ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

コッポ編み

2011-04-06 19:32:06 | 昔の道具・暮らし

 

コッポ編みってご存知でしょうか。

私は子供のころ母に教えてもらったのですが、虫ピンをたくさん使うことで、

子供には危ないからと、あまりさせてもらえませんでした。

というより、道具が一つしかなかったので、貸したくなかったのかも??

 

実家に行ったついでに本棚を見たら出てきたのが「手芸本」2冊。昭和28年と29年のもの。

母は縫い物と同じくらい編み物も好きで、生活のため?家族のセーターなどを編むことから、

少しゆとりができて「手芸」として楽しむことができるようになったとき、

レース編み、ヘアピン編みなど、ほんとによくあれこれやっていました。

その中に「コッポ編み」もあったわけです。今は道具を探すのも大変かと思います。

実家のどこかにあると思うのですが…。

 

コッポ編みというのは、作り方はこの図が載っていました。

 

  

     

 

これで見るとなんだかよくわかりませんね。この「コッポ」というのは編み針を使いません。

下の図の右、丸いのがコッポ・クッションという台、実際にはこんもりとしたお供え餅みたいなかっこです。

これに虫ピンを刺して、それを基準にして糸をかけてゆく…。

というと「編む」という感覚ではないのですが、元々レース編みの本場ヨーロッパでも、

レース編みというのは必ずしも編み針を使うものばかりではなく、

広い定義で「糸で何かを編み出す」ことを示しています。

よく耳にするのはニードル・レース、ボビン・レース、タッチング・レース、などでしょうか。

今、日本でレース編み、と呼んでいる鈎針編みの編み方は「クロッシェ、もしくはクローシェ・レース」です。

 

さて、この「コッポ・レース」は、人の名前からとったもの。あらやっぱりヨーロッパ…と思うでしょ。

実は日本人です。考案者はお名前を「斉藤光歩さん」とおっしゃいます。この「光歩」さんが「コッポ」さん…

というわけで、昭和の初期のころに考案し、たしか特許もとったはず。

まぁ前置き長くてスミマセンが、実は画像のいいのを探してまして…。

こちらのサイトを見つけました。クリックしてみてください、実物の写真が掲載されています。

母の持っていたものと同じです。この色しかなかったのかなぁ。

最近は、このコッポよりちょっとやさしい、切れ目の入ったディスクに糸をかけていくものが出ていますね。

 

母が、夜なべシゴトにこの台をくるくる回したり、細かく糸をかけたりしていたのを覚えています。

いくつもモチーフを作っては、あとでつなぎ合わせて、ショールとかテーブルセンターとか…。

すでにもう手元には何も残っていません。

 

もうひとつのヘアピン編み、これはU字型の大きな針金といいますか、

そういうピンの間に糸を渡して編み針で編んでいくもの。

編み方の図はこちらです。長く編んでつないだり、モチーフもできます。

 

            

 

下の写真は右ページが「コッポ」の作品、左の上、帽子、手袋、クッションが「ヘアピン」の作品です。

 

    

 

母はオシャレな人でしたから、このヘアピン編みや普通のレース編みで、

真っ白な手袋を編んではめていました。手首のところに小さい花のモチーフがついていたかと…。

あとは普通のブラウスの衿にレースを編みつけたり、ボウタイみたいなのを下げたり…マメでしたねぇ。

私もレース編みはやりましたが、編んでも編んでも進まない…で、いつも途中で挫折でした。

せっかちな母がよくやっていたと思います。

パイナップル編みの直径1メートル以上あったテーブルセンターは、どこへいったんだろ…。

 

そんなわけで、今日はこの「持つと手が汚れる本」を、眺めてすごしてしまいました。

こういうのを見ていると、ウズウズ…だめだめ、手前のものから片付けるのだよ、とんぼ!

山積になっとろーが、やることがぁっ!


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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (陽花)
2011-04-06 23:12:29
へぇー、そんな編み方があるんですね。
見るのも聞くのも初めてです。
昔、モチーフつなぎのショールをよく見かけ
ましたが、コッポ編みもその中にあったの
かしら・・・
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Unknown (じゅりあな)
2011-04-07 07:12:47
初めて聞く名前です。
でも、出来上がり作品を見ると、どこか見覚えのあるような・・・おばあちゃん家とかにあったような気がするので、誰かが作っていたのかも知れませんね。
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Unknown (momomilk)
2011-04-07 08:58:01
見た事あります!母がショールもってました(^o^)
私もかぎ針編みやレース編みしますので、
この編み方どうするんだろう…って悩んだ事覚えてます(#^.^#)
知らなかったー! 何かはかなげで優しい感じがして
好きでした(^^)懐かしいー(^^)
道具今でも購入出来たら作ってみたいですね☆彡
返信する
こちらでははじめまして (水城)
2011-04-07 10:14:07
 とんぼ様こんにちは!
 遅くなりましたがお父様、第一段階は無事越えられた様で何よりです。
 まだこれからとの事ですが…くれぐれもとんぼ様ご自身もお大事になさってくださいね。
 コッポ編み…初めて聞きました。
 以前、何処だったかのイベントで、欧米人の女性が布張りのこんな台で同じような編み方をしてました。
 ボビンレースじゃないし何だろ…と思ってたんですが、これだったのかも?
 しかし本当に何についてもよくご存知で、ただただ尊敬…です。
 私もやってみたいけど…やる事が山積みすぎて雪崩おこしかけてます…(片付けれ)
 
返信する
伺いました (akkomam)
2011-04-07 12:27:03
<こちらのサイト>に
早速うかがってみました。 
はじめて知ったコッポ編み、
難しそうで、
楽しそうな編み方ですね。

歳をかさねたら<編み物>をと
考えたときもありました、が、
今度の震災のショックを受け止め
かねて、夜に手を動かすことで
心を鎮めたくてレース編みを
はじめました。

イギリスなど海外には
アンティークな編み方が
あることは知っていましたが、
コッポ編みは初めてでした。

楽しそうですね、
これからは糸を使っての
場所をとらないレース編みに
しばらくはまりそうです。
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Unknown (とんぼ)
2011-04-07 19:30:41
陽花様

いっとき流行ったと思います。
母はほそーいモヘアの毛糸で編んでました。
あのころのモチーフ編みのショールって、
結構これ多かったと思いますよ。
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Unknown (とんぼ)
2011-04-07 19:31:53
じゅりあな様

最近は編み物のショールってあまり使いませんが、
昔は多かったです。
けっこうこの編み方、あったと思いますよ。
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Unknown (とんぼ)
2011-04-07 19:33:47
momomilk様

一個作っては箱に入れ…ってやってました。
鈎針よりふわっと仕上がる感じですね。
私のはつくってもらえなかったー…んです。
今、この道具は探してもないんですよ。
ムキになって、ただいま探索中です。
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Unknown (とんぼ)
2011-04-07 19:36:40
水城様

ようこそ!その節はお世話になりました。

父はおかげさまで「いい患者」になるべく?
努力しているようです。

これ、道具があれば私できると思うのですが、
まずは実家の押入れから探索せねば…。
実はあっちもこっちも「雪崩直前状態」なんですけれど…。
やっぱり私も「片付けれ」です。
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Unknown (とんぼ)
2011-04-07 19:42:47
akkomam様

久しぶりに編み物の本を眺めていたら、
いろんな「母の編み物しているところ」を
思い出しました。
レース編みをしているときは、話しかけると
怒られましたっけ。
模様編みの目を数えてるんだからと。
母がレースの残り糸ばかりで編んだ
直径10~15センチくらいのいろんな花は、
食器棚の中でソーサーを重ねるときに、
間に入れています。見た目もきれいで
傷防止にいいですよ。
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