったと反省です。
連載が始まる前の2014年6月、取材と新婚の旅行を兼ねて、スペイン旅行に
行ってきました。バルセロナ→バレンシア→グラナダ→マドリードと、
結構長い距離を移動したと思います。
それで、ドン・キホーテゆかりの地や、
観光地の風車、プラド美術館でゴヤの絵とかを見て、何か生かそうと思って
いたのですが、思いのほか連載始まってみたら、原稿を上げるだけで精一杯でしたそこは残念。
単行本2巻にもチラと書きましたが、当初は「アーサー王伝説」を変形して
何か企画を…と考えていました。そこから「騎士」とか「騎士道」みたいな
要素が残って、考えていくうちに、ドン・キホーテに辿り着いたわけです。
もともとは2005年くらいかな?ボルヘスの「伝奇集」という、岩波文庫版の本を読んでいて、そこで「ドン・キホーテ」に関する記述が出て来たと思います。
ドン・キホーテは滑稽な笑いの古典文学だろうと思っていた僕は、ボルヘスが書評か何かでえらい「ドン・キホーテ」を評価してるのを見て、なんでかな?
と思いました。
ひとつは、ボルヘスはメタ的な表現(架空の書物を評論したり、小説の中に、別の小説の物語が入り組んでいたりする。)が得意と思ったので、
まずそのメタ的な表現の“はしり”がある、この点かな、と思いました。
セルバンテスの『ドン・キホーテ』の体裁は、モーロ人“シデ・ハメーテ・ベネンヘーリ”のアラビア語記録を、セルバンテスがスペイン語で編纂し直した
という形をとっており、(セルバンテスが書いたくせにややこしいな!ww)、
さらに前編を書き上げたあとにニセモノが“ニセモノの後編”を出版し、
それはニセモノだ!とセルバンテスがのちに本物の『後編』を書いて、
あとから作中で論評するという、なんだかメチャメチャな状況が現れる。
当時も「ドン・キホーテ」は現地スペインで数多く出版されたらしいのですが、
儲かったのは出版社で、セルバンテスは確か原稿が買い取りで、お金があまり
回ってこなかったらしい。けっこう家族もかかえて用入りだったセルバンテスは、このニセモノの出版にたいそう怒り、その怒りをバネにして後編を
書き上げた説もある。
…イカン、長くなってしまったな。休憩を入れて、またとします!
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