ShiNaChiKu亭の限定『塩味つけめん』は、太麺を選ぼう！

　
　

反町のShiNaChiKu亭で限定の「塩味つけめん」が始まった、とのことで行ってきました。
　

　　　　　


塩味つけめん


　　　　　


この店らしい細麺です。
麺がくっつかないように、またチャーシューが冷えるのを防ぐため上から全体的に
スープを少量かけてあるのは嬉しい配慮です。


　　　　　


鶏と魚介の旨味がギュッと詰まった飴色のつけ汁。
店主の「小さい器だと、つけ汁がすぐ冷めてしまうのがイヤ」という想いから、
大きいラーメン丼で提供するのもこの店の特徴です（食後のスープ割りはOK）。

魚介素材の出汁を引き立たせるため、若干塩気を立たせてあります。
よって旨味を強く感じるし油も少なくないので物足りなさはありません。
よくある、甘ったるい豚骨魚介スープに魚粉をぶち込んだつけ汁とは正反対。

神奈川によくある「清湯スープ＋香油or鶏油」のラーメンを出す店でつけめんを
提供する際は、ぜひこういうスタイルのものをもっと研究してほしいですね。
ラーメンはあっさりしたスープで旨いのに、つけめんになるといきなりスープが
白濁していたり、表面に魚粉が浮いてるだけだったり、ただ酸っぱいだけのもの
だったり、なぜか「あれれ？」みたいなのがあまりに多すぎる。

たしかに神奈川に「つけめん」という文化が根付いたのはごく最近のことだけど、
あまりに芸が無さすぎるよ。特に安易に魚粉に頼ってる店はもっと考えてほしい。


　　　　　


で、食べていると店主さんから「試しに太麺も作ってみたので」ということで、
試食させていただきました。

※　この麺は提供されていません。


　　　　　


太麺というと、昨春の定休日に営業していた豚骨スープに合わせたもの以来かな。
それよりは若干細めだけど、これまた最近主流のゴツゴツバキバキした食感でなく
もっちりムチムチで麺の味を楽しめるもの。ただ、たしかに美味しいんだけど、
正直この麺じゃあまりに普通すぎて、なんにも面白くない。

もともと店主さんには「太麺をやればいいのに」と何度も何度も言ってきました。
しかし、まともな店の真っ当なメニュー（ここ重要）では初めてだったと思うけど
ラーメンにチョコレートを使用したりと奇抜なアイデアをすぐ形にしていたのに、
こと麺に関しては、製麺に対する姿勢や情熱が強すぎるのか真面目すぎるというか
頭が固いというか何というか、本当に保守的でハジけることをしないんだよね。

最終的には「うちの常連はそれを求めてはいない」なんて一言で片付けちゃう。
それは店主の出自を考えても仕方ないことかもしれないけど、自らの職人としての
可能性を狭めてしまっているようで、非常に残念に思っていたのです。

でも常連だからって、いつも代わらないものばかりを求めているとは限らない。
違うものを求めて他に行くなら、それはその店にとって売り逃しでしかないわけ。

だいいち限定メニューなんて新規の顧客を増やすきっかけにするものなんだし。
それに、いつもと違うお客さんが増えると気になってしょうがないらしく
「どこかに載ってましたか？」とか聞いてくる。やっぱり嬉しいんじゃないかw

試食だし、この際だから今回はハッキリと言わせていただきました。
自家製麺ならいろいろできるでしょ？って。
私たち倦怠期なのよ、あなたの違う姿も見てみたいのよっ！って（違うかw）

だって、つけめんってのは太麺のほうが素直に美味しく感じるんですよ。
よくいろんなラーメンブログに書いてあるじゃない、つけめん食べた感想で
「つけめんだと麺の旨さがよく分かる」とか。
ラーメン食べて麺の旨さがよく分からないのに、つけめんだからといってはたして
麺の旨さをよく分かるのか、ってのは疑問だけど。


で、店主もやっと重い腰を上げたようです。
連絡を受けて、三日後にできた麺がこれ。


　　　　　


　　　　　


見てのとおり、フェットチーネのような幅広の麺が打ちあがりました。
しかし鹹水の香りにコーティングされた小麦の旨さは、まさに中華麺のそれ。
手切りなので、麺の幅も厚みも均一でなくバラバラ。でもこれが凄くイイ。
一本の麺で異なるテクスチャを楽しめるので、口の中で麺が踊っているようです。


　　　　　


濃厚豚骨魚介のつけ汁なら麺がスープを絡めすぎて味が濃すぎちゃうだろうけど、
このつけ汁ならちょどいい。表面が広いぶん麺が一度に持ち上げるスープの量も
多いわけで、舌へのアプローチは若干塩気が強く感じられますが、麺を噛み砕き
咀嚼の回数を増やしていくと、口の中で麺・塩・油の全体的な調和が生まれます。

いやー、こういう旨いのを食べさせてもらうと、生意気なことを言わせてもらった
かいがあるってなもんです。この麺はかなりオススメです。


さて、この塩味つけめんは6月中旬までの予定ですが、冒頭の細麺と平打ちの太麺を
選ぶことができます。ただし太麺は数に限りがあるため、遅い時間には無くなって
いるかもしれませんのでご注意を。

太麺のオーダーが多ければ、ではレギュラーメニューの醤油のつけめんの麺にも
使ってみようか、と頭の固い店主も考えるかもしれませんのでw　
訪問される方はぜひぜひ「太麺で！」と大きな声で注文してくださいww



ShiNaChiKu亭（しなちくてい）

横浜市神奈川区反町2-15-14
045-316-6315　　月火休（祝日の場合は営業）
11:00～15:00、土日祝11:00～21:00

東急東横線／反町駅徒歩3分
ＪＲ京浜東北線／東神奈川駅・京急本線／仲木戸駅or神奈川駅ともに徒歩10分
横浜市営地下鉄ブルーライン／三ツ沢下町駅徒歩15分