「ちまちま」のゲーム日記。

現在は、シャープX1と、レトロPC&ゲームの記事が中心です。

DR-320(PC-6082)の修理-その2

2017年08月20日 07時42分41秒 | レトロゲーム

前回のつづき

一応動くようになったDR-320ですが、ロード可能なソフトもありますが
エラーになったりエラーすら出ないソフトが結構あります。

しかし、まだ諦めきれない。
機械部分を極力軽くして安定させる為に分解清掃を試みます。


●さらに奥まで分解整備

いざ分解し始めるのですが、素人の自分には上からバラすのか、下からバラすのかすら分からない始末。
 
上をバラしかけたものの、制御スイッチ周りからバラす必要がありそうだったので裏側に回ってみました。
フライホイールを外すのにも悩みます。

どうやら横から分解しないと最初のカバーが外れない模様。
 
何とかフライホイールを外したものの、ここからはEリングの嵐。

各ギアをそのまま掃除しつつ動かしてみましたが、どれも軽くて分解する必要があるのか?と思うほど。
本当は完全にバラして掃除してみたかったのですが、かえって悪くしそうな気がしたのでココで分解を断念。
この状態から出来るだけ掃除して、新しいグリスを塗って組み直しました。
実質フライホイールしか外せていないので効果は期待出来ないですが、これが限界なのかもしれません。

しかし、バックアップゼビウスのインフォメーションブロックすら読みませんでしたorz


「カセットテープが長いから重くてダメなのかな?」と思い、試しに別の60分テープで試してみました。
マクロスカウントダウン。これは60分テープを使ってJODAN-DOSでのバックアップです。
インフォメーションブロックは読みました。

最初の停止で巻き戻そうとした所で特殊ローダーに入った可能性ありますが再ロードスタート。
暫く読んで一旦停止した後、IPLリセットがかかった様になった時はデータレコーダーのポーズで停止
IPLロードが再開した時にポーズ解除で、どうやら1つ目のファイルを通過した模様。
2つ目のファイルロードに入りました。

DR-320のカウンターで60ぐらいまで読んでタイトルが表示されたので
恐らくPCG定義は通過、さらに読み込んでどうやら起動出来た模様...

「タイトルの色ってこんなだっけ?」と、変な気がしないでもないですが記憶違いかアプコンのせいにしておこうw


ゲームが開始出来たと言う事で、60分テープという長さのせいでは無く、ゼビウスとばってんタヌキの音声データの劣化が読めない原因?
それでも実機では読めるので、さらにDR-320の精度を上げる方法を模索します。


接点などの掃除でノイズは軽減されましたが、若干音量が波打って安定していないような気がします。
これと言った解決策が分からないので、コンデンサの交換でどれぐらい変わるのか勉強の為に交換してみようと思います。
電解コンデンサの数は全27個。
意外と多いなぁ...まぁ部品代は500円前後だろうから練習も兼ねて頑張って交換してみたいと思います。


平行して再び分解。今回はEリングも少し外して清掃とグリスアップ。
  
黄色い塊が古いグリスでコテコテですね。分解して良かった。

電解コンデンサの仕入れのついでに千石電商さんでベルトも調達。
前回徘徊したホームページを参考に
・モーター~フライホイール間:φ80×1.2T(元はブチル系で溶けていた) 恐らくφ75じゃないと緩い?
・フライホイールから巻き取り駆動系?:φ45×0.95T(特に問題なさそうだが念のため交換)
・カウンター用ベルトφ40×0.95T(そのまま使えそうだったので、今回は購入なし)

基盤の上下段と電源トランス部分だけハンダを吸い取らずに切り離せないので、少し作業がやりにくいです。
一部、液漏れしてそうなコンデンサがありました。

少しだけ漏れたような跡があったり無かったり。
問題なくコンデンサ交換は完了。写真は撮り忘れましたorz

ついでにノイズの原因かもしれないスイッチを分解して掃除してみようと思います。
前回は接点復活スプレーをかけてガシャガシャしただけでした。
 
分解してみるとそれなりに汚かったので、目の細かい耐水ペーパーで磨いて接点復活剤をかけておきます。

元通りに組み直してゼビウスでテストしてみましょう。
そしてインフォメーションブロック通過!!
しかしチェックサムで弾かれたorz
ぐぞぉ~何が悪いのか...



●起動はするけど...

そこで再びパソコンで再生速度を見てみると、ちょっとだけ速度が上がった模様?
ベルトを交換したからかもしれません。
またまた速度調整します。もう何回目でしょうかw
このデレコ、意外とバラしにくいんですよねぇ...
底面では無く蓋側にデッキも基盤も付いていて、蓋側から切り離さないととモーター速度の調整が出来ないと言う...

速度調整してゼビウスにトライするもチェックサムに蹴られます。
めげずにLOAD LEVEL(音量)を上げたり下げたりと、何度もチャレンジするもダメ。
しかし、コンデンサとベルトを交換してからの速度調整で、インフォメーションブロックはホボ通過する様になりました。
ばってんタヌキの大冒険は、相変わらずインフォメーションブロックすら読みません。

「えぇい、こうなったら本体を立てて負荷を減らす作戦でどうだ!!」
良くあるじゃないですか、プレステ1とか本体を裏返すとロードする様になるとか。

「...」

インフォメーションブロックは通過

うぉーーーーーー!!PCG定義のチェックサム通過したっ!!

そして、ステージ1、2、3、ひゃっはーーー!!

良く分かりませんが、本体を立てる事で負荷が減るのか読み込み位置が変わるのかノイズが減るのか...

「足元から何かノイズが発生しているのかな?」と思い、原因を探るべく今度は場所を机の上に変えて普通に正位置に置いてロード。
しかしチェックサムで蹴られたorz

横向きにする事でDR-320自身のノイズを拾うのか、ロードに負荷がかかるのか。
何とか横向きの正位置でロード出来る場所が無いか探してみますが、鉄板の上でもダメ。

場所を変えて何度やっても同じ結果なので外的要因では無い様です。
内部的なノイズか、重力による影響の2択?
またまた自分の耳で聞いてみて、ノイズの変化がないか調べてみるも変化なし。
そこで裏返してロードしてみました。

うわーーー裏返しでも起動した!
 
つまり、正位置以外では起動すると言う罠。

これはフライホイールのせい?
今まで見てきた大体のフライホイールの構造は似ていて、
基本的に固定された部品では無く裏側の支えによって押さえられているだけです。
縦に置いた状態ではキャプスタン軸で支えられ、裏返しに置いた時はワッシャに支えられ
正位置に置いた時は、X1CもDR-320も鉄板に付いている軸受で支えられます。
この軸受を締め過ぎてる可能性?

まずイジる前にデータから分析。と言っても回転速度が変化するかどうかを見るぐらいしか出来ませんが。

正位置


縦置き

あら、どちらの再生速度も若干早いですね。温度や湿度、グリスやモーターの状態によって変わるのでしょうか?
しかし、正位置でも立てても速度に大差は無し。波形が山なりになっていますが、アースか何か付いていなかった時かも。
分解し過ぎでどの状態で計測したものか忘れてしまいましたorz

この状態でロードしてみると、やはり正位置ではインフォメーションブロックすらエラーで蹴られますが
立てるとインフォメーションブロックは通過し、今回はPCG定義前のチェックサムで蹴られました。
微妙な再生速度の変化が影響しているのでしょうか?

ん~全く解決の糸口が見つからない。
一体、立ててロードする事で何が良くなって読めるようになっているんだぁ~orz


少し情報を整理してみましょう。
忘れてはいけませんが、今やっている事は「読み難いテープを如何にして読める様にチューン出来るか?」と言う事です。

60分テープのマクロスカウントダウンは、ロード時に簡単なテープ制御をしていますが
DR-320のPAUSE機能を使う事で何度ロードしても(手動制御に失敗しなければ)起動可能です。
つまり、カセットテープの長さやテープ制御は関係ありません。

やはりバックアップテープが読み難いのが原因なのでしょうか。
しかし、シンクロダビングテープでも起動するソフトは沢山あります。

となってくると、「DR-320でゼビウスのバックアップテープを作ってしまえばどうか?」
と言う結論に至りました。



●DR-320でバックアップテープの作製

ゼビウスが
・60分テープで、それなりの負荷がある。
・PCG定義以降は特殊ローダー?
・実機では100%起動
・DENONミニコンポでは録音スロットで起動する
・DR-320では起動しない
と言う、丁度良い検証テープな様なのでゼビウスに拘っています。

原盤を無暗に使いたくない為に、まずはバックアップのゼビウスで実験
それでダメそうなら原盤のゼビウスで実験したいと思います。

ゼビウスの起動に成功したミニコンポ「DENON D-07」のカセットスロットにて、X1Cが読み取った音量で再生。
ヘッドホン出力の音声を、DR-320のCMT INで録音を試みます。

取りあえずステージデータは3面まであれば起動するので適当な所で止めます。
音声を聞いてみると、音量デカすぎたかもorz
そこで、LOAD LEVELを少し落として、X1C実機へロード開始です。

そうすると、今回は正位置でも全く問題が出ずロード完了。そして起動。
 

やはり、予想通りシンクロダビングテープがあまり良くないのは間違いなさそうです。
DR-320へ音量UPダビングしたテープを使えばDR-320で何度ロードしても成功します。
しかしこのテープをX1C実機でロードしてみると、PCG定義のチェックサムで蹴られてしまうと言う...
ヘッド位置が問題なのか、再生速度がシビアな可能性がありますね。

ここまでテープの巻き込みなど一切なく、抜群の走行安定性を見せているDR-320ですので、もう最後のテストを試みます。
極力使いたくはなかったけど、原盤ゼビウスを回して起動すればロードに関しては完全動作で間違いないでしょう。


インフォメーションブロックを難なくクリアし、PCG定義通過で確定路線です。
 
 

ミッション、コンプリーーーーーートっ!!!
  


●まとめ

まだ100%ではありませんが、市販ソフトの読み込みと実機からの保存と読み込みは出来るようになりました。
動作するようになってからの調整が思った以上に大変で、
データレコーダーは再生速度とノイズに問題が発生しやすいのでしょうか?
シンクロダビングテープに問題がある可能性も高そうですが、
データレコーダーでエラーになるのに、X1C実機で読めるのは性能の差なんでしょうか?
今回はロードする事を目的に整備しているので、その他の不具合があるかもしれません。

色々試してみて、一つ分かった事は
「 カセットテープはダビングするとカセットデッキの癖が付く 」

DENON D-07で録音>D-07からカセットアダプター経由で実機X1Cならゼビウスが起動、実機でも起動
DR-320で録音>DR-380からカセットアダプター経由で実機X1Cならゼビウスが起動、実機ではエラー
と言う様に、録音した機械とカセットテープのセットでは起動する事が可能な事から
カセットデッキには固有の癖(速度やヘッド位置など)があり、
ダビング時に再生デッキと録音デッキとの差分だけ、微妙に色々ズレてしまう様です。
なので、複製の複製を作っていくと何時かは読めないテープが出来てしまうのではないでしょうか。
理想はモノラルの等速ダビングですが、そんなもの今の時代に手に入るのか不明です。


残す不具合は内蔵スピーカーが鳴らない事ですが、
回路的に問題がありそうな感じで自分の今のレベルでは特定が難しそうな為、一旦保留にしたいと思います。
また、色々な操作ボタンがありますが、説明書が無く操作方法が分からなかったので、そちらのテストも情報が見つかるまで保留と言う事で。

修理の記事としては見難いので、後に修理用まとめ記事を作りたいと思っています(思ってるだけ...)


以上、DR-320(PC-6082)の修理でした。

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