流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

一般的なヘアードライヤーの送風量を流体解析シミュレーションしました

2018年03月31日 | 流体解析シミュレーション

一般的な構造を持つヘアードライヤーの送風量を流体解析シミュレーションした結果図です。

このヘアードライヤーの送風ファンは軸流型プロペラファンとなります。

次図の空気の流れ線で見れるようにドライヤー入口から吸い込まれた空気はプロペラファンで軸方向の流れと旋回の流れを造られ、プロペラファン羽根直後のガイドベーンで軸方向流に修正されて、わずかに旋回を残しながら吹き出し口から強力にまっすぐ流れています。

今回の送風プロペラファンの回転数は毎分4000回転で流体解析シミュレーションを行っています。

このヘアードライヤーの送風量解析は、ファンプロペラの回転数をいろいろと変えてより詳しい性能を出す予定です。

<今日の流れ>

今日はいつもの土曜日のように朝はゆっくりと起きたので、午後も自宅で過ごすこととなりそうです。


「空飛ぶ車」用の2重反転プロペラ推進機の性能流体解析シミュレーションの結果図

2018年03月30日 | 宇宙航空産業機械

「空飛ぶ車」用の2重反転プロペラ推進機の性能流体解析シミュレーションの結果図です。

この計画の「空飛ぶ車」は、電動・垂直離着陸・水平揚力飛行の方式として設計しています。

次は、2重反転プロペラ流体解析シミュレーションが終了した時点の解析モニタリング画面です。

計算値は収束して、流れの断面図でも充分な下方への流れを2重反転プロペラが造っています。

この解析結果から、下方への推力は70kgを発生していることが分かりました。

「空飛ぶ車」にはこの2重反転プロペラが8機付いていることから、機体全体の浮力は560kgとなりますので、機体設計により二人乗りの「空飛ぶ車」と出来そうです。

次は、プロペラブレード表面は速度分布、圧力の等値面、部分翼断面での速度の等値線分布となります。

次図は、流れの3次元流線です。

プロペラ上面や側面から充分な空気を吸い込み、下方に吐き出す流れも2重反転プロペラの効果で旋回流が無い、非常に力強い良い流れとなっています。

次は、羽根にズームして見た流れですが、モーターがあるボス部分は流れが少なくなっていますが、モーターを冷却するには充分な送風となります。

次はマッハ数の等値面を示しています。

次は、翼断面での流れ状態を確認している解析結果表示です。

<今日の流れ>

今日は3月最終日で、残りのデータをいろいろなところに提出していたりしています。

今日は月末の金曜日で弊社ではプレミアムフライデーを行っていますので、いつもより1時間早い午後3時には終業です。

それまでは仕事を頑張ります。


「空飛ぶ車」の推進機である2重反転プロペラの性能流体解析シミュレーションを開始しました

2018年03月29日 | 宇宙航空産業機械

電動・垂直離着陸・水平揚力飛行の「空飛ぶ車」の推進機として用いる2重反転プロペラの性能流体解析シミュレーションを開始しました。

次が直径1200 mm の2重反転プロペラの単体での性能流体解析シミュレーションの解析モデルとその外部流れ解析領域の設定状態です。

かなり大きな外部空間を2重反転プロペラの周りに造っています。

特にプロペラ流れ解析では外部空間を大きくとればとるほど正確なプロペラ周りの流れを再現出来ます。

次は解析用の2重反転プロペラの解析モデルをズームして見たものです。

この2重反転プロペラは2枚のプロペラが接近して回転する方式であり、2枚のプロペラは2台のモーターで駆動されます。

モーター直接にこの直径の大きいプロペラを回すためにはモーターのトルクは不足しますので、減速機をモーターの上下に付けています。

次が2重反転プロペラ単体での性能流れ解析シミュレーションを開始した初期の解析モニタリング画面です。

空気の流れを見ると強力にプロペラに吸込まれ、下方に真っ直ぐ送風されている様子を見ることが出来ています。

<今日の流れ>

今日は4月から開始されるであろう新しい開発設計関係複数の書類関係の準備を進めています。


ターボ機械設計データベースの例 遠心ポンプ設計用

2018年03月28日 | 流体機械設計

ターボ機械を設計する場合に弊社で造り使っている設計データベースの例です。

今回は遠心ポンプを設計する場合の設計データベースについて載せてみます。

次図は、遠心ポンプのインペラ形状を比速度毎に設計形状データベース化する場合の形状パラメーターの説明図となります。

かなり細かく形状を要素に分けて、すべての要素を比速度毎のパラメーターとしてデータを数式にまとめることを行っています。

次図は遠心ポンプのインペラ設計データベースからデフォルトの形状パラメーター値を読み込んで、それの値一覧とそれにより造られたインペラ断面形状を表示させたダイアログボックスです。

このような設計データベースをポンプであれば、遠心・斜流・軸流・スクリュウ・インデューサーと各々の型式ごとに手間と時間をかけて作り上げています。

ポンプだけではなく、ファン・ブロワ・コンプレッサーでも遠心・斜流・軸流・オープン羽根と型式ごとに設計データベースがあります。

<今日の流れ>

今日は年度末の設計成果提出と請求書作成、そして来年度の開発設計見積りを行っています。

「空飛ぶ車」関係の設計やそれ用の推進用2重反転プロペラの流体解析による性能確認作業も進めています。


電動・垂直離着陸・水平揚力飛行の「空飛ぶ車」の設計を開始しています

2018年03月27日 | 宇宙航空産業機械

電動のみを動力源として、垂直に離陸して垂直に着陸が出来て、水平巡航時には揚力で飛行する「空飛ぶ車」の設計を次のように開始しています。

垂直離着陸のためのこの機体の特徴は、2重反転プロペラを全部で8セット持ち、プロペラ数で言えば16枚ものプロペラで、強力な垂直離着陸用の推力を作り出している点です。

次図のように水平巡航時には2重反転プロペラが全て進行方向に向くので、その推力は強大となり高速で飛行可能です。

あまり速度が必要ない場合も2重反転プロペラは低回転でも効率が良くなり、省エネ飛行が可能です。

<今日の1日の流れを振り返る>

今週は年度末の週なので、弊社が請けている複数の開発プロジェクトでも今月末までに一通りのデータを出して、さらに請求書も出さなければならないので、いささか忙しい感じです。

今日は一つ全てのデータを出せた案件がありますので、今は少しホッとしています。

ただ来年度になる複数のプロジェクトの見積もり依頼も増えてきていますので、そこらの対応も並行して行っています。

そんな感じにより、インターステラテクノロジズ社向けのターボポンプの基本設計進捗が停滞していますが、近日中には体制が取り戻せそうで、専任の女性エンジニア2名も決まっています。

 


我社に於けるターボ機械設計の手順

2018年03月26日 | 流体機械設計

我社に於けるターボ機械設計の標準的な手順が次です。

1)ポンプ、ファン、ブロワ、コンプレッサー、タービンなどのターボ機械機種毎の比速度基準の設計データベースを作成

2)設計条件の流量、ヘッド、回転数などから基本設計計算で主要な流体値や代表寸法値を計算する

3)基本設計計算での比速度の値から最適な子午面形状を生成する

4)準3次元流れ計算法を3次元流線に適応するために子午面断面に最低5本以上の子午面流線を等流量線として生成して、それにほぼ直交する準直交線線群を生成する。

5)子午面断面流線と準直交線の交点に円筒座標θ方向への回転を与えて3次元羽根形状を生成するために、子午面流線上での流れ計算を基本設計のヘッドなどの計算値を基に行い、3次元流線上の全ての流線と純直交線での交点においての速度三角形、流れ角度、速度、圧力などを計算する。

6)ある3次元流線上の羽根形状が他の3次元流線上の羽根形状と滑らかにつながるように、全ての流線の滑らかバランスを計算で出しながらしかも展開角に入るように全ての3次元流線を形状が収束するまで繰り返えす。

7)これまでの計算で妥当な3次元羽根形状となったものをリアルタイム3次元表示で目視確認して変更が必要かどうかを判断する。

8)羽根形状が問題なければ3次元CADデータに羽根形状を出力して3次元CADでソリッド形状を作り上げて、それを流体性能解析計算に使って性能確認を行う。性能が予定よりも不足すれば過程2)ぐらいから全てをやり直す。

 


軸流単段衝動タービンの実験

2018年03月25日 | 流体機械設計

軸流単段衝動タービンの実験を行った時の写真です。

タービンに作用するガスは圧力が4Mpa(40気圧)ほどの高圧ガスであり、写真内の右側からタービン中心軸に入る配管がタービン入口配管となります。

タービン中心軸から入った高圧ガスは円錐形に広がりながら全周流入のノズル静翼を通ってタービン動翼を定格回転数毎分4万回転(40000rpm)にて回転させます。

タービン動翼が回転する動力は並行軸多段減速機にて減速されて、この実験の場合はタービン動力を吸収する発電機を回します。

タービン動翼を出たガスは排気ケーシング部で集まり、写真右下の斜め下に向かっている排気配管に入り次の装置に送られます。

この単段衝動タービンの実験結果は、断熱効率が70%ほどでしたので、まだ性能改善の余地があり、断熱効率80%ぐらいには羽根部設計の変更で上げられる可能性があります。

タービンに作用するガスはほとんど漏れることが許さなれかった危険ガスだったので、軸シールには気を使い、ダブルメカニカルシールとラビリンスシールの2重として漏れたガスは排気する構造に設計しました。

タービン主軸は細かったためメカニカルシールの周速限界内で使うことが出来ていたのですが、ダブルシールの抵抗は大きくなり、機械効率をかなり低下させていたと思われ、それも断熱効率の値が少し低かった原因になっていると思われます。

もう一つの効率が低い原因として考えられることは、タービン動翼にシュラウドが無く、ノズル静翼からの超音速流れガスが動翼外周の外を通っている割合が多いからだと流体解析シミュレーション結果でも捉えています。

それは、ノズル静翼から噴射されるガスは噴き出し方向が円周方向だと、それの軌跡を見れば動翼チップ方向にそのまま流れていることとなりますので、シュラウドがないとどうしても動翼外周隙間を羽根に作用せず流れるガスが多くなりますので、動翼にガスが作用せず効率が落ちます。

この静翼からの噴射ガスの方向をノズル設計時に少し円周方向よりも半径方向内向きに設計すると、シュラウドが無くてもガスが動翼に作用しやすくなるので効率が上がります。

効率は結局タービンの軸出力を決めますから、効率の低いタービンだと負荷が求める動力が出せなくなるので、予定効率となるように設計してそれを流体解析シミュレーション計算で確認しておくことは改良と実験の繰り返しを劇的に減らし有効です。

<今日の一日を振り返る>

今日は今後の会社の方針についていろいろと考えていました。

1)流体解析や構造解析などの解析のみを受注し易くする解析例の図や動画の資料作成、解析金額の目安提示と解析部ウエブページの改善 解析のみの受注を月に15ケースぐらいに増やす

2)ターボ機械開発設計の今後の受注状況の正確な推定 半年後までの各プロジェクト内容と受注金額の推定

3)空飛ぶ車設計の進展 一人乗り、電動、垂直離陸、水平揚力飛行、軽量構造、流体部高性能化、構造設計と解析の確立

4)ジェットエンジン設計の更なる進展 ロケットの補助などの実際に使われる可能性の高い最適な用途を決め、それに合ったジェットエンジン一式を設計

5)ロケットエンジン設計の確立 ターボポンプ、配管、燃焼器、ノズルなどロケットエンジン1式を設計と詳細な熱流体解析が出来る体制の確立 弊社独自の設計仕様による設計例の進行

6)ロケット機体設計と構造解析の確立 ロケット飛行時挙動の流体解析シミュレーションを利用した弊社得意な手法による把握と構造設計手法の学習、制御用の特性の計算、最終的な設計荷重と安全率の算出など

そんなことを考えていました。


土曜日の休日日記

2018年03月24日 | 日記

朝は9時に起きて、朝食後はいつもの土曜日のように部屋にこもり17インチノートPCと15インチノートPCの2台を使ってネット検索を午後3時まで行っていました。

最近のネット検索のお気に入りはYoutubeにあるキャンプ動画で、特に森の中の一人キャンプでの簡単だけど美味しそうな調理による食事風景です。

それら動画でのバックミュージックがなく、自然の周りの鳥の鳴き声、焚火の弾ける音、調理の音などがただ聴こえているのを記録したものが、そこにいるような臨場感があり心も落ち着く効果を自分に与えます。

ほとんどキャンプをしたことがないのですが、水力発電の調査で森の奥深くや渓流を探索したことは多くあり、その時のことを思い出すと渓流の音は好きであったし、森の奥の空気には癒しのようなものがあったことをYoutubeキャンプ動画を見ると思い出します。

ネット検索にも飽きたその後は眠くなり、昼寝というか夕寝に入り夕方6時に起きまして、夕食を食べて今となります。

起きてすぐに食事をするのは胃が起きていないのか食欲が低下気味です。

この後は自宅で独自に設計を進めているターボファンエンジンのファン部の設計変更作業に入る予定です。


MOMO2号機の飛行時機体周り流れ解析の結果図

2018年03月23日 | 宇宙航空産業機械

IST社MOMO2号機の飛行時の機体周り流れ解析シミュレーションの結果図です。

次は、音速に達している飛行状態での機体表面の圧力分布を色分布と等値線で見たもので、飛行時姿勢の下側が主に見えています。

次も飛行時のロケット機体ですが、上側の圧力分布が見えています。

次は、ロケット機軸断面での圧力分布を見たものです。

次はロケット機軸断面での速度分布を見たものです。

これらのロケット飛行時の流れ解析結果データから、機体の圧力中心、機体軸に対して揚力、抗力の値などを求めるデータ解析作業に入ります。

<今日の流れ>

午後は来客での打合せとなるので、午前中に資料の作成を行いますが、それ以外に流体解析計算にかけるノズルモデルを造ります。


インターステラテクノロジズ社MOMO2号機の最大動圧点MaxQでのロケット周り流れ解析を開始しました

2018年03月22日 | 宇宙航空産業機械

IST稲川社長に許可を頂き、インターステラテクノロジズ社の観測ロケットMOMO2号機の最大動圧点MaxQでのロケット周りの流れの様子を見る流体解析シミュレーション計算を次のような解析モデル条件で開始しました。

試験的な解析計算よりも外部流れ解析の空間領域を大きく取り、解析メッシュ数も倍以上として圧縮性の高マッハ数流れ解析としています。

ロケット機体周り流れ解析としての条件は、機体の速度は水平速度ベクトルと垂直速度ベクトルから求められる合成速度として、高度は高空の1万m以上、それの外気温度はマイナス55℃、大気圧は23000PaA程度とした外部の状態を初期条件として入れています。

ロケットの基準飛行経路に対する機体軸の迎え角は、今回のMaxQ地点がキックターン途中かグラビティターン途中のどちらか迷いましたが、キックターン途中でわずかに迎え角を1度程度持つとして機体の周りの流れ方向の初期状態を決めています。

ロケットのロケットエンジンノズルから噴射するガス速度は、今回秒速2100m程度として解析中で噴射させています。

これら条件を設定後に流体解析シミュレーションを開始して直後の解析モニタリング画面が次図です。

今回の解析モニタリング画面にあるように、機体に働くX,Y,Z方向の力を主に計算中に測定しており、これによる本来は揚力が0が望ましい機体軸と垂直方向の力がどのくらい発生してるのかや、それらを基にCP圧力中心位置の計算、重心位置とCPの位置関係、CPでの軸心と垂直方向の力、などを求めます。

これらがうまく計算結果で求まれば、次は角速度を持つ移動体としてこのロケット機体をスライディングメッシュで運動させた時間依存解析にて、遷音速飛行による機体前部のバフェッティングも様子を見れるかもしれません。

<今日の流れ>

今日は、午前中は複数の開発設計が最終にあるプロジェクトのまとめや細部の設計修正、不足部の計画設計などを行っていました。

午後は来客があり、午後3時過ぎに無事打ち合わせが終わりましたので、その後は眠くなりゆっくりとしていました。

弊社の終業定時である午後4時過ぎには帰宅して、5時過ぎに夕飯となり、その後少しまた眠くなりましたがロケット設計に関する興味が増し、色々と資料を見て今になります。