水徒然

水に関する記事・記録・感想を紹介します。水が流れるままに自然科学的な眼で
解析・コメントして交流できたら最高至福です。

農業用水中の塩分濃度の影響に係る記事を紹介します。

2010-10-03 | 日記

島根県農業技術センター
[島根県農業試験場だより 第88号 1999年7月]
環境部土壌環境科の「農業用水中の塩分濃度と水稲の生育」によれば
<<詳しく見る>>
 
宍道湖、中海沿岸部の水稲栽培地帯では、渇水や潮位の上昇などによって農業用水の塩分濃度が高まり、塩害が発生することがあります。そこで、島根県の主要品種である‘コシヒカリ’‘ときめき35’の生育に対する塩分濃度の影響を調査しました。」
⇒ ウィキペディア(Wikipedia)によれば、
 宍道湖は淡水と海水がまじりあった塩分の少ない塩分濃度が0.05 - 3.5%(500-35000ppm)の汽水湖です。
しじみの産地として有名です。 

 近隣には『ゲゲゲの女房』の漫画家・水木しげるの生地鳥取県「境港」市があります。

 
(google画像検索から引用)   (google画像検索から引用)

 以下に、研究結果の一部を記載します。
塩害の症状と障害発現濃度
 「・・・・・塩分処理濃度(NaCl)が 1,000ppm以上で、下葉の枯れ上がりがみられました。更に2,000ppm以上になると草丈が短くなり、葉先のよじれや巻き込み症状を呈するようになり、3,000ppmを超えると症状が激化しました。 1,000ppm以下の濃度では、これらの症状はみられませんが、500ppm以上で1穂籾数、玄米千粒重に低下傾向が認められ750ppmでは約20%減収しました。 」

水稲が塩害を受けやすい生育時期
 「・・・・・このことから、幼穂形成期から穂ばらみ期頃が塩害に対して、最も注意が必要な時期であると考えられます。塩分濃度を正確に測定するには、特殊な試薬が必要で時間を要します。しかし、・・・・・、EC(電気伝導率)値を測定すれば、・・・・・簡単に塩分濃度を推定することが可能です。」
  塩分濃度(NaClppm)=552×EC(mS/cm)−200

 ⇒水質を電気伝導率値で簡易に推定するのみならず、「海の酸性化に係る資料の紹介」で紹介した酸性雨、等で変動するpH酸化還元電位を測定して、農業用水の組成を「工業的な水処理技術」によって制御管理することが必要と想われます。


最新の画像もっと見る