


快晴の中、仙台市の広瀬川沿い、角五郎にある聖ドミニコ学院聖堂に、行きました。
このあたらしい聖堂のこけらおとしに開催されたDuoConcertを聞きに行くためです。
角五郎は八幡町から坂を下った川沿いの街ですので、八幡町に車を停めて、ゆっくりと歩いて向かいました。
ゆるやかな坂道の途中には趣のある建物がところどころに残っていました。
学生時代に、八幡町に住みましたが、今回歩いた道はそのころには来なかった通りで、今だからこそ歩いて様々なことを感じるようになったのかな。
八幡神社の御神酒であった天賞酒造が移転した跡地が史料館や公園になっていました。赤い紅葉や黄色い銀杏の落ち葉が敷き詰められている中に、ニッカポッカのいでたちの方々が座って休んでいたりして、時間がゆっくり流れていました。
聖堂の中に入ると、石のひんやりした感じと、木の落ち着いた感じに、磨りガラスから午後の陽射しが差し込んでいました。
沢山の方々が思い思いの繋がりで、訪れてきたようでした。ギターを習っている方々、知人の方々、ドミニコ修道会の高齢のシスターさんたちも聴きにこられていました。
クラシックギターの佐藤正隆さんは、今回やっとお会いして演奏を聴くことができました。rieちゃんの友人です。とてもとてもデリケートな響きを奏でる方でした。よく知られているギターの名曲から、新しいギター曲まで、沢山の楽曲を奏でて下さり、その息遣いまで聞き逃さないように、どんどん会場が鎮まりかえってゆきました。
Duoのバイオリニストは、仙台フィルハーモニィのコンサートマスター伝田正秀さんでした。
スズキメソッドでバイオリンを学ばれた方でした。スズキメソッドの教育方法は、バイオリンの技術習得に収まらず、大変素晴らしいということを聞いたり、本で読んだりもしていましたが、なんか納得してしまいました。音楽に敬意をもっておられました。仙台フィルハーモニィの演奏、この方がコンサートマスターなら素晴らしいだろうな、と、聞きにゆきたくなりました。
二つの楽器の音色が聖堂一体に染み渡り、心のふかあい深いところまでゆりうごかされるような、そんなコンサートでした。
スペイン民謡から生まれて行ったギターとバイオリンの曲は、ロマの民族としての抗えない強さを感じるし、アイリッシュ民謡から生まれて行った曲も、ケルト民族の透明さや古さを感じることができました。
ヨーロッパの民族の古いうねりが、新しいものと融合して歌やリズムになっていった、その感じがたまらなく好き。
200年前のギターを一本とりだして弾いてくれましたが、あまりに懐かしい音色に涙がじんわりとしてしまいました。
パガニーニのカンタービレ、ツィゴイネルワイゼン。ほんと、体に染み渡りました。
今回、この演奏会へ連れていってくださったrieちゃんも、静かな情熱に灯を燈した感じで聴いていました。
連れていって下さりありがとう。
自然の中へ入って行く人生を選ぼうとしだしたときに、ふたたび、音楽がわたしたちの前へ顕れて、一緒に行こうよ、とさかんに言ってくれている感じです。
聖人ドミニコのこと。サンファンバウチスタのこと。ひっぽにある、隠れキリシタンのマリア観音のこと。
見えないところで、思考の中で、光のラインのように繋がっていきます。