カードキングダムブログ
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コロコロコミックによると、デュエルマスターズのカードがなんと一気に8枚も殿堂入り(1枚制限)になるという事!!

【アクア・ハルカス】
【呪紋の化身 カーストーテム】
【超竜バジュラ】
【母なる大地】
【魂と記憶の盾 エターナルガード】
【パシフィック・チャンピオン】
【インフェルノ・ゲート】
【インフィニティ・ドラゴン】

これらのカードは、4月15日からデッキに1枚しか投入できなくなります。

僕なりに「なぜ制限になったのか?」という分析と、今後の予測を立ててみたいと思います。


【母なる大地】

ようやく掛かったか、という制限。このカードには功罪、ともにありました。

【母なる大地】を使ったさまざまなコンボギミックが、上級者に楽しまれていた事が最大の功績。ぶっちゃけこれが楽しかったのは事実です。

反面、初心者や子供達には、いつまでたっても本質的な強さが理解されにくかったのが【母なる大地】の“罪”。

子供向けゲームであるにも関わらず、子供が理解できない強さのカードが環境を作り上げていたのは、DMの“ひずみ”であったと言えるでしょう。

端的に言うと、

「【母なる大地】の強さを理解しているプレイヤーと、理解していないプレイヤーの“差”が大きすぎた」

という事です。

それこそが最大の問題点で、「強すぎるから禁止すべき」だったのではなく、「子供達に優しくない環境を作り上げていた」からこそ、禁止にすべきだったと僕は思います。

ゼロデッキで【母なる大地】が4枚投入されたデッキが発売されたあとでさえ、子供達が真っ先に抜くカードはコレでした。

「こんな弱い呪文なんか抜いて、ドラゴンをもっと入れたほうが強いよ!」

というのが普通の子供の認識だったのです。

ここで

「【母なる大地】の強さに気付かないほうが悪い」

と断じてしまうと、

「子供向け玩具としてのデュエル・マスターズ」

は、そのアイデンティティーを失います。実際、殿堂入りは遅過ぎたほどだと言えるでしょう。

しかし、思えば発売以降、ず~っと

「でかいクリーチャーはマナにしておけば後から【母なる大地】で出せるから、初手にあっても邪魔にならない」

という前提で、ありとあらゆるデッキが組まれてきました。

DMというゲームの「デッキの安定性」は、想像以上に【母なる大地】に頼っています。
このカードが存在する事が前提であったため、今後は「動いていたはずのデッキバランス」の感覚が、大きく変化する事になるでしょう。【母なる紋章】で代替が利くデッキは、本当にごく一部です。

「今までのデッキを、どう修正するか」

という「前例主義的な作り方」では、デッキを組めない時代になりました。
今後は各プレイヤーの、真のデッキ構築力が試される事になるでしょう。全てを「いちから作り直す」時が来たのだと思います。

こういった環境を前向きに楽しめてこその、“デッキビルダー”でしょうね。

【魂と記憶の盾 エターナルガード】

良く禁止にしてくれた、と思う反面、
「なんでよりによって“今”なんだ?!」
とも思ってしまいます。

最も“軽い”除去カードであり、光・水という防御的な色合い。鬱陶しい除去コントロールデッキのキーカードとして、特に昔は大活躍しました。

【ヘルスラッシュ】【ロスト・チャージャー】を使うデッキアウト、除去デッキ全盛の暗黒時代を作り出した張本人であり、発売時から

「なぜわざわざこの色で、しかも軽量の除去カードを作るのか」

と思っていたカードでもあります。個人的には、【母なる大地】よりももっと早く、3年前から真っ先に殿堂入りして欲しいカードでした。

しかし最近は、除去デッキも相当なりを潜め、「許せるカード」になりかかっていた上に、
現在最もヤバイと考えられる【ダークヒドラ】への対抗手段
として存在意義が「良い方向へ」スライドしていた矢先です。
(破壊しても2体目の【ヒドラ】で逆にアドバンテージになる。【母なる大地】で埋めても同じく【母大】でまた出てくる。【スーパーエメラル】で取り戻される事もあるが、【エターナル・ガード】で埋めるのが最も確実!!)

【ダークヒドラ】を放置して【エターナル・ガード】を殿堂入りと言うのは、ちょっと心配です。

【超竜バジュラ】

これはとても良い殿堂入りだと思います。容赦なく強い上、子供達が4枚集めるのが苦しすぎるカード。
そして1枚制限であれば、使われても納得の行く所でしょう。

【バルキリー・ドラゴン】等、様々な方法で持ってこれるので、1枚になってもやっぱり出てくるのは、【ボルバルザーク】が1枚になったあの時と全く同じですが、あのぶっ壊れカードほどには問題ありません。

「1枚は欲しいカード」
として、良いスーパーレアであり続けるでしょう。

不思議な事にDMでは、殿堂入りしたとたんに、1枚で良いにも関わらず、価値が落ちないカードが結構あります。

【バジュラ】を4枚持っている人は、殿堂入りしたからと言って必要以上に悲しまなくても良いでしょう。


【アクア・ハルカス】
持ってる人と持ってない人の資産差として問題でした。・・・・けど、実は最近は、入るデッキが少なかったのも事実。

青単速攻には実は必須ではありませんでしたし、今更感はあります。

もちろん強いカードですが、殿堂入りさせる理由は少し、薄かったかもしれません。

殿堂入りしなかった場合、次弾の【クウリャン】(【アクア・ハルカス】と同じ能力のサイバーロード)と4枚ずつ入れて、【マンモキャノン】等でコストを落とし、展開&ドローを繰り返す・・・とかも出来たでしょうし、色々更に強くなった可能性もありますから、殿堂入りさせておいた方が間違いはないですね。


【呪紋の化身 カーストーテム】

これも少し「今更感」があります。どうやら今回の殿堂入りは、

「今現在強いカード、環境を支配しているカード」

では無く、「昔の功績」もあるのかもしれません。

いま現在で言えば、上級者の良く行う「トリガーを封じてアタック」という「締めのカード」として、【カーストーテム】を使うデッキは少数派です。

【母なる大地】が殿堂入りした事もあり、相対的に使いにくくなっているので、今後更に使うことは稀でしょう。

【カーストーテム】よりむしろ、【スペル・デル・フィン】を優先すべきであったのではないかと率直に思いますが・・・・・

これも、「緊急性は無いけど殿堂入りさせといて問題は無い」という事なのかもしれません。今回は今までの「よっぽどでないと殿堂入りさせない」という考え方のボーダーとは、全然違うレベルで決められているように見受けられます。 

前向きに、「大きく環境を変えたい」というメーカー側の熱意を感じますね。(しかし【ダークヒドラ】はなぜ残ったのだろう?) 

 


【パシフィック・チャンピオン】

確かに強すぎました。そして、使い飽きましたし、使われるのも飽きました。

その上絶版カードなので、商業的にも無くなった方が良かったのかも知れません。(シングル在庫の価値が下がるけど、そんなのはDM全体の為にはどうでも良い)全くもって良い事だと思います。

・・・・しかしコレで、【ジャック・バルディ】のビートダウンデッキの存在意義は、大幅に失われたと言えるでしょう。

「【パシフィック】入りの水単速攻を喰える!!」
「だから大会に出て勝てる確率が高い!」

のが、このデッキの最大の存在意義だったのですから。

それでも【ジャック・バルディ】は純粋に強いカードなので今後も使われるでしょう。

でも、闇・火のデッキは、もう少し遅くして【暗黒凰ゼロ・フェニックス】に繋いだほうが安定するかもしれません。


【インフェルノ・ゲート】

確かにこれは、殿堂入りさせておくべきカードです。“リアニメイト・カード”(墓地からクリーチャーを“場に出す”カード)は常に危険な効果

「墓地から釣り上げたい大型クリーチャー」
「墓地へカードを送り込むカード」

が出るたびに、相対的にどんどんパワーアップしていく“リアニメイト・カード”は、ある日突然、手の付けられないパワー・カードになりうる運命を持っています。

「リアニメイト・カードは危険である」今までありとあらゆるカードゲームで実証されている「繰り返される歴史」です。

DMのお兄さんゲーム、MTGでは2マナで墓地のカードを釣っていましたが、DMはそのあたりとても慎重に対応していて、純粋なリアニメイト・カードである【インフェルノ・ゲート】が出たのは、何とシリーズ第19弾になってから

充分に研究して作られ、「5マナの呪文としてなら、適性であろう」と考えられて作られた筈であったのに、結果として今回、殿堂入りとなったのは、やはりリアニメイトという効果自体が、カードゲームにおいて鬼門である、という事なのかもしれません。
(個人的には、カードゲームの面白さに目覚めたのは、MTGでリアニメイト・デッキを組んだ所からだったので、大好きな戦術ではあるのですが。懐かしいなぁ。2ターンキルスリヴァーデッキとか。)

しかし、墓地利用コンボが死滅したわけではもちろんなく、今後も【バベルギヌス】が使われるデッキは色々研究されそうです。【バロン・ゴーヤマ】という新たな墓地落としカードも増えたことですし。


【インフィニティ・ドラゴン】
所謂“連ドラ”デッキは、多くの大会で結果を残していますから、そのキーパーツとなる【インフィニティ】に、制限が掛かるのは仕方の無い事なのかもしれません。

【インフィニティ】を生かそうとすると、デッキの中のドラゴンの比率を高める必要性が出てきて、【バルガゲイザー】も入り、結果として“連ドラ”になります。

そうすると、他のパーツも必然的に確定していくため、もはや
「ドラゴンデッキの正解」
が確定してしまっている状況
です。

「色々なドラゴンで楽しんで欲しい」

という「子供向けカードゲーム」である事を重視するならば、【インフィニティ】や【バルガゲイザー】が殿堂入りした方が良いとは思います。

ただ、【バルガゲイザー】と【インフィニティ】、どちらを殿堂入りさせるべきであったかというと、人によって意見が分かれそうです。

【インフィニティ】が居なくなると、

「せっかく出したドラゴンが、次々に破壊されていく」

という状況になり、子供にとって「僕の大好きなドラゴン」が活躍せずに失われる機会が多くなります。

また、そもそも【バルガゲイザー】で出てくるドラゴンは、「自力で、大きなマナコストを払って出した」という訳ではないので、子供達的にも達成感の面で、思い入れが薄いこともあります。

・・・とか言いながら、これら全て、逆の理屈を言う事も出来るんですよね。

様々な価値観を考慮に入れての殿堂入りでしょうが、「子供寄り」が大切であるとは思います。

ちなみに、コロコロコミック五月号に付く予定の【インフィニティ・刃隠・ドラゴン】は、それなりに強力なカードですが、

「【インフィニティ・ドラゴン】の代わり」

にはなり得ないカードだと思われます。色々と劣っている点が目に付きます。  

「ドラゴンが破壊された時、デッキの一番上をめくってドラゴン(あるいはサムライ・クリーチャー)だと場に出せる」 

という効果で、
「ドラゴンが生き残る【インフィニティ】と、盤面のドラゴンの数は変わらない」
ように見えるのですが、出てくるドラゴンが召喚酔いしている点が問題です。 

今までの【インフィニティ】の場合、トリガーを踏んでも続くドラゴンが生き残って攻撃を続行できていましたから。

また、今までの【インフィニティ】は、自分自身を守っていましたが、【インフィニティ・刃隠・ドラゴン】は自分を守れません。 

さらに言うと、効果が使えるのは「破壊された時」。
「場から離れた時」である【インフィニティ】とはくらべものになりません。

【刃隠】自体は弱いカードではないはずなのに、【インフィニティ】と比べてこうも劣っているように見えるという事は、いかに【インフィニティ】が強力なカードであったかを示しています。殿堂入りは当然だったのかも知れません。


○今後の予測

今回の殿堂ルールで、ほぼ全く影響を受けなかったトーナメント・デッキ(大会向けガチデッキ)として、“ヘビィ・ループ”を投入したドラゴンコントロールデッキ“ドラコン”が上げられます。

ドラコン
http://www.stannet.ne.jp/fb/dm/100/dm143.html

このデッキは、水単速攻等にかなり弱かったのですが、そのライバルが居なくなった分、相対的にも地位を高めたと言えるでしょう。

火速攻に対する耐久性を上げれば、さらに強化される事と思われます。

他に、ほぼ強さが変わっておらず、ライバルも減ったデッキは・・・【タイムトリッパー】等で足を止めて、【エターナル・ソード】につなぐ「闇入りランド・デストラクション」いわゆる、“黒ランデス”があります。

このデッキも速攻が苦手でしたが、【母なる大地】に頼らないチューンで組みなおせば、かなりイけるデッキでしょう。

長い間環境を支配していた【母なる大地】が無くなった事で、まず最初に考えられる事は、「過去のデッキの復権」です。わかりやすいところでは、“アクアンカラーデッキ”。

水でドローして、光や闇で種族を統一する・・・“イニシエート”や“ガーディアン”等の安定したデッキです。

これらは実は、ず~っと少しずつ進化していたのですが、【母なる大地】を使う自然文明中心のメタを崩すほどには成長していませんでした。

【母なる】が無くなった今こそ、成長した彼等の姿が見られる環境になったと言えるでしょう。

後は、同じく実は成長し続けていた他の種族デッキ・・・例えば“アーマロイド・コントロール”や“ティラノドレイクデッキ”や“アークセラフィム”、そして冗談ではなく“ワイルドベジーズ”。

これらも、いつの間にか大会で見かけるデッキになってくるかもしれません。(ゴッドデッキは・・・・トーナメントレベルは正直言って、きついですね。【オット】【ドッコイ】も【ゼン】【アク】も、【母なる】が抜けたのは打撃です。【キキ】【カイカイ】等、「それなりに強いデッキ」にはなるのですが)

なんにしろ、今回の殿堂で、環境は本当に激変します。

また、殿堂入りだけでなく、「どうやら本気で強力なセットとして作られたらしい」近日発売の極神編第4弾、“完全極神”によっても、新しいデッキタイプがどんどん作られそうです。

今回はスーパーレアのほとんどが、本気で使われるカードになるでしょう。
(【暗黒凰ゼロ・フェニックス】はマジで歴代最高レベルのフィニッシャーですし、【エンペラー・マルコ】の強さがわからない人は居ないでしょう。【ミラクル・ルンバ】はビートダウン系デッキに止めを刺しています。)

僕としては今後、どうせ環境が変わったのなら、新しいカードを出来るだけ使った、新しいタイプのデッキをご紹介していきたいと思いますね。 



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大地が遂に殿堂入りか… (カイ)
2008-03-17 13:30:47
自分はゼンアクデッキに「母なる大地」を4枚投入していました。それを守る為に「テルス・ルース」「シュノーク・ラー」も数枚。
しかし「大地」の殿堂入り。正直大ショックでした。
「両方とも7マナのクリーチャーを手札から直接出せと?」と思いました。
そしてそれとほぼ同時に、今のDMプレイヤーがどれだけ「大地」に頼っているかを知りました。
「大地」が有るのと無いのでは全然違います。序盤に仕方なく埋めた重量級クリーチャーを出しにくくなりますし、相手クリーチャーの低コストの準除去手段が毎回使えません。
しかし、「『大地』に頼りきっているDMプレイヤーが、それをなくしたら本当に強いか」とも考えました。自分も様々なデッキに入れていましたが、殿堂入りになったこれからは、「プレイヤーとしての技量」が問われることになります。いかに重いクリーチャーを出すか、いかに低コストでクリーチャーを除去するか。「大地」の殿堂入りは、プレイヤーを深く考えさせるものになると僕は思います。

駄文長文失礼しました。
 
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