快読日記

日々の読書記録

「ベスト・オブ・映画欠席裁判」町山智浩 柳下毅一郎

2012年07月11日 | アート・映画など
《7/10読了 文春文庫 2012年刊(「ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判(1~3)」(2002・2004・2007年 洋泉社刊)を再編集) 【映画評論】 まちやま・ともひろ(1962~) やなした・きいちろう(1963~)》

超絶活字漫才。
1冊で、鋭く的を射た映画評論と大笑いのハリウッドゴシップとキレのいい漫談が楽しめるお得本でした。

ちょうど、「千と千尋の神隠し」の湯屋とは郭のことである、という指摘にハッとした次の日にテレビでやってまして、もうワクワクしながら見てしまいました。(後半だけだったけど。)
赤い柱と赤い提灯、湯婆婆の衣装、そしてカオナシが意味するものなどなど、ほんとに二人の言うとおりじゃん!
全編寝ずに見られたのが「火垂るの墓」と「もののけ姫」くらいのジブリ音痴のわたしがこんなに楽しめたのはこの本のおかげです。

◆「ギャング・オブ・ニューヨーク」の歌は詞の訳もひどくてね。「♪この薄汚れた町は~触れる者すべてをよごす~」みたいな。
◇浜省かよ!
◆字幕、戸田奈津子ですから。大天使ミカエルのことを「大天使聖マイケル」とか訳してるし。
◇聖マイケルって、自分の赤ん坊に白い頭巾かぶせて二階からぶらさげる人だろ?(204p)

二人の評価が一致しているのはもちろん、真っ向から対立しててもおもしろい。
読みながら、読み終わりたくないよ~!と心が叫び声をあげる1冊でした。

ちょっと意外なのは、ここで話題になっている映画を見てみようという気にならなかったこと。
もともとそんなに映画を見る方ではないわたしにとっては、映画よりおもしろいこの本で充分ってかんじです。

/「ベスト・オブ・映画欠席裁判」町山智浩 柳下毅一郎
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