野老の里

奥武蔵をメインに日帰りの山歩きを中心としたブログです

山の思い出 過去編 2010年10月6日から8日 茶臼岳から八幡平と裏岩手縦走路

2012年09月15日 | 山の思い出 過去編
(畚岳 奥は秋田駒)

今年の夏は裏岩手縦走で終わってしまった訳ですが、裏岩手自体は二度目の挑戦でした。じゃあ一度目はどうだったのか、ということで一昨年歩いたときの記録をアップすることにしました。


今まで東北の山といえば、福島にある霊山、吾妻小富士、信夫山くらいしか登ったことがなかった。そこでいくつか自分にも登れそうな山をピックアップして蔵王、八幡平、八甲田山辺りを登ってみようと考えていた。実現するには数年先だろうと思っていたところ、思いがけなく寝袋を買ったので、避難小屋のある八幡平を歩いてみることにした。どうやら秋田駒ヶ岳まで道は続いているらしいので、行けるところまで行ってみようと計画した。

(0日目)
八幡平へは盛岡駅から岩手県北バスが出ており、その手前の茶臼口から縦走できるらしい。そこで夜行バスで盛岡駅に出て、バスで茶臼口から八幡平まで縦走することにした。何年ぶりかに格安バスのウィラーエクスプレスを利用したところ、住友ビルの1階に立派な待合室が出来ていた。結構稼いでいるようだ。バスは4列リラックスタイプを選んでみたのだが、男性にはやはり狭いし、隣の人がサービスエリアに着く度に煙草を吸いに降りるので寝ることが出来ない。しっかり寝ていくのであれば3列シートのほうが良いだろう。それでも大きなザックをトランクに詰める分、新幹線よりは楽チンである。

(1日目)
盛岡駅に5時台に着いたので、八幡平行きのバスが来るまで周辺を散策してみる。ウィラーのバスは西口に停まるのだが、その西口のデッキからは岩手山が大きい。行政の建物を挟んだコジマ電機の向こうには秋田駒ヶ岳の姿も見える。盛岡市の人々にとってはきっとお馴染みの風景に違いない。駅前の蕎麦屋やタリーズで時間を潰してからバスに乗り込む。八幡平へは2時間以上の行程で、駅から見えていたあの岩手山の裏手を回っていくようだ。バスは大学や研究所、牧場などを通り過ぎると次第に山へと近づいていく。バスからは常に岩手山が様相を変化させながら眺められる。東八幡平交通センターで小休止した後はアスピーテラインに入っていく。スノーシェルターを越えた先で八幡平の中腹は紅葉の盛りを迎えていた。乗客からも感嘆の声が上がる。紅や黄色に染まった広葉樹の間に、オオシラビソなどの針葉樹の緑が混ざってまさに絨毯のようである。御在所温泉を過ぎると松尾鉱山跡の社宅の廃墟なども見える。なだらかな車道が続くがカーヴは多い。源太岩を過ぎた先の駐車場が登山口である茶臼口だ。

(盛岡駅から岩手山)

茶臼口では数人のハイカーが降りる。私と同じくらいの荷物を持っている人もいる。ここからスタートする人は縦走を目的とする人が多いのだろう。駐車場からは南側の景色が良い。畚岳の出っ張りがやけに目立つ。準備をしてさあ登ろうとしたら、ガスが湧き上がってきた。正面に見えていた茶臼岳への道もすっかり隠れてしまった。展望の良い道なだけに残念だ。大きく刈り払われた登山道は、傾斜が急な割に登るのは楽だ。丸太で石留めがなされているのだが、段差が小さく登山者には優しい道だ。快調に高度を上げていくと傾斜が緩やかになり、木道が現れる。この辺りはかなりぬかるむらしく、木道の存在は有難い。紅葉している樹は少ないのだが、それでもカエデ類などが紅・黄に染まっている。やがて木道が切れると急な登りとなる。茶臼岳を仰ぎ見るが何処に道は付いているのだろう。登り始めると道は茶臼岳の北側を巻きながら高度を上げていく。ガスが少し霽れて北にある恵比寿森のなだらかな山容が眺められる。そのまま登り上げると茶臼山荘だ。一先ず茶臼岳へと向かう。

(茶臼口から畚岳方面)


(ガスに包まれる)


(石留めの木段)


(紅葉したカエデ類)


(茶臼岳を仰ぎ見る)


(恵比寿森方面の展望)


(茶臼山荘)

樹林に覆われた道はなだらかに登っていく。上部が開けた地点に三角点がある。ここが茶臼岳山頂(1578.3)だ。そこから少し下ると見晴らしの良い岩場に出る。数人の先客がいたが休憩するにはそれでもまだ十分なスペースがある。展望は主に南側が開けていて、スタート時に見た畚岳から裏岩手縦走路が一望できる。岩手山もよく見えるはずなのだが、雲に隠れてしまっている。今日はまだ先があるので道を戻る。茶臼山荘を参考までに覗いてみると中はとても綺麗。トイレも完備されていて水さえあればここでも泊まれそうだ。スペースは一階部分だけなので4,5人が限度だろう。

(茶臼岳頂上)






(岩場からの眺め)

茶臼山荘からは黒谷地湿原への長い下りだ。大きく刈り払いされた道であることに変わりはないが、石がゴロゴロとして歩き難い。傾斜はそれほど急ではないにもかかわらず、転石に足を取られる。荷物の重さもジャブのように効いてきているのだろう。一頻り下ると泥濘が多くなる。冠水しているところもあり、すそを巻き上げないと汚れそうだ。地形図ではよくわからないが、実際には緩やかにアップダウンを繰り返す。正面に源太森らしき山が見えてきたが、まだ黒谷地湿原には着かない。やがて道の左側を沢が流れるようになると草紅葉が見えてきた。ここが黒谷地湿原らしい。今日は水を汲んでいないので、この湿原内にある熊の泉で給水する必要がある。湿原をのんびり眺める暇もなく先へ進むと、木道が出てきた。やがて展望台らしきものが見えると、そこは黒谷地バス停への分岐となっていた。エアリアでは分かりにくいがとにかくバス停側へと進んでみる。5分ほど歩くと熊の泉だ。柄杓が置かれ、パイプからは水がジャンジャン流れている。ここで5リットル汲んで分岐に戻る。かなり荷物が重くなった。

(泥濘の多い道)


(アザミ)


(石がゴロゴロ)


(黒谷地湿原)


(源太森か?)


(熊の泉)


(展望デッキから)

湿原から源太森へは結構な登り返しだ。木道が終わると転石の道と木段の繰り返し。ただここも関東の山のような極端に高い段差はなく歩きやすい。それでも重くなった荷物のせいでペースはかなり落ちる。見通しの悪い道に分岐を見つけるとそこはまだ安比岳への道。あまり展望のよくない道を進むと再び分岐が現れる。そこが源太森への入口である。どのくらい登らされるのかとビビっていたが、すぐに山頂(1585)だった。割と広い山頂で360度の展望がある。ただ今日はガスで眺めは良くない。とりあえず記念写真だけを撮って下る。

(整備された木段)


(源太森 珍しく記念写真)


(八幡沼辺りか? ガスガスである)

源太森から下ると再び湿原に出る。木道を進むと前方に池が見えてきた。おそらく八幡沼だろう。見返峠への分岐を見送り、更に進む。今日の宿泊予定地である陵雲荘へは登りとなっているのでかなりきつい。それでも陵雲荘が見え隠れするところまでやって来た。沼から遠ざかると池塘が現れる。尾瀬もこんな感じなのだろうか。登っていくと陵雲荘が見えなくなる。ちょっとパニックになるが真直ぐ進むと回り込む形で陵雲荘に出た。茶臼山荘よりも明らかに大きな小屋だ。中に入り、荷物を下ろす。今日は八幡平ビジターセンターに寄る予定だったが、ここで行動終了としよう。

(八幡沼が見えてきた)


(湿原に延びる木道)




(池塘)


(陵雲荘)

陵雲荘の中は2階建てでかなり広い。20人泊まれるというのも伊達ではなさそうだ。張り綱にハンガーがあり、雨具と上着を乾かす。2階にはマット一式と毛布が5枚くらい、水もペットボトルが2本置いてあった。トイレは外に面して二つあり、中からも出入りできるようになっている。寝具を広げていると数人の登山者がやって来た。それぞれ小屋に馴染みがあるらしく、綺麗な小屋になったやら薪ストーヴは70万円するのに使いづらいやらと色々と情報をくれた。しかし泊まる人は他になく、一人で一夜を過ごすことになった。外のデッキに出て八幡沼を眺めていたが、3時を過ぎるとガスに覆われた上にかなり寒くなってきた。中でラーメンを作り、暗くなり始める17時頃には床に就いた。なお、携帯はデッキに出るとなんとか通じるのでメールくらいは送れるだろう。

(内部の様子)


(デッキから八幡沼)

(2日目)
朝5時に起きた。窓の外は薄っすら明るいが、ヘッドランプなしではまだ行動はできない。外は昨日に引き続きガスに覆われている。寝袋やエアマットを片付け、部屋の掃除が終わる頃には小屋にも光が差し込むようになった。6時ちょっと前に出発する。大分ガスは晴れたようだ。今日の予定は八幡平から大深山荘までである。

(朝の八幡沼)

小屋の前から八幡平山頂へ延びる木段を登る。登りきると展望台があり、八幡沼と陵雲荘が見渡せる。風があまりなく、沼が鏡のように空を映している。展望台の側にはガマ沼もあるが特筆するようなものはない。砂利が敷かれ、綺麗に整備された道を進むと八幡平山頂(1613.3)に到達だ。周囲を針葉樹に囲まれ、展望台もあるが見晴らしは良くない。早々に下り、八幡平レストハウスへ向かう。めがね沼と鏡沼を経由するコースは石畳で綺麗に舗装され、山歩きという感じがしない。緩やかに下っていくとめがね沼。2つの火口に水が溜まったもので畚岳が良く見える。その奥の山は秋田駒ヶ岳だろうか。鏡沼まで下りてくると再びガスが掛かってしまった。



(展望台から八幡沼)


(ガマ沼)


(八幡平頂上展望台)


(森吉山方面)


(岩木山方面 岩木山は雲の中のようだ)


(めがね沼)


(畚岳 奥は秋田駒)


(鏡沼)

ガスの中を歩いていくとレストハウスが見えてきた。3棟の建物があるが、1棟は既に使われていないようだ。時間が早く店や案内所は開いていないが、トイレと夜間避難所だけは使うことが出来る。トイレで用を足して、レストハウス前の水道で給水と水浴びをする。また荷物が重くなってしまった。駐車場からは絶景が望めるはずだったが今日は何も見えない。それでも車で登ってくる登山者がいる。

(レストハウス)

さあここからが裏岩手縦走路だ。藤七温泉方面の車道を下りていくと裏岩手縦走コースの看板がある。ここから登山道が始まる。まずは綺麗に刈り払いのされた道を進む。この辺りは茶臼岳への道とよく似ている。薄っすら畚岳が見えるときがあるが、展望は望めそうにない。残念。笹や這松などの背の低い草木帯を進むと畚岳の分岐に出る。せっかくなので登ってみる。遠くから見ると尖った山だが、茶臼岳と同じく思ったよりも簡単に登れてしまう。山頂(1578)にはケルンがあり、思ったよりも広い。360度の展望が得られるらしいが今日は真っ白。まあここまでは簡単に来られるので再訪しろということなのだろう。

(薄っすらと畚岳)


(やや終わりかけの紅葉)


(畚岳頂上)


(頂上付近からの眺め)

来た道を戻り、諸桧岳を目指す。ここからは東北の山らしく道が厳しくなる。転石の下りが終わったかと思うと湿地帯特有の泥濘の連続である。裾を大分汚してしまったので、膝の上までズボンを捲り上げる。針葉樹に囲まれた道は展望もない。下りきると木道が現れる。木道の存在は実に有難い。進んでいくと沼に出る。特に名前は付いていないので季節によっては涸れてしまうのだろう。この辺りは針葉樹と背の高い笹に覆われていて、小金沢連嶺辺りの雰囲気によく似ている。樹林の中の長い登りを終えると一面の笹原だ。笹原が切れる辺りに諸桧岳の標柱がある。エアリアには岩手山の展望が良いとあるがやはり見えない。そこから更に登った笹原のなだらかな高みがおそらく本来の山頂(1516)らしい。笹原の高みへ上がると一瞬ガスが切れて畚岳が見えた。

(笹原の高みを望む)




(振り返ると畚岳が)

諸桧岳からは再び樹林へ突っ込み、足場の悪い道を抜けると木道になる。左手には先ほどより大きな沼が見えてきた。石沼という所だ。確かに石が点在している。木道から潅木の登山道に戻ると前諸桧(1481)に出る。大深岳方面が少し見える程度で珍しく展望のない山頂だ。ところが前諸桧を下り始めると痩せ尾根に出る。その痩せ尾根からの展望がとても爽快なのだ。行く手には嶮岨森が頭をもたげ、そこから延びる尾根の先には大深岳の茫洋とした山容が広がっている。ガスが晴れるとこんなに展望の良い道だったのか。暫く眺めを楽しんだ後、嶮岨森への登りに取り掛かる。

(石沼)


(前諸桧の痩せ尾根から大深岳と嶮岨森が見える)


(紅葉 奥の山は森吉山だろうか)


(左の丸い山が曲崎山)


(嶮岨森)


(パノラマ)

一旦下って樹林に突っ込み展望のない道を登っていく。見た目通り傾斜がきつい。荷物の重さも手伝って歩みが止まる。転石や泥濘が行く手を遮り、段差の大きな道を越えていかなければならない。それでも20分ほどで嶮岨森の山頂へ近づいてきた。山頂付近は岩の痩せ尾根で展望は頗る良い。振り返ると前諸桧や諸桧岳がたおやかな姿を見せている。嶮岨森よりもよほど「森」らしい雰囲気だ。前諸桧の右に見える尖った山は茶臼岳のようだ。岩尾根を喘ぎながら進むとようやく嶮岨森山頂(1448.2)だ。ここも360度の展望だ。ガスも晴れ、素晴しい展望を楽しむ。生憎岩手山だけは雲の中だ。眼下に見える鏡沼の向こうに樹海ラインが延びていることに驚く。

(岩尾根)


(嶮岨森頂上 この頃はダブルストックだったのか…)


(大深岳)




(曲崎山)


(前諸桧と諸桧岳 茶臼岳)


(鏡沼と樹海ライン)

さて後は大深山荘へ行けばよいだけなのだが、意外とアップダウンがある。しかもそれほど水も減っていないのでとにかく重いのだ。縦走では頑張ってはいけないというがそれも無視して遮二無二進む。やがて森の登り斜面に小屋の屋根が見えてきた。大深山荘だ。結局嶮岨森から40分以上掛かってしまった。まだ11時前なので先へ進むこともできるが、ここで泊まって明日は下山することにした。初めての単独行の避難小屋泊まりでかなり疲れているし、これ以上無理をする必要もないだろう。小屋には40~50代くらいの男性が二人いたが、どちらもまだ先へ進むようだ。とりあえず無人になった小屋にメインのザックを置き、サブザックで小屋のノートに書かれた水場へ行く。

大深岳へ上がる道から直ぐに左に入ると暫くは樹林の中を進む。樹林が切れると木道の敷かれた湿地帯に出る。木道に上がってから直ぐで水場だ。小屋からは5分くらい。パイプからは水が勢いよく出ていて、金属製の重い柄杓も置いてある。水を汲んで、柄杓で頭を洗う。ふぅ、さっぱりした。小屋に戻って茹だっていると秋田の大館から来たという釣り師の男性がやって来た。一月前から登山を始めたばかりというがかなりの健脚らしく、今日は八幡平ビジターセンターを出発して八瀬森山荘まで行くという。話し好きな方で色々情報を得ることが出来た。男性が出発した後、それほど時間の経たないうちに60過ぎの小父さんが入ってきた。前日は下の松川温泉のキャンプ場に泊まり、今日は源太ヶ岳を越えてここまで来たという。行き先を決めていないというが、計画書は作らなかったのだろうか。小父さんもここで泊まるというので昨日ほど寂しくはないだろう。14時を過ぎると小屋も寒くなってきたので、体を温めるために早くもラーメンを作って食べてしまった。結局17時には床に着き、最終日の登山に備えることにした。

(水場への道)


(小屋内部)


(小屋の2階にある入口から おそらく嶮岨森方面か?)

大深山荘もトイレ完備で2階式になっている。陵雲荘より少し狭いが、15人くらいは十分泊まれるのではないだろうか。

(3日目)
今日は下るだけなのだが、折角なので大深岳・源太ヶ岳を経て松川温泉へと下ることにした。昨日と同じく5時に目が覚める。小父さんはまだ寝ていくらしい。準備と掃除を終え、6時ちょっと前に出発する。

大深岳へはこれまでと同じようなもので楽な道ではないが大分慣れてきた。地図を見ていなかったので分岐を一旦源太ヶ岳へ向かって登っていく。名前もない小ピークには乾いた地面があり、そこでザックを下ろして雨具を脱ぐ。周囲を見回すと素晴しい展望だ。這松に囲まれたピークなので360度の展望がある。ここで地図を確認し、道を戻る。大深岳(1541.4)は先ほどのピークに比べると這松の背が高く、思ったより展望は良くない。岩手山も逆光の向こうに少し頭を覗かせる程度だ。先ほどのピークへ戻ると丁度ガスが霽れてきた。三石山はまだ雲の中だが、大深岳のなだらかな稜線が見渡せる。北側は昨日まで歩いてきた茶臼岳や畚岳、前諸桧などが這松の向こうに見える。そして岩手山。逆光なのが残念だが、源太ヶ岳の向こうにガスで見え隠れする様は荘厳の一言だ。

(雲に包まれる大深岳)


(畚岳から茶臼岳)


(岩手山)


(源太ヶ岳と岩手山)


(ガスが霽れてきた 大深岳への道)

源太ヶ岳へ向かって歩き出すと急にガスに包まれた。山頂(1545)に着いた頃には周囲は真っ白になってしまった。岩手山を間近に見るチャンスだったのだが残念。昨日のうちにここまで来ておくべきだったのかもしれない。まあ良い。後は温泉を楽しみに下ろう。源太ヶ岳からは急な斜面をトラバース気味に下る。下るにつれて少しずつ下界の様子が見えてきた。湯煙の上がっている辺りが松川温泉のようだ。道が深く抉れて笹が背丈より高く見えるようになると途端に歩きづらくなる。昨日小父さんはここの登りで何度も転んだと言っていたが頷ける話だ。滑りやすい泥の急坂な上、真ん中が深く抉れて靴が水没しそうな所もある。水場からの道が合流してくるとようやく道が少し歩きやすくなる。笹が終わり、周囲が高い木で覆われているせいか、地面が乾いている所が多い。急坂であることは変わりないが、この辺りから紅葉が盛りを迎えているようだ。暫く下ると沢の音がする。登山道の真ん中を水が流れている。水の出所を調べると水場があった。エアリアを見ると随分場所がずれている。丸森川ではなく、その遥か上の崖地の近くにここの水場がある。コップに一杯飲んで更に下る。

(源太ヶ岳への道)


(トラバース気味の下り)


(ガスの中に湯煙が上がる)




(紅葉の中の道)


(水場)

沢で滑る道を慎重に下ると木道が現れる。こういうときには有難い。崖地に近づいたのか東側の展望が少し得られるようになる。岩手山がかなり高い。大分下ってきた証拠だ。道がカーヴすると崖地が見えた。ここを過ぎると途端に道が歩きやすくなった。転石がなくなり、関東の山と変わらない普通の道だ。泥濘のある所には木道が敷かれ、靴の汚れを心配する必要もない。傾斜も大分緩やかになってきた。紅葉をのんびりと楽しんでいると丸森川に出る。流石にこの辺りで給水するのは難しいと思うのだが…。黄色い落葉を蹴散らし下っていくと不意に送電線が見えた。鉄塔の脇を進むと砂利道に出た。これで下山である。3時間掛からずに下ってきてしまった。

(岩手山)




(紅葉を楽しむ)


(丸森川)




(落ち葉の道を踏む)

湯煙の上がる方へ下ると車道に出る。下っていくほうの道を選ぶと松川温泉だ。ここまではバスも来る。一先ずは風呂だ。バス停前の峡雲荘に入ることにする。料金は500円で内風呂と混浴露天風呂がある。乳白色の湯だが、熱いので自分は露天風呂のほうが好みだ。1時間ほど浸かって、バスを待つ。バスを待つ間に60代くらいの男性がやって来た。藤七温泉から三ッ石山を回って昨日は松川温泉に泊まったという。荷物が少なければ日帰りでも十分回れる行程なのだろう。八幡平行きのバスに乗り、ビジターセンターでお土産を買って帰ることにした。途中藤七温泉を通ったが車道からは露天風呂が丸見えだった。女性はどうするのだろうか。ビジターセンターに着くと昨日の朝と異なってとても天気が良い。お土産を買った後は盛岡駅行きのバスが来るまで駐車場からのんびりと景色を見て過ごした。岩手山は山にいる間は姿をなかなか見せてくれなかったが、盛岡行きのバスからは綺麗な岩手山を眺めることが出来た。帰りは高速バスの席が取れなかったので、新幹線で帰路に着いた。

(地熱発電所)


(峡雲荘)


(八幡平の駐車場)






(東側のパノラマ)


(西側駐車場から畚岳)


DATA:
(一日目)
盛岡駅(岩手県北バス)茶臼口11:32~12:20茶臼山荘・茶臼岳12:37~13:13黒谷地湿原~13:18熊の泉~13:54安比岳分岐~
14:09源太森~14:32陵雲荘(泊)
(二日目)
陵雲荘5:58~6:03八幡沼展望台~6:13八幡平頂上展望台~6:39八幡平駐車場~7:15裏岩手縦走路入口~7:41畚岳
~8:37諸桧岳~9:05石沼~9:19前諸桧~9:56嶮岨森~10:50大深山荘(泊)
(三日目)
大深山荘5:51~6:35大深岳~7:06源太ヶ岳~7:27大深山荘分岐~7:50水場~8:13丸森川~8:56源太ヶ岳登山口・松川温泉
(岩手県北バス)八幡平頂上(岩手県北バス)盛岡駅

岩手県北バス 盛岡駅~茶臼口 1200円 八幡平頂上~盛岡駅 1320円
但し松川温泉~八幡平頂上~盛岡駅間は八幡平エリアフリー券(1200円)を使用しました
また松川温泉から八幡平頂上へは八幡平自然散策バスの利用が必要です

地形図 茶臼岳 八幡平 曲崎山 松川温泉

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