肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『オールド・ボーイ』、観ました。

2005-09-25 11:35:33 | 映画(あ行)






監督:パク・チャヌク
出演:チェ・ミンシク, ユ・ジテ

 『オールド・ボーイ』、観ました。
ごく平凡な人生を送っていた男“オ・デス”が突然理由も分からないまま
監禁され15年後に釈放される。一体ナゼ誰の指示で監禁されたのか!?
若い女性ミドの助けを借りて復讐を誓うデスの前に、ついに謎の男
“ウジン”が現れるが‥‥。
 この映画、オイラに「好きか?嫌いか?」と問われてすぐに即答出来ぬが、
「面白いか?つまらないか?」と聞かれれば、開口一番「とっても
面白かったゼ」と 答えちゃう。血生臭いバイオレンスを“斬新アイデア”という
スパイスを振り掛け、 “遊び心”たっぷりで創作風に料理する。ナルホド
これはいかにも(カンヌで審査委員長を務めた)タランティーノが好みそう、、
〈暴力〉と〈コミカル〉が バランス良く配置されたミステリアスでスリリングな
バイオレンス、、前作『JSA』に 引き続いて今作も、パク・チャヌク監督の
“感性”にシビれちゃいました。
 さて、ならば早速この映画の驚きは、上にも記した通りに“高度な技術に
裏づけされた遊び心”にあるのです。例えば、地下鉄に乗る巨大アリが
出現したり、韓国の寿司店にて 意味なく(?)生きたままの生ダコを
貪(むさぼ)る主人公であったり‥‥と、まぁ、そんなヌケた失笑ギャグの
連発は確信犯(笑)。しかし一方で、クライマックスの回想シーンでは
「過去」と「現在」を巧みに交錯させる“編集の凄さ”、少女の飛び降り
場面でのダムの真下から映す“構図の大胆さ”など、ちょっと油断してると
突然ハッとさせられる高度なA級テクニックも披露する。加えて、
映画序盤にあえて“格言じみた意味深コトバ”を暗示させ、後半に進むにつれて
そこに“真の意味”を持たせる脚本にも感心した。ひとつ残念なのは、
残酷描写がキツ過ぎて、約二ヶ所にわたり直視できない場面があったこと。
力のない監督ならともかく、このパク・チャヌク監督ほどの才人が
わざわざここまで(残酷描写を)描く必要があったのだろうか?、
観終わったボクはしばらく考え込んでしまった‥。それにしてもあの強烈な
エンディングは最後の最後にして“観客の心を鷲づかみ”にしてしまう‥。
良い意味でも、悪い意味でも、底知れぬ余韻がいつまでも残る作品だ。

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