快読日記

日々の読書記録

「ワタミ・渡邉美樹 日本を崩壊させるブラックモンスター 」中村淳彦

2015年01月22日 | ノンフィクション・社会・事件・評伝
《☆☆ 1/17読了 コア新書(コアマガジン) 2014年刊 【ノンフィクション】 なかむら・あつひこ》

こういう告発本って、あたりまえだけどネガティブな話ばかりなので、読んでて疲れてきて中断することも多いんですが、これはグイグイ読めた!(笑)

いや、笑い事ではなく。

筆者の“正体暴いてやる!”熱が高くて、そこには過去に自分が経営する施設もブラックにしてしまったという自責の念も背景にあってか、とにかく渡邉美樹許すまじ!みたいな気迫がすごい。

内容は、想像を超えるブラックっぷりで、とくに学校経営に関わった話がえげつない。
人は、どんな風に生まれ育つと渡邉美樹になるんだろうか。興味津々だ。

筆者は絶叫朝礼でおなじみ(テレビで夜回り先生が褒めていた)居酒屋てっぺんをはじめとするワタミチルドレンたちにも言及。
ここに「ポエム経営」という言葉が何度か出てくるけど、これと斎藤環のヤンキー論を合わせて考えると何かが見えてきます。

日本人って劣化してるのかなあ。
でも、立派な人もたくさんいるよね。
わたしはもちろん堕落しまくりですが。

いずれにしても渡邉美樹が提唱していた教育バウチャー制度なるものが実現しなくてよかったです。
結果的に、渡邉美樹は利口ではなかったから助かったけど、ワタミスピリットを持った地頭のいい人物が登場し、経済や教育・福祉などを引っ掻き回したら、そのときこそ日本の危機かもしれません。

/「ワタミ・渡邉美樹 日本を崩壊させるブラックモンスター 」中村淳彦