轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

BMW 3シリーズ

2005-06-22 18:25:00 | BMW & MINI
助手 「所長、ビーエムの3シリーズが新しくなりましたね。結構いいじゃないですか。」

所長 「そうじゃな。新世代のBMWに慣れてきたと言うより、アクを弱めてお客に歩み寄ってきとる感じがするな。明らかに7シリーズや5シリーズのデザインより取っ付きやすいじゃろ。」

助手 「そうですね。5シリーズが出たときはどうなってしまうのかと思いましたよ。でもマークXなんか、かなり意識してますから、メーカーからの評価は高かったんでしょうね。」

所長 「トランクの切り欠きなんか7シリーズが出たときは随分とヘンテコな感じがしたもんじゃが、今じゃ各社から出とるし、すっかり見慣れてなんとも思わんしな。」

助手 「相変わらずビーエムのデザインは世界をリードしてるってことですね。」

所長 「まあ、そうとは思わんが、日本のメーカーに影響を与えておるのは明らかじゃな。」

助手 「3シリーズですけど、また大きくなりましたね。全幅が1m80を超えてるそうですよ。」

所長 「世界中のクルマのサイズ自体が新しくなるたびに大きくなっとるから、致し方ないんじゃろうな。じゃが幅に対して全長の拡大が少ないところなんか、嬉しいところじゃ。新しいのでも、このクラスの中で一番短いんじゃ。それに実車を見てもあんまり大きく見えんところなんかは、いかにもヨーロッパのクルマっていう感じがするわい。」

助手 「売れそうですね。」

所長 「そりゃ売れるじゃろ。何といってもBMWの3シリーズじゃからな。名前で売れるクルマじゃから、良い悪いに関わらず、売れてしまうじゃろ、日本では。」

助手 「なんかトゲがある言い方ですね。」

所長 「ワシに言わせると90年代のBMWのデザインって、80年代のモデルのリファインをひたすら繰り返しとったように思えるんじゃ。もちろんどんどん洗練されてきとるんじゃが、新しい方向性が見出せないようにも見えとったんじゃ。」

助手 「えー、そうですか。今までのビーエムって国産車がこぞってベンチマークにするほど、完成度が高いクルマだったでしょ。」

所長 「それは走行性能の話しじゃろ。デザインを真似してたのは90年の前半ぐらいまでじゃとワシは見とる。」

助手 「そうなんですか。」

所長 「90年代の半ば以降は、BMWよりもアウディを目指しとるんじゃないか。今もじゃけど。」

助手 「アウディですか、それは頷けますね。」

所長 「80年代のBMWって端正なセダンで、それでいて走らせると速いっていうイメージじゃったじゃろ。そのイメージが足枷になってじゃな、斬新なデザインを採用出来んかったんじゃないかと思うんじゃ。」

助手 「でもそれで売れてたんですから、その路線のままでいいじゃないですか。」

所長 「そこなんじゃ。売れてたから、変えられなかったんじゃ。その間にアウディやベンツなんかが、新しいイメージに変わって行ったんじゃ。ワシにはBMWの影がどんどん薄くなっとるように思えたもんじゃ。」

助手 「確かにそういうところはあるかもしれませんね。」

所長 「特に先代の5シリーズなんか、ヤバイと思ったもんじゃ。明らかにアウディのA6の方が魅力的じゃったからな。」

助手 「そう言われればそうかもしれませんね。」

所長 「で、さすがにこのままじゃいかんと思ったんじゃないか。それで一気に巻き返しを図ったのが、新世代モデルというのがワシの見解じゃ。」

助手 「そうなんですか。その割には今のクリス・バングル体制のデザインって評判良くないでしょ。」

所長 「そうじゃな、今の体制になってから一気に変革を進めたから、お客が着いて来れんかったように思うんじゃ。それもこの3シリーズで歩調が合うような気がするんじゃが。」

助手 「ふーん、そういうもんですか。」

所長 「まあ、今のデザインが最善じゃとは思っとらんが、方向性は定まったように見える。明らかに走行性能重視の確固たるアイデンティティが感じられるじゃろ。」

助手 「でも5シリーズなんかは、変な感じですよ。スポーティにも見えませんし、あんまり高級感も感じられませんしね。」

所長 「うーん、あれは正直ワシにも理解出来んわ。妙に腰高で太り過ぎに見える。」

助手 「あと1シリーズも変ですよ。全体のフォルムなんかは綺麗だと思うんですけど、ヘッドライトが大き過ぎてナマズキラーみたいに見えますよ。」

所長 「なんじゃ、それは。」

助手 「いや、わからなかったら、いいです。」

所長 「まあ、いいわ。6シリーズやZ4なんかは、スポーティなところとエレガントなところを上手く両立させとるじゃろ。今回の3シリーズもBMWのブランドイメージを上手く体現しとると思う。奇抜なデザインでも一旦認められれば、次からやりやすくなると思うんじゃ。じゃから、今後BMWのデザインは期待出来ると思うんじゃ。」

助手 「そうだといいんですが。」

所長 「あと、日本では高級車のイメージが先走りしとるが、小さいクルマでもFRレイアウトを頑なに採用しとるところとか、今でもシルキーシックスと言うのか知らんが、今となっては直6エンジンも少数派じゃろ。そういうメーカーの走りに対するこだわりが感じられるところもBMWの魅力じゃろ。一般のユーザーからマニアックなクルマ好きまで、いい評価を得られる貴重なメーカーなんじゃ。そこがベンツやアウディ、他のメーカーと比べて優位に立てるとこなんじゃ。もっともメジャー過ぎるんで、クルマ好きが素直に選べんぐらいじゃからな。今度の3シリーズにも一番小さい排気量のクルマにマニュアルを設定しとるじゃろ。そういうところが、もっと評価されてもいいと思うんじゃがな。」

助手 「そうですね。クルマ好きじゃない人でも誰でも知ってるメーカーなのに、クルマ好きな人が乗ってそうな感じがしますよね。でも所長って結構ビーエム好きなんですね。以外な感じがしますけど。」

所長 「ワシも昔は憧れたモンじゃ。マルニ・ターボとか3.0CSLなんかいいクルマじゃったぞ、知っとるか。当時はベーエムヴェーと言っとったモンじゃ。とてもワシに買える代モンじゃなかったがの。」

助手 「ピーターソンが乗ってた奴ですね。プラモデルを作ったことがありますよ。」

所長 「じゃからバブルの頃、免許取立ての若い兄ちゃんが3シリーズを乗り回してるのを見て、どんなに腹立たしかったことか。」

助手 「六本木カローラとか言われてた頃ですね。」

所長 「その頃と比べたら今のBMWは随分とイメージが良くなったわ。やっぱりワシのような庶民にとっては、高嶺の花であって欲しいもんじゃ。」


参考資料
BMW 3シリーズ(ビー・エム・ダブリュー株式会社)
ナマズキラー(かあど博物館)

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