光母子殺害事件 元少年実名本の出版差し止め申請
2009年10月6日15時2分
山口県光市で母子が殺害された事件をめぐり、当時18歳だった被告の元少年(28)=死刑判決を受けて上告中=を実名で表記したルポルタージュ本が近く出版されることになり、元少年の弁護団のうち6人が出版の差し止めを求める仮処分を5日に広島地裁に申請した。弁護団の1人は「元少年は実名掲載を了解していないと言っている。実名の出版物への掲載を禁じた少年法の趣旨に反し、出版は許されない」と話している。
本は東京都日野市の「インシデンツ」が出版し、著者は一橋大学職員の増田美智子さん。インシデンツのホームページなどによると、元少年と接見を重ね、周辺の関係者を取材した結果を盛り込み、早ければ7日にも店頭に並ぶという。タイトルや本文で元少年の実名が明かされている。
本は240ページ。ホームページは「被告と同い年の著者が1年以上も面会と文通」「被告の両親や兄弟、友人、恩師、弁護士ら総勢100人以上を取材」などと説明する。
インシデンツの寺沢有代表(42)は、元少年の弁護側と4日に広島県内で会い、「原稿を出版前に読ませなければ、出版差し止めの仮処分を申請する」と伝えられたという。「もし申請されたのであれば、出版の自由、表現の自由を侵害するもので、到底納得できない。著者は、本人と25回も面会し、実名を出すことを了解してもらっている。弁護団は出版直前になって『本人が了解を撤回した』と言ってきたが、それは信じがたい」と話した。
事件は99年4月14日に発生。光市の自宅アパートで母親(当時23)と長女(同11カ月)が殺害された。
http://www.asahi.com/national/update/1006/OSK200910060047.html
【光市母子殺害】「魔界転生」「ドラえもん」…不可解供述どう判断?
2008.4.22 08:22
光市母子殺害事件差し戻し控訴審判決の傍聴券の抽選の列は歩道にまであふれた =22日午前8時50分、広島市中区の広島高裁 (撮影:門井聡)
「亡くなった弥生さんに乱暴したのは、生き返ってほしいという思いからだった」
計17時間に及ぶ被告人質問が行われた山口県光市の母子殺害事件の差し戻し控訴審。そこで男性被告(27)が供述した内容には、理解しがたいものが目立った。
こうした供述について、弁護側は「一見、とっぴであっても、客観的証拠とも一致している」と主張したが、検察側は「通常人の理解を超え、荒唐無稽」と一刀両断。22日午前10時から言い渡される判決で、高裁は供述の信用性をどう判断するのか-。
「うそや」
妻の弥生さん=当時(23)=と長女の夕夏ちゃん=同11カ月=の遺影とともに傍聴していた本村洋さん(32)から、小さな声が漏れた。昨年6月26日に開かれた第2回公判。被告が「弥生さんを通して、亡くなった実母の姿を見ていた」と述べたときのことだ。
被告の実母は、被告が中学1年のときに自殺している。ともに父親からの虐待を受けた被告は実母へ精神的に深く依存。その優しさを求めて実母の姿を重ね合わせ、弥生さんに抱きついた-。これが、弁護側の主張だ。弁護側は独自に依頼した犯罪心理鑑定や精神鑑定の結果からも、こうした見方が裏付けられたとする。
「山田風太郎の『魔界転生』という小説に死者がよみがえる復活の儀式が出ていたから、弥生さんが生き返ると思った」
「夕夏ちゃんの遺体を押し入れの天袋に入れたのは、ドラえもんの存在を信じていたから。押し入れに入れれば、ドラえもんが何とかしてくれると思った」
フィクションの世界と現実とを混同したかのような供述についても、弁護側は「被告は実母の自殺によって精神的に未成熟だったうえに、2人を死なせてしまった衝撃で退行して、幼いレベルの精神状態になっていた」と主張。
これまでこうした供述をしなかった理由について、被告は「生き返らせようとしたなんて話せば、馬鹿にされると思った」「ドラえもんの話を取調官にしたら、馬鹿にされた。だから(1、2審の)裁判官の前では言えなかった」などと説明。弁護側も「家裁段階の記録にも、同様の趣旨の発言はある。今になって突然言い出したことではない」と強調した。
だが、弁護側の問いかけにはなめらかに答えていた被告は、検察側の反対質問に対しては答えに窮する場面も。裁判官からの質問では、次のようなやりとりもあった。
「弥生さんを生き返らせようとしたのなら、その後、脈を確認したりはしたのか」
「していない」
「『魔界転生』は単行本で読んだのか、それとも文庫本か」
「覚えていない」
「自分で買って読んだのか」
「覚えていない」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080422/trl0804220824002-n2.htm
【光市・母子惨殺】 「犬とやった。罪なの?」「被害者、調子づいてる」 少年、無期見直しか→本村さん「死刑を」★10
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1134323973/
元会社員は99年4月14日、光市内のアパートで、主婦、本村弥生さん(当時23歳)を暴行目的で襲って殺害。遺体を陵辱後、近くで泣き続ける長女夕夏ちゃん(同11カ月)も絞殺。さらに弥生さんの財布を盗み出した。
山口地裁は(1)犯行時は18歳と30日で発育途上(2)法廷で被害者らに思いを致し涙を浮かべた様子から更生可能性がある(3)生育環境に同情すべき点がある、などから無期懲役を言い渡した。
控訴審で検察側は、元会社員が拘置所内から知人2人に出した手紙計27通を証拠提出。「無期はほぼキマリでして、7年をそこそこに地上にひょこり芽を 出す」「犬がある日かわいい犬と出合った……そのまま『やっちゃった』…… これは罪でしょうか」などの文面から「更正の可能性も到底認めることはできない」と改めて死刑を求めている。
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20020313k0000m040128000c.html
・(被害者に対して)『ま、しゃーないですね今更。被害者さんのことですやろ?知ってます。ありゃー調子付いてると僕もね、思うとりました。・・・でも記事にして、ちーとでも、気分が晴れてくれるんなら好きにしてやりたいし』(手紙より)
「少年法」を抜本的に改正せよ!!!
http://banmakoto.air-nifty.com/blues/2006/06/post_61c3.html
司法精神鑑定について、こんな正論がある。
「精神鑑定とは、厳密に言えば、犯行時に精神病であったか否かを診断し、裁判官や検察官に心神喪失者か心神耗弱者か否かの判断の資料を提供するものである。決して「『動機や動機形成の過程』を解明したり、『心理状態などを調べる』ものではない」「『なぜこんな凶悪な事件が起こったのか』、低俗な物語作りに加わってはならない。精神鑑定はあくまでも、専門の精神科医によって、被告が犯行時に精神病であったか否かを判断するものでなければならない。それ以上でも、それ以下でもあってもならない」
まったく筋目の通った議論だ。書き手は精神科医の野田正彰(『世界』二〇〇〇年七月号)。
ところが、この文で精神鑑定の濫用、鑑定医の越権を厳しく戒めた野田が、光市母子殺害事件の弁護側精神鑑定では、自らその規戒を平然と破っているようにみえる。
野田鑑定にある「(被害者に)抱きついたときの被告人の意識は、被害者に義母を見て、その先に(被告人の自殺した)母親を見ている」という分析は、果たして「精神病か否かの診断」に当たるのだろうか。
「(被告人の脳裡に)子どもを作ることのできる精子なら、女性を生き返らせることができるという、マンガで読んだ思考が浮かんできた。そこで、被告人は、ペニスを入れようとした」という被害者死姦の説明は「低俗な物語作り」への加担ではないのか。
そもそも、弁護団は心神の喪失、耗弱を主張していない。殺意を否認しているだけだ。そのような裁判に関わること自体が鑑定医の越権行為ではないのか。
野田に問い質したい。
(産経新聞2007.7.5)(web掲載なし)
私は7月30日、ある記者から産経新聞7月5日付の本欄に掲載された宮崎哲弥氏の「精神鑑定医への疑問」のコピーをもらって驚いた。私が光市の母子殺害事件の証言をしたのは7月26日である。その20日以上前から「裁判に関わること自体が鑑定医の越権行為」と書き、証人になることを攻撃している。証人喚問は裁判官の決定であり、証言は市民としての義務である。証言の後、証言内容について学問的批判を加えるのは許されるが、証人になることへの攻撃は犯罪である。
被告らのプライバシーを考慮し、証言した範囲で述べるが、現弁護団は被告に面会し、あまりの幼児性に当惑した。山口家庭裁判所の調査官による「少年記録」には、「発達レベルは4、5歳と評価できる」とあり、生後1年前後で頭部を強く打っていることなどから「脳器質的脆弱(ぜいじゃく)性が存在するのではないか」と書かれている。今勾留(こうりゅう)されている広島拘置所でも、統合失調症の治療に使う向精神薬が長期多量投与されている。そのため弁護団は精神鑑定を求め、裁判官によって認められたのである。
犯行時の精神状態に到(いた)るためには、当然、本人の生活史を調べ、性格分析も行う。にもかかわらず、どこから盗み見たのか、「被害者に義母を見て、その先に母親を見ている」といった断片を引用し、「『精神病か否かの診断』に当たるのだろうか」と非難している。精神医学も司法精神医学も知らず、検事でも弁護人でも裁判官でもないので本件についてもよく知らず、凶悪犯罪事件を食い物にしているにすぎない。母の自殺、幼児期からの虐待の意味など、まったく理解できずにいる。これらの煽(あお)りによって、辞職させろという攻撃が多数大学にあった。無知は力なのか。(関西学院大学教授・野田正彰)
(2007/08/04 09:00)
http://www.sankei.co.jp/culture/bunka/070804/bnk070804000.htm
光市母子殺害事件の差し戻し審の弁護側精神鑑定人、野田正彰氏が私の疑義に「反論」された。
だが、何か大きな思い違いをなさっている。奇妙なことに野田氏は、彼が集中審理で証言する何日も前に拙文が出ている点を訝しんでいる。だが、私の疑義は5月に作成された弁護団の「更新意見書」に対するものだ。この文書は弁護団がメディアに配布した。拙文の野田鑑定意見はここからの引用である。
野田氏は「(宮崎は)どこから盗み見たのか」と、実に失礼な言掛りをつけているが、弁護団が新聞記者やテレビ局に配った文書を読むことのどこが「盗み見」などという低劣な行為に当たるのかをまず問う。
野田氏のもう一つの批判は、私が「裁判に関わること自体が鑑定医の越権行為」と無体な攻撃をしているというものだ。
では拙文を確かめてみよう。まず私は、野田氏自身による「精神鑑定はあくまでも、専門の精神科医によって、被告が犯行時に精神病であったか否かを判断するものでなければならない。それ以上でも、それ以下であってもならない」という基準を示した。これは野田氏が、福島章氏の精神鑑定の「濫用(らんよう)」を批判した文章の一節である。
その上で「(今回の)弁護団は心神の喪失、耗弱を主張していない。殺意を否認しているだけだ。そのような裁判に関わること自体が鑑定医の越権行為ではないのか」と問い掛けたのだ。
野田氏は被告人が事件当時、精神病ではなかったと断言している(『週刊ポスト』)。先の基準に従えば、それ以上裁判に関わることは越権であり、弁護団が野田鑑定を「意見書」の如く裁判に利用することは「濫用」となるはずだ。無節操は力なのか?(評論家・宮崎哲弥)
(2007/08/15 08:21)
http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070815/jkn070815001.htm
6月末より、大学や同窓会宛に私を辞めさせろという、多数の脅迫電話、メール、葉書などが匿名で来ている。理由は「犯人を庇ったバカレポートをテレビで知った」というものである。メールには「ニュースより一部抜粋」として、「公判に出廷。犯人に擁護し、遺族を深く傷つける証言を行った。また、シンポジウムに同席した遺族本村洋さんに対し、『社会に謝れ』などという脅迫・侮辱的な暴言を吐いた」と書いてあった。私の証言は7月26日であり、1カ月前に証言していない。遺族を傷つけることは言っていない。
このデマ文章が私のウィキペディアの欄の初めに張り付けられており、それをクリックすると、あるノンフィクションライターによるさらなる攻撃のブログに飛ぶこと、彼は宮崎氏の「断」に依拠して書いていることを、後日知った。2人組がネットとワイドショーで煽っていた。
「世界」(2000年7月号)の短文のどこにも、「鑑定医の越権」と書いていない。検察官が動機の鑑定を求めるようでは、彼らの仕事は不要になるというのが主旨である。 『犯罪と精神医学』(岩波現代文庫)をはじめとして、私は精神鑑定の制度化された運用がなされていないことを問題にしてきた。その延長での主旨である。
今回の精神鑑定への被告の精神医学的問題点を3点、前文に書いている。その上で、犯行時および現時点における精神状態についての鑑定を行った。それも分かっていない。「盗み見」の断片が弁護団からのものか、根拠がない。断片で精神鑑定本論が分かるはずがない。デマと脅迫と連動させながら、学ぼうとしない者が騒いでいる。
ヤジ馬に、鑑定内容をすべて言うわけにはいかない。関係者のプライバシーがある。(関西学院大学教授・野田正彰)
◇
ウィキペディアの書き込みはすでに削除されています。
(2007/08/16 12:33)
http://www.sankei.co.jp/culture/bunka/070816/bnk070816002.htm
Aさんへの手紙・・・ある「精神鑑定医」の変節について|藤井誠二のブログ
http://ameblo.jp/fujii-seiji/entry-10039442269.html
野田正彰さん、だいじょうぶですか。|藤井誠二のブログ
http://ameblo.jp/fujii-seiji/entry-10041255241.html#main
ブログでしか読めない宮崎哲弥さんの話|藤井誠二のブログ
http://ameblo.jp/fujii-seiji/entry-10044024705.html
野田・宮崎論争について思うこと:イザ!
http://rakusyun.iza.ne.jp/blog/entry/272093/
野田正彰 - Wikipedia
・日の丸・君が代裁判の一つへ原告側支援者として関わる。2009年2月18日には原告側証人として、東京都教育委員会の教員に対する国歌斉唱・国旗掲揚の指示は「家族や自分の命を失うのと同じぐらいの(職業倫理の)喪失」であると証言の場において主張、これを「君が代症候群」なる症候群であると証言した。[1]
・光市母子殺害事件において弁護側の精神鑑定を務める。犯行時の被告人の精神状態について「被害者に義母を見て、その先に母親を見ている」とし、被害者死姦の説明については「子どもを作ることのできる精子なら、女性を生き返らせることができるという、マンガで読んだ思考が浮かんできた。そこで、被告人は、ペニスを入れようとした」とする鑑定意見書を提出した。
2009年2月19日(木)「しんぶん赤旗」
砕かれた教師の倫理
「日の丸・君が代」強制 精神科医が証言
東京地裁
東京都教育委員会の「日の丸・君が代」強制に従わなかったことを理由に処分された都立学校教職員六十六人が、処分取り消しなどを求めた裁判の第四回口頭弁論が十八日、東京地裁(中西茂裁判長)で開かれ、精神科医の野田正彰・関西学院大学教授が原告側証人として証言に立ちました。裁判は第一次分(原告百七十二人)に続くもの。
野田氏は、一次、二次の原告十三人への面接等を通じた鑑定意見書に基づいて「日の丸・君が代」の強制で原告が受けた精神的苦痛について証言しました。
同氏は、強制によって子どもの納得のもとに教育をすすめるという「教師としての職業倫理」が打ち砕かれているとし、「家族や自分の命を失うのと同じぐらいの喪失」だと説明。職業倫理の喪失感は、君が代斉唱時に起立した人も不起立の人も同じだとのべました。
原告全員にたいするアンケート結果から、卒業式、再発防止研修が極度の精神的重荷となっていると指摘し、それが毎年繰り返されることから原告の精神的苦痛は激しく、「君が代症候群といえる」と語りました。
~
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-02-19/2009021914_03_0.html
「日の丸・君が代による人権侵害」市民オンブズパーソン
野田正彰さん講演録
「君が代神経症」に押しつぶされる
教職員と子どもたち
2001年12月16日
http://www003.upp.so-net.ne.jp/eduosk/noda-kouenn.htm
「日の丸・君が代による人権侵害」市民オンブズパーソン呼びかけ人
http://www003.upp.so-net.ne.jp/eduosk/zikosyoukai.htm
2009年10月6日15時2分
山口県光市で母子が殺害された事件をめぐり、当時18歳だった被告の元少年(28)=死刑判決を受けて上告中=を実名で表記したルポルタージュ本が近く出版されることになり、元少年の弁護団のうち6人が出版の差し止めを求める仮処分を5日に広島地裁に申請した。弁護団の1人は「元少年は実名掲載を了解していないと言っている。実名の出版物への掲載を禁じた少年法の趣旨に反し、出版は許されない」と話している。
本は東京都日野市の「インシデンツ」が出版し、著者は一橋大学職員の増田美智子さん。インシデンツのホームページなどによると、元少年と接見を重ね、周辺の関係者を取材した結果を盛り込み、早ければ7日にも店頭に並ぶという。タイトルや本文で元少年の実名が明かされている。
本は240ページ。ホームページは「被告と同い年の著者が1年以上も面会と文通」「被告の両親や兄弟、友人、恩師、弁護士ら総勢100人以上を取材」などと説明する。
インシデンツの寺沢有代表(42)は、元少年の弁護側と4日に広島県内で会い、「原稿を出版前に読ませなければ、出版差し止めの仮処分を申請する」と伝えられたという。「もし申請されたのであれば、出版の自由、表現の自由を侵害するもので、到底納得できない。著者は、本人と25回も面会し、実名を出すことを了解してもらっている。弁護団は出版直前になって『本人が了解を撤回した』と言ってきたが、それは信じがたい」と話した。
事件は99年4月14日に発生。光市の自宅アパートで母親(当時23)と長女(同11カ月)が殺害された。
http://www.asahi.com/national/update/1006/OSK200910060047.html
福田君を殺して何になる
ー 光市母子殺害事件の陥穽(かんせい)ー
増田美智子 著
四六判240ページ 1500円+税
ISBN 978-4-9035-3803-7 C0095
1審、2審の無期懲役判決が最高裁で破棄され、2008年4月22日、差し戻し控訴審(広島高裁)で死刑判決を受けた福田孝行被告(28歳)。現在、再び最高裁の判断を待つ福田被告は、どのような心境で過ごしているのか。福田被告と同い年の著者が1年以上も面会と文通を続け、彼の心の深層に迫る。福田被告の両親や兄弟、友人、恩師、弁護士ら総勢100人以上を取材。内気で不良でもなかった福田被告が、どうして凄惨な事件を起こしてしまったのか。「福田君が死刑になることで、何か1つでも、社会にとって得るものがあってほしい」と願い、取材を続けた著者がたどり着いた結論とは??。ノンフィクション復活をかけた渾身の1冊!
http://www.incidents.jp/index.html
【光市母子殺害】「魔界転生」「ドラえもん」…不可解供述どう判断?
2008.4.22 08:22
光市母子殺害事件差し戻し控訴審判決の傍聴券の抽選の列は歩道にまであふれた =22日午前8時50分、広島市中区の広島高裁 (撮影:門井聡)
「亡くなった弥生さんに乱暴したのは、生き返ってほしいという思いからだった」
計17時間に及ぶ被告人質問が行われた山口県光市の母子殺害事件の差し戻し控訴審。そこで男性被告(27)が供述した内容には、理解しがたいものが目立った。
こうした供述について、弁護側は「一見、とっぴであっても、客観的証拠とも一致している」と主張したが、検察側は「通常人の理解を超え、荒唐無稽」と一刀両断。22日午前10時から言い渡される判決で、高裁は供述の信用性をどう判断するのか-。
「うそや」
妻の弥生さん=当時(23)=と長女の夕夏ちゃん=同11カ月=の遺影とともに傍聴していた本村洋さん(32)から、小さな声が漏れた。昨年6月26日に開かれた第2回公判。被告が「弥生さんを通して、亡くなった実母の姿を見ていた」と述べたときのことだ。
被告の実母は、被告が中学1年のときに自殺している。ともに父親からの虐待を受けた被告は実母へ精神的に深く依存。その優しさを求めて実母の姿を重ね合わせ、弥生さんに抱きついた-。これが、弁護側の主張だ。弁護側は独自に依頼した犯罪心理鑑定や精神鑑定の結果からも、こうした見方が裏付けられたとする。
「山田風太郎の『魔界転生』という小説に死者がよみがえる復活の儀式が出ていたから、弥生さんが生き返ると思った」
「夕夏ちゃんの遺体を押し入れの天袋に入れたのは、ドラえもんの存在を信じていたから。押し入れに入れれば、ドラえもんが何とかしてくれると思った」
フィクションの世界と現実とを混同したかのような供述についても、弁護側は「被告は実母の自殺によって精神的に未成熟だったうえに、2人を死なせてしまった衝撃で退行して、幼いレベルの精神状態になっていた」と主張。
これまでこうした供述をしなかった理由について、被告は「生き返らせようとしたなんて話せば、馬鹿にされると思った」「ドラえもんの話を取調官にしたら、馬鹿にされた。だから(1、2審の)裁判官の前では言えなかった」などと説明。弁護側も「家裁段階の記録にも、同様の趣旨の発言はある。今になって突然言い出したことではない」と強調した。
だが、弁護側の問いかけにはなめらかに答えていた被告は、検察側の反対質問に対しては答えに窮する場面も。裁判官からの質問では、次のようなやりとりもあった。
「弥生さんを生き返らせようとしたのなら、その後、脈を確認したりはしたのか」
「していない」
「『魔界転生』は単行本で読んだのか、それとも文庫本か」
「覚えていない」
「自分で買って読んだのか」
「覚えていない」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080422/trl0804220824002-n2.htm
【光市・母子惨殺】 「犬とやった。罪なの?」「被害者、調子づいてる」 少年、無期見直しか→本村さん「死刑を」★10
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1134323973/
元会社員は99年4月14日、光市内のアパートで、主婦、本村弥生さん(当時23歳)を暴行目的で襲って殺害。遺体を陵辱後、近くで泣き続ける長女夕夏ちゃん(同11カ月)も絞殺。さらに弥生さんの財布を盗み出した。
山口地裁は(1)犯行時は18歳と30日で発育途上(2)法廷で被害者らに思いを致し涙を浮かべた様子から更生可能性がある(3)生育環境に同情すべき点がある、などから無期懲役を言い渡した。
控訴審で検察側は、元会社員が拘置所内から知人2人に出した手紙計27通を証拠提出。「無期はほぼキマリでして、7年をそこそこに地上にひょこり芽を 出す」「犬がある日かわいい犬と出合った……そのまま『やっちゃった』…… これは罪でしょうか」などの文面から「更正の可能性も到底認めることはできない」と改めて死刑を求めている。
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20020313k0000m040128000c.html
・(被害者に対して)『ま、しゃーないですね今更。被害者さんのことですやろ?知ってます。ありゃー調子付いてると僕もね、思うとりました。・・・でも記事にして、ちーとでも、気分が晴れてくれるんなら好きにしてやりたいし』(手紙より)
「少年法」を抜本的に改正せよ!!!
http://banmakoto.air-nifty.com/blues/2006/06/post_61c3.html
「精神鑑定医への疑問」 宮崎哲弥
司法精神鑑定について、こんな正論がある。
「精神鑑定とは、厳密に言えば、犯行時に精神病であったか否かを診断し、裁判官や検察官に心神喪失者か心神耗弱者か否かの判断の資料を提供するものである。決して「『動機や動機形成の過程』を解明したり、『心理状態などを調べる』ものではない」「『なぜこんな凶悪な事件が起こったのか』、低俗な物語作りに加わってはならない。精神鑑定はあくまでも、専門の精神科医によって、被告が犯行時に精神病であったか否かを判断するものでなければならない。それ以上でも、それ以下でもあってもならない」
まったく筋目の通った議論だ。書き手は精神科医の野田正彰(『世界』二〇〇〇年七月号)。
ところが、この文で精神鑑定の濫用、鑑定医の越権を厳しく戒めた野田が、光市母子殺害事件の弁護側精神鑑定では、自らその規戒を平然と破っているようにみえる。
野田鑑定にある「(被害者に)抱きついたときの被告人の意識は、被害者に義母を見て、その先に(被告人の自殺した)母親を見ている」という分析は、果たして「精神病か否かの診断」に当たるのだろうか。
「(被告人の脳裡に)子どもを作ることのできる精子なら、女性を生き返らせることができるという、マンガで読んだ思考が浮かんできた。そこで、被告人は、ペニスを入れようとした」という被害者死姦の説明は「低俗な物語作り」への加担ではないのか。
そもそも、弁護団は心神の喪失、耗弱を主張していない。殺意を否認しているだけだ。そのような裁判に関わること自体が鑑定医の越権行為ではないのか。
野田に問い質したい。
(産経新聞2007.7.5)(web掲載なし)
【コラム・断 野田正彰】宮崎哲弥氏に反論する
私は7月30日、ある記者から産経新聞7月5日付の本欄に掲載された宮崎哲弥氏の「精神鑑定医への疑問」のコピーをもらって驚いた。私が光市の母子殺害事件の証言をしたのは7月26日である。その20日以上前から「裁判に関わること自体が鑑定医の越権行為」と書き、証人になることを攻撃している。証人喚問は裁判官の決定であり、証言は市民としての義務である。証言の後、証言内容について学問的批判を加えるのは許されるが、証人になることへの攻撃は犯罪である。
被告らのプライバシーを考慮し、証言した範囲で述べるが、現弁護団は被告に面会し、あまりの幼児性に当惑した。山口家庭裁判所の調査官による「少年記録」には、「発達レベルは4、5歳と評価できる」とあり、生後1年前後で頭部を強く打っていることなどから「脳器質的脆弱(ぜいじゃく)性が存在するのではないか」と書かれている。今勾留(こうりゅう)されている広島拘置所でも、統合失調症の治療に使う向精神薬が長期多量投与されている。そのため弁護団は精神鑑定を求め、裁判官によって認められたのである。
犯行時の精神状態に到(いた)るためには、当然、本人の生活史を調べ、性格分析も行う。にもかかわらず、どこから盗み見たのか、「被害者に義母を見て、その先に母親を見ている」といった断片を引用し、「『精神病か否かの診断』に当たるのだろうか」と非難している。精神医学も司法精神医学も知らず、検事でも弁護人でも裁判官でもないので本件についてもよく知らず、凶悪犯罪事件を食い物にしているにすぎない。母の自殺、幼児期からの虐待の意味など、まったく理解できずにいる。これらの煽(あお)りによって、辞職させろという攻撃が多数大学にあった。無知は力なのか。(関西学院大学教授・野田正彰)
(2007/08/04 09:00)
http://www.sankei.co.jp/culture/bunka/070804/bnk070804000.htm
【コラム・断 宮崎哲弥】続・精神鑑定医への疑問
光市母子殺害事件の差し戻し審の弁護側精神鑑定人、野田正彰氏が私の疑義に「反論」された。
だが、何か大きな思い違いをなさっている。奇妙なことに野田氏は、彼が集中審理で証言する何日も前に拙文が出ている点を訝しんでいる。だが、私の疑義は5月に作成された弁護団の「更新意見書」に対するものだ。この文書は弁護団がメディアに配布した。拙文の野田鑑定意見はここからの引用である。
野田氏は「(宮崎は)どこから盗み見たのか」と、実に失礼な言掛りをつけているが、弁護団が新聞記者やテレビ局に配った文書を読むことのどこが「盗み見」などという低劣な行為に当たるのかをまず問う。
野田氏のもう一つの批判は、私が「裁判に関わること自体が鑑定医の越権行為」と無体な攻撃をしているというものだ。
では拙文を確かめてみよう。まず私は、野田氏自身による「精神鑑定はあくまでも、専門の精神科医によって、被告が犯行時に精神病であったか否かを判断するものでなければならない。それ以上でも、それ以下であってもならない」という基準を示した。これは野田氏が、福島章氏の精神鑑定の「濫用(らんよう)」を批判した文章の一節である。
その上で「(今回の)弁護団は心神の喪失、耗弱を主張していない。殺意を否認しているだけだ。そのような裁判に関わること自体が鑑定医の越権行為ではないのか」と問い掛けたのだ。
野田氏は被告人が事件当時、精神病ではなかったと断言している(『週刊ポスト』)。先の基準に従えば、それ以上裁判に関わることは越権であり、弁護団が野田鑑定を「意見書」の如く裁判に利用することは「濫用」となるはずだ。無節操は力なのか?(評論家・宮崎哲弥)
(2007/08/15 08:21)
http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070815/jkn070815001.htm
【コラム断 野田正彰】再び宮崎氏に
6月末より、大学や同窓会宛に私を辞めさせろという、多数の脅迫電話、メール、葉書などが匿名で来ている。理由は「犯人を庇ったバカレポートをテレビで知った」というものである。メールには「ニュースより一部抜粋」として、「公判に出廷。犯人に擁護し、遺族を深く傷つける証言を行った。また、シンポジウムに同席した遺族本村洋さんに対し、『社会に謝れ』などという脅迫・侮辱的な暴言を吐いた」と書いてあった。私の証言は7月26日であり、1カ月前に証言していない。遺族を傷つけることは言っていない。
このデマ文章が私のウィキペディアの欄の初めに張り付けられており、それをクリックすると、あるノンフィクションライターによるさらなる攻撃のブログに飛ぶこと、彼は宮崎氏の「断」に依拠して書いていることを、後日知った。2人組がネットとワイドショーで煽っていた。
「世界」(2000年7月号)の短文のどこにも、「鑑定医の越権」と書いていない。検察官が動機の鑑定を求めるようでは、彼らの仕事は不要になるというのが主旨である。 『犯罪と精神医学』(岩波現代文庫)をはじめとして、私は精神鑑定の制度化された運用がなされていないことを問題にしてきた。その延長での主旨である。
今回の精神鑑定への被告の精神医学的問題点を3点、前文に書いている。その上で、犯行時および現時点における精神状態についての鑑定を行った。それも分かっていない。「盗み見」の断片が弁護団からのものか、根拠がない。断片で精神鑑定本論が分かるはずがない。デマと脅迫と連動させながら、学ぼうとしない者が騒いでいる。
ヤジ馬に、鑑定内容をすべて言うわけにはいかない。関係者のプライバシーがある。(関西学院大学教授・野田正彰)
◇
ウィキペディアの書き込みはすでに削除されています。
(2007/08/16 12:33)
http://www.sankei.co.jp/culture/bunka/070816/bnk070816002.htm
「精神鑑定は濫用されていないか」
(岩波書店「世界」2000.7)
・・・想像を絶する犯罪にうろたえ、「説明」を求めて社会がさまようなかで、逸脱した役割を精神鑑定が果たしはじめ、本来の課題から私たちの意識をそらせている。
五月の連休を待っていたかのように、一七歳の少年の凶悪事件が続いた。五月一日、愛知県豊川での老夫婦殺傷事件、三日、西鉄バスジャック事件、さらに一二日、横浜JR根岸線でのハンマー殴打事件。人々は何故こんな凶悪な事件を少年が犯すのか、知りたいと思っている。とりわけ一四歳から一八歳前後の少年をもつ母親、あるいはもうすぐ思春期に達する少年をもつ母親は、わが子もそうならないとは限らない、と不安になっている。‐‐‐ただし、母親が漠然とした不安を抱いても、夫婦で話し合うことは少ない。
こんな凶悪犯罪が何故起きるのか、その問いに答えるために、精神鑑定が濫用されていないだろうか。五月一八日の『毎日新聞』夕刊は、豊川事件の容疑者について「事件当時の心理状態などを調べるために」、地検から出されていた精神鑑定の請求を地裁が認めたと報じている。同新聞は続けて、地検は「事件までの生活状態や取り調べの受け答えなどから、刑事責任能力はあると判断している模様だ。だが、動機や動機形成の過程に依然として不明確な点があり、突発的に殺害を決意していることなどから生徒の精神状況や心理状態について、本格的な精神鑑定で、さらに詳しく解明する必要があると判断したとみられる」と、地検の意向を伝えている。
ここで検察官や裁判官によって、いつの間にか精神鑑定が「心理状態を調べる」ものに濫用されている。
~
警察や検察は刑事訴訟法や刑法にもとづいて捜査を進め、また裁判官も同様にして有罪か否かを決定していくべきであり、「なぜこんな凶悪な事件が起こったのか」、低俗な物語作りに加わってはならない。精神鑑定はあくまでも、専門の精神科医によって、被告が犯行時に精神病であったか否かを判断するものでなければならない。それ以上でも以下でもあってもならない。もし精神病であり、病名が提示されたら、それを心神喪失か心神耗弱か判断するのは、裁判官の仕事である。また、三権分立の政治システムのひとつの権力である司法は、当然、市民の裁判にさらされねばならない。
他方、市民は国会やジャーナリズムを通して、凶悪事件が実行されるまでの経過を家族関係、教育、少年集団の文化、情報環境、社会状況などから事件を多元的に分析し、今、社会が改善に向けて挑戦できることは何か、正面から考えていかねばならない。精神鑑定というバイパスはない。
Aさんへの手紙・・・ある「精神鑑定医」の変節について|藤井誠二のブログ
http://ameblo.jp/fujii-seiji/entry-10039442269.html
野田正彰さん、だいじょうぶですか。|藤井誠二のブログ
http://ameblo.jp/fujii-seiji/entry-10041255241.html#main
ブログでしか読めない宮崎哲弥さんの話|藤井誠二のブログ
http://ameblo.jp/fujii-seiji/entry-10044024705.html
野田・宮崎論争について思うこと:イザ!
http://rakusyun.iza.ne.jp/blog/entry/272093/
野田正彰 - Wikipedia
・日の丸・君が代裁判の一つへ原告側支援者として関わる。2009年2月18日には原告側証人として、東京都教育委員会の教員に対する国歌斉唱・国旗掲揚の指示は「家族や自分の命を失うのと同じぐらいの(職業倫理の)喪失」であると証言の場において主張、これを「君が代症候群」なる症候群であると証言した。[1]
・光市母子殺害事件において弁護側の精神鑑定を務める。犯行時の被告人の精神状態について「被害者に義母を見て、その先に母親を見ている」とし、被害者死姦の説明については「子どもを作ることのできる精子なら、女性を生き返らせることができるという、マンガで読んだ思考が浮かんできた。そこで、被告人は、ペニスを入れようとした」とする鑑定意見書を提出した。
2009年2月19日(木)「しんぶん赤旗」
砕かれた教師の倫理
「日の丸・君が代」強制 精神科医が証言
東京地裁
東京都教育委員会の「日の丸・君が代」強制に従わなかったことを理由に処分された都立学校教職員六十六人が、処分取り消しなどを求めた裁判の第四回口頭弁論が十八日、東京地裁(中西茂裁判長)で開かれ、精神科医の野田正彰・関西学院大学教授が原告側証人として証言に立ちました。裁判は第一次分(原告百七十二人)に続くもの。
野田氏は、一次、二次の原告十三人への面接等を通じた鑑定意見書に基づいて「日の丸・君が代」の強制で原告が受けた精神的苦痛について証言しました。
同氏は、強制によって子どもの納得のもとに教育をすすめるという「教師としての職業倫理」が打ち砕かれているとし、「家族や自分の命を失うのと同じぐらいの喪失」だと説明。職業倫理の喪失感は、君が代斉唱時に起立した人も不起立の人も同じだとのべました。
原告全員にたいするアンケート結果から、卒業式、再発防止研修が極度の精神的重荷となっていると指摘し、それが毎年繰り返されることから原告の精神的苦痛は激しく、「君が代症候群といえる」と語りました。
~
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-02-19/2009021914_03_0.html
「日の丸・君が代による人権侵害」市民オンブズパーソン
野田正彰さん講演録
「君が代神経症」に押しつぶされる
教職員と子どもたち
2001年12月16日
http://www003.upp.so-net.ne.jp/eduosk/noda-kouenn.htm
「日の丸・君が代による人権侵害」市民オンブズパーソン呼びかけ人
http://www003.upp.so-net.ne.jp/eduosk/zikosyoukai.htm