快読日記

日々の読書記録

「「余命3ヵ月」のウソ」近藤誠

2013年07月07日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
《7/6読了 ベスト新書(KKベストセラーズ) 2013年刊 【がん 医療】 こんどう・まこと(1948~)》

がん放置療法を提唱する筆者の新作。
先日亡くなった中村勘三郎が何度か話題になっていますが、ファンにはつらくておすすめできない本です。

「がんが恐ろしい病気と思われているのは、がんの治療のせいです。無意味な手術や抗がん剤がもたらす、生き地獄が恐ろしいのです」(51p)

摘出手術や抗がん剤はもちろん、免疫療法や野菜スープなど、完膚なきまでに否定されていて、でもきっと、この先生の言うことが正解なんだろうなあ、と思ってしまう。
巻末のQ&Aも、気がつくと納得してしまうんです。
たしかに、1ヶ月でも1日でも長く生きたい(生かしたい)気持ちは理解できるけど、ではどういう状態で生きるか、は意外と考えられていない。
人間の体もがん細胞も自然の一部なんだから、あんまり不自然なことすんな、という主張にもうなずけます。

しかし、医者でもないわたしたちにしてみれば“何が正しいか”なんてわかるはずもなく、結局“何を信じるか”しかないんですかね。
病気の専門家ではないけど、“自分の人生”の専門家として。

あとは、わたしや家族が当事者になったときにどういう判断をするか。
その日が来たらまた読み直そうと思います。

/「「余命3ヵ月」のウソ」近藤誠