リクルートポニーキャニオンこのアイテムの詳細を見る |
『リクルート』、観ました。
エリート学生のジェイムズは、ある日CIAでリクルート活動を担当する
バークという男にスカウトされる。晴れて訓練生となったジェイムズだが、
過酷な訓練に潜む陰謀に翻弄(ほんろう)されていく‥‥。
「サスペンス映画」と聞いて、きっとベテラン刑事と新米刑事の師弟
コンビよろしく、猟期的な凶悪犯を追うお話かと思っていたら、予想外の
展開に驚いた。映画が始まり、しばらくは僅かな事件さえ起こる気配もなくて、
ひたすらCIA養成学校の訓練シーンばかり。ネタバレになるので今あえて
その後の内容については書かないが、その場で起きる出来事全てが嘘っぱち。
“実像”だと思ってたことが“虚像”と分かり、騙してるつもりが騙されて、
主人公は何を信じ、誰を信用して良いのか‥‥、揚げ句に自分自身が何者かさえ
分からなくなっていくわけだ。勿論、観ているオイラもコイツが怪しい、
アイツがきな臭い、と“疑惑の袋小路”に入ったまま抜け出せずに悪戦苦闘。
最後の大逆転も衝撃的だが、それ以前にここでは観る者を“疑心暗鬼”に
させることが出来るか否(いな)かが映画成功のカギになっていると思う。
例えるなら、これは正統派ピッチャーの松坂によって投げ込まれた剛速球ではなく、
見透かされたように変化球を織り交ぜて、次の一手が読めないまま気がつきゃ
キャッチャー古田の配球にしてやられたような頭脳派サスペンス。
好みの問題もあろうが、ボクは大いに楽しめた。まさに“アイデアの勝利”です。