藤沢デジ1通信

藤沢から新潟に引っ越したデジタル一眼カメラ好きが送る日々の記録。デジカメ初めてもう13年になるが、まだ、初心者レベル。

「指導者の条件」 松下幸之助

2008-03-09 00:42:17 | 

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Nikon D80
2008/03/08 19:13:33.6
レンズ: 35mm F/2 D
焦点距離: 35mm
露出モード: 絞り優先オート
測光モード: 中央部重点測光
1/80 秒 - F/2
露出補正: 0 EV
感度: ISO 800

2月16日の記事で少し紹介した松下幸之助氏の新装版「指導者の条件」(PHP研究所、952円)を読み終えてしばらく経つが、ここで書評を。

この本は、松下幸之助氏が自分を反省し、高めていく意味で古今の優れた指導者のあり方(特に中国と日本の史実)の中から102の事例を選び、氏の感想を付記してまとめた指導者の心得102か条である。氏によれば、この本は「自分の勉強のための教科書のようなもであり、これを座右において、日々自分を正す資としたい」とのこと。指導者といっても大会社の社長のような大人数の指導者だけでなく、3人程度のチームリーダも指導者として捉え、その条件が書かれているので我々にも大変参考になる。

102か条は、1か条毎に2ページずつにまとめられていて非常に読みやすい。また、一見、当たり前のように見えてなんだと思う記述も読み進めていくと奥が深く、なるほどと思うことが少なくなかった。この本の最後には、以下の9項目に分類された索引もあり、読んだ後に自分はどうか、自分の部下達はどうかと分析する役にも立った。

  1. 指導者のものの考え方(13か条)
  2. 自分を高めるために(14か条)
  3. 力強い活動を生むために(9か条)
  4. 事に成功するために(12か条)
  5. 過ちを少なくするために(12か条)
  6. 指導者の責任(12か条)
  7. 人を生かすために(15か条)
  8. 事をやりぬくために(7か条)
  9. 難局に処するために(8か条)

さて、私は、この本を読みながら自分や部下達がリーダとして行動する上で参考になると思った条件に印をつけていった。そして最後に、上記9分類で自分がいくつ印をつけたかを集計してみると、一番多かったのは、「人を生かすために」(7/15か条)であった。逆に一番少なかったのは、「過ちを少なくするために」(1/8か条)であった。

この結果を自分なりに分析すると「人を生かすために」は苦手な分野、「過ちを少なくするために」は、得意な分野であることが分かる。

まず、後者は、SEという仕事柄、プロジェクト崩れを防止するために、プロジェクトを始める前には必ずリスク(課題)を明確化し、その分析をして、影響を極小化する活動をしつこく実行し、その成果が出ていることからも納得できた。さて、前者はというと、リスク管理を確実に行っているおかげで、人を大胆に求め、適材適所に配置して、育てながらその人たちに任せる、それによって組織を拡大する、自分の仕事の領域を増やすという活動ができていない現れであると思った。これは、いつも部下に感じていたことであるが、組織としてこじんまりと纏まってしまい、今求められている拡大に向けてのシナリオがない管理者としての自分の問題でもあった。

私は、今この本を持ち歩き、暇があるたびに読み返している。苦手だと思った分野「人を生かすために」は丁寧に2回は読んでみた。松下幸之助氏ではないが、まさに座右において日々自分を正すための本として活用している。

最後に「人を生かすために」を読み返して誰かに語りたいと思った15か条の内の10か条をピックアップしてみた。

*寛厳自在:指導者には適度のきびしさとやさしさが必要である。

適度というのがどのくらいかが書いてあり、それが面白かった。きびしさは10%、やさしさは90%だそうだ。私は、割合というと50%、50%くらいが適度かなと思っていた。やさしさの度合いが90%というのは驚きである。

*自主性を引き出す:指導者は部下の自主性を引き出し生かすことが大切である。

自分のことを考えると人に指示されて仕事をすることにかなりのストレスを感じるタイプ(全く同じことでも上司にいわれてやるのと自主的にやるのでは効率が2倍は違う)なので、私自身は言われる前に自主的に、かつ、言われないようなことも自主的に実行しているが、最近の部下達がこの点で物足りない。それほど余裕がないか。私も余裕がないが。

*信頼する:指導者は人を信頼し思い切って使うことが大事である。

部下のアウトプットみるとここがなかなか出来ないところであるが、任した後に変身する場合がある。試してみようかとも思う。

*使われる:指導者は一面部下に使われるという心持を持たねばならない。

部下に選ばれる大将になるための心持だ。上司をもっと使って欲しいと思うのだが、歯がゆいことが多い。これも自分自身の問題として跳ね返ってくる。難しい条件である。

*適材適所:指導者はそれぞれの人の持ち味を知って用いることが大切である。

自分自身は最近、これを意識している。しかし、メンバーの数が少ないときはコントロールしにくい。これも難しい条件である。

*人をきたえる:指導者は厳しく人をきたえることによって人を育てなくてはならない。

10%の厳しさで人をきたえるのは難しいが、そこはどうだろうか?90%くらいの厳しさが必要ではないか。

*人を育てる:指導者は真の人間教育をめざさなくてはならない。

松下村塾がその事例。明治維新の偉大な志士達が輩出したことからもなるほどと思った。だからこそ松下政経塾を作ったのだろう。

*人を使う:指導者は自分よりすぐれた才能の人を使うことが大事である。

言うのは簡単であるが、実行は難しい。自分の能力、技量が問われる。

*人を求める:指導者は人を得るためにはまず強く人を求めることである。

これは目からうろこ。強く!人を求めること。相当なエネルギーが必要だ。実践したい。

*目標を与える:指導者は次つぎに適切な目標を与えなければならない。

指導者として与えた目標の例として、ケネディ大統領の「60年代の終わりまでに、アメリカは人間を月に着陸させる」が上げられていた。そして、それが実現。また、「次つぎに」というのがポイントで、的を得た目標を次つぎと与え続けるのは相当難しいが、これぞ組織を維持、改善していくポイントだと思う。
  



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