ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

小紋

2013-03-24 16:48:26 | 着物・古布

 

お花見しそこなったかた、我が家の八重桜です。見てやってください。

全体を写すと…ちっちゃい鉢なんですけどね。つぼみたくさんつけています。これからですね。

それにしても、あんなにこい紅色のつぼみが、開くとなんで淡いピンクなのか、自然はフシギが一杯です。

 

         

 

 

さて、よそ様ブログで小紋のお話がありまして…。

その話題に直のお話ではないのですが、小紋のジミハデについて、またお話してみようと思います。

こちら、引っ張り出してきた「頂き物羽織」。光沢のある紋綸子に、菊や桐など、けっこうニギヤカな柄です。

ほぼ色は出ていると思いますが、ツヤがあってなかなかです。丈が短いのと裄も合わないので、

解いて仕立て直してもらう予定です。どうやら繰り回しのもののようで、丈の短い羽織の割りに、

返しが少ないです。それでも20センチ以上あるので、裏が足りればもう少し丈を伸ばせそうです。

 

                   

 

柄の部分アップです。

 

         

 

この色柄ですが…もしコレが着物だったら…私ちょっと着るの敬遠します。ニギヤカすぎて…。

色目は真っ赤がないし、全体的には茶系、の感じですから、私の年でも…なのですが、

ちょっと柄のボリュームが、ですね。でも羽織なら問題なし。羽織、帯はハデめ若めがいいのですから。

では、この色柄は、ジミなのかハデなのか、難しいところです。

 

全体のイメージだけでいうなら華やかな印象ですから「ハデめ」にはいりますね。

でも、色が茶の濃淡を多く使っているので、中年でも十分使えるジミさもあります。

次に、さっき書きましたように「着物なら」「羽織なら」というので見ると、

若い方では着物にしたら、色目がこれですから「落ち着いて見える」でしょうし、

私の年齢で着物で着たら、ちょっと柄がうるさいかなぁ…です。

例えば濃い色がもう少し薄かったら、グリーンもいっそ茶だったら…全体にモノトーンだったら…。

さて、この柄、色を変えたらどんな風に見えるでしょうか。やってみましょう。

 

コレが元の色柄。                    濃い色の部分だけ明度彩度落としてみると

                               すこしだけ柔らかい感じになります。

   

 

逆に赤っぽく、若向きにすると…こうなると     個別の色をなくしてただの濃淡。

羽織でもちょっと私にはムリですね。          少しハデめの地色にすると…。

   

 

同じ濃淡でもちっとどぎつくすると…         単純なモノトーン

   

 

着物のジミハデというのは、ほんに難しいものだと思います。

着物に限らず、洋服の、例えば「紺に白の水玉柄」などは、ドットの大きさでハデさがまったく変わりますね。

ピンドットなどにすると、着物で言うと江戸小紋みたいな感じで、どうにもおばさんっぽくなります。

でも洋服にはデザイン、という強みがありますから、そんなジミな水玉は、フリルやレースで飾り、

スカートもふわっと広がるようなかわいいデザインにすればいいわけです。

着物にはデザインの大きな変化がありません。だからほんとに「色柄勝負」なのです。

おおざっぱに言ってしまえば「小さい柄より大きい柄の方がハデ」「柄が多く、地の空きが少ないほうがハデ」

「濃い色、赤い色の方がハデ」と、基本的にはこれなんですが、

この柄の一つ一つがたとえば菊の花がひとつ、と、御所車が一台…これだけでも感じは違ってしまいます。

上で見るように、使われる色で、感じは大きく違ってきます。

またグリーンだから、紺だから、ジミだハデだともいえなくなります。

これがむずかしいところであり、着物のとても楽しいところでもあるわけです。

 

私は、このブログを始めたころに「あぁこれはもうあと数年で着られないなあ」と思っていた着物が、

何枚かありました。でも、出して眺めて帯や八掛、小物を考えたら「まだまだイケる」と、

そう思うものがありましたし、何より「年なんて、いいやぁ」と思うようになりました。

考えてみたこともなかったのに、自然と遠くにおいていた薄い色、淡い色が着たくなり、

華やかな大柄も着たくなり…。着物って、ほんとに不思議なものだと思います。

これがあきらめかけてた小紋。まぁ大柄ですから小紋と言っても柄付けが小紋、で

「飛び柄」といわれるものですが。

今年も桜には間に合いませんでしたが、なぁに来年再来年、桜は毎年咲いてくれますから、

70過ぎたって着てやろうやないの、と思っています。

八掛をもう少し墨色にして、帯はごく薄い茶とかグレー系で、墨絵のような柄のものを(持ってないけど)、

小物も彩度を落とした色を使って、じゅばんだけはコレには桜色がいいですねぇ。

 

                

 

妄想爆裂のまま、本日も時間切れです。

さて小紋、このとても魅力的な素材を…もうちょっと語りたいですねぇ。 


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10 コメント

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Unknown (ニーコ)
2013-03-24 17:46:19
はじめまして。小紋の色柄の考察、大変興味深く拝見しました。元の色柄が最も美しいと感じました。アラフィーですが、キモノとしてでも御食事会や顔見世など着てみたいです。キモノなら許されると思うんです。素敵な羽織お持ちでうらやましいです。
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Unknown (陽花)
2013-03-24 18:12:07
色柄って本当に不思議ですね。
私も40代に着ていた着物を最近合わせてみたら
なんともおばぁちゃん、おばぁちゃんに見えて
ショックでした。
年齢を重ねると今まで敬遠していた華やか系の
ほうが合う気がします。
老けて見えると気分まで年寄りになってしまい
ますものね。
桜の小紋素敵、素敵!
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Unknown (古布遊び)
2013-03-24 20:00:14
興味深く読ませていただきました。
色を変えると全く違って見えるものなのですねえ~~
びっくりです。

小紋って面白いですね。
着物が日常着ではなくなった今、小紋って着ることが少なくなってきているような気がします。
それに柄も大人しい感じになってきているような。。。。

桜柄ー素敵です。
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Unknown (天鼓)
2013-03-24 23:11:01
色を変えてみるの、おもしろいですね。
赤っぽくしたのは、いまの成人式や卒業式のレンタルの着物の色みたいです。
元々の色のほか、モノトーンのも何となく着物としてありそうです。
墨の濃淡の感じで彩色されていたりしたら、よさそうですね。

小紋もあるのですが、総柄のはなかなか着るのが難しいです。
洋服でも華やかな小花柄とか最近あまり見かけませんし…なんとなく、ですけど。
総柄でも飛び気味の柄のものとか、蝋叩き風とかなら着られるんですけどね。
ただ、小紋でもいいときについつい紬の方に手が伸びてしまうので、単なる私の好みということもあるんですけど。
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Unknown ()
2013-03-25 00:47:49
最近になって 
何もかもが地味過ぎた・・・と嘆いています。

この先は 羽織だけでも 明るい色を と思いますが
仕立てる予算が無くて
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こちらこそ (とんぼ)
2013-03-25 19:41:47
ニーコ様

はじめまして、コメントありがとうございます。
お着物、どうぞお召しになってください。
お芝居なんか、いいですね。

私は、母のものがいろいろあるのと、
私が着物を着るのを知っているヒトからの頂き物が
いろいろあるのです。この羽織ももらっちゃっていいのかな、でした。
しつけついたままなんですよ。着なきゃもったいないですね。
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Unknown (とんぼ)
2013-03-25 19:44:04
陽花様

組紐の糸の色のフシギさ、いつもほぉぉぉと思って、
拝見しています。

ホントに不思議ですけど、40くらいのときに、
そろそろこんな感じ…と思っていたものって、
やたら地味なときがありますよね。
洋服でもそうですが、年を重ねてきたら、
きれいな色をきましょうね。

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Unknown (とんぼ)
2013-03-25 19:47:00
古布遊び様

着物は柄に柄を重ねて着ますから、
じっさい洋服の感覚が生きるところと、
まったく通用しないところがあります。
おもしろいものですね。

最近の小紋は、なんでも無難路線です。
着る人が減っている分、おとなしい感じのものしか
染めないんでしょうかねぇ。つまらないです。

この桜、いつか着ますっ!
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Unknown (とんぼ)
2013-03-25 19:51:10
天鼓様

着物の柄は、ほんとに不思議材料ばかりです。

私も紬が多いのですが、少し前まで「渋いのが好き」だったのですが、
最近、明るい色や薄目もいいなぁと思うようになりまして、好みもかわるものだと思っています。
小紋も色柄によりますが、元々キライではないので、これからは着なきゃ…と、キモチばっかり先行です。
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Unknown (とんぼ)
2013-03-25 19:53:27
惠様

そういえば渋いお好みでしたよね。
私も羽織は少し明るい目のを…とおもうようになりました。
がんばって「増やせ増やせ」の大運動を!
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