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雑感録

福岡なるほどフシギ発見~番外編~ 福岡と門司で『仙厓展』


もうずいぶん経っちゃったけど、去る10月7日は「博多の仙厓さん」こと聖福寺の第123・125代(江戸時代後期)住職・仙厓義梵の命日。
数日来のカゼを押して、マスクに咳止めを携えて近年恒例のイベント「仙厓さんと七日間」のフォーラムに行ってきたけんだけど、今年のフォーラムの内容は仙厓さんとは関係ないものだった(中世の博多の町づくりに関する話で、それはそれで面白かったんだけど)。

ところでこちらも仙厓さんの命日に因んでということでしょう、福岡市美術館と門司の出光美術館では『仙厓展』を開催中。
言うまでもないけど、それでも言うけど、仙さんといえば禅画。
なかでも僕が好きなのは(たぶん世間の人もだいたいそうだと思うけど)、いわゆる禅画禅画したものじゃなくて、筆数が少ないシンプルなもの。
ほとんどイラストといった感じの、女の子が「かわい~」と喜びそうなタッチで、シャレが効いてる。
町人や農民など庶民に分かりやすく禅の教えを表現したというから、庶民の僕にもとっつきやすいんだろう。
中には禅とぜんぜん関係なさそうなものもあったりする。

で、福岡市美術館と出光美術館の両方に行ってみると、けっこう同じ画題の作品があったりするんだけど、どちらかというと、出光美術館(出光コレクション)の方が出来がいいものが多いような気がする。
出光の創始者・出光佐三がいち早く仙厓さんの禅画蒐集を始めたからではないかと勝手に想像してるんだけど、実のところどうなんでしょう?
例えば
円相図」(福岡市美/石村C)-「一円相画賛」(出光C)
 出光Cの方がまん丸くて、いかにも“円”っぽい。
指月布袋図」(石村C)-「指月布袋画賛」(出光C)
 出光Cの方がかわいい。
などなど。
ほかに
犬図(リンク先いちばん下)」(福岡市美/石村C)-「狗子画賛」(出光C)
 共に「きゃいんきゃいん」とだけ賛が入った、木の杭につながれた犬の絵だけど、犬の向きが違う。
老人六歌仙図屏風」(福岡市美/川波寿氏寄贈)-「老人六歌仙画賛」(出光C)
 福岡市美のは6枚セットの屏風絵、出光Cのは1枚におさめてある。
など、同じ画題のものを見比べてみるのも面白いかも。
あと、個人的なオススメは、福岡市美術館の「博多図並賛」(東光院資料)、「沖の島図」(石村C)、「不二山図」(石村C)、出光美術館では有名な「○△□」、「坐禅蛙画賛」、「龍虎画賛」、賛に“画無法”の言葉が入った「布袋画賛」といったところかな。
ちなみに絵のタイトルは福岡市美術館が「~図」、出光美術館は「~画賛(絵と文)」となってるけど、別に意味合いは変わらない。
両館とも仙厓さんの絵を常時展示している訳ではないので、この機会にぜひ。
どちらも10月30日(日)までの開催です。
福岡人ならぜひとも知っておいてもらいたい仙厓さんの作品。
ネットでは以下のところで見れます。

聖福寺
http://www.shofukuji.or.jp/soshi/sengai.php(リンク先いちばん下に「三福神画賛」あり)
出光コレクション
福岡市美術館(石村コレクション・三宅コレクション)
九州大学文学部所蔵品


福岡市美術館
福岡市中央区大濠公園 1-6
電話092-714-6051
開館時間:9:30~17:30(入館17:00まで)、7・8月の月~土は9:30~19:30(入館19:00まで)
休館日:月曜(休日の場合は翌日)
入館料:常設展示室は200円(障害者は無料)、特別展は別料金
駐車場:あり

出光美術館(門司)
北九州市門司区東港町2-3
電話093-332-0251
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(休日の場合は翌日)
入館料:一般600円、高大生400円
駐車場:なし(正面の市営駐車場利用の場合は入館料の割引あり)


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