これオークションで聞いたことがないブランド名のM42標準レンズが出ていたんで落札してみたんですが、ドイツ製レンズだったみたいです。
ISCOTAR 50mm F2.8 | |||
レンズタイプ | 単焦点 | 開放F値 | F2.8 |
フォーカス | MF | たっちゃん評価 | ☆☆☆ |
レンズ構成 | 3群3枚 | 対応マウント | M42 |
絞り羽枚数 | 5枚 | フィルター径 | 49mm |
焦点距離 | 50mm | 最大径×長さ | 57 x 37実測 |
最短撮影距離 | 0.8m | 重量 | 167g実測 |
そんなに酷くはないですが、レンズ内にカビや汚れがあるので分解して掃除します。
たぶん後玉群の絞り羽直後のレンズにカビがあるので後玉から分解してみます。カニ目溝があるので、カニ目ラジペンで回して外します。この後玉群は1枚しかないってことになりますね。
お約束で絞り羽の向こう側のレンズもカビキラーで清掃しておきます。後押します玉群を組み戻します。前玉群の分解に入ります。まず、化粧リングをゴムで回して外します。
前玉群の外側がそのままヘリコイドになっている構造なので無限の調整は覚悟して小ネジ3本を外して前玉群を回して外します。フィルターブラケットを兼ねている距離リングが外れました。
絞り羽越しの掃除では取りきれていなかったカビや汚れを拭き取ると前玉群もすっきりしました。ここで組み戻して完了です。後から見ても綺麗になりました。距離リングの位置は一番短くなる位置が無限に近いはずなのでだいたい合わせて後は小ネジの跡が薄く残ってたのでそれに合わせて組みました。どうやらうまく行ったみたいです。
この突起はなんなのか、わかりません。LENS MADE IN GERMANYの文字がありますね。LENS の文字のしたにあるのはマニュアルーオートの切替用の突起です。
AとMの印です。50mm f2.8は例のテッサーと同じなのでドイツだし関連ありそうだからレンズ構成もきっと同じでしょう。ドイツ語なので書けない文字もありますがISCO-GöTTINGENと書かれてます。これがメーカー名ですね。Isco-Göttingen社はシュナイダー・クロイツナッハ社の子会社で親会社が高級レンズメーカーとすれば子会社のIsco-Göttingen社は中級以下の普及品レンズを主に造っていたようです。なんと両社とも現在も生産を続けている現役の会社みたいです。日本の時計メーカーも同じように普及品は違う会社名、ブランドで造ったりしてますが、それと同じような関係だったんですかねぇ。ISCO-GöTTINGENの創業は非常に古くて第2次世界大戦前の1936年で、当時のナチスドイツによってシュナイダー社から分社化されて、ドイツのゴッチンゲン市で生産を始めました。ISCOという社名はシュナイダーの創設者名も入った「Ioseph Schneider CO.」の頭文字をとって名づけられたとのことです。でも、この個体の造られたのはいつごろだったんでしょう?東西ドイツがベルリンの壁崩壊で統合された以後に造られたにしては古すぎるので、もしかしたら戦前のもの??でもM42マウントの開祖KW Praktiflex FX が造られたのが1947年ですから、やっぱり戦後、西ドイツのゴッチンゲン市で造られたのが妥当なところでしょう。年代はやはり不明です。SONY NEX-5にアダプターで取り付けて撮影してみました。
SONY NEX-5 絞り開放F/2.8 1/1250秒 ISO-200 ちょっとコントラストを上げてこんな感じです。テッサータイプにしてはキレキレな感じはあまりしないですねえ。でも悪くはないです。良い意味で少しやわらかいです。
SONY NEX-5 絞りF/8.6 1/250秒 ISO-200 比較的遠い景色にもピントは合いますから無限の調整はそこそこ合ってそうです。
SONY NEX-5 絞りF/8.6 1/80秒 ISO-200 必要十分な精細さは備えています。やっぱマニュアルフォーカスはピントを合わせるときに意味を探してる作業があるからいいですね。
SONY NEX-5 絞り開放F/2.8 1/2500秒 ISO-200