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「タイムバール」少年探偵団の時代

元少年探偵団、現ダメ社長が「記憶と夢」を語ります。

諺のタイマン

2007年05月11日 | Weblog
このブログを見た人からこんなバカバカしい記憶がよく次々と出てくるね、と言われました。実はバカバカしい記憶ほど正確に書いた方が「心当たり」のある人間にはインパクトがあるので、定かではない記憶は同窓生や関係者から「裏」を取っています。この過程で忘れていた記憶が蘇ることが多いのです。中にはわざわざ「電話」で「口止め」をしてくる元少年探偵団もいます。メールだと痕跡が残るからです。しかも例外なく誰かの噂話をした後で、「それからあの事は書いても面白くないと思うよ!」とさり気なく言います。受付に女の子がいるレンタル屋で「日本の四季」なんてタイトルの下に恥ずかしいビデオをさりげなく入れる行為と似ています(あれは店の陰謀かも)。こうなると嬉しくなります。本当は忘れていても「あの事って?」なんて「素人」のような反応はしません。いい年をこいても勝負は続いているのです。

「いや~!あれは印象に残っているよ、ハッハッ・・・」なんて相手に揺さぶりをかけながら巧みに記憶を誘導します。こうして墓穴を掘った元ガキ共の「蓄積」ができたので手の内を晒しました。自分のことだから「ドキッ」とするだけで、他人から見ればどこの誰かなんて想像しませんよ、○○理事長!○○社長!そして今だお元気の○○先生!今回は先生のお話です。

先人の知恵の集大成である「諺」は時として彷徨える子羊を黙らせる効果がありますが、相手によっては逆効果です。以前、「一寸の虫にも五分の魂」をメートル法に換算して自爆した堀田先生の話がありましたが、先生と言うのは学習しないのかまた同じような過ちを犯しましたね。大体、小学生のガキ共が授業中に大人しくしている方が不自然で、こうゆう場合うるさいガキをひっぱたけばいいのに、やさしい女先生はとんでもないことを言い出しました。「昔の人は、石の上にも三年、といってじっと我慢していたのです」「・・・!」ガキが理解できる筈もありません。石の上に3年もいたら死んじゃう、ウンコやめしはどうなる、干物になる・・・収拾がつかなくなりました。

家に帰って親父に聞きました。「石の上にも3年?」しばらく首を捻っていた親父は言います。「それは見切り千両の間違いだ!」よく判りません。「つまり食うか、食われるかの間合いを間違えなければ・・・3億円になるということだ!」時代劇でねずみ小僧が持ち逃げする千両箱が3億円だと、初めて知りました(実際には物価変動で10倍の落差があります)。初任給が1万円、金持ちの定義が「100万長者」の時代です。さすが土建屋で発想が前向きです。(これが仇となって、県下最大級の倒産劇をやらかした話は割愛します)

翌日学校へ行くとガキ共の目がキラキラしています。サラリーマンの子供が殆どいない学校です。たたき上げの親から「反撃材料」を仕込んだことは明白です。先生は勘のいい人で、ガキ共の気配を察しました。「諺のことは判りましたか?」全員が手を上げます。「石の上にも3年、と見切り千両、とどっちがいいの?」「先手必勝、と逃げるか勝ち、とどっちが偉いですか?」「酒は百薬の長?気違い水?」「・・・」みんな初めて口にする難しい用語をすらすら言います。内容で親元の稼業まで判ります。再び収拾がつかなくなりましたが、何故か先生の顔は穏やかでした。今から思えば先生はヘタな勉強よりガキの「闘争心」に火をつけた方が知恵がつくことを「見切って」いたのかも知れません。

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