再建への提言＜中＞ 小林幹英投手コーチに聞く

再建への提言＜中＞　小林幹英投手コーチに聞く

中国新聞のこの企画、小早川の話を聞いたときは「やっぱりこの程度の認識か・・・」とガッカリしたんだけど、カンエイは着実に失敗から学習しているなと感じた。特にそう感じたのは二箇所で、

＞今年は中継ぎで苦労した。どちらも調子が下降している投手を軽いダメージの状態で（２軍と）入れ替えることが、うまくできなかった

と、

＞技術を上げるのが先決だと思う。技術がないとストライクは投げられない

の部分。

冷静に問題点を分析できているし、結果が出なかったからといって一部のファンが言うように新しいコーチを呼べば、カンエイが感じている”今年の失敗から学習した事”を生かせないまま一から出直しになるし、来年はカンエイにブラウンの独裁を恐れずに自分の主張していってチームを改善してもらいたいね。

問題はブラウンで、根本的に技術と体力が足りないからストライク先行のピッチングができない投手をつかまえて、「度胸がないから四球を出す」みたいな事を平然とマスコミに試合後に言い放ってチームのモチベーションを下げるので、これに対してカンエイがケンカ腰で反論できるかだね。

例えば今年で言えば最もわかりやすいのが梅津で、開幕時梅津はストレート、スライダー共に球威もコントロールも抜群で、春先神がかり的な活躍をした。
だけどブラウンの方針で他球団の選手より走りこみや基礎体力面での蓄えがなく、シーズンが進むにつれて球威もコントロールも落ちてきた。

ただ、その中でもセットアッパーとしての責任感で交流戦に入ってしばらくまでは何とか結果を残してきたんだけど、市民球場での西武戦で、それまでと違うビハインドゲームで登板させられたことで緊張感が切れて、カブレラにＨＲを打たれるなど５失点くらいしたと事があって、自分の感覚ではこの日から梅津はダメになったように感じる。

この日滅多打ちを食らったせいで、ストライクゾーンに切れのいい球が投げられなくなり、特にスライダーは狙ったところに行くことの方が稀になっていて、明らかにマウンドに上がる事を怯えはじめたのが見て取れたのだけど、ブラウンはこの精神面を読み取れてないのか、その後もセットアッパーとして使い続けて結局どんどん自信を失う悪循環に陥ってシーズンの最後まで使えない投手になってしまったという感じ。

問題なのは梅津がダメになった理由の全てに、ブラウンが絡んでいる事で、シーズン通して戦う体力をつけるキャンプしなかったのはブラウンの指示、それまで緊張感を保つ場面でしか使ってこなかったのに、急にビハインドの敗戦処理気味の位置で登板させたのもブラウンの意図、調子を崩し気味で調整が必要だったのに無理矢理マウンドに送り続けて気分転換ができないまま自信を失い続けさせたのもブラウンの采配、中継ぎ崩壊は永川の走りこみ不足なのも含めて９０％はブラウンの監督としてのミスであるのに、それを単に個々の精神面の問題だと思っている人間が、いまだに辞めずに続投としているというのはかなり嘆かわしい。

ブラウンの所為で調子や自信を維持できなくなった選手に対して、それを悔い改めるどころか、選手個々の責任のような言い草でマスコミに堂々と言い張る人間がトップにいるチームが結果を残せるとは思えないし、黒田が残留するかどうか以前にブラウンの自分のミスを認めて改善できない部分に対して、もっと権威というかプレッシャーが必要だと自分は思う。

内田さんが帰ってくるらしいけど、とりあえずブラウンと下らない談笑をしているだけのリブジーはクビきっておいてもらいたい。
もっとブラウンに追い込みをかけて、自分のミスは問題だと認めさせないと前に進んでいく事は困難だと思う。

たまに出てくる高コーチの話を読んでも、今回のカンエイの話を聞いても、広島が弱いのはコーチが無能なのではなくて、能力のあるコーチの才能を潰すワンマンな監督に問題があると思う。

育成に関しても、育成球団を謳っておきながらまともな育成プログラムを作り上げてこなかった球団関係者の無能さの問題であって、コーチの責任の部分はそれほど大きくないと思うし。

よくこのブログのコメントをくれる人や、ドラフトの掲示板とか見ていてもやたらコーチがどうこう言う人が多いので、自分の考えを簡単にまとめておきました。あくまで自分が思うだけであって絶対的に正しいと思われても困るんだけど。
まあリューゾーだったら木下さんの方がいいに決まっているし、コーチの才能もあるとは思うけど、それ以前に根本的な問題は沢山あると思っているという事です。


※　画像は中国新聞のものをそのまま転用