快読日記

日々の読書記録

「お父ちゃんと私 父・水木しげるとのゲゲゲな日常」水木悦子

2008年05月12日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
《父親のことがかわいいと、うちの妹もよく言いますが》





"父・娘"や"母・息子"っておもしろくてせつなくて、いいですよね。
血縁という意識が、相手の中に自分を見る度合いをぐんと高めて、よくも悪くも濃密です。

本書は水木ファンはもちろん、そうでない人にもおすすめ。
親子という不思議な関係についてじっくり考えることができます。
"お父ちゃん"に対する筆者(次女)の「敬意」と「慈しみ」のバランスがよく、
幼い頃「父と同じ男に生まれなかったことを申し訳なく思った」というあたりでは胸が熱くなりました。

ところで、ごきげんなときの"お父ちゃん"のくせ、「白目をむいて体をゆらす」なんて姿は、娘だから見せられるのであって、
群れのNo.2の雄ザルである息子がいたら断じてできないでしょう。
父にとって娘というのはかなり素をさらせる存在なのでは・・・と、最近「父娘もの」を父目線で読んでいる自分に気付き、戦慄しています。

しかし、水木しげるって「快食・快眠・快便」で、かっこいいですね~。理想の男性だ。

■ 水木しげる 画 やまのん 2008年刊 【日本のエッセイ】