レイクサイド マーダーケースポニーキャニオンこのアイテムの詳細を見る |
『レイクサイド マーダーケース』、観ました。
湖畔の別荘に集まった3組の家族と塾の講師は、中学受験を控えた子供の為に
勉強合宿を行っていた。参加者の一組の並木俊介と美菜子は別居中だったが、
受験の為に仲の良い夫婦を演じていた。そこへ俊介の愛人が現れ殺害される…。
何を隠そう、オイラは役所広司がチョー苦手。あのむさ苦しい長髪ヘアーと、
自信なさげのシャベリに拒否反応(笑)。今作でも、どっちつかずで
ハッキリしない役柄は、いつものごとく。ただ、今作に限っては、薬師丸ひろ子、
柄本明、豊川悦伺、杉田かおるらの並みいる個性派脇役陣に救われたかな。
それにしても死体破棄の最中、煮え切らない役所広司の横で、悟りを説くように
至極冷静な口調の柄本明‥‥、マジでアンタが一番怖かったよ、ホント(笑)。
さて、今作の特徴は、そのまま「舞台劇」としても通用しそうな“限られた
物語設定”と…、それゆえに様々な工夫と仕掛けに富んだ脚本にあると
思うのだよ。例えば、前半でふいに呟いた一言が、後になって重要な意味を持つ
伏線となったり、相手の内面を抉(えぐ)るようなキツイ台詞もちらほら。
極めつけは、死体となった(主人公の)愛人が、公衆の面前で裸にされ、
顔を潰されるその様は、主人公の“秘め事”がさらし者にされ、木っ端微塵に
打ち砕かれた瞬間を意味している。非常によく練り込まれた脚本だ。
ひとつ残念なのは、最後まで犯人を特定せずボヤかしているために、
ミステリー映画として観た場合にはどうもスッキリしない。きっと(作り手は)
“犯人探し”よりも“メッセージ性”にこだわった??‥‥つまり、「し烈な
競争社会とサバイバル」、「親子のあり方とその安らぎについて」‥‥
ここで言わんとしていることは、よく分かるんだけどさぁ。