轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

メルセデスベンツ Aクラス

2005-06-08 18:21:00 | MercedesBenz & smart
所長 「新しいAクラス、よく走っとるな。」

助手 「そうですね。発売直後からよく見ますね。」

所長 「よく売れとるみたいじゃな。」

助手 「そりゃそうでしょ。先代のAクラスで不評だった、メルセデスの品格の薄さをテコ入れしての登場ですからね。今度のAクラスはベンツの名前に相応しいクルマに仕上がってると、もっぱらの評判ですよ。」

所長 「この間出たSLKにしてもそうなんじゃが、最近のベンツは随分と高級感を前面に出して来とるな。」

助手 「そりゃそうでしょ、プレミアム・ブランドの筆頭なんですから。何を言ってるんですか。」

所長 「うーん、ワシは前から思っとったんじゃが、ベンツって高級車なのかなぁ。」

助手 「所長、大丈夫ですか。ベンツが高級車じゃなかったら、一体何が高級車なんですか。からかわないで下さいよ。」

所長 「うーん、どう言ったらいいんじゃろうな。」

助手 「えっ、真剣に言ってるんですか。」

所長 「当たり前じゃ、ワシはいつだって大真面目じゃ。そうじゃ、ほらっベンツって有名な哲学があるじゃろ、『最善か、無か』とか言うやつじゃ。」

助手 「聞いたことあります。ベンツにとって最善の選択かどうか、最善じゃなかったら、ない方がいい、とかっていう意味でしたよね。それがどうしたんですか。」

所長 「つまりじゃな、最善を尽くしとったら、高いクルマになってしまった、というのがワシのベンツ評じゃ。」

助手 「何を言ってるんですか、それが高級車じゃないですか。」

所長 「ワシの考える高級車って、金持ち相手に売るステイタス・カーなんじゃ。極端に言えば金・銀・ダイヤを散りばめたようなクルマじゃ。で、ベンツはクルマとしての性能を追求したモンじゃから、高級車というよりは高性能車といったほうが、合っとると思うんじゃ。まあ、結果として高いモンになるから、金持ちしか買えないし、それを買うことがステイタスになるんじゃが。」

助手 「どっちでもおんなじだと思うんですけど。」

所長 「高いクルマをつくろうとするのと、結果として高くなってしまったのとでは、全然違うじゃろ。」

助手 「言葉としてはそうですけど、買う側からするとおんなじようなモンだと思いますけどね。」

所長 「まあ、いいわ。何が言いたいかと言うとじゃな、最近のベンツは、お客の考える高級車としてのベンツらしさを取り入れとるような気がするんじゃ。」

助手 「よくわかりませんが。」

所長 「ようするにじゃな、これまではメーカーの理想でクルマをつくっとったんが、最近は市場のニーズでつくるようになったように思うんじゃ。言ってみればそれだけメーカーの考えとお客のイメージとにギャップがあったという訳なんじゃが。その際たる例がCLSじゃ。あんなクルマ金持ち向けの高級品以外の何モンでもないじゃろ。」

助手 「うーん、なるほどそういう考え方もあるんですね。」

所長 「ベンツにしろBMWにしろ、戦後のドイツのクルマは、みんなそういう風に思えるんじゃ。反対にジャガーやロールスロイスなんかの昔のイギリス車は貴族向けの高級車というのがワシの考えじゃ。」

助手 「じゃあ、元々のベンツの顧客ってどういう人たちなんですか。」

所長 「ビジネスマンじゃろ。安全に速く、快適に目的地に到着するためのビジネス・ツールとして、クルマを選んどるということじゃ。」

助手 「その割には高過ぎますが。」

所長 「もちろんお前のような安月給のサラリーマン相手じゃないわ。いわゆるエグゼクティブと言われるような層じゃ。」

助手 「そりゃそうですね。まあ、高級車でも高性能車でもどっちでもいいんですけど。どうせ安月給の僕には縁のないクルマですから。」

所長 「まあ、そうスネるな。お前みたいなモンでも手の届くクルマがあるじゃろ、それがAクラスじゃ。」

助手 「それでも十分高いですけど。」

所長 「お前が安全に速く、快適に目的地に到着するビジネス・ツールとしてのクルマが欲しいんなら、少々無理をしても買う価値はあると思うぞ。」

助手 「僕はビジネス・ツールとしてのクルマは欲しくないですね。それよりも乗って楽しめるクルマの方がいいです。」

所長 「そうじゃろうな。じゃがベンツってどれもそういうクルマなんじゃ。じゃから新しいAクラスは、金持ちのセカンドカー的な意味合いが強くなってしまったのが残念じゃわい。そういうお客には先代のAクラスじゃ、満足出来なかったんじゃろうな。もちろん高級感は在って困るモンじゃないから、新しいAクラスが先代よりも進化した分、よりいいビジネス・ツールになったことには変わりはないんじゃが。それが今回のモデルチェンジの内容というか、最近のベンツのクルマ全体の傾向じゃ。」

助手 「なるほど、そうだったんですか。なんか今回は妙に納得してしまいました。」

所長 「今回は、ってなんじゃ。今回は、って。」

助手 「いや、・・・いつも所長に言いくるめられてるような気がするんですよ。」

所長 「言いくるめられとるとは、なんじゃ。いつワシが言いくるめた。言うてみぃ。」

助手 「いや、言い返せるもんなら、言い返してますよ、いつも。所長の話しを聞いてるときは、納得させられるんですけど、同時に何か言いくるめられてるような気になるんですよ。」

所長 「それはお前の聞く態度が悪いからじゃ。胡散臭い話しを聞くような態度じゃから、そう感じるんじゃ。わかったか!」

助手 「・・・は、はい。」

所長 「大体、お前はワシに対して尊敬の念が足らんのじゃ。尊敬する気持ちがあってこそ、聞く態度も良くなると言うモンじゃ。」

助手 「尊敬ですか、・・・うーん、努力します。」


参考資料
メルセデスベンツ Aクラス(『webCG』日経デジタルコンテンツ)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ホンダ・ステップワゴン | トップ | 日産 セレナ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

MercedesBenz & smart」カテゴリの最新記事