まあ、W杯でのフランスの散り方について、今さら四の五の言うのは止めようじゃないか。
あのドタバタ劇のなかで、フランク・リベリを中心とする貧困層出身の選手によるグルキュフへのイジメ問題もクローズ・アップされたが、今やそれさえどうでもいいだろう。
先日TF1局のインタビューで、代表でのリベリとの関係をインタビュアーに切り込まれたグルキュフは、気分を害し、マイクを外して席を立ったという。
2006年のACミラン移籍は、さすがに時期尚早だったかもしれない。
その理由は、ミランの格もあるにはあるが、ひとえに、当時ポジションを争った司令塔があのカカであった事に尽きる。
当時、ACミラン副会長のガッリアーニは言った。
「グルキュフに、カカの代わりは務まらんよ」。
あれは、あんまりフェアな発言じゃなかったと思うね。
だって、あの年のカカの代わりは、世界中の誰にも務まらなかったから。
あれはモンスターだったよ。
ちなみに、もし当時、むりやり同じタイプでカカの代役を探すとしたら、リバプールのスティーブン・ジェラードだったと思う。
ミランでハマるかは別として。
ミランでの失意のシーズンのあと、都落ちのようにリーグ・アン(フランス・リーグ)に戻ったグルキュフは、ブラン監督(今季よりフランス代表監督就任)のもと、ボルドーで見事な将軍ぶり。
昨季はCLでもチームと共に見事な躍進。
満を満たして、今季、フランスの雄、リヨンへ。
一度ミランで失敗しているので、リヨンというのは無難な決断だった。
俺は、こういうクラシカルな司令塔が好きだ。
オランダ代表で言うと、ファンデル・ファールトより、スナイデルって感じ?
(実はファンデル・ファールトも相当好きなんだけど、あれは司令塔と言うよりミニ・カカタイプ)
リヨンでのリーグ・アン初戦は、なんと自身の父親クリスチャン・グルキュフが率いるロリアン戦(第4節)。
本田じゃないけど、こういうのこそ「持っている」と言うんだろう。
試合後、敵将である、父クリスチャンは
「動きはなかなかよかったと思う。
前半は自分の役割をみつけるのに時間がかかったが、後半は(ロリアン守備陣が)苦しめられた。
1―0でリードしていたときに、彼がゴールを外したのがわれわれに幸いした」
と自身の立場に撤しつつも、息子を評価するコメント。
アルゼンチンならマラドーナ二世、フランスならジダンの後継者。
多くの若者が、偉大な先人の後を引き継ぐと期待をかけられながら、はかなく散ってきた。
グルキュフは今後、ジダンのように輝けるだろうか。
幼き日のグルキュフ少年。
■サッカー界の人々のこと
・デ・ラ・レッド(スペイン)
・ヨアン・グルキュフ(フランス)
・アルベルト・ザッケローニ(イタリア)
・中村俊輔(日本)
・マイケル・オーウェン(イングランド)
・アルベルト・アクイラーニ(イタリア)
・稲本潤一(日本)
・ウェスレイ・スナイデル(オランダ)
・エドウィン・ファンデルサール(オランダ)
・遠藤保仁(日本)