「ちまちま」のゲーム日記。

現在は、シャープX1と、レトロPC&ゲームの記事が中心です。

CZ-801C(X1C)の延命処置

2017年11月18日 08時01分45秒 | レトロゲーム

X1の修理関係で色々検索している時に、X1センターさんの掲示板でMZ修理の書き込みに流れ着きました。
そしてこんな一文が...
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電源部のコンデンサ交換はさほど難易度は高くないですが、不動になってからだとコンデンサ交換だけで復活しないケースもあります。
コンデンサの劣化は他の部品の故障の元になるからです。うちのは12Vレギュレータが逝ってました。
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恐らく、「CZ800C電源修理・・・できなかった。」記事の電源の事だと思うのですが
自分のX1Cは一度電源が落ちてシャットダウンした事があるだけに、見過ごせませんでした。
「テグザー」のロードテストで長時間可動した時にシャットダウンしたのですが
それ以降は長時間と言うほど、まとまった時間可動させていなかったので無事なだけかもしれません。

レッドマニアの電源でも液漏れは確認された為、X1Cの電源部分の電解コンデンサも総入れ替えが必要だろうなぁとは思っています。


そうこうしているうちに再び電源がシャットダウンしました。
最初は、表示が急に消えたので 「アプコンが熱でやられたか?」 と思いましたがX1Cの電源の模様。
普段はガチャガチャ鳴って止まるのに、スッっと静かに停止するのが不気味です....

丁度、ロードが終わって巻き戻しが始まる時に落ちた様です。
電源を冷やして何とか再起動しましたが、冷却ファンを付けていたにも関わらずシャットダウンしてしまったので、
いよいよ電解コンデンサ交換の必要が出てきたかなぁっと。

折角なのでメイン基板やカセット基盤の電解コンデンサの交換にもチャレンジしてみましょう。。



●X1C(CZ-801C)、カバーと電源の取り外し方法
X1Cの最初のカバーの取り外しは今までは背面から無理やりバラしていましたが、
流石にこれだけ毎回カバーを外していると色々試す機会も多く、やっとこさ最初のカバーの外し方のコツが分かりました。(遅っ!)

まずは今まで通りネジを4本外して、カセットスロットを開けた後、後ろ側を浮かせます。
(今回はプロッタープリンター内蔵用のカバーは外しません。カバーを浮かせる為にネジだけ外しておきます。)
 

次に前の爪フックを外すのですが、これが普通に外そうとすると凄く硬い!!

ここで、出来れば固めのプラスチックのヘラみたいなのがあると良いかも。
少し厚めで硬いプラスチックのヘラっぽい物なら何でも大丈夫だと思いますが、耐久性は必要そう。
マイナスドライバーの様な角のある金属だとカバーの爪が欠けたり凹んだりするので注意です。
マイナスドライバーしか無い場合は、テープをグルグル巻きにすればマシかもしれません。
自分は、車用アルミホイールのセンターキャップの隙間に突っ込んで外すや~つ。を使っています。

(こんなや~つ)

次に、背面の端子類を損傷させない様にX1Cを立てます。立てる事で、後ろから軽くカバーが押された状態になります。
横向けのままでも可能かもしれませんが、その場合はカバーが下がって最初に浮かせた後ろ側が戻ってしまう事があります。
 
(I/Oポートやジョイスティックのカバーが無い場合、プリンター端子が破損し易いので注意。硬い台には置かない方が良いかも)

テンキー側のフックから外して行く方が楽だと思うので、こちらから。
まずテンキーの矢印キーの下とカバーの間に指を掛けて、カバー本体を手前側に(立てた状態なら上向き)に引きながら、
底面のフックを外す所にヘラを突っ込んでコジます。

(親指で黒い土台を押さえ、残りの指で引く感じ)
ちょっと力のコツがいるかもしれませんが、普通にコジるだけだとカバーの弾力でスグに戻ろうとしてしまうので、
カバー全体を引きながら浮かせる感じにサポートするのがコツの様です。

  
一つ外れてコツが分かると、真ん中のフックも楽に外れると思います。
それでも、最も電源寄りのフックは結構硬いと思うんですよね...
SHIFTキーの下に指を掛けると、大分と外しやすい気がします。

前のフックさえ全て外れれば、あとはスッとカバーが外れますね。
この方法で楽に外れる様になったのですが妙にアッサリ外れてしまうので
何度も外しているから前面のフックが弱っているだけだったりしてw


次に前回のX1Cのキーボード修理同様にキーボードを外して、電源コネクタを切り離します。


電源本体はメインボードのネジを2本外したあと、前側(背面のスイッチと逆向き)にスライドさせる事でフックが外れ、電源を取り外す事が出来ます。
 



●X1Cの電解コンデンサを交換

X1Cの電源を開けて見ると、見事にパーツと同じ高さのケースに収めた感じの作りで
素人目で見ても結構無理して詰め込んだ感は否めません。
しかし、部品点数を減らしたりレギュレータの放熱板を廃止してケースと一体化させたりする事で
スペースを稼いで良く収まってるなぁっと。
X1Cは拡張バスが外付けですが、プロッタープリンターは内蔵出来る訳ですし、それなりの電源は必要なはずです。

X1センターさんの電源修理の記事を見る限り外注生産の様なので、
当時の外注先は 「むちゃ言いやがって...」 とか思っていたかもしれませんねw

電源部分は回路図も無く、このままの状態では電解コンデンサの数値が全く見えません。
仕方ないので、パーツを外しながら数値をメモりました。

そして、X1Cの全ての電解コンデンサの買い出しに出かけた訳ですが...

「うぉい、3900μFのコンデンサが店頭に無いぞぃ!」


店員さんに聞いても 「作って無い事はないと思うけど仕入れてない」 みたいな。
共立さん、千石さん、マルツさんを見て回るも全滅。
行きつけ主力の3店舗に無いって事は、ひょっとして自分の見間違いかと思って
パーツサイズが同じぐらいの3300μFのを買って帰ったら、やっぱり3900μFだった件orz

マニアタイプの電源はこの部分には2200μFが使われていました。
電解コンデンサは「容量だけは合わせとけ」と言う話で
古い電源アダプターの様な単純な整流安定用の電解コンデンサなら変更しても問題なさそうですが
パソコン電源の様な、回路の仕組みが分からないまま素人がヘタに変更してしまうのは問題ありそうなので、
素直に3900μFをネットで探す事にしました。


最初パナソニック(EEU-FC1C392)の物が検索にかかったのですが、販売サイトの送料が2000円...
6000円以上の注文で送料無料とかムリゲー過ぎるorz

他の販売サイトを探して見つかった日本ケミコンの(EKYB160ELL392ML20S)にしました。
単品で買うと店頭価格よりお高いですがネットでしか売ってないのでしかたなす。
一応、サイズ16×20、電圧16V、耐熱105℃、容量3900μF、リード間隔7.5mmって感じだけ合わせて
その他のスペックは素人には分からないのでスペックを上げると収まらない可能性があるため、無理はしない事にしました。

到着まで時間があり、ブログ製作中にX1Cを動かしたくなったら困るので
部品待ちの2本のみ残して、残りを交換しておく事にします。
この電源基盤には本体の様に裏面に部品表記プリントが無い為に、
どの足のハンダを吸い取るか見るのがとても面倒でした。
外枠を外せば少しは楽そうですが、ネジが固くて山が潰れそうなので今回は上から差し替える事に。

 
2,3個が膨れて漏れてる感じです。
他は漏れはありませんが、年数で劣化抜けしてくる様なので全部交換した方が良いみたいですね。


部品待ちのコンデンサだけそのままで完成。


メインボードとカセット制御ボードの電解コンデンサも交換しました。

メインボードに後付けのパーツが何個かあるのですが、パーツが剥き出しになってるので
何かの拍子にショートしてしまわない様にカバーを付けておきました。
 

  
電解コンデンサの数は、それほど数は多くないですね。
G-RAM用の背の低い電解コンデンサだけ見つからなかったのですが
G-RAMへのアクセスは簡単なので、マニアタイプのG-RAMと一緒に交換しようと思います。
(背の高いのを寝かせれば問題なさそうですが)

作業に必死だったのか、写真が思ったより残ってなかった...

コンデンサ交換中に気になったのが、結構あちこちでパターンが切られている事。

GNDって何でもかんでも一緒に繋いで良いって訳ではない様ですね。
「組んでみたらノイズがのってたから」とか言う理由で、後から切るのでしょうか?


後日、3900μFの電解コンデンサが届いたので交換しました。
サイズを合わせたと思ったけど、思いっきり勘違いしてた模様orz
このサイズなら耐圧上げれた風...
 

 
交換した数だけ、腕が上がってる。と良いなぁ~



●さらにX1Cのベルトを交換してみる

特に天然ゴム系の自作ベルトでも不具合は起きていないのですが、数年単位で考えるとやはり切れる可能性が高いです。
なのでバラしたついでに千石電商さんで仕入れたベルトも試してみましょう。



角ベルトの変わりに作った自作ゴムベルト > 千石ベルト
100均のゴムバンドベルト > 千石ベルト

ついでに、アレ以来テープエンド判定機構のピンは抜けていないので
カバーを外す事にしました。少しピンの頭を潰したのが良かったみたいです。

「ばってんタヌキの大冒険のロードも終わって特に問題ないかな~」
って、ロード終わっても何故かテープが巻き戻しされないし....

原因を探ってみると、どうやら例の浮動ギアが動かないので
ギアが噛み込まないのが巻き戻しされない理由のようです。

何か引っかかってるのかな?と色々触ってみるも、指で押さえるとギアは噛み込みます。
しかし、自然な動きに任せると噛み込まない。
試しにベルトを外してヘッドを動かしてみると巻き戻しギアが噛み込んだ!!
つまりφ65×1.2Tのベルトがキツかった模様orz

どうやってこのギアを噛み込ませているのか見てみると、裏側に太目のバネがありますた...
特に損傷などは無さそうなので、ベルトを交換した事によりバネの力が負けてしまって
巻き戻し側に押さえられない感じですね。

むむぅ、マニアタイプではこの一連の動きは2つの電磁ソレノイドで行っている様で
X1Cのデッキの様な事は起こり難いと思いますが、こちらはベルトの張力も結構重要と...
この辺のバネには毎回泣かされますねorz


平ベルトφ70×0.5×5、角ベルトはφ70×1.2Tかな...これで緩かったら既製品探しは詰むw
その場合は材質の問題でしょうね。ワザワザ、ブチル系のゴムにするには理由があったのです。
性質からして、やはり弾力とグリップ力が必要でブチル系にした可能性が高いですね。
輪ゴムで起動するのは、ブチル系の性質に近いからなのかもしれません。
耐久性はどちらもアレですけどねアレ。

しかし今は手持ちが無いのでサイズだけ見る為にφ70×0.5×2の平ベルトをかけてみました。
ばってんタヌキは問題無く起動、テグザーも起動したので問題なさそうです。もちろん巻き戻しもOK。
よし、角ベルトを買いに行こうw
もうX1Cをバラすのは億劫では無くなりました。
マニアタイプは流石にちょっとしんどいけど、それでも大分と早くバラせるようになったかも。
慣れとは恐ろしいものです。


はい、φ70×1.2Tの角ベルトを買って来たので交換してみました。

起動画面の写真が、もはやどれがどの時のか分からなくなってしまいそうです。
テープ制御と言えば「テグザー」。
IPLの最初のロードから、テープ制御を使って特殊ローダーへ移行
タイトル用?のPCG定義後、タイトル音楽やプログラムをロードして実行。
さらにタイトルからステージ等のデータをロードしていくので
テープ制御のテストをするには打って付けなのです。
    
ゲームが始まるまで、ロード途中にこれだけのプログラムが実行されています。



●まとめ

X1Cには、バッテリーが付いていないのでメインボードは問題が起こりにくいとは言え
やはり電解コンデンサの劣化は有る様で、特にギュウギュウ詰めの電源部分は熱で早く劣化する事がありそうです。

電源部分の電解コンデンサは、サイズの関係か製造メーカーの都合か分かりませんが
店頭や一般的なネット販売店では手に入らない容量のものがあるので
別途注文するか代替品を付ける必要がありそうで、素人には少々面倒ですね。

しかし面倒だろうが高くつこうが、電源が壊れてしまっては元も子もないので
必須事項と割り切って早めに交換する事をオススメします。

製造時期によって結構違うと思いますが、コンデンサ配置図をペタリ。


X1C(CZ-801C)用のベルトは千石電商さんの
平ベルトφ70×0.5×5
角ベルトφ65×1.2T  φ70×1.2T
で、特に問題無く動くと思いますので、宜しければ参考にしてみて下さい。
(まだ検証期間が短いので、追って不具合が出れば報告したいと思います)



にしても、手を掛け過ぎてX1Cに顔が見える様になってきた....

もう、ほとんど病気ですねw


相変わらずのドタバタ劇でしたが、これであと30年は戦える....はずw


関連記事:~X1C、電源の故障!?

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